【導入事例】案件・見積・請求・工数を一つの流れに。kintone と会計・人事のクラウドサービスをつないで全社で使い始めたサービス業E社の導入の裏側
案件は営業支援のツール、見積は担当者ごとの表計算、工数は割合での手入力と、情報が分かれていたサービス業E社。kintone に顧客・案件・見積・工数を集め、会計と勤怠・労務のクラウドサービスとつないで、案件の登録から見積・請求までを一つの流れにしました。全社員のアカウントで運用を始め、勤怠と工数のずれを確かめる仕組みづくりを進めています。
本事例は、当社が支援した実際の案件をもとに構成しています。企業名と、お客様の環境にある製品の名前は伏せ、業種・規模・時期は一般化して記載しています。案件の管理と、会計・人事のサービスをつないだ業務の仕組みづくりを検討する際の参考にしていただければ幸いです。
業種:サービス業
期間:2025年から準備し、2026年に全社で運用を開始。その後も改修と追加の開発
使った製品:kintone®、会計のクラウドサービス、勤怠・労務のクラウドサービス、データを集計する仕組み、反社チェックのサービス
案件・見積・請求・工数が、別々の場所にあった
E社では、案件の登録と進み具合を営業支援のツールで管理し、見積書は営業担当者がそれぞれの表計算のシートで作っていました。毎月・毎年の請求は営業が手作業の表計算で管理し、請求の連絡は社内チャットで行っていました。会計には会計のクラウドサービスを使っています。
勤怠は社内チャットで打刻して勤怠・労務のクラウドサービスに連携し、給与の計算に使っていました。一方で、案件ごとの工数は、エンジニアが別の表計算のシートにおおよその割合で入力しており、案件ごとの原価を正確につかみたいという要望がありました。
案件:営業支援のツールで管理
見積・請求:担当者ごとの表計算と、手作業の管理
工数:案件ごとの割合を表計算に手入力
kintone に集め、会計・人事のサービスとつなぐ
kintone に、顧客、案件、見積、工数、従業員などのアプリを作り、会計のサービスとつないで、案件の登録から見積・請求までを一つの流れにしました。案件の分類は、会計のサービスの管理用の分類と同期しています。
取引先の反社チェックは外部のサービスとつなぎ、チェックが済んでいない取引先では、案件や契約書を登録できない仕様にしました。案件には、電子契約の控えへのリンクを必ず入れる形です。
工数は kintone のカレンダーの画面から登録し、勤怠の時刻は勤怠・労務のサービスから取り込みます。案件ごとの人件費への振り替えは、データを集計する仕組みで計算し、会計の仕訳に使える形で出しています。人件費の欄は、経理と人事の権限でだけ見られるようにしました。
仕組みのつながり
kintone を中心に、会計・人事のサービスとつないだ流れです
図:構成を簡略化して描いています(画面や実際のデータではありません)。
設計と移行で決めたこと
本番の環境には、すでに先方のデータがあります。そこで、試験で作るデータには一目で試験用と分かる名前を付ける、既存のデータには触らない、見積書と請求書は本番の環境で試さない、という決まりを作って開発を進めました。
受け入れの試験は段階に分けて行い、指摘を受けた項目を順に直しました。案件のデータは、先方に移し替え用のテンプレートへ入力してもらい、当社で整えて取り込む手順にしました。顧客の連絡先のデータも移し替えました。
| 仕組み | 使い方 |
|---|---|
| 案件・見積・請求 | kintone の案件から会計のサービスの見積書・請求書を作る。分類は会計のサービスと同期 |
| 反社チェック | チェックが済んでいない取引先では、案件や契約書を登録できない |
| 工数 | カレンダーの画面で登録。勤怠の時刻は勤怠・労務のサービスから取り込む |
| 人件費の振り替え | データを集計する仕組みで計算し、仕訳に使える形で出す |
| 権限 | 人件費の欄は経理と人事だけが見られる |
全社で運用を開始
全社員の kintone のアカウントを発行し、運用を始めました。事業部向けには、案件の登録から見積・請求までの流れの説明会を開き、案件の登録や従業員向けの手順はマニュアルにまとめています。その後、新しく入社した社員の登録を先方で行えるよう、手順をマニュアルに加えました。
運用を始めてからも、部門ごとに表示する項目の出し分けや表示名の変更などの改修を続けています。取引先の反社チェックは、今後 kintone に一本化する予定です。
運用:全社員のアカウントで運用を開始
流れ:案件の登録から見積・請求までを kintone と会計のサービスでつなぐ
管理:人件費の振り替えを計算し、仕訳に使う
今後の取り組み:勤怠と工数のずれを確かめる
いま進めているのは、勤怠と工数のずれを確かめる仕組みです。勤怠・労務のサービスの勤怠の時刻と、kintone に入力した工数の差を見える形にし、日報の通知もあわせて送る形の試作を先方に見せ、リリースに向けて進めています。あわせて、顧客に一斉にメールを送る機能も追加で開発しています。
kintone と会計・人事のサービスをつなぐ仕組みづくりは、業務ツール導入・活用支援のページでも紹介しています。
※本事例は、当社が支援した実際の案件をもとに構成しています。企業名と、お客様の環境にある製品の名前は伏せ、業種・規模・時期は一般化して記載しています。kintone は、サイボウズ株式会社の登録商標です。