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【導入事例】請求書・発注書のデータ取り込みをRPAで自動化。入力工数を約60%削減した某卸売企業の導入の裏側

請求書・発注書のデータを手入力で会計システムや在庫システムに転記しており、締め期に工数が集中していた某卸売企業。RPAを導入し、PDF・メールで受領する請求書・発注書のデータ取り込みを自動化。入力ミスの削減と工数約60%削減を実現しました。ご担当者様にお話を伺いました。

本事例は、実際の導入事例をもとに構成しています。企業様のご協力により、課題の実態、導入経緯、導入後の変化についてお聞きした内容をまとめています。RPA・請求・発注業務の効率化をご検討の際の参考にしていただければ幸いです。

請求・発注データの手入力が締め期のボトルネックに

導入前に抱えていた課題について教えてください。

請求書・発注書のデータを手入力で会計システムや在庫システムに転記しており、締め期に工数が集中していました。取引先からPDFやメールで届く書類を開き、金額・日付・品目などを目視で入力する作業が毎月の負荷になっており、入力ミスやダブルチェックに時間がかかり、本来の分析業務に割く時間が不足していました。

Before:導入前の課題まとめ

入力:請求・発注データの手入力が締め期に集中

リスク:入力ミス・ダブルチェックに工数

課題の具体例:PDF・メールからの転記とチェック工数

請求書は取引先ごとにフォーマットが異なり、発注書も同様に形式がばらついていました。その都度画面を切り替えて入力するため、転記ミスが発生すると後から発覚し、締め直しや再確認の工数がかかっていました。ダブルチェックを入れても、同じデータを二人で見るだけでは限界があり、締め期前は残業が増える状態が続いていました。

RPAで取り込み・転記を自動化

どのような形で導入されましたか?

RPAを導入し、PDF・メールで受領する請求書・発注書のデータ取り込みと、会計・在庫システムへの転記を自動化しました。フォーマットが比較的統一されている取引先から順にRPAの対象にし、読み取りルールと転記先のマッピングを定義。異常値や未読取の場合は人に振るようにし、ルールが明確な部分から段階的に範囲を広げ、運用で検証しながら拡大しています。

導入時には、受信ボックスやフォルダの整理、取引先別のフォーマット一覧を作成し、RPAで扱いやすい形に整備しました。

導入の流れと運用のポイント

運用開始後は、RPAがデータ取り込みと転記を実行し、担当者は例外レポートと突合チェックに集中する形にしました。フォーマット変更や新規取引先には、ルール追加とテストを経て順次対応。締め期の負荷が平準化し、入力作業に縛られていた時間を分析や業務改善に回せるようになっています。

処理 導入後の流れ
受信・取り込み PDF・メールからデータを自動取得、形式に応じて読み取り
転記 会計・在庫システムへ自動転記、マッピングルールで整合性確保
例外・チェック 未読取・異常時は担当者に通知、突合のみ人で実施

入力工数約60%削減とミス低減(Before/After)

導入後の効果を教えてください。

入力工数を約60%削減できました。転記の自動化により入力ミスも減り、ダブルチェックの範囲を例外に絞れるようになったため、締め期の負荷が軽減しました。削減した時間を在庫分析や取引先別の収益分析に回せるようになっています。

After:導入後の効果

工数:入力工数約60%削減

品質:入力ミス低減、締め期負荷の軽減

締め期の手入力が減り、その分を分析に回せるようになりました。

某卸売企業 経理担当者

今後の展望と導入を検討する方へ

今後は、請求書・発注書以外の書類(納品書・検収データなど)へのRPA適用や、読み取り精度向上のためのAI連携も検討しています。入力を自動化した分、分析や例外対応の質を高めていく方針です。

RPA・請求・発注業務の効率化を検討される場合は、まず「どの書類のどの項目を、どのシステムに転記しているか」を洗い出し、フォーマットが比較的安定している取引先や書類から自動化の対象にするとよいでしょう。例外時の振り分けルールを決めておくと、運用が安定します。

※本事例は実際の導入事例をもとに構成しています。企業名は匿名化し、表現を調整している部分があります。