Databricks の始め方:CSV を取り込み、SQL で集計してダッシュボードにする

Databricks の始め方を、架空の売上 CSV(360行)で試した手順で書きました。Shift_JIS の CSV は文字コードを指定しないとエラーにならずに文字化けします。カンマ付きの金額や半角括弧の列名の直し方も載せています。

この記事をシェア:
目次 クリックで開く

この記事の要点

  1. 手を動かす順番は、サインアップ、置き場所(スキーマとボリューム)を作る、CSV を置く、read_files で中身を確かめる、列名と型を直して表にする、SQL で集計する、ダッシュボードにする、の7つです。
  2. 文字コードが Shift_JIS の CSV を指定なしで読むと、エラーにならないまま列名まで文字化けしました。read_files に encoding => ‘SHIFT_JIS’ を付けると直りました。
  3. カンマ付きの金額(”4,160″)は文字列(STRING)として読まれたので、表にするときに replace と CAST で数に直しました。列名に半角の括弧を使った1列の表は、作るときにエラーになりました。

CSV からダッシュボードまでの7つの手順

1 サインアップFree Edition。SQL ウェアハウスは最初から1台ある
2 置き場所を作るスキーマとボリューム
3 CSV を置くボリュームにファイルのまま
4 read_files で確かめる列名・金額・日付の3つを見る
5 表にする列名を付け替え、金額を数に
6 SQL で集計SQL Editor
7 ダッシュボードグラフを置いて Publish

手を止めて見るのは4と5。Shift_JIS の CSV は文字コードを指定しないと、エラーにならずに文字化けする

順番は当社が試したもの。画面の項目名は、各手順で示す Databricks の公式ドキュメントによる

Databricks の公式の始め方のチュートリアルは、ニューヨーク州の赤ちゃんの名前のデータという英語の CSV を例にしていて、文字コードには触れていません(Tutorial: Import and visualize CSV data from a notebook)。この記事では、Shift_JIS の文字コード、”4,160″ のようなカンマ付きの金額、「売上金額(税込)」のような括弧入りの見出し、2026/09/01 の形の日付という、日本の会社の CSV を想定した形の架空データを入れたときに、どの手順で手を止めて何を見ればよいかを、実際に流した SQL と結果で書きます。

当社はデータ基盤の選定・構築を支援している会社です。今回は自分たちで Databricks Free Edition(無料版)を作って試しました。2026年10月13日から14日にかけて、架空の4店舗の売上データ(360行)を、Excel で書き出すことが多い形を想定した CSV にして、取り込みからダッシュボードまでを通しています。当社は画面のボタン操作ではなく、API と公式の Databricks CLI で同じ操作をしました。そのため、画面での操作は公式ドキュメント(英語版)の項目名で「公式の手順」として書き、SQL・エラー文・数字は「当社で試した結果」として分けて書きます。画面写真はありません。

始める前に:Free Edition に入れるのは架空のデータだけにする

Free Edition は期限なしで無料ですが、学習や非商用の目的のためのものです。Free trial との比較表には、Free Edition の利用条件として「Databricks reserves the right to train on your data」(入れたデータを Databricks が学習に使う権利がある)と書かれています(Databricks「Free trial vs Free Edition」)。Free Edition 用の利用規定(Acceptable Use Policy)も、機密の情報や個人情報を入れることを禁じています(Acceptable Use Policy for Databricks Free Edition)。会社の売上や顧客のデータは入れず、この記事のように、同じ列の形の架空データで試してください。会社として本物に近いデータで評価したいときは、商用の利用を前提にした Free trial(クレジットは14日間有効)を使います。Free Edition で確かめてよいことと、トライアルでないと確かめられないことの境目は、Databricks Free Edition で何が確かめられるかにまとめています。

この記事では、例を1つに固定します。架空商店の本店・駅前店・郊外店・オンラインの4店舗について、和菓子・洋菓子・飲料の3つの商品区分の売上を、2026年9月1日から30日まで1日1行ずつ並べた CSV です。4店舗×3区分×30日で360行、売上金額の合計は6,684,780円です。列は「日付」「店舗」「商品区分」「数量」「売上金額(税込)」の5つで、ファイルは次のような中身です。

架空の CSV の先頭4行(文字コード Shift_JIS、改行 CRLF)

日付,店舗,商品区分,数量,売上金額(税込)
2026/09/01,架空商店 本店,和菓子,13,"4,160"
2026/09/01,架空商店 本店,洋菓子,51,"22,950"
2026/09/01,架空商店 本店,飲料,114,"20,520"
同じ CSV を作る Python(360行・6,684,780円・16,836バイトになります)

当社が試したときの CSV と同じ乱数で、同じ中身のファイルを作ります。Python 3 で実行すると、同じフォルダに kakuu_uriage_sjis.csv ができます。この記事の集計結果と同じ数字が出るので、手元で試すときの答え合わせに使えます。

# 架空の4店舗の日次売上(2026/9/1〜9/30、360行)を、Excel で書き出した CSV を想定した形
# (Shift_JIS・改行CRLF・日付 yyyy/MM/dd・金額はカンマ付きで引用符つき)で作る。
# 当社が 2026-10-13 の検証で使った CSV と同じ乱数(mulberry32、seed 20261013)を Python に移したもの。
def make_rnd(seed):
    s = [seed & 0xFFFFFFFF]
    imul = lambda a, b: (a * b) & 0xFFFFFFFF
    def rnd():
        s[0] = (s[0] + 0x6D2B79F5) & 0xFFFFFFFF
        a = s[0]
        t = imul(a ^ (a >> 15), 1 | a)
        t = ((t + imul(t ^ (t >> 7), 61 | t)) & 0xFFFFFFFF) ^ t
        return ((t ^ (t >> 14)) & 0xFFFFFFFF) / 4294967296
    return rnd
rnd = make_rnd(20261013)
stores = ['架空商店 本店', '架空商店 駅前店', '架空商店 郊外店', '架空商店 オンライン']
cats = [('和菓子', 320), ('洋菓子', 450), ('飲料', 180)]
lines = ['日付,店舗,商品区分,数量,売上金額(税込)']
total = 0
for d in range(1, 31):
    for s in stores:
        for c, price in cats:
            q = 5 + int(rnd() * 116)
            total += q * price
            lines.append(f'2026/09/{d:02d},{s},{c},{q},"{q * price:,}"')
data = ('\r\n'.join(lines) + '\r\n').encode('cp932')
open('kakuu_uriage_sjis.csv', 'wb').write(data)
print(len(lines) - 1, '行', total, '円', len(data), 'バイト')

手順1:サインアップして、最初からあるものを確かめる

公式の手順:Free Edition のサインアップのページを開き、登録の方法を選ぶと、Databricks が新しいワークスペースを作ります。ワークスペースには、サーバーレスの計算資源と、Databricks 側の保存場所が最初から付いています(Databricks「Databricks Free Edition」)。ログインの方法は、メールのワンタイムパスワード、Google でのサインイン、Microsoft でのサインインの3つで、SSO は使えません(Free Edition limitations)。

当社で試した結果:作った直後のワークスペースには、SQL を動かすための SQL ウェアハウスが「Serverless Starter Warehouse」という名前で1台(サイズは 2X-Small、10分使わないと止まる設定)と、workspace と samples のカタログが入っていました。計算資源を自分で用意しなくても、手順2の SQL を流せます。

Free Edition の SQL ウェアハウスは1台・2X-Small までと公式の制限の表にあります。当社で Medium のウェアハウスを作ろうとすると、次のエラーで止まりました。最初からある1台をそのまま使えば足ります。

Cluster_size 'Medium' is not supported for this workspace. Only sizes smaller than or equal to '2X-Small' are allowed.

手順2:CSV の置き場所(スキーマとボリューム)を作る

Databricks では、表とボリュームに「カタログ.スキーマ.名前」の3段の名前が付きます。カタログが一番大きな入れ物で、その中のスキーマに表やボリュームを作ります。ボリュームはファイルをそのまま置く場所で、ファイルはボリュームの中に置きます。パスは /Volumes/カタログ/スキーマ/ボリューム の形です。Free Edition では workspace カタログと default スキーマを使えると、公式のチュートリアルに書かれています(Tutorial: Import and visualize CSV data from a notebook)。

公式の手順:サイドバーの Catalog を開き、カタログ(workspace)を選んで Create schema を押し、名前を入れて Create を押します(Create schemas)。ボリュームは、作ったスキーマを選んで Create → Volume を押し、名前を入れ、種類は managed(既定)のまま Create を押します(Work with files in Unity Catalog volumes)。default スキーマをそのまま使ってもよく、公式のチュートリアルはそうしています。

当社で試した結果:SQL で作りました。どちらも SUCCEEDED で、Free Edition の workspace カタログの中に、自分でスキーマを作れました。当社は試した表とファイルを demo というスキーマにまとめ、以降の SQL では表の名前を workspace.demo.〜 とカタログから書いています。

CREATE SCHEMA IF NOT EXISTS workspace.demo COMMENT '記事用の検証(架空データ)';
CREATE VOLUME IF NOT EXISTS workspace.demo.landing COMMENT 'CSVの置き場(架空データ)';

手順3:CSV をボリュームに置く

公式の手順:サイドバーの New → Add or upload data → Upload files to a volume を選び、Files の欄で browse を押すか、ファイルをドラッグします。Destination volume で手順2のボリュームを選びます。ボリュームが無ければ、ここで Create volume も押せます。Catalog(Catalog Explorer)からは Add data → Upload files to a volume でも置けます。画面から置けるのは1ファイル5GBまでです(Upload files to a Unity Catalog volume)。

ファイル名には気をつけます。公式には、ボリュームのパスに使えるのは英字・数字と、/ _ – のような記号だけと書かれています(Work with files in Unity Catalog volumes)。「売上_9月.csv」のような日本語のファイル名がどうなるかは、当社では試していません。当社のファイル名は英字にしました。

当社で試した結果:ファイルの API で、/Volumes/workspace/demo/landing/kakuu_uriage_sjis.csv に置きました(16,836バイト)。ここで置いたのはファイルそのままで、まだ表にはなっていません。中身がどう読まれるかは、次の手順4で初めて分かります。画面には CSV から直接表を作る Create or modify a table という入口もあり、こちらは手順5の最後で書きます。

手順4:表にする前に、read_files で列名・金額・日付を確かめる

read_files は、ボリュームのファイルを表のように読んで結果を返す SQL の関数です(read_files table-valued function)。SELECT で読むだけなので、何も作りません。表にする前にここで3つを見ておくと、文字化けした列名や文字列のままの金額を、表に持ち込まずに済みます。見るのは、列名が読めるか、金額が数になっているか、日付が日付になっているか、です。

文字コードを指定せずに読むと、エラーにならずに文字化けした

当社で試した結果:まず、文字コードを指定せずに読みました。

SELECT * FROM read_files('/Volumes/workspace/demo/landing/kakuu_uriage_sjis.csv', format => 'csv', header => true) LIMIT 3

状態は SUCCEEDED で、エラーは出ませんでした。返ってきた列名と型、1行目は次のとおりです。

列名と型:
  ���t:DATE / �X��:STRING / ���i�敪:STRING / ����:INT / ������z�i�ō��j:STRING / _rescued_data:STRING
1行目(店舗と商品区分も化けていた。表示が崩れるため、ここでは文字を省く):
  2026-09-01 | (化けた店舗名) | (化けた商品区分) | 13 | 4,160 | null

列名も店舗名も読めないのに、日付は DATE、数量は INT と型まで付いていて、件数だけ見ていると動いているように見えます。CSV の読み取りの文字コードは、指定しなければ UTF-8 です(Databricks のオプション一覧の encoding の既定値)。Shift_JIS のファイルを UTF-8 として読んだので、日本語の部分だけが化けました。

encoding => ‘SHIFT_JIS’ を付けると直った

SELECT * FROM read_files('/Volumes/workspace/demo/landing/kakuu_uriage_sjis.csv', format => 'csv', header => true, encoding => 'SHIFT_JIS') LIMIT 3
列名と型:
  日付:DATE / 店舗:STRING / 商品区分:STRING / 数量:INT / 売上金額(税込):STRING / _rescued_data:STRING
1行目:
  2026-09-01 | 架空商店 本店 | 和菓子 | 13 | 4,160 | null

encoding => 'MS932' でも、列名と先頭3行は同じ結果になりました。

金額は文字列、日付は日付として読まれた

文字化けを直しても、まだ見るものが2つあります。1つ目は金額です。「売上金額(税込)」は "4,160" のようにカンマ付きで書かれているため、STRING(文字列の型)として読まれました。金額として足したり平均したりするには数の型が要るので、手順5で数に直します。

2つ目は日付です。2026/09/01 の形の日付は DATE と推定され、2026-09-01 として読まれました。公式のオプション一覧では、日付の書き方を決める dateFormat の既定は yyyy-MM-dd ですが、この CSV のスラッシュ区切りは型の推定で日付になりました。2026/9/1 のように月日を0で埋めない形、令和の和暦、「9/1」のような書き方は試していません。日付の列が STRING で出てきたら、それに気づけるのもこの段階で、書き方を指定できる dateFormat というオプションがあります(当社は使っていません)。

最後の _rescued_data は、決めた型に合わなかった値を逃がしておく列で、既定で付きます(read_files)。今回の先頭3行では null でした。

表にする前に read_files で見る3つ

1

列名が読めるか

この CSV:指定なしでは ���t のように化けた(エラーは出ない)

直し方:encoding => ‘SHIFT_JIS’ を付ける

2

金額が数になっているか

この CSV:“4,160” は STRING と読まれた

直し方:手順5で replace と CAST

3

日付が日付になっているか

この CSV:2026/09/01 は DATE と推定された

直し方:今回は不要。STRING なら dateFormat を検討

当社で試した結果(架空データ)

手順5:列名と型を直して、表にする

当社で試した結果:まず、文字コードだけを指定して、CSV をそのまま表(uriage_raw)にしました。SUCCEEDED で、日本語の列名(全角の括弧が入った「売上金額(税込)」を含む)のままでも、SQL からは表を作れました。

CREATE OR REPLACE TABLE workspace.demo.uriage_raw AS SELECT * FROM read_files('/Volumes/workspace/demo/landing/kakuu_uriage_sjis.csv', format => 'csv', header => true, encoding => 'SHIFT_JIS')

半角の括弧の列名で試すと、表を作るところで止まった

この CSV の見出しは全角の括弧ですが、Excel の見出しが「売上金額(税込)」のように半角の括弧で書かれていることもあります。そこで、列名に半角の括弧を使った1列だけの表を別に作って試すと、次のエラーになりました。

CREATE OR REPLACE TABLE workspace.demo.t_paren AS SELECT 1 AS `売上金額(税込)`
[DELTA_INVALID_CHARACTERS_IN_COLUMN_NAMES] Found invalid character(s) among ' ,;{}()\n\t=' in the column names of your schema.
Invalid column names: 売上金額(税込).
Please use other characters and try again.
Alternatively, enable Column Mapping to keep using these characters.

エラー文が挙げている使えない文字は、半角のスペース、カンマ、セミコロン、波括弧、丸括弧、改行、タブ、イコールです。「売上 金額」のように見出しに半角のスペースが入っている場合も、この一覧に当たります。直し方は3つあります。列名を英字などに付け替える、全角の括弧にする(今回の CSV の「売上金額(税込)」は通りました)、エラー文が示す Column Mapping を有効にする、です。

Column Mapping は表の設定('delta.columnMapping.mode' = 'name')で、有効にするとスペースや括弧を列名に使えるようになります。ただし、その表を読むには Databricks Runtime 10.4 LTS 以上が要るなどの条件があります(Rename and drop columns with Delta Lake column mapping)。当社は Column Mapping を試さず、列名を英字に付け替えました(次の SQL)。

列名の書き方と、表を作ったときの結果

半角の括弧

売上金額(税込)

  • 表を作るところでエラーになり、止まった
  • 半角スペースも同じ一覧に入っている

全角の括弧

売上金額(税込)

  • そのまま表を作れた(uriage_raw)
  • SQL ではバッククォートで囲んで書いた

英字に付け替え

amount_incl_tax など

  • 表を作れた(uriage)
  • 当社はこちらにした

当社で試した結果(架空データ)。止まる文字の一覧はエラー文の原文による

金額のカンマを消して数に直し、英字の列名で表にする

次の SQL で、uriage_raw から集計に使う表 uriage を作りました。replace で金額のカンマを消し、CAST で整数(INT)に直しています。列名はここで英字に付け替えました。今回の SQL では、日本語の列名を毎回バッククォート(`)で囲んで書いていました。英字の列名なら、この後の集計の SQL のように囲まずに書けます(読みやすいように改行と字下げだけ入れています)。

CREATE OR REPLACE TABLE workspace.demo.uriage COMMENT '架空商店の日次売上(架空データ)' AS
SELECT `日付` AS sales_date,
       `店舗` AS store,
       `商品区分` AS category,
       `数量` AS qty,
       CAST(replace(`売上金額(税込)`, ',', '') AS INT) AS amount_incl_tax
FROM workspace.demo.uriage_raw

表ができたら、次の SQL で4つを確かめます。行数が CSV と同じか、金額の合計が元の CSV の合計と同じか、金額が空(NULL)の行が無いか、日付の範囲が合っているか、です。

SELECT count(*) n, sum(amount_incl_tax) total, count_if(amount_incl_tax IS NULL) nulls, min(sales_date), max(sales_date)
FROM workspace.demo.uriage
-- 結果:360 | 6684780 | 0 | 2026-09-01 | 2026-09-30

360行、合計6,684,780円、NULL は0件、日付は9月1日から30日までで、元の CSV と一致しました。

画面の「Create or modify a table」から入れる場合

公式の手順:New → Add or upload data → Create or modify a table を選び、browse かドラッグでファイルを入れます。計算資源を選ぶと50行のプレビューが出るので、カタログとスキーマ、表の名前を決めて Create を押します。一度に10ファイル、合計2GB未満までです。CSV の設定として公式に並んでいるのは、First row contains the header、Column delimiter、Automatically detect column types、Rows span multiple lines、Merge the schema across multiple files の5つで、文字コードの項目はありません。列名はこの画面で付け替えられます。列名について公式には、カンマ、バックスラッシュ、Unicode の文字(例として絵文字)は使えないと書かれ、特殊な文字の列名は Column Mapping で扱うともあります(Create or modify a table using file upload)。

当社はこの画面を試していないので、Shift_JIS の CSV がプレビューでどう見えるかも、日本語の列名がこの画面で通るかも分かりません。SQL から日本語の列名の表を作れたことは、上の uriage_raw のとおりです。この入口を使うときも、表を作る前にプレビューで、列名が読めるか、金額と日付の型が何になっているかの3つを見てください。Excel には、UTF-8 で保存する「CSV UTF-8 (コンマ区切り)(*.csv)」というファイルの種類もあります(Microsoft サポート「ブックを CSV ファイルとして保存する」)。保存し直してから入れる方法もありますが、これも当社では試していません。

手順6:SQL Editor で集計する

公式の手順:サイドバーの SQL Editor を開き(Write queries and explore data in the SQL editor)、+ → Create new query で新しいクエリを作ります。上のドロップダウンで SQL ウェアハウスを選び(Write queries)、SQL を書いて Run (1000) を押すか、Ctrl + Enter(Mac は Cmd + Enter)で実行します。既定では Limit 1000 と Run all statements が選ばれていて、結果は1,000行までです。1つのタブに複数の SQL を書くときは、それぞれの終わりにセミコロンを付けます(Run queries)。

当社で試した結果:店舗ごとの売上の合計を、多い順に出しました。

SELECT store, sum(amount_incl_tax) FROM workspace.demo.uriage GROUP BY store ORDER BY 2 DESC
-- 結果:
-- 架空商店 郊外店      1714640
-- 架空商店 オンライン  1686230
-- 架空商店 本店        1662290
-- 架空商店 駅前店      1621620

店舗別の売上合計(架空データ・2026年9月)

郊外店1,714,640円
オンライン1,686,230円
本店1,662,290円
駅前店1,621,620円

当社で SQL ウェアハウスに流した結果(架空データ)

4店舗を足すと6,684,780円で、手順5で確かめた合計と同じです。商品区分で絞るときは WHERE を足します。和菓子だけにすると、オンライン630,080円、郊外店579,200円、本店552,320円、駅前店495,360円の順でした。

SELECT store, sum(amount_incl_tax) FROM workspace.demo.uriage WHERE category='和菓子' GROUP BY store ORDER BY 2 DESC

この CSV は2026年9月の分だけなので、月の条件は付けていません。何か月分・何年分も入った表で「9月」を絞るときは、年も条件に入れます。当社で Genie(日本語で質問すると SQL を書いて答える機能)に「9月の店舗別の売上合計を、多い順に教えてください」と聞いたときは、年を見ない MONTH(sales_date) = 9 という条件の SQL が書かれました。Genie の答えと書かれた SQL は、Free Edition で試した記事に載せています。

手順7:ダッシュボードにする

公式の手順:サイドバーの New → Dashboard で新しいダッシュボードを作ります。Data タブで Add SQL dataset を押し、SQL を貼って Run を押すと、グラフの元になるデータセットができます。ページのタブ(最初は Untitled page)で Add a visualization を押してグラフの枠を置き、Visualization で Bar などの種類を、X-axis と Y-axis で列と集計のしかたを選びます。できたら右上の Publish を押し、Share with data permissions (default) を選んで公開し、Sharing で見せる相手を足します(Create a dashboard)。

ダッシュボードを作る公式の手順

1

データセットを作る

  • New → Dashboard
  • Data タブ → Add SQL dataset
  • SQL を貼って Run

2

グラフを置く

  • Add a visualization
  • Visualization で Bar など
  • X-axis・Y-axis で列と集計

3

公開する

  • Publish
  • Share with data permissions (default)
  • Sharing で見せる相手を足す

出典:Databricks「Create a dashboard」

当社で試した結果:ダッシュボードは API で作り、続けて公開しました。データセットは次の SQL の1本だけにしました。

SELECT sales_date, store, category, qty, amount_incl_tax FROM workspace.demo.uriage

このデータセットから、グラフを2つ作りました。1つは横軸を店舗、縦軸を売上の合計、色を商品区分にした棒グラフ、もう1つは横軸を日付、縦軸を売上の合計にした折れ線グラフです。データセットでは集計せず、表の行をそのまま渡して、合計(SUM)はグラフの側で取る設定にしました。こうすると、店舗別と日別のように切り口の違うグラフを、同じ1本のデータセットから作れます。当社は API で作ったので、公開後の画面の見た目は確かめていません。

うまくいかないときは、症状から引く

当社が試した中で出た症状と、公式の説明から分かる症状を、見えたものから引けるように並べます。「当社で確認」の印が無い行は、公式の説明か当社の推測によるもので、当社では起きていません。

症状から引く(Free Edition、2026年10月時点)
見えたもの原因直し方
列名や店舗名が「���t」のように化ける。エラーは出ない(当社で確認)CSV が Shift_JIS で、読み取りの既定が UTF-8read_files に encoding => ‘SHIFT_JIS’ を付ける(’MS932′ でも列名と先頭3行は同じ結果)
金額の列が STRING になる(当社で確認)金額が “4,160” のようにカンマ付き表にするときに CAST(replace(列, ‘,’, ”) AS INT)
[DELTA_INVALID_CHARACTERS_IN_COLUMN_NAMES] で止まる(当社で確認)列名に半角の括弧・スペース・カンマなど列名を英字に付け替える、全角にする、Column Mapping を有効にする
日付の列が STRING になる(当社の推測)日付の書き方が型の推定に合わない形(2026/09/01 は DATE になった。他の形は試していない)dateFormat で書き方を指定できる(当社は未使用)
Medium などのウェアハウスが作れない(当社で確認)Free Edition の SQL ウェアハウスは1台・2X-Small まで最初からある Serverless Starter Warehouse を使う
計算資源がその日の残り使えなくなるFree Edition の利用枠を超えた(極端な場合は月の残り)。データと設定は消えない枠が戻るのを待つ(Free Edition limitations)

この手順では分からないこと

この手順で扱ったのは、2X-Small のウェアハウス1台と360行の架空データです。本番のデータ量での動きや、会社で使うときの費用は、この手順では分かりません。Free Edition のアカウントのまま有料版にはできず、有料版を使うには Free trial で新しいアカウントを作ります(Free Edition limitations)。トライアルで確かめるべきことは Free Edition の記事に分けて書いています。

この記事で触れたカタログ、ボリューム、SQL ウェアハウス、ダッシュボードが、Databricks の機能全体のどこに当たるかは、Databricks の機能を5つの段で整理した記事で見られます。同じ表を使って、日本語で質問する Genie、直した行の前の版を取り出す履歴、ノートブックをジョブにして手動で1回動かした結果は、使い方の例の記事にあります。

次にやること:自社の CSV と同じ形の架空データで、手順4まで試す

自社で Excel から書き出している CSV を1つ選び、見出しの名前、金額の書き方、日付の書き方だけを同じにした架空の CSV を作ってください。それを Free Edition のボリュームに置き、手順4の read_files で、列名・金額・日付の3つがどう読まれるかを見るところまで進めます。本物のデータを入れずに、自社の CSV の形でどこが止まるかが先に分かります。

本番のデータ基盤では、この記事の手順4と5で直したこと(文字コード、列名、金額や日付の型)を、取り込むたびに同じ決まりで通す仕組みにします。その決まりの設計から一緒に進めたいときは、当社のデータ基盤とBIの支援をご覧ください。

画面の項目名と Free Edition の制限は、2026年10月13日〜14日に docs.databricks.com(AWS 版の英語のドキュメント)で確かめたものです。SQL・エラー文・数字は、当社が 2026年10月13日から14日にかけて Free Edition で架空データを使って試した記録です。

データ分析・データ基盤支援

Snowflake・BigQuery・Treasure Dataといったデータ基盤の選定から、基幹・SaaS・広告・POSに散らばったデータの集約、dbtでの指標統一、Lookerなどでのダッシュボード化までを支援します。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

この記事が役に立ったらシェア:

データ基盤・データ分析の資料

「BIツール選定チェックリスト&4社比較」

データ分析・データ基盤支援の内容を見る