Microsoft 365・Google Workspaceの導入と移行を外に頼むといくらか|販売代理店・導入支援・スポット相談で、頼める作業の範囲が違う
Microsoft 365・Google Workspaceの導入と移行を外に頼む費用は、ライセンス・外に頼む作業・社内の手間に分かれ、作業の費用は見積もりで決まります。販売代理店・導入支援の会社・スポット相談・社内で頼める作業の範囲、見積もりが変わる要素と確かめる質問、販売代理店から買う場合と直販の違いと代理店の変え方、導入後に残す記録を、公式情報をもとに整理しました。
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この記事の要点
- 費用は、ライセンス、外に頼む作業、社内の手間に分かれる。ライセンスは人数と単価で出せるが、作業の費用は公的な調査や公開データで目安を確かめられず、見積もりで決まる。
- 販売代理店はライセンスの販売と請求、導入支援の会社は設計・設定・移行、スポットの相談は判断の確認(作業は社内)。見積もりを動かすのは、人数、移すデータの量と形式、つなぐ仕組み、端末、権限の設計、切り替え方。
- 販売店から買うと、請求と問い合わせの窓口が販売店になる。販売店は後から変えられる(Google は年払いで前払いした契約なら更新日まで待つ)。導入後は、管理者のアカウント、契約、DNS、設定と移行の記録を社内に残す。
頼み先ごとの、頼める作業の範囲
作業ごとに頼み先を分けてもよい。ライセンスの買う先と、作業の頼み先は別々に選べる
販売代理店
ライセンスを売り、請求と契約を受け持つ
- ライセンスの販売と請求、人数やプランの変更
- アカウント・ドメインの設定・支払いの問い合わせ(Google の案内)
- 初期設定や移行の手伝いが付くかは販売店ごとに違う
見積もりでは:代金に含む手伝いと、別の料金の作業を分けてもらう
導入支援の会社
設計・設定・移行を作業として受ける
- アカウント・グループ・共有の範囲の設計
- メールとファイルの移行、切り替えの日の作業
- 端末の設定、使う人への説明
費用を動かすもの:人数、移す量と形式、つなぐ仕組み、端末、権限の設計
スポットの相談
判断と手順を確かめ、作業は社内で行う
- 移し方と切り替えの段取りの確認
- 設定の見直し、不具合の切り分け
- 決めた手順で、社内の担当者が作業する
前提:社内に、管理画面を操作する人と時間がある
社内で行う
公式のガイドとサポートで進める
- Google の規模別の設定ガイド、Microsoft のセットアップ ウィザード
- 公式の移行の道具
- 契約に含まれるサポート
前提:管理者を複数置き、作業の時間を取る
どの頼み先でも、作業の費用は、頼む範囲と作業の量で見積もられる
出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google と販売パートナー間でサブスクリプションを移行する」「Google 販売パートナーへのお問い合わせ」「組織の Google Workspace を設定する」、Microsoft Learn「Microsoft 認定ソリューション プロバイダー パートナーの関係を管理する」「Microsoft 365 for business のセットアップを計画」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
Microsoft 365 か Google Workspace を入れたり、今のメールやファイルから移したりする費用は、ライセンスの費用、外に頼む作業の費用、社内の担当者の手間の三つに分かれます。ライセンスの費用は、使う人の数に、Microsoft と Google の公式の料金ページにある1人1か月あたりの単価(販売店から買うなら販売店の見積もりの単価)と月数を掛けて出せます。これに対して、作業の費用の目安を示す公的な調査や公開データは、当社が探した範囲では見つかりませんでした。作業の費用は、何をどこまで頼むかと、人数、移すメールとファイルの量と形式、ほかの仕組みとのつなぎ、端末の管理、権限の設計、切り替え方で決まり、見積もりを取るまで分かりません。
頼み先によって、頼める作業の範囲が違います。販売代理店はライセンスを売って請求と契約を受け持ち、Google は、販売店から買った会社はアカウントとアクセス、ドメインの設定、支払いについて販売店に問い合わせられると案内しています(Google Workspace 管理者ヘルプ「Google 販売パートナーへのお問い合わせ」)。設計・設定・移行は、導入支援の会社に作業として頼めます。作業は社内で行い、判断に迷う所だけを確かめるならスポットの相談、すべてを社内で行うなら公式の設定ガイドと契約に含まれるサポートを使います。
この記事では、導入と移行で発生する作業、頼み先ごとの範囲、公開の料金を読むときにそろえる欄、見積もりが変わる要素、販売代理店から買う場合と直接買う場合の違いと販売代理店の変え方、見積もりの前に揃えるものと見積もりで確かめる質問、導入後に社内に残す記録を、Microsoft と Google の公式の情報(2026年9月30日に確認)と国の補助金の公募要領をもとに書きます。作業の相場の金額と、ライセンスの価格の数字は載せていません。書き手の Aurant Technologies は Microsoft と Google のどちらの販売代理店でもなく、特定の頼み先を勧める立場をとらずに書いています。
導入と移行で発生する作業
外に頼む範囲を決める前に、発生する作業を並べます。契約から切り替えのあとの問い合わせまで、おおむね次の順に進みます。
導入と移行で発生する作業
おおむね左上から順に進む。外に頼むかどうかは、作業ごとに決められる
契約
何を、どこから買うか
- プランと人数
- 買う先(直接か販売店か)
- 1年契約か月単位か
ドメインと DNS
ドメインをつなぐ
- ドメインの所有の確認
- DNS のレコードの追加
- DNS を管理する会社との段取り
アカウントと権限
人とグループを作る
- 使う人と共有アドレス
- グループと共有の範囲
- 管理者の役割
メールの移行
過去のメールを移す
- サーバーやパソコンからのコピー
- MX の切り替えと差分のコピー
- 移らないものの扱い
ファイルの移行
置き場を移す
- ファイルサーバー・個人のドライブ
- フォルダごとの見られる人
- 移したあとの置き場の決まり
端末
端末をそろえる
- パソコンとスマートフォンにアプリを入れる
- 会社の端末として登録するか
- Office の入れ替え
サインインの守り
アカウントを守る
- 2段階認証(多要素認証)
- 管理者のアカウントの守り
- 社外との共有の範囲
説明と問い合わせ
使い始めてもらう
- 使う人への説明
- 切り替え後の問い合わせの窓口
- 設定の記録
当社の整理。項目は、Microsoft Learn「Microsoft 365 for business のセットアップを計画」、Google Workspace 管理者ヘルプ「中規模企業向けクイック スタートガイド」(2026年9月30日確認)の手順をもとにしている
契約では、プランと人数、買う先、1年契約か月単位かを決めます。会社のドメイン(メールアドレスの@より後ろ)を使うには、そのドメインを持っていることを確かめる手続きと、DNS へのレコードの追加が要ります。Microsoft は、セットアップ ウィザードを始める前に、追加するユーザーの一覧と、ドメインを登録している会社のサインイン情報を手元に用意するよう案内しています(Microsoft Learn「Microsoft 365 for business のセットアップを計画」)。DNS を制作会社などの社外の会社が管理している場合は、その会社の作業日も段取りに入ります。
アカウントは1人ずつ作るほか、表計算のファイルを読み込ませて一括で作れます。Google の10〜300人向けのクイック スタートガイドは、少人数で試したあとに共有とセキュリティの設定を決めてから組織全体に広げる流れを示し、メール・カレンダー・連絡先の移行を、2段階認証などの設定より後の手順に置いています(Google Workspace 管理者ヘルプ「中規模企業向けクイック スタートガイド」)。誰がどのファイルを見られるかをグループで束ねる設計と、2段階認証(多要素認証)の決まりをファイルを移す前に決めておくと、移したあとに共有の設定をやり直さずに済みます。
メールとファイルの移行は、移し元と人数によって、使える公式の道具と作業の量が変わります(「作業の費用が変わる要素と、数えるもの」の節で扱います)。レンタルサーバーのメールを移す段取りは「会社のメールをレンタルサーバーからGoogle Workspace・Microsoft 365へ移す」で、パッケージ版のサイボウズ Office から移す場合は「パッケージ版 サイボウズ Office の継続ライセンス販売は2026年9月30日まで」で書いています。
端末では、パソコンとスマートフォンにアプリを入れ、会社の端末として登録して管理するかを決めます。買い切りの Office から Microsoft 365 のアプリに入れ替える作業は、「Office 2021のサポート終了(2026年10月13日)で、会社のパソコンをどうするか」で扱っています。使う人への説明は、Google Workspace ラーニング センターやMicrosoft 365 のヘルプとラーニングといった公式の教材で足りるか、社内向けの説明会と手順書を用意するかで作業が変わります。切り替えの直後に集まる使う人からの問い合わせを、社内・販売店・導入支援の会社のどこが受けるかも、この段階で決めておきます。
頼み先ごとに、頼める作業の範囲が違う
頼み先は、販売代理店、導入支援の会社、スポットの相談、社内の四通りです。一つに決める必要はなく、ライセンスは販売店から買い、移行だけを導入支援の会社に頼む、といった分け方もできます。
販売代理店
販売代理店(以下、販売店)は、Microsoft や Google の製品のライセンスを売り、請求と契約を受け持つ会社です。Google は、販売店は顧客に代わってサブスクリプションと課金を管理し、サポートケースの登録や、ユーザー・グループ・組織部門の追加といったサービスを提供できるとしています(Google Workspace 管理者ヘルプ「Google と販売パートナー間でサブスクリプションを移行する」)。Microsoft は、パートナーとの関係の種類として、製品を売る「販売代理店」のほか、パスワードのリセットやサポートの対応を受け持つ「Advisor(アドバイザー)」、限られた管理者の役割(詳細な委任された管理者特権、GDAP)で管理を手伝う形を挙げています(Microsoft Learn「Microsoft 認定ソリューション プロバイダー パートナーの関係を管理する」)。
初期設定やメールの移行の手伝いが、ライセンスの代金に含まれるのか、別の料金の作業なのかは、販売店ごとに違います。見積もりでは、代金に含まれる手伝いと、別に払う作業を分けて書いてもらいます。
導入支援の会社
SharePoint のポータル構築を頼む場合の、見積りの前に社内で決める標準の Web パーツで足りる範囲と SPFx の範囲は「SharePoint のポータル構築を外に頼むとき」で解説しています。
設計・設定・移行を作業として受けるのが、導入支援の会社です。Microsoft のパートナーの種類が販売とアドバイザーに分かれているように、ライセンスを売る会社と作業を受ける会社は同じとは限りません。Microsoft は、案内している移行の方法のどれも自社に合わないときは、パートナーと協力してメールを移すことを検討するよう勧めています(Microsoft Learn「複数のメール アカウントを Microsoft 365 または Office 365に移行する方法。」)。Google も、300人を超える組織向けの導入の案内で、導入を支援するパートナーを探せるとしています(Google Workspace 管理者ヘルプ「組織の Google Workspace を設定する」)。パートナーは、Google Cloud のパートナー検索や、Microsoft のパートナー検索のページで探せます。
Microsoft には、FastTrack という Microsoft 自身の導入と移行の手引きもあります。対象は、対象のプランのライセンスを1つのテナント(組織の契約の単位)で150以上持つ会社で、一般法人向けのプランで対象の一覧に入っているのは Business Premium です(Microsoft Learn「対象(FastTrack for Microsoft 365)」)。メールの移行で FastTrack が扱う移し元は Exchange と Google Workspace で、一覧にレンタルサーバー(IMAP)の名前はありません(Microsoft Learn「データ移行(FastTrack for Microsoft 365)」)。
スポットの相談
設計や作業は社内の担当者が行い、判断に迷う所だけを外に確かめる頼み方です。移し方の選び方、切り替えの段取りの確認、設定の見直し、何人もで起きる不具合の切り分けのように、1件ずつに区切れる用件に合います。社内に、管理画面を操作できる人と作業の時間があることが前提になります。
社内で行う
公式の手順だけで進める場合です。Google は、1人の事業者、2〜9人、10〜300人、300人を超える組織に分けて設定のガイドを用意しており、10〜300人向けには、ユーザーの一括追加、Exchange や Outlook との同期、データの移行、共有とセキュリティの設定までが載っています。シングル サインオン(SSO)や高度なメールの経路を使う会社には、300人を超える組織向けの導入ガイドを見るよう案内しています(Google Workspace 管理者ヘルプ「組織の Google Workspace を設定する」「中規模企業向けクイック スタートガイド」)。Microsoft は、管理センターのセットアップ ウィザードで、ドメインの追加と確認、ユーザーの追加とライセンスの割り当てまでを進められるとし、オンプレミスの Active Directory との同期や Exchange のハイブリッドを組む場合は、ウィザードとは別の手順を示しています(Microsoft Learn)。
困ったときは、契約に含まれるサポートを使えます。Google は、Google Workspace の契約にはスタンダード サポートが含まれるとし(「Google Workspace 技術サポート サービス ガイドライン」)、日本語のサポートの受付は平日の9時〜17時で、時間外はチャットで受けています(Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace と Cloud Identity の言語サポートと営業時間」)。Microsoft は、Microsoft のサポートを受けるには少なくとも1つのサブスクリプションを Microsoft から買っている必要があり、すべてをパートナーから買った場合はパートナーに問い合わせるよう案内しています(Microsoft Learn「ビジネス向け Microsoft 365 のサポートを受ける」)。
どこまでを外に頼むかは、次の問いで見分けられます。
外に頼む作業を見分ける問い
移し元が、公式の移行の道具の想定に合わない
例:ファイルサーバーから Google ドライブへ移す(Google は、ファイル共有から移す道具を大規模な移行向けとしている)、パソコンにしかない PST ファイルが多い
ほかの仕組みとつなぐ
例:Active Directory との同期、シングル サインオン、複合機や業務システムからのメールの送信
会社の端末として、まとめて登録して管理する
例:パソコンとスマートフォンの設定を管理画面から配る、個人の端末では会社のデータだけを管理する
社内に、管理者を複数置いて作業の時間を取れない
例:情報システムの担当が1人で、ほかの業務と兼ねている
当社の整理。根拠は Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace 移行サービスの一覧」「中規模企業向けクイック スタートガイド」、Microsoft Learn「Microsoft 365 for business のセットアップを計画」「ビジネス向け Microsoft 365 の基本的なモビリティとセキュリティの概要」(2026年9月30日確認)
公開されている料金を読むときは、含まれる作業をそろえる
販売店や導入支援の会社の中には、初期設定や移行の料金をページに載せているところがあります。ただ、同じ「初期設定」「移行」という名前でも、含まれる作業は会社ごとに違うので、金額だけを並べても比べられません。載っている金額を読むときや、何社かの見積もりを比べるときは、次の欄をそろえます。
公開の料金や見積もりで、そろえる欄
同じ「初期設定」「移行」という名前でも、含まれる作業は会社ごとに違う
対象の数
何件までの金額か
- 人数・アカウントの上限
- 共有アドレス・ドメインを数えるか
移すもの
何を、どれだけ移すか
- メール・予定表・連絡先・ファイルのどれか
- 何年分、どれだけの容量か
作業の分担
誰が手を動かすか
- 代わりに作業するか、手順を案内するか
- 社内に残る作業は何か
切り替えの日
その日に何をするか
- 立ち会うか
- 休日・夜間の作業か
終わったあと
いつまで、何が残るか
- 問い合わせを受ける期間と窓口
- 設定の記録を渡すか
ライセンス
買う先と結び付いているか
- その会社から買うことが条件か
- ライセンスの単価と契約の形
当社の整理
ライセンスの単価を比べるときは、税と契約の形もそろえます。Microsoft と Google の公式の料金ページは、どちらも消費税を含まない額を表示しています(Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」、Google「柔軟な価格プラン オプションの比較」)。Google の料金ページは、1年契約の年間プランにすると割安になると表示しています。Microsoft は、2026年7月1日に Microsoft 365 の法人向けのパッケージと価格を改めたことを比較ページで案内しています。Microsoft 365 の契約の形と1年分の費用の出し方は、Office 2021 のサポート終了についての記事で扱っています。
販売店から買う場合の単価は、販売店の見積もりで確かめます。Google では、販売店から買った契約は、管理コンソールの[お支払い]→[サブスクリプション]の[お支払いプラン]に「販売パートナー向けの価格」と販売店の名前が表示されます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。
見積もりの金額が、作業の量と含む範囲で変わるという事情は、システム開発の見積もりと同じです。予算の上限を社内で先に決め、その額と含むものを見積もりの依頼に書く方法は、「予算が決まっていないときのシステム開発費の考え方」で扱っています。
作業の費用が変わる要素と、数えるもの
見積もりの金額を動かすのは、作業の量です。作業の量は、次の要素で決まります。数えられるものは数えて、見積もりの依頼に書きます。
見積もりが変わる要素と、数えるもの
人数使う人と契約
人数、プランごとの内訳、共有アドレスとドメインの数
一般法人向けのプランは、Microsoft 365・Google Workspace とも300人まで
メール移すメールの量と形式
メールボックスの数と容量、IMAP か POP か、パソコンにだけある PST ファイル
移らないもの(連絡先・予定表など)の扱い
ファイル移すファイルの置き場と量
ファイルサーバー・個人のドライブ・ほかのクラウド、容量、フォルダの数
どの道具で移せるかは、移し元と人数で変わる
権限権限の設計
フォルダごとの見られる人の置き換え、グループの数、社外との共有の決まり、管理者の役割の分け方
つなぐ仕組みほかの仕組みとのつなぎ
Active Directory との同期、シングル サインオン、メールを送る複合機・フォーム・業務システム
端末端末の管理
台数、会社の端末か個人の端末か、OS の種類
切り替え方一度に切り替えるか、一部の人から試すか
旧環境と並べて使う期間、切り替えの日時
説明と問い合わせ使い始めの説明と、切り替え後の窓口
説明会の回数、手順書を作るか、問い合わせを受ける期間
当社の整理。人数の上限は Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」、Google「柔軟な価格プラン オプションの比較」(2026年9月30日確認)
人数と使うプラン
Microsoft 365 の一般法人向けのプランも、Google Workspace の Business Starter・Standard・Plus も、使えるのは300人までです(Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」、Google「柔軟な価格プラン オプションの比較」)。人数は、使える移行の道具にもかかわります。Google の移行サービスの一覧は、道具を1〜100人、101〜1,000人、1,001人以上に分けて示しており、IMAP のメールサーバーから移す場合、1〜100人なら管理コンソールのデータ インポート、101人以上なら GWMME(Google Workspace Migration for Microsoft Exchange)を挙げています(Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace 移行サービスの一覧」)。Microsoft は、社内の Exchange Server から全員を一度に移すカットオーバー移行について、最大2,000個のメールボックスを移せるものの、150人以下が合理的としています(Microsoft Learn「複数のメール アカウントを Microsoft 365 または Office 365に移行する方法。」)。
移すメールの量と形式
IMAP で受けていてサーバーに残っているメールは、移行の道具でサーバーからコピーできます。POP で受けてパソコンにしかないメールは、パソコンのデータ(Outlook の PST ファイル)から取り込むことになり、Google の一覧では1〜20人なら GWMMO(Google Workspace Migration for Microsoft Outlook)、それより多ければ GWMME です。Microsoft は、使う人が自分で取り込む方法のほか、大きな PST ファイルが多い組織にはインポート サービスを案内しています(Google の移行サービスの一覧、Microsoft Learn)。
道具で移らないものもあります。IMAP で Microsoft 365 へ移すとき、連絡先・予定表・タスクは移行の対象に入らず、メールボックスも自動では作られないので、移す前に使う人ごとに作っておきます(Microsoft Learn)。移らないものを手で移すか、旧環境に残すかで作業が変わります。レンタルサーバーからの移し方と、容量の上限などの細かな条件は、レンタルサーバーからのメールの移行についての記事で書いています。
移すファイルの置き場と量
Microsoft は、ファイル共有、Box、Google ドライブ、Dropbox から Microsoft 365 へ移す道具として Migration Manager を案内しています(Microsoft Learn「Microsoft 365 にコンテンツを移行する」)。Google の一覧では、ファイル共有(ファイルサーバー)から移す管理者向けの手段として、人数にかかわらず Google Workspace Migrate が挙がっています。Google はこれを1,001人以上の大規模な移行を想定したものとし、インストールと設定が複雑なため環境によっては使いにくいとしています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。ファイルサーバーから Google ドライブへ移す見積もりでは、どの方法で移すのかを書いてもらいます。
移し元と人数で変わる、公式の移行の道具(抜粋)
| 移し元 | Google Workspace へ移す | Microsoft 365 へ移す |
|---|---|---|
| IMAP のメールサーバー(レンタルサーバーなど) | 1〜100人:管理コンソールのデータ インポート(GWMME も可)。101人以上:GWMME | IMAP 移行(メールだけ。連絡先・予定表・タスクは対象外。メールボックスは先に作る) |
| パソコンの PST ファイル | 1〜20人:GWMMO。それより多い:GWMME | 使う人が Outlook で取り込む。大きな PST が多いときはインポート サービス |
| 社内の Exchange Server | Exchange 2010〜2019:1,000人まで GWMME、1,001人以上は Google Workspace Migrate | カットオーバー移行(最大2,000個のメールボックス。150人以下が合理的)、段階的な移行、ハイブリッド |
| Microsoft 365(Exchange Online・OneDrive・SharePoint Online) | 1,000人までは、データ インポートか GWMME(メール)、データ インポートか Google Workspace Migrate(ファイル) | ― |
| Google Workspace(Gmail・Google ドライブ) | ― | Gmail の移行(メール)、Migration Manager(Google ドライブ) |
| ファイル共有(ファイルサーバー) | Google Workspace Migrate(1,001人以上の大規模な移行を想定。インストールと設定が複雑) | Migration Manager |
GWMME は Google Workspace Migration for Microsoft Exchange、GWMMO は Google Workspace Migration for Microsoft Outlook の略です。出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace 移行サービスの一覧」、Microsoft Learn「複数のメール アカウントを Microsoft 365 または Office 365に移行する方法。」「Microsoft 365 にコンテンツを移行する」(2026年9月30日確認)
権限の設計
移したファイルを誰が見られるかは、移し先で設計し直します。今のフォルダの権限を、移し先の共有ドライブや SharePoint のサイトとグループの単位に置き換える作業は、フォルダと部署の数が多いほど増えます。社外との共有をどこまで許すか、管理者の役割を誰にどこまで渡すかも、この設計に入ります。Microsoft は、管理者には作業に要る最小限の権限の役割を割り当て、管理の権限を持つ人の数を絞るよう勧めています(Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターの管理者ロールについて」)。Google も、管理の作業は一部の管理者ロールを持つアカウントに任せ、特権管理者のアカウントは要るときだけ使うよう勧めています(Google Workspace 管理者ヘルプの管理者アカウントのセキュリティについてのページ)。
ほかの仕組みとのつなぎ
オンプレミスの Active Directory とアカウントを同期する、シングル サインオンで社内のほかのサービスにも同じアカウントで入れるようにする、といったつなぎがあると作業が増えます。Microsoft は、Active Directory との同期や Exchange のハイブリッドを組む場合はセットアップ ウィザードを使わずに別の手順で進めるとし(Microsoft Learn)、Google は、SSO や高度なメールの経路を使う中規模の会社に、大規模な組織向けの導入ガイドを案内しています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。複合機や問い合わせフォーム、業務システムから自社のアドレスで送っているメールも、送り方の設定を直す対象です。
端末の管理
Microsoft 365 の Business Basic と Business Standard には、Intune の機能の一部にあたる「基本的なモビリティとセキュリティ」が含まれ、iOS と Android の端末を登録して管理できます。Business Premium には Intune が含まれ、会社の端末をまるごと管理する形(MDM)に加えて、個人の端末の中の会社のデータだけを管理する形(MAM)や、macOS などのより多くの種類の端末に対応します(Microsoft Learn「ビジネス向け Microsoft 365 の基本的なモビリティとセキュリティの概要」)。Google の料金ページでは、高度なエンドポイント管理は Business Plus の機能として載っています。端末の台数と種類、会社の端末か個人の端末かで、登録と設定の作業が変わります。
切り替え方と、説明・問い合わせ
全員を一度に切り替えるか、一部の人から試すかも、作業の量を変えます。Microsoft は、段階的に移る場合に機能を使い始める順番を示し(Microsoft Learn)、Google は、MX レコードを変えずに少人数で Gmail を試す方法を案内しています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。一部の人から始めると、旧環境と並べて使う期間の設定と確認が加わります。使う人への説明会の回数、手順書を作るかどうか、切り替えのあとの問い合わせを何日受けてもらうかも、そのまま作業の量になります。
販売代理店から買う場合と、Microsoft・Google から直接買う場合の違い
すでに Microsoft 365 を契約している会社が、次の更新でライセンスを減らす方法と、減らせる時期は「Microsoft 365の価格改定(2026年7月以降の契約・更新)で、契約を見直すときに数えるもの」で解説しています。
ライセンスは、Microsoft・Google から直接買うことも、販売店から買うこともできます。Google は、Google から買う契約と販売店から買う契約を組み合わせることもできるとしています(Google Workspace 管理者ヘルプ「販売パートナーからサブスクリプションを購入する」)。買う先で変わるのは、主に請求と支払い、問い合わせの窓口、管理画面に入れる相手です。
| 直接買う | 販売代理店から買う | |
|---|---|---|
| Google:請求と支払い | 日本で登録できるのはクレジットカードかデビットカード。条件を満たす会社は、請求書で払う請求書発行アカウントを使える場合がある | 販売店が請求する。支払い方法の変更、ライセンスの購入、サービスの追加は販売店に頼む |
| Microsoft:請求と支払い | クレジットカード。一回の支払金額が48,500円以上なら請求書払いも選べる | 購入と取り消しは販売店に頼む。支払いの条件は販売店との契約で決まる |
| Google:問い合わせ | 管理コンソールから Google のサポートへ。日本語は平日9時〜17時(時間外はチャット) | アカウントとアクセス、ドメインの設定、支払いは販売店に聞ける。販売店がパートナー主導のサポートを契約していれば、技術サポートも販売店が受け持つ |
| Microsoft:問い合わせ | 管理センターから Microsoft のサポートへ | すべての契約を販売店から買った場合は、販売店に問い合わせる |
| Google:管理画面に入れる相手 | 自社の管理者 | 販売店は、アクセスを外さない限り管理コンソールに入れる。外すと、すべての販売店のアクセスがまとめて外れる |
| Microsoft:管理画面に入れる相手 | 自社の管理者 | 招待を受け入れると、依頼された管理者の役割が付く。役割はいつでも外せ、外しても販売店との関係は残る |
この表の出典(公式ページ)
出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「利用可能なお支払い方法(国別)」「請求書発行アカウントについて」「Google 販売パートナーへのお問い合わせ」「Google Workspace と Cloud Identity の言語サポートと営業時間」「販売パートナーによる管理コンソールへのアクセスを変更する」、Google「Google Workspace 技術サポート サービス ガイドライン」、Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」(質問と回答の欄)、Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターでサブスクリプションを取り消す」「ビジネス向け Microsoft 365 のサポートを受ける」「Microsoft 認定ソリューション プロバイダー パートナーの関係を管理する」(2026年9月30日確認)
請求と支払いの違いは、経理の手続きにかかわります。Microsoft から直接買う場合の支払いはクレジットカードで、一般法人向けのプランでは、一回の支払金額が48,500円以上なら請求書払いも選べます(Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」の質問と回答)。Google から直接買う場合、日本で登録できる支払い方法はクレジットカードかデビットカードで、請求書で払う請求書発行アカウントは、条件を満たす会社が使える場合があるもので、Google の営業担当者に問い合わせます(Google Workspace 管理者ヘルプ「利用可能なお支払い方法(国別)」「請求書発行アカウントについて」)。販売店から買う場合の支払いの条件は、販売店との契約で決まります。
問い合わせの窓口も変わります。Google は、販売店から買った会社は、アカウントとアクセス、ドメインの設定、支払いについて販売店からサポートを受けられ、支払い方法の変更やライセンスの購入は販売店に、それ以外の質問は Google のサポートに問い合わせられると案内しています。ただし、販売店が Google の「パートナー主導のサポート」を契約している場合は、顧客への技術サポートは販売店が受け持ち、関係するケースは販売店が Google に出します(「Google Workspace 技術サポート サービス ガイドライン」)。Microsoft は、すべての契約をパートナーから買った会社はパートナーに問い合わせるよう案内しており、パートナーから買った契約を取り消すときも販売店に連絡します(Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターでサブスクリプションを取り消す」)。
管理画面に入れる相手も確かめておきます。Google では、販売店が管理する契約がある間、顧客がアクセスを外さない限り、販売店は管理コンソールに入ってサポートケースの登録などを行えます。アクセスを外すと、すべての販売店のアクセスが、すべての管理コンソールのサービスについてまとめて外れ、反映まで最長で24時間ほどかかります(Google Workspace 管理者ヘルプ「販売パートナーによる管理コンソールへのアクセスを変更する」)。Microsoft では、パートナーからの招待を受け入れると、依頼された管理者の役割がパートナーに付きます。管理センターの[設定]→[パートナー関係]で役割をいつでも外せ、外してもパートナーとの関係は残ります(Microsoft Learn)。グローバル管理者の役割を含む代理管理者特権(DAP)をパートナーに与えている会社には、Microsoft は四半期ごとの見直しを勧めています(Microsoft Learn「Microsoft 認定クラウド ソリューション プロバイダー (パートナー) の管理者権限を確認する」)。
今どこから買っているかが分からないときは、Google は管理コンソールの[お支払い]→[サブスクリプション]の[お支払いプラン]で、Microsoft は管理センターの[設定]→[パートナー関係]で確かめられます。[パートナー関係]のページには、パートナーの名前と組織との関係が並び、名前を選ぶと連絡先が出ます(Microsoft Learn「Microsoft 365 サブスクリプション パートナーまたはリセラーを見つける」)。
販売代理店を変える手順
販売店は後から変えられます。ただ、変えられる時期の決まりと手順は、Google と Microsoft で違います。
Google Workspace
Google Workspace の契約は、Google から販売店へ、販売店から Google へ、販売店から別の販売店へ移せます。移してもデータとサービスはそのまま使え、移したあとで取り消すことはできません。販売店へ移せるのは1暦年に2回までです(Google Workspace 管理者ヘルプ「Google と販売パートナー間でサブスクリプションを移行する」)。
時期を決めるのは、今の契約の払い方です。年間・定期プランを年払いで前払いしている場合は払い戻しがなく、販売店を変えるには更新日まで待つ必要があります。新しい契約は今と同じ数以上のライセンスで結ぶ決まりで、年間プランで残りの期間が30日以下の場合に限り、新しい販売店はライセンスを減らせます(同)。
販売代理店を変える流れ(Google Workspace)
販売店への移行は1暦年に2回まで。移行は取り消せない
出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google と販売パートナー間でサブスクリプションを移行する」「販売パートナーによる管理コンソールへのアクセスを変更する」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
手続きは、特権管理者が管理コンソールの[アカウント]→[販売パートナーの管理]を開き、移す契約の[移行]を選んで新しい販売店の公開 ID を入れ、商品グループ(Google Workspace などの製品のまとまり)ごとに移す先を選んで、移管の承認を作る流れです(同)。移したあとは、同じ画面で販売店の購入の同意とアクセスの設定を確かめます。ある商品グループについて購入の同意を持てるのは、1社の販売店か Google のどちらかだけです(Google Workspace 管理者ヘルプ)。
Microsoft 365
販売店が扱う Microsoft 365 の契約(新しいコマースの、ライセンスの数で買う契約)は、契約期間の途中でも販売店の間で移せます。今の販売店は移す日までの分を、新しい販売店は残りの期間の分を受け持ちます。流れは、顧客が新しい販売店の関係の招待を管理センターで受け入れ、新しい販売店が今の販売店に移す依頼を出し、今の販売店が移す契約を選んで送る、という順です。依頼は、今の販売店が30日応じないと期限切れになり、移し終えるまで最大72時間かかります。人数と更新の設定は引き継がれ、新しい契約は元の契約の価格で作られます。移した契約に、新しい取り消しの期間は付きません(Microsoft Learn「取引中の CSP パートナーから別の CSP パートナーへ新しいコマース ライセンスに基づくサブスクリプションを移行する」)。
販売代理店を変える流れ(Microsoft 365)
依頼は30日で期限切れ。移した契約に、新しい取り消しの期間は付かない
出典:Microsoft Learn「取引中の CSP パートナーから別の CSP パートナーへ新しいコマース ライセンスに基づくサブスクリプションを移行する」「Microsoft 認定ソリューション プロバイダー パートナーの関係を管理する」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
移したあとも、前の販売店との関係は管理センターに残ります。[設定]→[パートナー関係]で前の販売店の管理者の役割を外し、関係を終えるには販売店に連絡します(Microsoft Learn「Microsoft 認定ソリューション プロバイダー パートナーの関係を管理する」)。Microsoft は、グローバル管理者の役割を外してもパートナーが代わりに購入できる状態は残るとして、パートナーに頼んでその機能を外してもらうよう勧めています(Microsoft Learn)。
Microsoft から直接買っている契約を販売店に移す場合は、販売店の間の移行ではなく、販売店が新しく契約を買い、今の契約を終える形になります。Microsoft は販売店向けに、請求が重ならないよう新しい契約の購入を今の契約の終わる日に合わせること、同じ製品を買えばライセンスを割り当て直さずに済むことを示しています(Microsoft Learn「ライセンスベースの顧客を他のチャネル、テナント、パートナーから クラウド ソリューション プロバイダー (CSP) プログラムに移行する」)。今の契約を途中で取り消して日割りの払い戻しを受けられるのは、Microsoft 顧客契約(MCA)の場合、開始か更新から7日以内です。それを過ぎたら定期請求をオフにして、期間の終わりで止めます(Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターでサブスクリプションを取り消す」)。
見積もりを頼む前に揃えるもの
今のメールサーバーの契約や、会社のドメインでメールを送っている仕組みが社内で分からず、見積もりの前に外から調べて、見積もりを2段に分けた例は、導入事例「Google Workspace 導入の事前調査」で紹介しています。
見積もりの依頼には、数えられるものを数えて書きます。数がそろっていれば、各社が同じ前提で見積もれます。
見積もりの依頼に書くもの
人と契約
誰が、どのプランで使うか
- 使う人の数とプランの内訳
- 共有アドレス・グループの数
- 今の契約の買う先と更新日
ドメインと DNS
誰が書き換えられるか
- ドメインの数
- DNS を管理している会社と、ログインできる人
メール
今どこで、どう受けているか
- 今のメールサーバー・サービス
- アドレスごとの容量、IMAP か POP か
- 移す年数
ファイル
どこに、どれだけあるか
- ファイルサーバー・個人のドライブ・ほかのクラウド
- 容量とフォルダの数
- フォルダごとの見られる人
端末とつなぐ仕組み
何を管理し、何とつなぐか
- パソコンとスマートフォンの台数と OS
- 会社の端末か個人の端末か
- Active Directory・シングル サインオン・メールを送る機器とシステム
日程と分担
いつまでに、誰が
- 使い始めたい日と、避けたい日
- 社内で作業できる人と時間
- 補助金を使うか
当社の整理。Microsoft がセットアップの前に用意するよう案内している項目(追加するユーザーの一覧、ドメインの登録先とサインイン情報)を含む。出典:Microsoft Learn「Microsoft 365 for business のセットアップを計画」(2026年9月30日確認)
パソコンの台数と入っている Office の版の書き出し方はOffice 2021 のサポート終了についての記事で、メールアドレス・共有アドレス・転送・過去のメールの置き場の書き出し方はレンタルサーバーからのメールの移行についての記事で、それぞれ項目を挙げています。
国の補助金を使うつもりなら、見積もりを頼む時点で伝えます。デジタル化・AI導入補助金2026(旧 IT導入補助金)の通常枠は、事務局に登録された IT導入支援事業者の手助けを受けて申請するもので、補助の対象の経費には、ソフトウェアのクラウドの利用料(最大2年分)と、導入設定・マニュアル作成・導入研修などの導入関連費が含まれます(中小企業庁「中小企業デジタル化・AI導入支援事業『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要」)。交付決定の前に契約・発注したものは補助の対象にならないため(事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)、補助金を使う場合は、契約の日を交付決定の後に置いた日程で見積もってもらいます。補助金を予算にどう入れるかは、「予算が決まっていないときのシステム開発費の考え方」の補助金の節で書いています。
見積もりで確かめる質問
見積もりが届いたら、金額の前に、何が含まれているかを確かめます。次の質問は、どの頼み先にも使えます。
見積もりで確かめる質問
金額の前に、何が含まれているかを確かめる。どの頼み先にも使える
ライセンスをその会社から買うことが、作業を頼む条件になっているか
条件なら、ライセンスの単価と契約の形も並べて比べる
見積もりに含む作業と、含まない作業はどれか
初期設定、移行、端末、説明会、切り替え後の問い合わせ
何件として見積もったか
人数、メールボックス、共有アドレス、ドメイン、容量
どの道具で、どう移すか
差分のコピーの回数、移らないもの(連絡先・予定表など)の扱い
フォルダの見られる人を、移し先でどう置き換えるか
共有ドライブや SharePoint のサイトとグループの作り方
切り替えの日は、誰が何をするか
立ち会いの有無、休日・夜間の作業
切り替えのあとの問い合わせを、いつまで、どの窓口で受けるか
期間と時間帯、使う人から直接受けるか
終わったときに、何を渡してもらえるか
設定の一覧、DNS の値、移行の記録、手順書
管理者の権限をどう渡し、作業のあとにどう外すか
作業用のアカウント、販売店の管理者の役割とアクセス
契約の期間と、途中の変更をどう扱うか
人数を減らせる時期、販売店を変えるとき、価格が改まったとき
当社の整理
ライセンスの購入が作業の条件になっている場合は、作業の見積もりだけでなく、ライセンスの単価と契約の形(1年契約か月単位か、前払いか)も並べて比べます。販売店を後から変えるときの決まりは、前の節のとおり Google と Microsoft で違います。
管理者の権限は、作業が終わったあとも残る設定です。作業のためにどのアカウントを使い、終わったらどう外すかを、見積もりの時点で決めておきます。Google では販売店のアクセスの設定、Microsoft ではパートナー関係の管理者の役割で確かめられます。
導入後に社内に残す設定の記録
導入を外に頼んだ場合も、設定と契約の記録は社内に残します。管理者の交代、販売店の変更、次の移行のたびに、この記録から始めることになるためです。
導入後に社内に残す記録
管理者
管理者のアカウント
- 特権管理者・グローバル管理者は誰か(複数、共有しない)
- 緊急時に使うアカウントの置き場
- 再設定用の電話番号とメールアドレス
契約
契約と販売店
- 買う先、プラン、人数、更新日
- 申し込みの日、注文番号、請求先
- 販売店に渡している権限
ドメイン
ドメインと DNS
- DNS を管理している会社とログインの情報
- MX・SPF・DKIM・DMARC の値
設定
設定の一覧
- グループ・組織部門と共有の範囲
- 2段階認証などのサインインの決まり
- 端末の管理の設定
移行
移行の記録
- いつ、何を移したか
- 移さなかったものと、その置き場と期限
運用
運用の手順
- 入社・異動・退職のときの手順
- 問い合わせの窓口と、販売店・支援会社の連絡先
当社の整理。根拠は Google Workspace 管理者ヘルプ(管理者アカウントのセキュリティについてのページ)、Microsoft Learn「緊急アクセス用管理者アカウントを管理する」「Microsoft 365 管理センターの管理者ロールについて」(2026年9月30日確認)
管理者のアカウントは、自社の人が持ちます。Microsoft では、サブスクリプションを買ってサインアップした人は、自動的にグローバル管理者になります(Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センターの管理者ロールについて」)。申し込みを社外の会社に代わってもらった場合は、最初の管理者が誰のアカウントかを確かめ、自社の管理者に引き継ぎます。Microsoft は、管理者がサインインできなくなる場合に備えて緊急アクセス用のアカウントを2つ以上作るよう勧め、その理由の一つに、グローバル管理者の権限を持つ最後の人が組織を離れる場合を挙げています(Microsoft Learn「緊急アクセス用管理者アカウントを管理する」)。Google は、特権管理者のアカウントを複数用意し、それぞれ別の人が管理して共有しないよう勧めています(Google Workspace 管理者ヘルプの管理者アカウントのセキュリティについてのページ)。
契約の情報も、管理者が困ったときに要ります。Google は、特権管理者のパスワードを、登録したメールアドレスや電話番号でも、ほかの特権管理者でも再設定できないときの本人確認として、アカウントの作成日、申し込みに使った予備のメールアドレス、Google の注文番号(ある場合)、作ったユーザー アカウントの数、請求先の住所、使ったクレジットカードの種類と番号の下4桁を尋ね、ドメインの DNS の所有の証明も求めるとしています(同)。これらと、DNS を編集するためのログイン情報を、社内の決めた場所に控えておきます。
移行の記録には、いつ何を移したか、移さなかったものと、その置き場と残す期限を書きます。移し元の契約を解約する日は、この記録で残すデータの書き出しを確かめてから決めます。
作業は社内で行い、判断に迷う所だけを確かめたい場合は Aurant Technologies の移行と設定のスポット相談(見積もりの考え方は同じページの「費用は、伺った内容をもとにお見積りします」の節)で、設計から移行までをまとめて頼む場合はMicrosoft 365 導入支援・Google Workspace 導入支援で、運用までを含めた全体の相談はMicrosoft 365・Google Workspace活用支援(同じページの費用の考え方の節に当社全体の目安があります)で受けています。
Microsoft 365・Google Workspace の移行と設定のスポット相談
メールの移行、ドメインとDNS、共有アドレスや代理人の権限、新しいOutlookへの切り替え、Copilot・Geminiを使うときの社内ルール。調べた手順で直らないとき、同じことが何人もで起きているときに、いま困っていることを1件から相談できます。
