受発注・在庫のシステムに補助金は使えるか|デジタル化・AI導入補助金(締切は2026年10月30日と12月1日)と省力化投資補助金の分かれ目は『登録済みの製品か、自社専用に作るか』

受発注・在庫のシステムに使える補助金は、既製の製品を入れるか、自社専用に作るかで分かれます。デジタル化・AI導入補助金と省力化投資補助金(一般型・カタログ注文型)の対象、締切、契約の前に外せない決まりを、事務局の公募要領で確かめて整理しました。

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この記事の要点

  1. 受発注・在庫のシステムに使える補助金は、何を買うかで分かれる。事務局に登録された既製の製品を入れるなら「デジタル化・AI導入補助金」、現場に合わせて設計して作るなら「中小企業省力化投資補助金」の一般型、倉庫の機械を入れるなら同じ補助金のカタログ注文型。
  2. デジタル化・AI導入補助金の締切は2026年10月30日(6次)と12月1日(7次)。一般型の第8回は10月16日で、次の回は未定。どの制度も、交付決定より前の契約・発注は対象外。
  3. 採択も交付も審査で決まる。代金は先に自社で払い、一般型は賃上げと生産性の要件を達成できないと返還がある。補助金が出なくても成り立つ範囲を先に決めてから、申請の準備に入る。

何を買うかで、窓口が分かれる

分かれ目は、製品が事務局に登録済みか、自社専用に作るか

既製の製品を買う

デジタル化・AI導入補助金

  • 事務局に登録されたITツールだけが対象
  • IT導入支援事業者と共同で申請する

次の締切:2026年10月30日(6次)・12月1日(7次)

自社の現場に合わせて作る

省力化投資補助金(一般型)

  • 個別の現場に合わせて設計・開発した設備・システムが対象
  • パッケージソフトを単体で入れるだけの事業は対象外

次の締切:第8回は2026年10月16日。次の回は未定

倉庫の機械を入れる

省力化投資補助金(カタログ注文型)

  • カタログに登録された製品が対象
  • 自動倉庫・検品・仕分・デジタルピッキングなどのカテゴリがある

受付:随時公募(受付中)

出典:デジタル化・AI導入補助金 事業スケジュール、省力化投資補助金(一般型)スケジュール、カタログ注文型(2026年10月5日確認)

受発注・在庫のシステムに使える補助金はあります。ただし、1つの制度が受発注・在庫のシステムを丸ごと対象にしているわけではなく、何を買うかで当てはまる制度が分かれます。事務局に登録された既製の製品を入れるなら「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)、自社の現場に合わせて設計・開発するなら「中小企業省力化投資補助金の一般型」です。倉庫の機械を入れるなら、同じ省力化投資補助金のカタログ注文型があります(2026年10月5日に確認)。

分かれ目は、公式の文書にそのまま出ています。デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールの中から選んで申請する仕組みで、ITツール登録要領は、業務プロセスに影響を与えるような大幅なカスタマイズが必要なもの、スクラッチ開発を伴うもの、特定の顧客向けに限られたものを登録の対象外としています。一方、一般型の公募要領は、パッケージソフトなどのオーダーメイド性の無い設備・システムを単体で導入する事業を対象外としています。同じ受発注の仕組みでも、既製品として買うのか、自社用に作るのかで、窓口が入れ替わります。

締切は、デジタル化・AI導入補助金が2026年10月30日(6次)と12月1日(7次)、一般型の第8回が10月16日です。どの制度も、交付決定より前に契約・発注をした費用は対象になりません。採択も交付も審査で決まるので、この記事は「通る」「通らない」を断定せず、制度の対象と手順を整理します。

受発注・在庫の現状を整理して、どちらの制度の話になるかを一緒に見立てたい場合は、当社の受発注・在庫管理システムのページから相談できます。

受発注・在庫のシステムに使える補助金は、何を買うかで窓口が分かれる

3つの窓口の違いを、先に表で並べます。対象になるもの、補助率、上限、締切、申請の組み方が、それぞれ別です。

3つの窓口の比べ方(各事務局の公式ページと公募要領。括弧内は賃上げ要件を達成した場合などの上限)
比べる点デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)省力化投資補助金 一般型省力化投資補助金 カタログ注文型
対象になるもの事務局に登録されたITツール(ソフトウェア、役務など)個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築カタログに登録された製品
補助率通常枠は1/2以内。インボイス枠は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)。50万円を超える部分は2/3以内中小企業は1/2、小規模企業者・小規模事業者は2/31/2
補助の上限通常枠は450万円まで、インボイス枠は350万円まで従業員数ごと。6〜20人は1,500万円、21〜50人は3,000万円、51〜100人は5,000万円従業員数ごと。6〜20名は500万円(750万円)、21名以上は1,000万円(1,500万円)
次の締切6次は2026年10月30日、7次は12月1日(どちらも17:00)第8回は2026年10月16日(17:00)。第9回は未定随時公募
申請の組み方IT導入支援事業者と共同で申請する事業計画は申請者自身が作る販売事業者が申請をサポートする

デジタル化・AI導入補助金は、申請を事務局に出すのが、中小企業とIT導入支援事業者の共同事業体です。一般型は、事業計画を申請者自身で作ることを公募要領が求めています。カタログ注文型は、事務局のページが、販売事業者が申請をサポートする仕組みだと説明しています。表の上限と補助率は、各公式ページの表示です。

既製の製品を入れるなら:デジタル化・AI導入補助金(締切は10月30日と12月1日)

デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、補助率が1/2以内(条件を満たすと2/3以内)で、補助の対象はソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費です。受発注と在庫の機能は、どちらもITツールの業務プロセスとして区分されています。公募要領の別紙では、受発注は共P-02の「決済・債権債務・資金回収」に、在庫は共P-03の「供給・在庫・物流」に入っています。

受発注と在庫は、ITツールの業務プロセスに入っている

受発注は共P-02、在庫は共P-03。製品がどのプロセスの機能を持つかは、製品ごとに違う

共P-02

決済・債権債務・資金回収

  • 発注・仕入管理、買掛・支払管理
  • 受注・売上請求管理、売掛・回収管理
  • 採算管理(売上分析、粗利管理)

共P-03

供給・在庫・物流

  • 取引条件管理(取引先、納入条件)
  • ロケーション管理、入出庫管理、実地棚卸管理、検品受入
  • 在庫分析、在庫基準
  • 納品管理、配送計画、納品手続処理

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠) 別紙2(業種・プロセス一覧)(2026年10月5日確認)

通常枠の補助額は、ITツールが持つプロセスの数で決まります。1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。受発注(共P-02)と在庫(共P-03)の2つなら、4プロセスに届かないので、150万円未満の帯になります(当社の読み取り)。4プロセス以上にするには、顧客対応や会計など、ほかのプロセスもあわせ持つ製品を選ぶことになります。

デジタル化・AI導入補助金の補助額(ソフトウェア・導入関連費)

棒の長さは補助額の上限(通常枠は1プロセス以上で5万円以上)。補助率は通常枠が1/2以内、インボイス枠が3/4以内から2/3以内

通常枠 1プロセス以上150万未満
通常枠 4プロセス以上450万まで
インボイス枠 会計・受発注・決済のうち1機能50万まで
インボイス枠 同2機能以上350万まで

出典:通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)の公募要領(2026年10月5日確認)

インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した、会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つソフトウェアが対象です。公募要領によると、1機能なら補助額は50万円まで、2機能以上なら350万円までで、補助率は50万円以下の部分が3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分が2/3以内です。機能の名前に在庫が入っていないので、在庫の管理を主にする製品は、通常枠で考えることになります(製品が受発注の機能もあわせ持つかは、製品ごとに確かめます)。

対象になるハードウェアは、インボイス対応類型では、パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機(補助額10万円まで)と、レジ・券売機(20万円まで)に限られています。バーコードを読むハンディ端末は、確認できた範囲では、この一覧に挙がっていません。通常枠の補助対象経費には、ハードウェアが入っていません。

取引先に受発注のアカウントを無償で配るなら:電子取引類型

発注する側の事業者が、インボイス制度に対応した受発注ソフトを入れ、取引先(受注側の中小企業・小規模事業者等)にアカウントを無償で発行する場合の類型です(インボイス枠(電子取引類型)の公募要領)。補助の対象はクラウド利用費で、受注側に配るアカウントの割合を掛けた額になります。補助率は、中小企業・小規模事業者等が2/3以内、その他の事業者等が1/2以内、補助額は350万円までです。申請者が発注側であること、取引先のアカウントを管理簿などで管理することなどの条件があります。受発注の入口を取引先側に置きたい卸・メーカーで、取引先に使ってもらう前提のときに当てはまる類型です(当社の整理)。

申請できるのは、事務局に登録されたITツールだけです。事務局のITツール検索で、ツール名や、ITツールが持つ機能から、登録された製品を探せます。登録の対象外には、先に挙げたとおり、大幅なカスタマイズが必要なもの、スクラッチ開発を伴うもの、特定の顧客向けに限られたものが入っています。一方で、役務の登録要件には、導入設定、データの取り込み、カスタマイズ作業にかかる費用が挙がっています。登録済みの製品を設定する範囲の調整は役務として申請できる可能性がありますが、「大幅」の線引きは登録要領に書かれていないので、IT導入支援事業者に聞く必要があります。kintone など登録されたツールを使う場合の申請の流れは、当社の別の記事にもあります。

申請者の条件として、通常枠の公募要領は、中小企業の定義を業種ごとに置いています。卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5千万円以下または従業員50人以下、製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下です。ほかに、GビズIDプライムの取得、IPAのSECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言、労働生産性を1年後に3パーセント以上、年平均でも3パーセント以上向上させる計画が申請の要件です。

デジタル化・AI導入補助金の次の2回

通常枠とインボイス枠は同じ日程。7次の締切は事務局のスケジュールページに載っている

6次締切分

2026年10月30日(金)17:00

  • 交付決定:2026年12月10日(予定)
  • 実績報告の期限:2027年5月31日(予定)

7次締切分

2026年12月1日(火)17:00

  • 交付決定:2027年1月19日(予定)
  • 実績報告の期限:2027年7月30日(予定)

出典:デジタル化・AI導入補助金 事業スケジュール(2026年10月5日確認)

6次は、交付決定が2026年12月10日(予定)、実績報告の期限が2027年5月31日(予定)です。7次は、締切が12月1日、交付決定が2027年1月19日(予定)、実績報告の期限が2027年7月30日(予定)です。交付決定から実績報告の期限までは192日で、当社が数えると約6か月です。この間に、契約、納品・導入、支払いまでを終えます。登録済みの製品を設定して使う範囲なら収まりやすく、作り込みが大きくなるほど、この期間に収まりにくくなります(当社の整理)。

自社専用に作るなら:中小企業省力化投資補助金の一般型

一般型は、人手不足の解消に効果があるデジタル技術を使った、オーダーメイド性のある設備導入・システム構築を対象にしています。公募要領(第8回)は、デジタル技術を使った専用設備を、外部のシステムインテグレータとの連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用に設計された機械装置やシステムと定義しています。パッケージソフトを単体で入れる事業は対象外です。ただし、複数のパッケージを組み合わせてより高い省力化の効果を出す場合や、導入環境に応じて構成や機能が変わる場合は対象になる、とも書かれています。

補助率は、中小企業が1/2、小規模企業者・小規模事業者が2/3です。上限は従業員数で決まり、6〜20人は1,500万円、21〜50人は3,000万円、51〜100人は5,000万円です。大幅賃上げ特例を使うと、それぞれ2,000万円、4,000万円、6,500万円になります。

一般型の補助上限額(従業員数ごと)

補助率は中小企業で1/2、小規模企業者・小規模事業者は2/3

従業員6〜20人1,500万円
従業員21〜50人3,000万円
従業員51〜100人5,000万円

出典:一般型とは、公募要領(第8回公募)(2026年10月5日確認)

補助の上限が大きい代わりに、条件も重くなります。公募要領の基本要件は、労働生産性と給与と最低賃金の3つの伸びに加えて、従業員21名以上の会社には行動計画の公表を求めています。給与や最低賃金の要件が未達だと、補助金を返還します。

一般型の基本要件(第8回公募要領。大幅賃上げ特例・最低賃金引き上げ特例は別の要件)
項目公募要領に書かれていること
労働生産性事業計画期間で、年平均成長率を+4.0%以上にする
給与1人当たり給与支給総額の年平均成長率を+3.5%以上にする
最低賃金事業所内の最低賃金を、その都道府県の最低賃金+30円以上にする
行動計画従業員が21名以上の場合は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する
未達のとき給与の目標が未達なら達成率に応じて、最低賃金の要件が未達なら補助金額を計画年数で割った額を返還する。赤字などの場合は免除される

経費の決まりも、受発注・在庫のシステムを作るときに効いてきます。システム構築費は、積算根拠が分かる見積書と仕様書が要り、「システム開発一式」の見積は認められません。自社の人員で開発する人件費は計上できず、既に入れてあるシステムの改修は、新しく入れるシステムと連携するためのものを除いて対象外です。保守・メンテナンスの契約は、事業計画期間にわたって結ぶ必要があり、その費用は補助対象外です。見積りの取り方は、当社の開発費の記事に整理しています。

一般型の対象経費・対象外の一覧(公募要領から抜き出したもの)
一般型の対象経費と対象外(第8回公募要領)
項目公募要領に書かれていること
システムの構築専ら補助事業のために使う専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築が対象。機械装置・システム構築費は必須で、単価50万円以上(消費税を除く)の機械装置等が1つ以上要る
見積りシステム構築費は積算根拠が分かる見積書と仕様書が要る。「システム開発一式」の見積は認められない。1件あたり50万円以上(消費税を除く)は、同一条件で2者以上の見積りが原則
自社の人件費自社の人員で開発する場合の人件費は計上できない
既存システム既に導入されているシステムのバージョンアップ・改修費は対象外。新しく入れるシステムと連携するための改修は対象
有償で提供するシステム利用者に有償で提供するシステム・サービスの開発や改良を含む事業は対象外
保守発注先と、事業計画期間(3〜5年)の保守・メンテナンス契約を結ぶ。保守の費用は補助対象外
汎用の機器事務用のパソコン、タブレット端末など、汎用性があり目的外使用になり得るものは対象外
事前着手交付決定前に発生した経費は対象外。いかなる理由でも事前着手は認められない

公募要領は、申請を考える前に、カタログ注文型の製品カタログを確かめるよう求めています。カタログの製品は、すでに国が省力化効果を認めたものとされ、申請は一般型より簡単で早い、というのが公募要領の説明です。一般型の審査は、項目がカタログ注文型より多くなります。

一般型の第8回は、申請受付が2026年9月18日に始まり、締切は10月16日17:00、採択の発表は2027年2月上旬(予定)です。事務局は、応募から採択まで3か月程度かかると案内しています。第9回の時期は、事務局がまだ公表していません。

倉庫の機械を入れるなら:カタログ注文型の製品カテゴリを先に見る

カタログ注文型は、事務局のページによると、補助率が1/2で、上限は従業員数ごとに決まります。2026年3月19日以降の制度では、6〜20名が500万円(賃上げ要件を達成した場合は750万円)、21名以上が1,000万円(同1,500万円)です。受付は随時公募です。

在庫に近い製品カテゴリは、倉庫や店舗で使う機械・設備です。製品カタログの製品カテゴリ一覧(令和8年10月1日版)には、検品・仕分システム、自動倉庫、ピッキングカートシステム、デジタルピッキングシステム、電子棚札システムなどが挙がっています。受発注のソフトに当たるカテゴリは、この一覧の本文を検索して見つけられませんでした。

カタログ注文型の製品カテゴリのうち、倉庫・店舗の在庫に近いもの

ハードウェアを含む機械・設備のカテゴリ。受発注のソフトに当たるカテゴリは、一覧の本文では見つけられなかった

物流システム機器

検品・仕分システム/自動倉庫

  • 検品・仕分:検品と仕分が一体で完成するシステム
  • 自動倉庫:パレットやケースを自動で入出庫・保管する

物流システム機器

ピッキングカートシステム/デジタルピッキングシステム

  • デジタルピッキング:保管棚にデジタル表示器を付けた、ピッキング作業の支援システム
  • ピッキングカート:リアルタイムの指示に従い、ピッキングや検品を行う

店舗向け

電子棚札システム

  • 小売店舗の値札を、通信で書き換える小型表示機と制御部で構成する

出典:製品カタログ の製品カテゴリ一覧(令和8年10月1日版)(2026年10月5日確認)

受発注・在庫の作業を、省力化の時間として数える

一般型の審査は、省力化指数、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備の4つの観点で技術面を見ます。このうち2つは、時間で数える観点です。受発注・在庫のシステムを入れたときに減る作業を、時間にして書けるかどうかが、計画を書くときの出発点になります。

一般型の審査で、技術面として見られる観点

時間で数える観点が2つある。受発注・在庫の作業は、時間にして書く

観点 1

省力化指数

  • 削減される業務にいま要している時間から、導入後に発生する時間を引き、いまの時間で割る

観点 2

投資回収期間

  • 投資額 ÷(削減工数 × 年間稼働日数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)

観点 3

付加価値額

  • 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
  • 計画期間内に、基準年度より増える計画にする

観点 4

オーダーメイド設備

  • 個々の業務に応じて専用で設計された設備・システム
  • 汎用品も、環境に応じて構成が変わる場合などは対象

出典:公募要領(第8回公募) の定義、その他の要件、書面審査(2026年10月5日確認)

数える作業は、注文の転記、電話の確認、在庫の照会、出荷の指示、棚卸のように、いま人が手で行っているものです。入口ごとの件数に1件あたりの時間を掛けて、月の時間にします。導入後にも残る作業(例外の確認など)は、減らない時間として別に数えます。次の表は、数え方の一例で、当社の整理です。時間は、自社で測った実績で書きます。

受発注・在庫の作業を時間にする表(当社の整理。時間は自社で測った実績で書く)
数える作業数えるもの導入後に残る作業
注文の転記・入力(FAX・電話・メール・Web)入口ごとの月の件数 × 1件の入力時間確認が要る注文の対応
注文内容の電話確認・折り返し確認が要る件数 × 1件の時間例外の確認
在庫の照会・引当の確認照会の件数 × 1件の時間画面にない在庫の確認
出荷指示・ピッキングリストの作成出荷日ごとの作業時間出荷の確認
棚卸回数 × 人数 × 1回の時間差異の確認

公募要領は、事業計画を申請者自身で作ることを求めています。計画の作成を支援する人がいる場合は、申請画面にその名前と報酬の内容を書きます。書いていないことが分かると、不採択や採択の取消しになります。入口ごとの件数を数える手順は、当社のFAX・電話・Webの注文を同じ一覧で回す記事にもあります。

締切から逆算する:交付決定の前に契約すると対象外

締切までの日数は、確認日の2026年10月5日から数えると、一般型の第8回が11日後、デジタル化・AI導入補助金の6次が25日後、7次が57日後です。一般型は、事業計画の作成とGビズIDプライムの取得が要るので、第8回に間に合わせるのは難しく、第9回の公表を待つ形になります(当社の整理)。

締切までの日数(2026年10月5日から数えて)

一般型は、10月16日のあとの第9回の時期が未定

一般型 第8回の締切(2026年10月16日)11日後
デジタル化・AI導入補助金 6次の締切(2026年10月30日)25日後
デジタル化・AI導入補助金 7次の締切(2026年12月1日)57日後

出典:デジタル化・AI導入補助金 事業スケジュール、省力化投資補助金(一般型)スケジュール。日数は、確認日から各締切日までを当社が数えた(2026年10月5日確認)

どちらの制度でも、手順の順番が決まっています。交付決定のあとに契約・発注を行い、納品・導入と支払いを補助事業の実施期間内に済ませ、実績報告を出して補助額が確定します。デジタル化・AI導入補助金の公募要領は、交付決定前に契約・発注をしたITツールは補助対象にならない、と書いています。一般型の公募要領も、交付決定前に発生した経費は対象外で、事前着手はいかなる理由でも認められない、としています。

契約・発注は、交付決定のあと

申請 → 交付決定 → 契約・発注 → 導入・支払い → 実績報告 → 交付

1. 申請デジタル化・AI導入補助金は交付申請。一般型は応募申請、採択、交付申請の順
2. 交付決定事務局から通知される
3. 契約・発注交付決定の日以降に行う
4. 納品・導入・支払い補助事業の実施期間内に済ませる
5. 実績報告報告をもとに、補助額が確定する
6. 補助金の交付代金の支払いが先。補助金は報告のあと

交付決定の前に契約・発注・支払いをした費用は、どちらの制度でも対象外になる

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)、一般型の公募要領(第8回公募)、一般型の申請の流れ(2026年10月5日確認)

つまり、開発会社やベンダーと先に契約を結んでから補助金を探しても、その契約の費用は対象になりません。見積りを取るのは契約の前でよいので、見積りと比較は先に進め、契約は交付決定を待つ、という順番になります。一般型の公募要領も、交付申請の段階で、同じ条件の相見積りを取る手順を置いています。

どちらの制度から考えるか:製品に業務を合わせるか、業務に合わせて作るか

分かれ目は、作り込みの量です。製品が登録済みで、業務の手順を製品の標準の機能に合わせられるなら、デジタル化・AI導入補助金から考えます。取引先ごとの条件や自社の工程に合わせて大きく作り込むなら、一般型の対象になるかを公募要領で確かめます。

どちらの制度から考えるか

問いの立て方は当社の整理。登録の有無と機能は、製品ごとに確かめる

1

使いたい製品が、提供元の登録した「ITツール」として事務局に載っている

ITツール検索で、製品名と、登録されている機能を確かめる

2

取引先ごとの条件や自社の工程に合わせた、大きな作り込みは要らない

設定や小さな調整で足りるかを、IT導入支援事業者に確かめる

3

業務の手順を、製品の標準の機能に合わせられる

手順を変えられない部分が、作り込みの量を決める

3つとも当てはまるデジタル化・AI導入補助金から考える。7次の締切は2026年12月1日
当てはまらないものがある作り込みが要る部分は、一般型の対象になるかを公募要領で確かめる。賃上げと返還の条件も先に読む

根拠:ITツール登録要領(登録の対象外)、一般型の公募要領(補助対象外となる事業)(2026年10月5日確認)

作り方ごとに、当てはまりうる制度を並べると、次の表になります。公式の記載から当社が読み取ったもので、実際に対象になるかどうかは、事務局が判断します。買うか作るかの考え方そのものは、当社の買うか作るかの記事に整理しています。

作り方ごとの当てはまり(公式の記載から当社が整理。制度の適用は事務局が判断する)
作り方当てはまりうる制度(当社の読み取り)確かめること
登録済みのパッケージを、設定して使うデジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)ITツール検索で、登録の有無と持つ機能を見る
ノーコード・ローコードのツールで、自社の業務アプリを組むツール自体は共P-05(ビジネスアプリ作成ツール)。デジタル化・AI導入補助金(通常枠)アプリを組む費用が役務に入るか。受発注と在庫を、どのプロセスとして数えるか
パッケージに、自社独自の大きな機能を作り足す登録の対象外に近づく。一般型のオーダーメイドに近づく「大幅なカスタマイズ」がどこからかは、登録要領に書かれていない。IT導入支援事業者に聞く
一から作る(スクラッチ)デジタル化・AI導入補助金では登録の対象外。一般型で、省力化の計画と要件に合えば賃上げと生産性の要件、返還の条件、保守契約
自動倉庫・検品・仕分などの機械を入れるカタログ注文型製品カテゴリと、販売事業者

申請の前に確かめておくこと:代金は先払い、返還と保守は後から来る

  • 代金は、先に自社で払います。事業の実施(契約、納品・導入、支払い)を終えて、実績報告を出し、補助額が確定してから、補助金が交付されます。一般型の公募要領は、精算払いと書いています。
  • 一般型は、導入のあとも報告が続きます。事業計画の1年目が終わってから最初の4月から、5年間、毎年、効果を報告します(申請の流れ)。賃上げや生産性の要件が未達だと、返還の対象になります。
  • 一般型でシステム構築費を計上するときは、3〜5年の保守・メンテナンス契約を結びます。保守の内容(対象、期間、範囲、方法、費用、体制)は、よくあるご質問で、確定検査のときに確認する項目として挙げられています。
  • デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、補助金の申請や報告にかかる申請代行費は、補助対象外です。IT導入支援事業者への支払いは、原則として銀行振込かクレジットカード1回払いで、補助事業者の口座から払います。

補助金は、作る範囲を決める材料にはなりますが、範囲を決める理由にはなりません。補助金が出なくても成り立つ範囲を先に決めて、そのうえで、どの制度が使えるかを見るほうが、後から困る場面が少なくなります(当社の整理)。

この記事で確かめられなかったこと
  • 採択率。公式が公表する値は、この記事では確かめていないため書いていません。
  • 一般型の事業実施期間。第8回の公募要領は交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)と書いていますが、制度紹介ページには18か月(20か月)の表示があります。期間の数字は本文では使っていません。
  • 7次の公募要領。読んだのは2026年8月28日更新の通常枠の公募要領で、7次に向けて内容が更新される可能性があります。
  • 個別の受発注・在庫の製品が、ITツールとして登録されているか、どのプロセスの機能を持つか(ITツール検索で製品ごとに確かめる必要があります)。
  • 登録要領が対象外とする「大幅なカスタマイズ」の線引き。登録要領には、数値や例が見つかりませんでした。
  • カタログ注文型に、受発注のソフトに当たるカテゴリがあるか。製品カテゴリのPDF(令和8年10月1日版)の本文を検索して見つけられなかった、というところまでで、無いことの証明ではありません。
  • 一般型の第9回の時期。事務局は、詳細が確定したら更新する、としています。

受発注・在庫の現状の整理から、既製の製品を使うか自社用に作るかの見立てまで、Aurant Technologies の受発注・在庫管理システムのページから相談できます。受発注の入口が複数ある場合は、入口を1つの一覧にそろえる記事も参考になります。

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