kintoneの導入支援・伴走支援の料金は何で決まるか|定額の伴走、スポットの開発、業種パッケージの違いと、社内に残すもの
kintoneの導入支援・伴走支援の料金は、頼み方によって決まり方が違います。サイボウズが紹介する伴走サービス・定額開発・アプリパッケージ・有償研修の4つの頼み方ごとに、頼めること、料金を決めるもの、社内に残すもの(設計の記録・管理者の権限・コード)を整理し、見積もりが動く所、利用料の払い方、補助金の注意、見積もりで渡すものと聞くことをまとめました。
目次 クリックで開く
この記事の要点
- 料金は、頼み方ごとに決まり方が違います。定額の伴走は月ごとの定額で、サイボウズの案内に載っている目安は月額で数万〜数十万円です。スポットの開発は作る時間やアプリの数で金額が決まり、範囲を超えた分は個別の見積もりです。業種向けのパッケージは製品の料金と手直しの範囲、社内で作るなら研修と担当者の時間で決まります。kintone®の利用料と、プラグイン・連携サービスの料金は、どの頼み方でも別に払います。
- 見積もりを大きく動かすのは、JavaScriptのカスタマイズ、外部サービスとの連携、データの移し替えです。JavaScriptと連携は、作った後も、kintoneや相手のサービスの更新に合わせた手入れが続きます。見積もりを頼むときは、アプリの一覧とプラグインの一覧をCSVで書き出して渡すと、各社の前提をそろえられます。
- 頼んだ後に社内に残すのは、設計の記録、管理者の権限、コードの置き場所と持ち主です。スポットの開発では仕様書やマニュアルが納品されないことが多いとサイボウズも案内しているので、何を受け取るかを頼む前に決めます。補助金を使うなら、導入済みのkintoneに足すプラグインや、過去に買った製品への作業が、登録の対象外になっている点を先に確かめます。
頼み方ごとの、料金の決まり方と、社内に残すもの
毎月の額で払う
定額の伴走
- 業務の整理、アプリの作り方の助言
- 定例会での運用の相談
料金を決めるもの:月に使える時間や定例会の回数、伴走する側がどこまで作るか
残すもの:決めたことの記録と、社内で作ったアプリ
作る範囲ごとに払う
スポットの開発
- アプリの設計と構築
- プラグインの提案と設定
料金を決めるもの:作る時間やアプリの数。範囲を超えた分は個別の見積もり
残すもの:設計の記録。納品に入らないことが多い
製品の料金と手直し
業種向けのパッケージ
- 業種・業務に合わせたアプリの一式
- JavaScriptのカスタマイズを含む
料金を決めるもの:提供元の料金(別の契約)と、自社に合わせる手直しの範囲
残すもの:契約をやめたときに止まるものの取り決め
研修と担当者の時間
社内で作る
- 操作・管理・カスタマイズの研修
- kintone認定資格の対策講座
料金を決めるもの:研修の種類と受ける人数、担当者が作る時間
残すもの:作り方の決まりと、複数の管理者
どの頼み方でも、kintoneの利用料と、プラグイン・連携サービスの料金は、支援の料金とは別に払う
当社の整理。頼み方の中身と伴走の目安は、サイボウズ「パートナー企業に相談する」と、サイボウズ「kintoneの伴走サービス」・「kintoneの定額開発」・「セミオーダー型 kintone アプリパッケージ」・「kintoneの有償研修」の各ページ(2026年9月30日確認)による
kintoneの導入支援・伴走支援の料金は、頼み方によって決まり方が違います。サイボウズのkintoneのサイトは、サイボウズ オフィシャルパートナー(以下、パートナー)への頼み方として、伴走サービス、定額開発、セミオーダー型 kintone アプリパッケージ、有償研修の4つを紹介しています。このうち料金の目安が書かれているのは伴走サービスだけで、月額で数万円から数十万円です(サイボウズ「kintoneの伴走サービス」、2026年9月30日確認)。ほかの頼み方の料金は、作る範囲と作り方で決まるので、見積もりで確かめることになります。
見積もりを大きく動かすのは、JavaScriptのカスタマイズ、外部サービスとの連携、データの移し替えです。どれも画面の設定だけでは終わらない作業で、カスタマイズやプラグインの問い合わせは、サイボウズのカスタマーサポートでは受け付けていません。頼んだ後に社内に残すのは、設計の記録、管理者の権限、コードの置き場所と持ち主です。これが手元に無いと、直すたびに作った会社に頼むことになり、頼み先を替えるときも今の作りを調べ直すところから始まります。kintoneの利用料(1ユーザー月1,000円から、最小10ユーザー、税抜)とプラグインの料金は、支援の料金とは別に払います。
この記事では、外に頼める作業の範囲、頼み方ごとの料金の決まり方、社内に残すもの、見積もりが動く所、kintoneの利用料の払い方、補助金を使うときの注意、見積もりを頼むときに渡すものと聞くことを順に書きます。料金・仕様・制度は、サイボウズの公式ページ、kintone ヘルプ、cybozu developer network、補助金の事務局の公募要領で、2026年9月30日に確かめました。支援の作業の金額は、公開の一次情報で確かめられた伴走サービスの目安のほかは書かず、見積もりが変わる要素と、見積もりで聞くことで書いています。Aurant Technologiesはkintoneの販売代理店ではなく、アプリの設計・構築と内製化の支援をしており、kintoneのプラグインを自社で開発して提供している立場でもあります。プラグインで補う形は、ほかの形と並ぶ選択肢の一つとして扱います。
外に頼める作業は、提案・導入・アプリの開発・運用と教育に分かれる
パートナーは、kintoneの導入の前後を支えるサイボウズ公認の協力企業です(サイボウズ「パートナー企業に相談する」)。サイボウズのパートナーネットワークは、パートナーに頼める作業を、提案・販売、システムの導入・構築のサポート、アプリ開発の支援、運用の支援と教育の4つに分けています(「パートナーができること」)。見積もりを比べるときは、どの作業が含まれているかをこの区分で並べると、範囲の違いが見えやすくなります。
パートナーに頼める作業(サイボウズの案内の区分)
JavaScriptのカスタマイズ・プラグイン・連携サービスは、サイボウズのカスタマーサポートの対象外。頼み先は自社か、パートナーか、提供元
サイボウズのパートナーネットワーク「パートナーができること」、kintone ヘルプ「API、カスタマイズ、プラグインや連携サービスに関するお問い合わせ」(2026年9月30日確認)をもとに作成
アプリの開発には、アプリの設計のほか、JavaScriptやAPIを使った開発、プラグインの提案と開発が入ります。kintone ヘルプによると、JavaScriptやCSSでのカスタマイズの方法は、カスタマーサポートの問い合わせの対象ではありません。自社で開発するなら開発者向けのサイト(cybozu developer network)とコミュニティが案内され、パートナーに依頼することもできるとされています。プラグインと連携サービスのことは、それぞれの提供元に問い合わせます(kintone ヘルプ「API、カスタマイズ、プラグインや連携サービスに関するお問い合わせ」)。
頼み先は、サイボウズのパートナーの検索で、製品、相談したい内容(販売・営業提案、開発・構築、教育)、訪問かオンラインか、都道府県で絞り込めます。どこに相談するかを決めかねるときは、要件を伝えるとサイボウズがパートナーを案内する「kintone パートナー選定支援サービス」があり、すでに販売店からkintoneを買っている場合は、まずその販売店に相談するよう案内されています。サイボウズは、パートナーの前の年の活動をもとに星を付ける評価(CyPN Report)も公開しています。開発・構築・教育を受け持つパートナーの評価の軸には、役務の売上や件数、顧客満足度、kintone認定資格者の数などが入っています。
頼み方ごとに、頼めることと料金の決まり方が違う
この記事では、サイボウズの案内の伴走サービスを「定額の伴走」、定額開発を「スポットの開発」、セミオーダー型 kintone アプリパッケージを「業種向けのパッケージ」、有償研修を「社内で作る」ための研修として扱います。同じ「定額」でも、伴走は毎月の額が決まっていること、サイボウズの定額開発は作る時間やアプリの数で金額を先に決めることを指しています。
定額の伴走:毎月の額で、業務の整理から作り方の助言までを続けて頼む
伴走サービスは、業務の整理から、アプリの作り方の助言、定例会での運用の相談までを、続けて受ける形です。サイボウズの案内では、アプリを作る作業を社内と伴走パートナーで分けたうえで、作ったアプリに伴走パートナーが意見を返し、現場で使いながら直していく進め方が紹介されています。料金の目安は「月額:数万〜数十万円」と幅のある書き方です(「kintoneの伴走サービス」)。
見積もりが変わる要素は、月に使える時間や定例会の回数、伴走する側がアプリを作る作業まで受け持つか、対象にする業務の数、契約の期間です。社内の担当者が手を動かす割合が大きいほど、伴走する側の作業は減り、作り方の知識は社内に残ります。
スポットの開発:作る範囲と金額を先に決めて頼む
サイボウズの案内の定額開発は、決めた時間と金額の中で、アプリの設計と開発を進める形です。依頼する側の目の前で要望を反映しながら作る対面の開発もあり、数回の打ち合わせで終わることと、定額なので予算を取りやすいことが特長として挙げられています。定額の範囲を超える開発は、個別の見積もりです。
気をつけたいのは納品物です。案内には、スピードと料金を重んじて作るため、仕様書やマニュアルは納品されないことが多いと書かれています。サービスによっては、納品の後の手直しが一定の期間は無料になることもあります(「kintoneの定額開発」)。見積もりが変わる要素は、作る時間やアプリの数、範囲を超える部分の扱い、そして後の節で書くJavaScript・連携・データの移し替えが入るかどうかです。
業種向けのパッケージ:できあがったアプリ一式を入れて、自社に合わせる
セミオーダー型 kintone アプリパッケージは、特定の業種や業務に合わせてkintoneの上で作られたアプリの一式です。案内には、営業支援、人事業務、製造業、不動産業、法律事務所などの例が挙がっていて、複数のアプリと高度なJavaScriptのカスタマイズをまとめて提供するとされています(「セミオーダー型 kintone アプリパッケージ」)。kintoneのサイトの「プラグイン・連携サービス」では、パッケージもプラグイン・連携サービスの一つとして並び、使えるのはスタンダードコース以上で、サービスごとに別の契約が要ると案内されています。
見積もりが変わる要素は、パッケージの料金(提供元の料金表)、自社に合わせる手直しの範囲、kintoneの利用料(使う人の数)です。パッケージの中のJavaScriptは提供元が作ったものなので、手直しを自社や別の会社がしてよいか、契約をやめたときにどの画面や動きが止まるかも、あわせて確かめます。
社内で作る:研修で覚えて、自分たちで作る
kintoneのアプリは、項目や一覧を画面の設定で作れるので、社内で作る形もとれます。その場合、外に払うものは主に研修です。有償研修には、利用者向けの操作の指導、管理者向けの運用の研修、kintone認定資格の対策講座、カスタマイズや連携サービスの研修などがあります(「kintoneの有償研修」)。認定資格は、基礎のアソシエイトから、アプリデザインスペシャリスト、カスタマイズスペシャリスト、カイゼンマネジメントエキスパート、システムデザインエキスパートまでの3段階5種類です(サイボウズ「kintone認定資格の種類について」)。
JavaScriptのカスタマイズを社内で試すなら、cybozu developer networkの開発者ライセンスが使えます。スタンダードコースとほぼ同じ環境を12か月無料で使え、更新もできます。ユーザー数は5人で固定、本番の運用には使えないと案内されています(「kintone 開発者ライセンス(開発環境)」)。見積もりが変わる要素は、研修の種類と受ける人数、そして担当者が作るのにかける時間です。担当者の時間は外に払う費用には出てきませんが、社内の費用です。
どの形から比べるかは、作るものが先に決まっているかで分けられます。
どの頼み方から比べるか
作るアプリと項目が、もう決まっている
例:今のExcelの台帳を、同じ項目のままアプリにする
業種でよく使う流れに、自社の手順を合わせられる
例:営業の案件管理、製造の工程管理
作った後の手直しも、外に頼むつもりでいる
例:社内に、アプリの設定を触る人を置かない
当社の整理。サイボウズ「kintoneの伴走サービス」・「kintoneの定額開発」の案内の分け方を参考にした(2026年9月30日確認)
頼み方は組み合わせることもできます。業種向けのパッケージを入れて手直しだけをスポットで頼む、最初の数か月だけ伴走を頼み、その後は社内で作る、といった形です。どの形でも、次の節のものは社内に残します。
頼んだ後に社内に残すもの:設計の記録、管理者の権限、コードの置き場所と持ち主
社内に残すものは、どの頼み方でも共通しています。残っていれば、次に直すときや頼み先を替えるときに、今の作りを調べ直す手間が減ります。
頼み方にかかわらず、社内に残すもの
残すもの1
設計の記録
- アプリの一覧、項目、アプリどうしのつながり
- プロセス管理、通知、アクセス権の決めごと(テンプレートに入らない)
- アプリ管理者用メモは、テンプレートに含められる
残すもの2
管理者の権限
- cybozu.com共通管理者とストアの管理者は社内の人に
- パートナーには作業用の別のアカウント(1人1アカウント)
- 作業が終わったら使用停止か削除。契約の人数の変更は別の手続き
残すもの3
コードの置き場所と持ち主
- JavaScriptをkintoneに取り込んでいるか、外部のURLから読み込んでいるか
- 元のコードと組み立ての手順、直してよいかの取り決め
- プラグイン・パッケージの契約が終わると止まるもの
kintone ヘルプ「アプリテンプレートに含まれない設定」・「管理者の種類と権限」・「JavaScriptやCSSでアプリをカスタマイズする」、サイボウズ「ライセンスに関するご案内(クラウド版)」、kintone FAQ「退職するユーザーがいます。…」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
設計の記録は、アプリの一覧、項目、アプリどうしのつながり(ルックアップ・関連レコード一覧)、プロセス管理、通知、アクセス権の決めごとです。アプリの設計はテンプレートのファイルに書き出せて、別のドメインのkintoneに読み込むこともできます。書き出せるのは、アプリの管理権限とkintoneのシステム管理権限の両方を持つ人です(kintone ヘルプ「アプリをテンプレートとしてダウンロードする」)。ただし、テンプレートに入らない設定があります。プラグインの設定、APIトークン、Webhook、アクセス権のほか、プロセス管理で誰が作業するか、通知を誰にどんな条件で送るかといった、ユーザーや組織を使った設定です(「アプリテンプレートに含まれない設定」)。この部分は文書で受け取ります。アプリ管理者用メモは、設定すればテンプレートに含められるので、決めごとをメモに書いてもらう方法もあります。
管理者の権限では、cybozu.com共通管理者と、契約を扱うサイボウズドットコム ストアの管理者を、社内の人にしておきます。cybozu.com共通管理者は最上位の管理者で、ユーザーの追加や削除、外部サービスとの連携の設定ができ、アクセス権の設定にかかわらずすべてのアプリの設定を変えられます(kintone ヘルプ「管理者の種類と権限」)。アプリにJavaScriptやCSSを適用できるのはkintoneのシステム管理者だけで(「JavaScriptやCSSでアプリをカスタマイズする」)、プラグインをkintoneに読み込むのもkintoneのシステム管理者です(「プラグインを追加/削除する(kintoneシステム管理)」)。パートナーに適用まで任せるならこの権限を渡すことになるので、作業の間だけにするか、ファイルを受け取って社内で適用するかを決めます。
kintoneのライセンスはcybozu.comにログインする人ごとに要り、1人分のアカウントを何人かで使い回すことはできません(サイボウズ「ライセンスに関するご案内(クラウド版)」)。パートナーの担当者が自社のkintoneで作業するなら、その人のアカウントも人数に入ります。作業が終わったら使用停止か削除にしますが、請求は契約ユーザー数で決まるので、人数を減らすなら契約の変更の手続きが別に要ります。管理者が退職するときには、契約者の情報、ストアの管理者、共通管理者の変更も要ると案内されています(kintone FAQ「退職するユーザーがいます。必要となる作業や手続きはありますか?」)。
コードの置き場所も確かめます。JavaScriptやCSSのファイルは、アプリの設定の[JavaScript / CSSでカスタマイズ]で、ファイルを取り込むか、URLを指定して適用します。URLには、cybozu.com以外のドメインも指定できます(kintone ヘルプ)。パートナーのサーバーに置いたファイルをURLで読み込んでいると、そのサーバーが止まればカスタマイズも止まり、ファイルは自社の手元に残りません。取り込んだファイルとは別に、元のコードとそれを組み立てる手順があるなら、それも受け取る範囲に入れます。直してよいか、別の会社に直してもらってよいかという権利の決め方は、「業務システムは買うか作るか」で扱いました。
プラグインは、設定画面用のHTML・JavaScript・CSSをまとめたファイルです。提供元から受け取ったファイルをkintoneシステム管理で読み込み、新しい版が出たら同じ手順で読み込み直します。プラグインを使ったカスタマイズについては、サイボウズはサポートしておらず、問い合わせ先は提供元です(kintone ヘルプ)。プラグインや業種向けのパッケージの中のコードは提供元が作ったものなので、契約をやめたときにどの画面や動きが止まるかを、契約の前に聞いておきます。
見積もりが大きく動く所:JavaScriptのカスタマイズ、外部サービスとの連携、データの移し替え
Excelの顧客台帳をkintoneなどへ移す場合に、移す前に台帳の側でそろえておく重複や書き方、担当者の対応づけは「Excelの顧客台帳を顧客管理システムに移すと、いくらかかるか」で解説しています。
同じ数のアプリでも、見積もりが大きく変わるのは、次の作業が入るときです。JavaScriptと連携はスタンダードコース以上の機能で、データの移し替えは、量と形によって手作業やプログラムが要ります。
費用の増え方は、作業ごとに違う
作った後も続く
JavaScriptのカスタマイズ
- スタンダードコース以上で使える
- サイボウズのサポートの対象外
- 毎月第2日曜の定期メンテナンスの前後に、動作を確かめる手間
回数で変わる
外部サービスとの連携
- プラグイン・連携サービスは提供元と別の契約
- 連携コネクタは月3,000ステップまで無料
- APIは1アプリ1日10,000回まで(スタンダードコース)
量と形で変わる
データの移し替え
- CSVは1ファイル100MB・10万行まで
- 添付ファイルや関連レコード一覧は、ファイルから読み込めない
- ユーザーはログイン名、組織は組織コードにそろえる
同じ数のアプリでも、この3つが入るかどうかで作業の量が変わる
サイボウズ「料金|kintone」・「連携コネクタ」、cybozu developer network「kintone APIのアップデートおよび提供に関する方針」、kintone ヘルプ「レコード登録・上書き用のファイルの記載形式」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
JavaScriptのカスタマイズは、ライトコースでは使えません(kintone FAQ「コースごとの違いを教えてください。」)。費用は作るときだけで終わらず、kintoneの更新に合わせた手入れが続きます。kintoneは毎月第2日曜に定期メンテナンスがあり、新しい機能はそこを基本に届きます(cybozu developer network「kintone APIのアップデートおよび提供に関する方針」)。更新の届き方を[最新チャネル]にしている環境では、それ以外の時にも新しい機能が届き、2023年5月の定期メンテナンスより後に作られた環境では[最新チャネル]が初期の設定です(kintone ヘルプ「[アップデートオプション]画面でできること」)。
サイボウズは、APIの説明書に書かれていない方法、たとえば画面の部品を直接操作するカスタマイズは、更新で動かなくなるおそれがあると案内しています(「そのカスタマイズ大丈夫? アップデートの影響を受けにくいカスタマイズTips」)。kintoneシステム管理の[アップデートオプション]では、出る予定の新しい機能を先に試したり、一部の新しい機能を一時的に止めたりできます。プラグインの直しは、提供元が出す新しい版を自社で読み込み直す形になり、自社向けに書いたJavaScriptは、書いた人か引き継いだ人が直します。見積もりでは、更新の前後に動作を誰が確かめるか、その作業が月額に入るか、動かなくなったときの直しの費用を聞きます。
外部サービスとの連携は、つなぐ方法で費用の形が変わります。プラグインや連携サービスで足りるなら、その利用料が提供元との別の契約でかかります(「プラグイン・連携サービス」)。サイボウズ自身も、kintoneとMicrosoft 365のサービスをつなぐ連携コネクタを出していて、スタンダードコース以上のkintoneがあれば買えます。月3,000ステップまでは無料のプランで使え、それより多く使うなら、月10,000ステップの有料プランを本数で買います(1本月10,000円、税別)。ステップは連携の中の処理1つごとに数え、連携を動かすたびに消費されるので、同じ連携でも、動かす回数が多いほど要るステップが増えます(サイボウズ「連携コネクタ」)。
APIで個別に作るなら、開発の費用と、相手のサービスが変わったときの直しの費用がかかります。1つのアプリに1日に送れるAPIのリクエストは、スタンダードコースで10,000回、ワイドコースで10万回までです(「料金|kintone」、cybozu developer network「kintone REST APIの共通仕様」)。件数の多い連携は、回数を抑える作り方を設計する分も見積もりに入ります。
データの移し替えは、量と形で手間が変わります。kintoneにファイルから読み込めるのは、Excelなら1ファイル1MB・1,000行まで、CSVなら100MB・10万行までで、[添付ファイル][関連レコード一覧][計算][ラベル][レコード番号]のフィールドには、ファイルから値を読み込めません。ユーザーを選ぶ欄はログイン名、組織を選ぶ欄は組織コードで書くなど、今の台帳の値をkintoneの形にそろえる作業も入ります(kintone ヘルプ「レコード登録・上書き用のファイルの記載形式」)。添付ファイルを移すなら、画面で1件ずつ添付するか、APIでファイルをアップロードしてレコードに付けるプログラムを使います(cybozu developer network「ファイルをアップロードする」)。見積もりには、移すレコードの件数、添付ファイルの量、値をそろえる作業を誰がするかを書いてもらいます。
kintoneの利用料は支援の料金と別に払う:サイボウズから買うか、パートナーから買うか
支援の料金とは別に、kintoneの利用料がかかります。1ユーザーの月額(税抜)は、ライトコースが1,000円、スタンダードコースが1,800円、ワイドコースが3,000円で、ライトとスタンダードは10ユーザー、ワイドは1,000ユーザーから契約します。プラグイン、JavaScriptのカスタマイズ、APIでの連携を使うにはスタンダードコース以上が要るので、どの頼み方でも、作るものが決まったらコースを確かめます。
| コース | 月額 | 年額 | 最小ユーザー数 | プラグイン・JavaScript・API連携 |
|---|---|---|---|---|
| ライト | 1,000円 | 12,000円 | 10ユーザー | 使えない |
| スタンダード | 1,800円 | 21,600円 | 10ユーザー | 使える(APIは1アプリ1日10,000回まで) |
| ワイド | 3,000円 | 36,000円 | 1,000ユーザー | 使える(APIは1アプリ1日10万回まで) |
月額・年額は1ユーザーあたり、税抜。出典:サイボウズ「料金|kintone」(2026年9月30日確認)。初期費用は無く、月額は1か月から契約できる。
払う先は3つに分かれる
払う先:サイボウズか、買ったパートナー
kintoneの利用料
- 使う人の数×1ユーザーの価格
- ライトとスタンダードは最小10ユーザー
払う先:それぞれの提供元
プラグイン・連携サービス
- スタンダードコース以上で使える
- kintoneとは別の契約
払う先:頼んだ会社
支援の料金
- 伴走、開発、パッケージの手直し、研修
- 料金に含む作業を見積もりで確かめる
サイボウズ「料金|kintone」・「プラグイン・連携サービス」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
kintoneは、サイボウズから直接(サイボウズドットコム ストアで)買うことも、パートナーから買うこともでき、契約から使い始めるまでの流れはどちらも同じです(「料金|kintone」)。違いは、契約を変えるときの窓口です。
| 手続き | サイボウズから直接買う | パートナー(販売店)から買う |
|---|---|---|
| 見積もり・発注 | サイボウズドットコム ストア、またはcybozu.com共通管理 | 買ったパートナー。ストアや共通管理では購入の操作ができない場合がある |
| ユーザー数・コースの変更 | ストアで手続き | 買ったパートナーに連絡。年額契約の期間の途中の追加は、契約中のパートナーからだけ |
| 支払い方法 | クレジットカード、またはマネーフォワード 掛け払い(請求書払い・口座振替) | 買ったパートナーに確かめる |
| 年額の更新・月額の解約 | ストアで手続き | 買ったパートナーに連絡 |
出典:サイボウズ「料金|kintone」・「ライセンスに関するご案内(クラウド版)」、kintone FAQ「パートナー(販売店)を通して契約しています。…」(記事番号00475。2026年9月30日確認)
支援と利用料を同じパートナーに頼むと、窓口は一つになります。一方で、後から支援の頼み先だけを替えても、利用料の契約の窓口はそのまま残ります。発注先を替えると、改定後の最小契約ユーザー数(10ユーザー)が適用されると案内されています(サイボウズ「クラウドサービスの価格改定に関するご案内」)。10ユーザー未満の月額契約が2026年11月分から10ユーザー分の料金に切り替わる件は、「kintoneの最小契約が10ユーザーに切り替わる」で書きました。
補助金を使うなら、対象になる支援の区分と時期を先に確かめる
kintoneの利用料や支援の費用に、国のデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金。中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026」の概要)を使うには、頼み先がIT導入支援事業者であることと、使うものがITツールとして事前に登録されていることが前提です。通常枠の公募要領では、補助の対象は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とされています(事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」)。支援の作業にあたる役務(カテゴリー5〜7)は、補助の対象になる経費が合わせて200万円までです。登録の区分と、この記事の頼み方の重なりは次のとおりです。
頼み方と、補助金の区分の重なり(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠)
カテゴリー1ソフトウェア
kintoneの利用料や業種向けのパッケージが、ITツールとして登録されていれば当たる
月額・年額のものは最大2年分
カテゴリー5導入・活用のコンサルティング
導入の計画づくり(交付決定から導入を始めるまで)と、納品から6か月の間の活用の相談
伴走の月額のうち、納品から6か月より後の月は、この区分の期間の外
カテゴリー6導入設定・マニュアル作成・導入研修
導入の設定、カスタマイズの作業、今のデータのCSVでの取り込み、研修、運用の手引き
導入を始めてから納品までに発生する費用
カテゴリー7保守サポート
納品の後の保守と問い合わせの窓口
最大2年分
対象外登録の対象にならないもの
導入済みのソフトウェアに足すプラグインやアドオン、購入済みのソフトウェアの追加のライセンス、過去に買った製品への作業や保守
交付決定の前に契約したものも対象外
カテゴリー5〜7(役務)の補助の対象になる経費は、合わせて200万円まで
事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」p.17・18・30、「デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録要領」p.10・17〜21(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
すでにkintoneを使っている会社は、とくに二つを確かめます。ITツール登録要領は、すでに導入済みのソフトウェアの機能を追加・拡張するためのもの(追加モジュール、アドオン、プラグインなど)と、すでに購入済みのソフトウェアの追加のライセンスを、登録の対象外にしています。導入設定や保守の区分でも、過去に購入した製品に対する作業や保守の費用は対象外です(事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録要領」)。今のkintoneに足すプラグインや、今のアプリの手直しがこれに当たらないかを、支援事業者に確かめます。
時期にも決まりがあります。交付決定より前に契約したり発注したりしたITツールは補助の対象にならず、交付決定の日からおよそ6か月の間に、導入と支払いを済ませて実績を報告します。消費税も補助の対象外です(公募要領)。伴走の月額のうち、活用のコンサルティングの区分に入りうるのは納品から6か月の間の分で、それより後の月は、この区分の期間の外になります(ITツール登録要領)。
見積もりを頼むときに渡すものと、聞くこと
kintone で組む案と Webアプリで構築する案を同じ業務の範囲で並べ、費用の形とメリット・デメリットを比べた提案の例は、導入事例「販売管理システムを、Webアプリで構築するか kintone で組むか」で紹介しています。
見積もりを複数の会社に頼むなら、同じ材料を渡します。前提がそろっていれば、届いた見積もりの違いが、範囲の違いなのか、作り方や作業の量の違いなのかを見分けやすくなります。kintoneを使っているなら、管理の画面から一覧をCSVで書き出せます。
見積もりの前提をそろえる材料
CSVで書き出す
アプリの一覧
- cybozu.com共通管理者が[アプリ管理]から
- レコード数、フィールド数、1日のAPIリクエスト数、Webhook数、添付ファイルの合計サイズ、カスタマイズの有無
CSVで書き出す
プラグインの一覧
- kintoneシステム管理の[プラグイン]から
- プラグインの名前、バージョン、使っているアプリ
契約の画面で確かめる
契約の中身
- コースとユーザー数
- 月額か年額か、サイボウズから買ったかパートナーから買ったか
社内で書く
業務と、社内に残したい力
- 今のExcelや紙の見本、入力する人と見るだけの人の数
- 納品の後に社内で直したい範囲、出せる金額の上限
kintone ヘルプ「アプリの一覧をCSV形式でダウンロードする」・「プラグインの一覧をCSV形式でダウンロードする」(2026年9月30日確認)をもとに当社が整理
アプリの一覧は、cybozu.com共通管理者が[アプリ管理]画面の[CSV形式でダウンロードする]で書き出せます。レコード数、フィールド数、1日のAPIリクエスト数、APIトークン数、Webhook数、そのアプリを参照しているアプリの数、添付ファイルの合計サイズ、カスタマイズの有無などが入っていて(kintone ヘルプ「アプリの一覧をCSV形式でダウンロードする」)、JavaScript・連携・データの移し替えにかかる作業の量を、ここから見積もれます。プラグインの一覧も、kintoneシステム管理の[プラグイン]画面から、名前・バージョン・使っているアプリを書き出せます(「プラグインの一覧をCSV形式でダウンロードする」)。
まだkintoneを契約していないなら、今のExcelや紙の見本と、入力する人・見るだけの人の数を渡します。kintoneは30日間無料で試せ、試用はスタンダードコースで人数の制限がありません。試用中に作ったアプリとデータは、発注のときに環境を指定すれば、そのまま本番に引き継げます(「料金|kintone」)。試用の環境で作った画面を見せると、作りたいものを具体的に伝えられます。出せる金額の上限と、補助金を上限に入れない組み方は、「予算が決まっていないときのシステム開発費の考え方」で書きました。
材料を渡したら、次のことを聞きます。答えを並べると、同じ金額の見積もりでも、社内に何が残るかの違いが見えます。
各社に同じように聞くこと
料金に含む作業と、含まない作業は何か
範囲を超えた分を、どう決めて、どう見積もるか
設計の記録やマニュアルは、納品に入るか
入らないなら何を残すか。アプリ管理者用メモに書いてもらえるか
JavaScriptのファイルは、どこに置くか
kintoneに取り込むか、外部のURLか。元のコードと、直す権利は誰のものか
毎月の定期メンテナンスの後、動作を誰が確かめるか
その作業は月額に入るか。動かなくなったときの直しの費用は
作業のアカウントは何人分、どの権限が要るか
本番の環境で作るか、開発用の環境で作ってから持ち込むか
プラグイン・連携サービスの料金と、契約の相手はどこか
月額か買い切りか。契約をやめたときに何が止まるか
納品の後、無料で直す期間はあるか
期間の長さと、無料になる直しの範囲
補助金を使うなら、どの区分で登録しているか
ITツールの登録と、交付決定から6か月程度の日程に収まるか
当社の整理
Aurant Technologiesは、kintoneのアプリの設計・構築と、社内で直せる状態にするまでの支援をしています。当社の支援の受け方と、料金が変わる要因は、kintone 導入支援のページの「料金の考え方」に載せています。kintoneで作るか、ほかの業務ツールで作るかから考える段階なら、業務ツール導入・活用支援に、作り方の比べ方をまとめています。
kintoneおよびサイボウズは、サイボウズ株式会社の登録商標です。そのほかの社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。
kintone導入・内製化支援
kintoneを現場の業務に合わせて設計・構築し、Excelや紙業務の置き換え、他システムとのデータ連携、社内メンバー自身が改修・運用できる内製化までを支援します。
