Office 2021のサポート終了(2026年10月13日)で、会社のパソコンをどうするか|買い切りを続けるか、Microsoft 365に切り替えるかを台数とメールの置き場で決める

Office 2021とOffice LTSC 2021のサポートは2026年10月13日に終わります。会社のパソコンの台数と版の調べ方、買い切りのOffice 2024・Microsoft 365 Apps for business・メール込みのプランの選び方、メールの置き場で変わる作業、年額の出し方、切り替えの段取りを、Microsoftの公式情報をもとに整理しました。

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この記事の要点

  1. Office 2021(Home & Business・Home & Student・Professional、Mac 版を含む)と、ボリュームライセンスの Office LTSC 2021 のサポートは、2026年10月13日に終わる。アプリは動き続けうるが、セキュリティの修正と技術サポートが止まり、延長のセキュリティ更新もない。
  2. 先に、Office 2021 が入っているパソコンを1台ずつ書き出す(製品名、OS、使う人、メールの受け方)。移り先は、1人が使う端末の数と会社のメールの置き場で、買い切りの Office 2024(サポートは2029年10月9日まで)、Microsoft 365 Apps for business、メール込みの Microsoft 365 のプランから選ぶ。
  3. メールを今のサーバーのまま Outlook で受けるなら、作業はアプリの入れ替えと Outlook の設定し直しで済む。会社のメールごと Exchange Online へ移すなら、ドメインと DNS、過去のメールの移行が加わるので、10月13日までのアプリの入れ替えとは日程を分けて組む。

Office 2021 の移り先は、1人が使う端末の数とメールの置き場で選ぶ

どれを選んでも、10月13日までに要るのはパソコンのアプリの入れ替え

買い切りを続ける

Office 2024・Office LTSC 2024

  • 1ライセンスで1台
  • サポートは2029年10月9日まで
  • メールは今のまま Outlook で受ける

選ぶ条件:1人1台で、2029年に選び直してよい

アプリを Microsoft 365 に

Microsoft 365 Apps for business

  • 1人で PC・Mac 5台まで
  • 新しい機能と更新が続く
  • メールは今のまま Outlook で受ける

選ぶ条件:1人で複数の端末を使う。メールは動かさない

メールも Microsoft 365 に

Business Standard・Business Premium

  • アプリに加えて Exchange Online のメール
  • ドメインと DNS、過去のメールの移行が加わる

選ぶ条件:メールの置き場も移す。Business Basic を使っているなら切り替え

Office 2021 が入っているパソコンを1台ずつ書き出してから選ぶ

メールの引っ越しは、アプリの入れ替えと日程を分けて組める

出典:Microsoft Learn「Office 2024 – Microsoft Lifecycle」、Microsoft「Microsoft 365 Apps for business」「一般法人向け Microsoft 365 プランの比較」(2026年9月29日確認)をもとに当社が整理

Office 2021 と Office LTSC 2021 のサポートは、2026年10月13日に終わります(Microsoft Learn「Office 2021 – Microsoft Lifecycle」)。Office 2021 は Office Home & Business 2021 などの買い切りの製品(パソコンにあらかじめ入っているものを含む)で、Office LTSC 2021 は企業がボリュームライセンスで入れる版です。どちらも Mac 版を含みます。10月13日を過ぎてもアプリは動き続ける可能性がありますが、その後に見つかった脆弱性のセキュリティ修正と技術サポートは止まり、サポートの延長も、延長のセキュリティ更新もありません(Microsoft サポート「Office 2021 のサポートの終了」)。

会社として決めるのは、Office 2021 が入っているパソコンを何台、どこへ移すかです。移り先は、買い切りの Office 2024(ボリュームライセンスなら Office LTSC 2024)、アプリだけを使う Microsoft 365 Apps for business、会社のメールまで含む Microsoft 365 のプラン(Business Standard など)の3通りで、1人が何台の端末で Office を使うかと、会社のメールをどこに置くかで選びます。メールをレンタルサーバーやプロバイダのまま Outlook で受けるなら、作業はアプリの入れ替えと Outlook の設定し直しで済みます。会社のメールごと Microsoft 365(Exchange Online)へ移すなら、ドメインと DNS の変更、過去のメールの移行が加わりますが、その引っ越しは、10月13日までに済ませたいアプリの入れ替えとは日程を分けて組めます。

この記事では、パソコンの数え方、移り先の選び方、年額の出し方、切り替えの段取り、間に合わないときの順番を、Microsoft などの公式ページ(2026年9月29日に確認)をもとに書きます。ライセンスの価格は変わるので載せていません。Aurant Technologies は Microsoft のライセンスを売る販売代理店ではないため、特定の移り先を前提にせずに書いています。

10月13日に止まるもの、止まらないもの

Microsoft のライフサイクルのページでは、Office 2021 の廃止日と、Office LTSC 2021 のメインストリーム サポートの終了日が、どちらも2026年10月13日です(Microsoft Learn「Office 2021 – Microsoft Lifecycle」「Office LTSC 2021 – Microsoft Lifecycle」。ページの日付は米国太平洋時間)。対象は、Office 2021 が Home and Business・Home and Student(それぞれ Mac 版を含む)と Professional、Office LTSC 2021 が Professional Plus と Standard(Mac 版の Standard を含む)です。ボリュームライセンスの Project 2021 と Visio LTSC 2021 も同じく5年のサポートで終わり、どれにも延長サポートはありません(Microsoft Learn「Office LTSC 2021 の概要」)。

10月13日を過ぎると、Microsoft は Office 2021 について、技術サポート、不具合の修正、後から見つかった脆弱性のセキュリティ修正を提供しなくなります。ソフトの更新も、電話やチャットのサポートも受けられず、オンラインのヘルプの多くも取り下げられます。アプリは動き続ける可能性がありますが、Microsoft は、深刻なセキュリティのリスクにさらされうるとして、組織の管理者にはできるだけ早い切り替えを勧めています(Microsoft サポート)。

10月13日を過ぎると止まるもの、続くもの

止まる

Microsoft からの修正と支援

  • 後から見つかった脆弱性のセキュリティ修正
  • 不具合の修正とソフトの更新
  • 電話・チャットの技術サポート
  • Microsoft 365 のサービスへの接続のサポート

続く

手元のアプリとファイル

  • アプリは動き続ける可能性がある(Microsoft の説明)
  • 作ったファイルは手元に残る

サポートの延長も、延長のセキュリティ更新もない

出典:Microsoft サポート「Office 2021 のサポートの終了」、Microsoft Learn「Office バージョンと Microsoft 365 サービスへの接続」(2026年9月29日確認)

Microsoft 365 のサービスにつないでいる会社は、もう一つの期限に当たります。Microsoft Learn の一覧では、Office LTSC 2021 から Exchange Online・SharePoint・OneDrive への接続がサポートされるのも、2026年10月13日までです。サポートされる版の一覧から外れた古い版は、つながってもサポートの対象外で、新しい機能が使えなかったり、時間とともに性能や安定性の問題が出たりすることがある、と説明されています(Microsoft Learn「Office バージョンと Microsoft 365 サービスへの接続」)。Business Basic などでメールを Microsoft 365 に置き、パソコンの Office 2021 の Outlook で読んでいる場合も、10月13日を過ぎれば、サポートの切れた版からつなぐことになります。

前後の期限も並べておきます。Office 2016・Office 2019 のサポートは、2025年10月14日に終わっています(Microsoft Learn「Office のサポート リソースの終了」)。Windows 10 のサポートも同じ日に終わりました。Windows 10 のパソコンで使う Microsoft 365 Apps には、2028年10月10日までセキュリティ更新が続きますが、新しい機能は届かず、Microsoft は Windows 11 への移行を強く勧めています(Microsoft サポート「Office と Microsoft 365 の Windows サポート終了の意味」)。買い切りの Office 2024 と Office LTSC 2024 のサポートは、2029年10月9日までです(Microsoft Learn「Office 2024 – Microsoft Lifecycle」)。

Office と Windows のサポートの期限

2025年10月14日Office 2016・2019、Windows 10 のサポート終了(済み)
2026年10月13日Office 2021・Office LTSC 2021 のサポート終了
2028年10月10日Windows 10 上の Microsoft 365 Apps のセキュリティ更新が終わる
2029年10月9日Office 2024・Office LTSC 2024 のサポート終了

Office 2019 以前が残るパソコンも、同じ一覧で数える

出典:Microsoft Learn「Office のサポート リソースの終了」「Office 2024 – Microsoft Lifecycle」、Microsoft サポート「Office と Microsoft 365 の Windows サポート終了の意味」(2026年9月29日確認)。日付は Microsoft の表記

まず、Office 2021 が入っているパソコンを1台ずつ書き出す

パソコンに入っているブックのマクロ(VBA)を、新しい Office で動かし直すか外に頼むかは、先に書き出して決めます。外に頼む前に書く仕様は「Excelマクロ(VBA)を外注する前に」で解説しています。

移り先を選ぶ前に、社内のパソコンの Office を1台ずつ確かめます。Word や Excel を開いて[ファイル]→[アカウント]を選ぶと、入っている Office が分かります。Mac では、メニューバーのアプリ名から開くバージョンの情報で確かめます(Microsoft サポート「Office 2024 および Office LTSC 2024 に関する FAQ」)。名前に「2021」があれば今回の対象で、「LTSC」が付いていればボリュームライセンスの版です。「2019」「2016」なら、すでにサポートが終わっています。

一覧には、移り先を選ぶときと、切り替えの日に要る項目を書きます。

パソコンの一覧に書く項目

1行に1台。同じ人が複数の端末を使うなら、端末ごとに行を分ける

パソコン

名前・使う人・OS

  • Windows 10 か 11 か、macOS か
  • 入れ替えの予定があるか
  • 何人かで使うパソコンか

Office

製品名と入手の形

  • Home & Business 2021、LTSC Professional Plus 2021 など
  • パソコンに付属・購入・ボリュームライセンスのどれか
  • プロダクトキーや登録したアカウントが分かるか

メール

Outlook で受けているもの

  • アドレスと、受け方(POP・IMAP・Microsoft 365)
  • 過去のメールがパソコンの .pst にあるか

使い方

入れ替えの前に試すもの

  • マクロ・アドイン・ほかのソフトとの連携
  • 社外から届くファイルを開くか
  • 同じ人が使うほかの端末(ノートPC・Mac)

当社の整理。調べ方は Microsoft サポート「Office 2024 および Office LTSC 2024 に関する FAQ」「Windows 版 Outlook でメールアカウント設定を変更、または更新する」

製品名とメールの受け方を確かめる画面
  • Windows:Word や Excel を開き、[ファイル]→[アカウント]の製品情報を見る。名前に「2021」があれば今回の対象、「LTSC」が付いていればボリュームライセンスの版、「2019」「2016」はサポートが終わった版
  • Mac:メニューバーのアプリ名から[Word について]などを開く。バージョンとライセンスの種類が出る
  • メール:Outlook の[ファイル]→[アカウント設定]、またはコントロールパネルの[メール]から開くアカウントの設定で、受信サーバーと送信サーバーの名前、アカウントの種類を書き写す

出典:Microsoft サポート「Office 2024 および Office LTSC 2024 に関する FAQ」「他のバージョンの Office の詳細を確認する」「Windows 版 Outlook でメールアカウント設定を変更、または更新する」(2026年9月29日確認)

メールの受け方が POP のアカウントは、あとの作業が増えます。POP は、新しいメールをパソコンに落としてサーバーから消す受け方で、送ったメールもパソコンに保存されます(Microsoft サポート「IMAP と POP とは何ですか。」)。POP で受けている人は、メールも予定表も連絡先も、パソコンの中の .pst ファイルに入っています(Microsoft サポート「Outlook データ ファイルを見つけて別のコンピューターに転送する」)。

入手の形とプロダクトキーを書くのは、消したあとに戻せない場合があるからです。Microsoft は、ボリュームライセンスの版でインストール元のファイルにアクセスできなくなった場合や、パソコンにあらかじめ入っていた Office でインストールディスクやプロダクトキーが無い場合は、アンインストールしたあと入れ直せないと説明しています(Microsoft Learn「ビジネス ユーザー向けの Microsoft 365 アプリをアップグレードする」)。

Windows 10 のパソコンは、Office と一緒にパソコンの入れ替えも決めます。Office 2021 と Office 2024 は Windows 10 の上でもサポートの対象ですが、問題の原因が Windows 10 の側にあるとされた場合は除かれます(Microsoft サポート)。入れ替える予定のパソコンは、新しいパソコンで何を使うかをこの記事の選び方で決め、Office を付けて買うかどうかもそこで決めます。

書き終えたら、人ごとに使っている端末の数と、メールの受け方ごとの人数を数えます。次の節の選び方と、年額の計算にそのまま使います。

移り先を、1人が使う端末の数とメールの置き場で選ぶ

移り先の違いを表にまとめます。中身は、Microsoft のサポートページと Microsoft 365 の製品ページ(2026年9月29日に確認)によります。

買い切り(Office 2024・Office LTSC 2024)Microsoft 365 Apps for businessメール込みのプラン(Business Standard・Business Premium)
払い方1回の購入サブスクリプション(契約期間と払い方を選ぶ)Apps for business と同じ
数え方1ライセンスで PC か Mac 1台1人につき PC・Mac 5台、タブレット5台、スマートフォン5台までApps for business と同じ
入るアプリHome & Business 2024 は Word・Excel・PowerPoint・OneNote・Outlook(Home 2024 には Outlook が入らない)。LTSC 2024 は Access(Windows 版)も入るデスクトップ版の Word・Excel・PowerPoint・Outlook・OneNoteデスクトップ版・Web 版・モバイル版の Word・Excel・PowerPoint・Outlook など
更新セキュリティ更新と修正だけ。新しい機能は入らない新しい機能とセキュリティ更新が続くApps for business と同じ
サポートの期限2029年10月9日。次の版は改めて購入期限はなく、サポートされるバージョンに更新し続けるのが条件Apps for business と同じ
会社のメール含まない(今のメールを Outlook で受ける)含まない(今のメールを Outlook で受ける)Exchange Online のメールボックスを含む
そのほかOffice 2024 はライセンス認証と定期的な再認証にインターネット接続が要る1人1TBのクラウドの保存場所(OneDrive)SharePoint・Teams など(Teams を含まない版もある)。Business Premium はデバイスの管理と脅威対策が加わる

出典:Microsoft サポート「Microsoft 365 と Office 2024 の違いは何ですか?」「Office 2024 および Office LTSC 2024 に関する FAQ」「Office をアップグレードする方法」、Microsoft「Microsoft 365 Apps for business」「一般法人向け Microsoft 365 プランの比較」、Microsoft Learn「古いバージョンの Office から Microsoft 365 Apps へのアップグレードを計画する」

表のうち、選ぶときに効くのは、ライセンスの数え方とメールの扱いです。

  • 1人が複数の端末(デスクトップとノート、Windows と Mac など)で Office を使うなら、1人で5台まで入れられる Microsoft 365 のほうが、ライセンスの数が端末の数に引きずられません。買い切りの Office 2024 は、1台のデバイスにだけ入れられます(Microsoft サポート「Office をアップグレードする方法」)。1人1台なら、どちらも1本(1ライセンス)ですが、デスクトップとノートの2台を使う人は、買い切りなら2本、Microsoft 365 なら1ライセンスです。
  • メールをレンタルサーバーやプロバイダのまま使うなら、メールの付かない Apps for business か買い切りで足ります。メール込みのプランを選ぶのは、メールの置き場も Microsoft 365 に移すときです。
  • すでに Business Basic などでメールを Microsoft 365 に置いているなら、Business Basic に入るのは Web 版とモバイル版のアプリだけなので(Microsoft「一般法人向け Microsoft 365 プランの比較」)、デスクトップ版の入るプランへ切り替えます。Microsoft の手順でも、契約中のプランにデスクトップ版が無いときの移り方の一つに、プランの切り替えを挙げています(Microsoft Learn)。
  • 買い切りを選ぶなら、Office 2024 のサポートは2029年10月9日までなので、2026年10月に買えば使える期間は約3年です。1回限りの購入には上位の版へのアップグレードが無く、次の版は正規の価格で改めて買います(Microsoft サポート)。Outlook を使う人は、Outlook の入る Office Home & Business 2024 を選びます。
  • Office LTSC 2024 は、機能の更新を受け付けられない規制対象の端末や、インターネットにつながらない特殊なシステムなど、特定の場面のために作られていると Microsoft は説明しています(Microsoft Learn)。Office LTSC 2021 の終了の告知でも、勧める移り先は Microsoft 365 Apps で、クラウドへ移る準備ができていない組織の移り先として Office LTSC 2024 を挙げています(Microsoft Learn「2026 年 10 月 13 日にサポートが終了する Office LTSC 2021」)。

端末の数で、数えるライセンスが変わる

1人が1台で使う

買い切りも Microsoft 365 も1本

  • 買い切り:そのパソコンに1本
  • Microsoft 365:その人に1ライセンス

比べ方:2029年10月までの費用で並べる(年額の節)

1人が2台以上で使う

買い切りは台数分、Microsoft 365 は1ライセンス

  • デスクトップとノートなら、買い切りは2本
  • Microsoft 365 は PC・Mac 5台まで入る

確かめること:一覧の「同じ人が使うほかの端末」

出典:Microsoft サポート「Office をアップグレードする方法」、Microsoft「Microsoft 365 Apps for business」(2026年9月29日確認)をもとに当社が整理

このほか、Word や Excel をデスクトップで使わず、閲覧や簡単な編集が中心の人は、Web 版とモバイル版のアプリと会社のメールが入る Business Basic で足りる場合があります。会社のメールやファイルの共有を Google Workspace に寄せるなら、Google のドキュメント・スプレッドシート・スライドで Office のファイルを開いて編集できますが、マクロは動きません(Google ドキュメント エディタ ヘルプ「Office ファイルの使用」)。マクロを使う人にだけ Microsoft 365 Apps for business を足す組み合わせもあります。

メールを Outlook で受けているだけか、会社のメールごと移すかで作業が変わる

Office を入れ替えるときの作業量は、会社のメールをどこに置くかで大きく変わります。一覧のメールの列を見て、次のどちらになるかを決めます。

メールの置き場で、切り替えの作業が変わる

メールは今のサーバーのまま

アプリを替えて、Outlook を設定し直す

  • 新しい Office を入れる
  • Outlook に同じアドレスを設定し直す
  • POP なら .pst を控えて、開き直す
  • DNS とメールサーバーは触らない

移り先:買い切り・Apps for business

メールも Exchange Online へ

アプリの入れ替えに、メールの引っ越しが加わる

  • ドメインを追加し、DNS にレコードを入れる
  • ユーザーとメールボックスを先に作る
  • 過去のメールを移す(IMAP 移行・.pst の取り込み)
  • MX を切り替え、メールを送る機器とシステムを設定し直す

移り先:Business Standard・Business Premium

10月13日までに要るのはアプリの入れ替え。メールの引っ越しは日程を分けられる

出典:Microsoft サポート「メール アカウントを Outlook for Windows に追加する」「Outlook データ ファイルを見つけて別のコンピューターに転送する」、Microsoft Learn「Microsoft 365 にカスタム ドメインを追加する」「IMAP メールボックスの Microsoft 365 または Office 365 への移行について知っておくべきこと」(2026年9月29日確認)をもとに当社が整理

Outlook で受けているだけなら

Microsoft 365 Apps for business や Office 2024 を入れたら、Outlook に同じメールアドレスを設定し直します。従来の Outlook では[ファイル]→[アカウントの追加]から始め、サーバーの名前やポートを指定する POP・IMAP のアカウントは、詳細設定から手動で入れます(Microsoft サポート「メール アカウントを Outlook for Windows に追加する」)。DNS やメールサーバーの設定は変わりません。

POP で受けている人は、過去のメールがパソコンの .pst ファイルにしかありません。新しいパソコンに移るときは、古いパソコンから .pst をコピーし、新しいパソコンでアカウントを設定してから .pst を開きます。.pst を移しても、アカウントの設定は移りません(Microsoft サポート)。新しい Outlook では、.pst のメールを開いて見ることはできますが、メール・連絡先・予定表を取り込む機能はまだ使えないと Microsoft は案内しています(Microsoft サポート「Outlook .pst ファイルからメール、連絡先、予定表をインポートする」)。Microsoft 365 Apps の Outlook には新しい Outlook と従来の Outlook があり、アドインや .pst の扱いが違います。その違いと切り替えの時期は「新 Outlook とクラシック Outlook|アドイン互換と切替時期の判断材料」で整理しました。

会社のメールごと Exchange Online へ移すなら

Exchange Online へ移すと、複合機や業務システムからメールを送る設定も、2026年12月末の SMTP AUTH の既定無効の対象になります。送信元の数え方は「Exchange Online の SMTP AUTH は2026年12月末に既定で無効になる」で解説しています。

Business Standard などでメールも Microsoft 365 に置く場合は、アプリの入れ替えに、メールの引っ越しが加わります。Microsoft の手順では、会社のドメインを Microsoft 365 に追加して所有を確かめ、必要な DNS のレコードを入れます。メールが途切れないよう、MX レコードを Microsoft 365 に向ける前に、ユーザーを追加してメールボックスを用意しておきます(Microsoft Learn「Microsoft 365 にカスタム ドメインを追加する」)。

過去のメールのうち、今のサーバーに残っているものは IMAP で移せます。移るのは受信トレイなどのメールのフォルダーの中身だけで、連絡先・予定表・タスクは移りません。1つのメールボックスから移せるのは50万件まで、1通の大きさは35MBまでです(Microsoft Learn「IMAP メールボックスの Microsoft 365 または Office 365 への移行について知っておくべきこと」)。POP で受けてサーバーに残っていないメールと、送ったメールは、各パソコンの .pst から、従来の Outlook の[インポート/エクスポート]で Microsoft 365 のメールボックスに取り込みます(Microsoft サポート)。

メールを送る機器やシステムも設定し直します。スキャンした書類をメールで送る複合機や、業務のアプリが出す通知のメールは、Microsoft が示す送り方(SMTP 認証での送信、SMTP リレー、直接送信など)から選んで設定します(Microsoft Learn「Microsoft 365 または Office 365 を使用してメールを送信するように多機能デバイスまたはアプリケーションをセットアップする方法」)。MX レコードを切り替えて、すべてのメールが Microsoft 365 に届くのを確かめてから、移行の同期を止めます(IMAP 移行のページ)。

この引っ越しは、Office 2021 のサポート終了とは別の作業です。10月13日までに要るのはパソコンのアプリを替えることなので、先にメール込みのプランでアプリを入れ替え、メールは今のサーバーのまま Outlook で受けておき、ドメインの追加から MX レコードの切り替えまでは別の日程で進める、という分け方ができます。今のサーバーとの並行期間の組み方は、サーバーの仕様によって変わるので、引っ越しの日程を決める前に確かめます。

年額は、プランごとの人数と、購入する日の単価で出す

すでに Microsoft 365 を契約している会社が、更新の前に、使っていないライセンスの数と、プランや払い方の付け替えを見直す手順は「Microsoft 365の価格改定(2026年7月以降の契約・更新)で、契約を見直すときに数えるもの」で解説しています。

Microsoft は、法人向けの Microsoft 365 の一部のプランの価格を、2026年7月1日から改めました。対象には Business Basic・Business Standard・Apps for business が入り、新しい価格は、新規の契約と、7月1日より後の更新から当てはまります。月払いと年払いのどちらの契約にも当てはまり、国と通貨に応じた調整があるとしています(Microsoft Licensing Resources「Microsoft 365 Pricing and Packaging Updates」「Microsoft 365 Packaging and Pricing Updates Public FAQ」、いずれも英語)。この記事ではライセンスの価格を載せないので、次の順に、購入する日の単価で計算します。

年額の出し方

人数を数えるプランごとに、使う人の数(端末の数ではない)
単価を確かめる購入する日の公式ページか見積もり。比較ページは消費税を含まない表示
契約の形を選ぶ月間契約か年間契約か、月払いか年払いか
人数×単価×12年間契約の1年分。消費税を足してそろえる

買い切りは「台数×1台の価格」を、2029年10月9日までの年数で割って並べる

今の契約は、2026年7月1日より後の最初の更新から新しい価格になる

出典:Microsoft「一般法人向け Microsoft 365 プランの比較」、Microsoft Licensing Resources「Microsoft 365 Packaging and Pricing Updates Public FAQ」(2026年9月29日確認)をもとに当社が整理

人数は、前の節の一覧から、プランごとに数えます。Microsoft 365 は人に対して1ライセンスなので、端末の数ではなく使う人の数です。単価は、Microsoft の比較ページか販売店の見積もりで、購入する日の値を確かめます。比較ページの価格は消費税を含まない表示なので(ページの注記)、社内の稟議に出す額は、消費税を含めた額にそろえます。

契約の形は、月間契約で月ごとに払う、年間契約で月ごとに払う、年間契約で1年分を前払いする、の3通りから選べます。月間契約はいつ解約しても解約料がかからない一方、年間契約を月払いにした場合は期間の途中の解約で解約料がかかることがあり、前払いの場合は期間の途中で解約しても払い戻されません(Microsoft「一般法人向け Microsoft 365 プランの比較」の質問と回答の欄)。人数が年の途中で変わりそうな会社は、この違いも費用に入れて比べます。比較ページの単価は1ユーザー・1か月あたりの額で示されているので、年間契約の1年分は、人数×単価×12で出します。

すでに Microsoft 365 を契約している会社は、今の単価のまま、7月1日より後の最初の更新で新しい価格に替わります。契約の一覧は Microsoft 365 管理センターの[請求]→[製品](簡易ビューでは[サブスクリプション])で見られ、契約を選ぶと詳細が開きます(Microsoft Learn「どのような Microsoft ビジネス サブスクリプションがありますか?」)。更新の日は、その詳細か販売店の契約書類で確かめます。

買い切りと比べるときは、台数×1台の価格を、使える年数で割って1年あたりにそろえます。Office 2024 のサポートは2029年10月9日までなので、2026年10月に買えば約3年です。このほか、パソコンの入れ替え、メールの移行の作業、社内の作業時間は、どの移り先でも別にかかります。

切り替えの段取り:古い Office の削除とライセンスの割り当て

Microsoft 365 Apps に替える段取りは、Microsoft Learn「ビジネス ユーザー向けの Microsoft 365 アプリをアップグレードする」の項目に沿うと、次のようになります。私たちは、まず1台で試して手順と所要時間を確かめてから、残りのパソコンに広げるよう勧めています。

Microsoft 365 Apps への切り替えの段取り

前日まで

確かめる・割り当てる

  • OS がシステム要件を満たすか
  • マクロ・アドイン・複雑なファイルを試す
  • 契約にデスクトップ版が入っているか
  • 使う人にライセンスを割り当てる

当日(1台ずつ)

消して、入れて、サインイン

  • .pst と、入手の形・キーを控える
  • Office 2021 をアンインストール
  • 会社のアカウントでサインインしてインストール
  • Outlook にメールを設定し直す

翌日から

確かめて、残りを記録

  • 送受信・印刷・よく使うファイル
  • マクロと、連携するソフト
  • 残ったパソコンと期日を一覧に書く

出典:Microsoft Learn「ビジネス ユーザー向けの Microsoft 365 アプリをアップグレードする」、Microsoft サポート「PC から Microsoft 365 または Office をアンインストールする」(2026年9月29日確認)をもとに当社が整理

前日までに、パソコンが新しい Office のシステム要件を満たすかと、業務で使うマクロ、VBA、Microsoft 以外のアドイン、複雑な文書やブックが新しいバージョンで動くかを確かめます。契約中のプランにデスクトップ版のアプリが入っているかも見ておきます(Microsoft Learn)。ライセンスは、Microsoft 365 管理センターの[課金]→[ライセンス]か[アクティブなユーザー]で、使う人に割り当てます(Microsoft Learn「Microsoft 365 管理センター内のユーザーのライセンスの割り当てまたは割り当て解除」)。

当日は1台ずつ、Office 2021 をアンインストールしてから新しい Office を入れます。Microsoft 365 と、Office Home and Business 2021 のような買い切りの版は、ほとんどの場合、同じパソコンで一緒には使えません(Microsoft サポート「異なるバージョンの Office を同じ PC にインストールして使う」)。アンインストールは、コントロールパネルの[プログラムと機能]か、Microsoft のアンインストールのツールで行います。消えるのはアプリだけで、作ったファイルは残ります(Microsoft サポート「PC から Microsoft 365 または Office をアンインストールする」)。Outlook を使っている場合は、Outlook のデータファイルを先に控えます(Microsoft サポート「Office をアップグレードする方法」)。

入れるときは、m365.cloud.microsoft/apps に会社のアカウントでサインインし、[アプリのインストール]から Microsoft 365 アプリを選びます。既定では64ビット版が入り、あとから32ビット版に替えるにはアンインストールからやり直すので、32ビット版で動かしているアドインがあるなら、前日までの確認でどちらにするかを決めておきます(Microsoft サポート「Microsoft 365 または Office 2024 を PC または Mac にダウンロードしてインストール、または再インストールする」)。Word などを開いてライセンス認証を終えたら、Outlook にメールを設定し直します。Mac では、新しい版を入れたあと、古い Office のライセンスのファイルを削除する手順が要る場合があります(Microsoft サポート)。

Office LTSC 2021 を多くの台数に入れている場合

ボリュームライセンスの Office LTSC 2021 を配布の仕組みで入れている会社は、Office 展開ツールを使い、Microsoft 365 Apps へのアップグレードの途中で、入っているクイック実行版の Office を削除するように設定できます(Microsoft Learn「古いバージョンの Office から Microsoft 365 Apps へのアップグレードを計画する」)。同じページは、展開の前に、業務で使う VBA のマクロ、Microsoft 以外のアドイン、複雑な文書やブックをテストして、互換性を確かめるよう求めています。

翌日からは、送受信、印刷、よく使うファイル、マクロと連携するソフトを確かめ、切り替えの終わっていないパソコンを、期日と一緒に一覧に残します。

間に合わないときは、社外とファイルをやり取りするパソコンから替える

10月13日までに全部のパソコンを替えられないときは、サポートが切れたときの影響が大きいパソコンから順に替えます。Microsoft は、インターネットなど安全でない可能性のある場所から来たファイルや、メールの添付ファイルには、ウイルスなどが含まれていることがあると説明しています(Microsoft サポート「保護ビューとは」)。サポートの終わった Office では、後から見つかった脆弱性が直らないので(Microsoft サポート)、社外から届くファイルを開くパソコンを先にします。

間に合わないときに替える順番

1番目社外とファイルをやり取りするパソコン

メールの添付やダウンロードしたファイルを開く。取引先とファイルをやり取りする担当

2番目Microsoft 365 につなぐパソコン

Office 2021 の Outlook で Exchange Online のメールを読む。OneDrive や SharePoint のファイルを開く

3番目何人かで使うパソコン

受付や共用のパソコン。開くファイルをつかみにくい

4番目マクロやアドインを確かめるパソコン

確かめる作業は先に始め、切り替えは確認が済んでから

期日を決めて待つ入れ替え予定のパソコン

新しいパソコンで移り先に合わせる。入れ替えの日を一覧に書く

当社の整理。根拠は Microsoft サポート「保護ビューとは」「Office 2021 のサポートの終了」、Microsoft Learn「Office バージョンと Microsoft 365 サービスへの接続」(2026年9月29日確認)

替え終わるまでのパソコンは、自動更新を止めているなら、10月13日までに出た更新を当てておきます。社外から届いたファイルは替え終わったパソコンで開くようにし、残るパソコンと期日は一覧に書いて、担当者の間で共有します。

Office の入れ替えに合わせたメールの移し方や Outlook の設定は、Aurant Technologies のMicrosoft 365・Google Workspace の移行と設定のスポット相談で1件から伺っており、導入の全体の進め方はMicrosoft 365 導入支援、費用の考え方はMicrosoft 365・Google Workspace活用支援のページにまとめています。

Microsoft 365・Google Workspace の移行と設定のスポット相談

メールの移行、ドメインとDNS、共有アドレスや代理人の権限、新しいOutlookへの切り替え、Copilot・Geminiを使うときの社内ルール。調べた手順で直らないとき、同じことが何人もで起きているときに、いま困っていることを1件から相談できます。

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aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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