LINEの見込み客をSalesforceへ入れるのは、API連携か、定期のCSV取り込みか
LINEで名乗った見込み客をSalesforceに入れるとき、API連携が要るのは営業の連絡が取り込みの間隔より急ぐときと、会話やブロックの状態を行き来させたいときです。定期のCSV取り込みの条件と照合の注意を公式の文書で確かめました。
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この記事の要点
- API で毎回つなぐ必要があるのは、名乗ってから営業が連絡するまでの約束が取り込みの間隔より短いときと、LINE の会話やブロックの状態、Salesforce から LINE への送信まで往復させたいときです。名乗った見込み客を既にある流入元の項目に入れ、今の営業の流れに乗せるのが目的なら、LINE のフォームの回答を定期的に CSV で取り込む形で足ります。
- 取り込みの手段は件数とエディションで決まります。データインポートウィザードは1回5万件まで・CSV だけで、Professional Edition でも使えます。データローダは Enterprise・Performance・Unlimited・Developer が対象で、API は Professional では追加の契約が要ります。
- 定期の取り込みで崩れやすいのは、同じ人の扱いです。照合の方法(Salesforce ID・名前・メール・外部ID・照合しない)を決め、同じ外部IDの行はファイルの中で1行にまとめます。重複ルール(ブロックかアラート)に当たった行は、取り込みでは警告が出ずに保存されません。同時に保存されるレコードどうしは互いに比べないので、同じ CSV の中の重複は止まらないことがあります。
API でつなぐか、定期の CSV 取り込みで足りるか
分かれ目は、つなぐ技術ではなく、名乗った人に営業がいつ動くかの約束
名乗ってから営業が連絡するまでの約束が、取り込みの間隔より短いか
例:フォームの送信から1時間以内に電話する
LINE の会話の中身や、ブロックしたかどうかを Salesforce で見たいか
トークの本文は Webhook で受けた時にしか取れない
Salesforce の情報を使って、LINE へ送り返したいか
リードの状態で配信を分ける、など
出典:LINE Developers「メッセージ(Webhook)を受信する」、Salesforce ヘルプ「Data Import Wizard」・「Supported Editions and Required Permissions」
LINE で名乗ってもらった見込み客を Salesforce に入れるとき、API で毎回つなぐ必要があるのは、名乗ってから営業が連絡するまでの約束が取り込みの間隔より短いときと、LINE の会話やブロックの状態を Salesforce と行き来させたいときです。名乗った見込み客を、Salesforce に既にある流入元の項目に入れて今の営業の流れに乗せるのが目的なら、LINE のフォームの回答を定期的に CSV に書き出し、データインポートウィザードで取り込む形で足ります。その代わり、取り込みの間隔の分だけ Salesforce に入るのが遅れ、同じ人をどう突き合わせるかを取り込みのたびに決めることになります。
当社は LINE公式アカウントの運用と、LINE とほかのシステムとの連携を支援している会社です。この記事を書くのは、Salesforce を使っている会社から「LINE で名乗った見込み客を Salesforce に入れたい」という相談を受け、当社が API でつなぐ開発ではなく、定期の CSV 取り込みを提案したからです。そのとき考えたことと、判断に使った Salesforce と LINE の仕様を書きます。
扱うのは、どの経路で、どのくらいの間隔で入れるかです。リードのどの項目に何を入れ、誰に割り当てるかは「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」に、店頭の会員と LINE を結ぶ照合キーの設計は「LINEログインとSalesforceの会員ID連携」に、Salesforce の製品ごとの LINE の機能は「LINE×CRM・MA連携の公式対応を10社で調べた」に書いたので、ここでは繰り返しません。
当社が API ではなく、定期の CSV 取り込みを提案した理由
相談の中身は、LINE公式アカウントで名乗った見込み客を Salesforce のリードにしたい、というものでした。友だち追加の時点で LINE から受け取れるのはユーザーIDなどで、会社名もメールアドレスもありません(届く情報とリードの必須項目の違いは「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」に書きました)。そこで当社は、名乗ってもらう入口を LINE の中のフォームにする形を提案しました。
考えたのは、フォームの回答をどう Salesforce に届けるかです。API でつなげば、送信のたびにリードができます。ただ、この相談の目的は、名乗った人に営業がすぐ電話をかけることではありませんでした。名乗った見込み客を、Salesforce に既にある流入元の項目に入れ、今の営業の流れの中で扱えるようにすることでした。送信のたびにリードを作る仕組みを開発し、LINE と Salesforce の変更に合わせて保守し続ける費用は、この目的には見合わないと当社は判断し、回答を定期的に取り込む次の形にしました。
当社が提案した、LINE で名乗った見込み客を Salesforce に入れる形
API の受け口を作らず、Salesforce の標準の取り込みの機能を使う
当社の提案の形。ウィザードの出典:Salesforce ヘルプ「Data Import Wizard」
この判断で大事だったのは、「すぐ」が要るかどうかを、つなぐ技術からではなく、営業がいつ動くかの約束から決めたことです。名乗った人にその日のうちに電話する約束があるなら、取り込みを待つ形は合いません。
3つの経路の違いは、リードができるまでの時間と、戻ってくるもの
LINE で名乗った見込み客を Salesforce に入れる経路は、大きく3つあります。送信のたびに API でリードを作る、Salesforce の Web-to-Lead のフォームを使う、定期的に CSV で取り込む、です。違いは、名乗ってからリードができるまでの時間と、その時間を短くするために自社が持つものです。
LINE で名乗った見込み客を Salesforce に入れる3つの経路
送信のたびに API で作る
自社の受け口が Salesforce の API を呼ぶ
- フォームの送信のたびにリードができる
- LIFF のフォームなら、ID トークンを検証して LINE のユーザーIDを結べる
自社が持つもの:受け口の開発と保守。Salesforce の API は Professional Edition では追加の契約が要る
Web-to-Lead
Salesforce が出す Web フォームのコード
- 送信のたびにリードができる。1日500件まで
- ブラウザから Salesforce に直接送るので、LINE のユーザーIDを検証する段を挟めない
自社が持つもの:フォームを置くページ。既定のリード作成者の設定
定期の CSV 取り込み
LINE のフォームの回答を書き出してウィザードで入れる
- 次の取り込みまでリードはできない
- 流入元をまとめて指定し、照合の方法を取り込みのたびに選ぶ
自社が持つもの:取り込みの手間と、同じ人の突き合わせの決め
出典:Salesforce「Supported Editions and Required Permissions」・「Generate Leads from Your Website with Web-to-Lead」・「Field Mapping for Importing Leads」、LINE Developers「ユーザー情報を利用する」。Web-to-Lead とユーザーIDの検証の関係は「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」
定期の取り込みにすると、遅れのほかに、Salesforce に来なくなるものもあります。LINE のトークでユーザーが送ったテキストは Webhook で受け取った時にしか取れず、あとから取り直す API はありません。ブロックされたことも、フォロー解除のイベントとして Webhook で届きます(メッセージ(Webhook)を受信する)。フォームの回答の CSV に入るのは、フォームで聞いたことだけです。担当者が Salesforce の画面で「この人と LINE でどんなやり取りをしたか」「今も LINE で連絡できるか」を見たい場合は、Webhook を受ける仕組みが要り、それは定期の取り込みでは作れません。1つの Messaging API のチャネルに設定できる Webhook URL の送り先は1つだけなので(LINE Developers「よくある質問」)、LINE配信ツールや拡張ツールが既に Webhook を受けているアカウントでは、どこで受けるかを先に決めることになります。
この比べ方で、費用の話がしやすくなります。API でつなぐ費用は、すぐに入ることと、会話やブロックの状態が戻ってくることへの支払いです。その2つが営業の動きを変えないなら、払う理由がありません。つなぎ方ごとの費用の決まり方は「LINEと今の顧客管理をつなぐ3つの作り方と、費用が決まる所」と「Salesforce×LINE連携の費用比較」に、Salesforce の標準の LINE のチャネルで会話を受ける形と契約の条件は「LINE×CRM・MA連携の公式対応を10社で調べた」にまとめています。
取り込みの手段は、件数とエディションで決まる
最初に、自社の Salesforce のエディションを契約書か設定画面で確かめます。Professional Edition なら、API は追加の契約をしないと使えず、データローダも対象のエディションに入っていません。追加の契約なしに選べるのは、データインポートウィザードでの取り込みと Web-to-Lead です(Web-to-Lead は Professional でも使えますが、LINE のユーザーIDを検証する段を挟めません)。API が使えない組織に要求を送ると API_DISABLED_FOR_ORG のエラーが返ります(Supported Editions and Required Permissions・Web-to-Lead)。
Salesforce に見込み客を入れる手段と、その条件
データインポートウィザード
Salesforce の画面の中(ブラウザ)
- 1回に5万件まで。扱えるのは CSV だけ
- Personal と Database.com を除くエディションで使える(Professional も含む)
- 取り込みは同時に1つずつ。最初は少ない件数の CSV で試すよう勧められている
リードでできること:流入元の一括指定、照合の方法の選択、割り当てルールの適用
データローダ
PC に入れるアプリ
- 対象は Enterprise・Performance・Unlimited・Developer(Professional は入っていない)
- 夜間の読み込みのような定期の取り込みや、決まった項目の対応を繰り返す取り込みに向く
- コマンドラインとバッチモードは Windows だけ
件数:ヘルプの比較表は5,000件〜500万件、データローダのガイドは1億5,000万件までと、文書で値が違う
API(REST)
自社の受け口や連携の仕組みから
- Enterprise・Performance・Unlimited・Developer では既定で使える
- Professional は追加の契約で使えるようになる
向く場面:送信のたびにリードを作る、会話やブロックの状態を書き戻す
出典:Salesforce ヘルプ「Data Import Wizard」・「Import Data with the Data Import Wizard」・「Choosing a Method for Importing Data」、Data Loader Guide「When to Use Data Loader」、REST API Developer Guide「Supported Editions and Required Permissions」
LINE で名乗った見込み客を定期的に入れるなら、次に見るのは、1回の取り込みの間に集まる回答の数が5万件に収まるかです。収まるなら、ウィザードで足ります。ウィザードは画面の中で人が操作するので、定期の取り込みは「誰が、いつ、どの手順で」動かすかを決めることと同じ意味になります。夜間の読み込みのような定期の取り込みを仕組みにしたいならデータローダが向きますが、Enterprise 以上の契約が前提です。
LINE から「1人1行」で書き出せる機能は限られる
定期の取り込みにするなら、LINE の側で、名乗った人を1人1行で書き出せる場所が要ります。当社の提案は「LINE の中のフォーム」までで、どのフォームを使うかは、その会社が LINE公式アカウントで今使っている仕組みで変わります。LINE公式アカウントの標準の機能とオプションに限って見ると、人ごとの行で書き出せるものは多くありません。
| 機能 | 書き出せる形 | 条件・上限 | Salesforce に入れるときの注意 |
|---|---|---|---|
| CRMオプションのフォーム | 回答結果を CSV でダウンロード(フォームの詳細画面の[回答結果を確認]から[集計]か[回答者一覧]を選び[ダウンロード]) | CRMオプションは月額5,000円(税別)。認証済アカウントと認証済のビジネスマネージャーの接続、友だち10万人未満が条件。作れるフォームは1,000件、1フォームの質問は100問まで。集計は1日1回 | CSV の列の説明はマニュアルに見当たらない。LINE のユーザーIDなど、同じ人を指す値が列にあるかは、テストの回答で確かめる。友だちでない人やブロック中の人も回答できる |
| CRMオプションのユーザーリスト | CSV ではダウンロードできない(ヘルプ) | ― | CSV では書き出せないので、取り込みの元にはならない |
| リサーチ(標準) | 結果を Excel でダウンロード。1ユーザー1行 | 回答が20件以上集まらないとダウンロードできない。50,000行まで | ダウンロードしたファイルに、個人を指す値が入るかはマニュアルに書かれていない |
| 分析の友だち追加経路 | 経路ごとの友だち追加数とブロック数(日次のデータも) | 期間は最大90日。自分で設定した経路は、期間の合計が20回未満だと「その他」にまとめられる | 人ごとの経路ではない。Messaging API でも、特定のユーザーがどの経路で友だち追加したかは確認できない |
| Messaging API | 友だちのユーザーIDの一覧を取得できる | 認証済アカウントかプレミアムアカウントだけ | ユーザーIDだけで、会社名・メールアドレスは無い |
| 自社で作る LIFF のフォーム | 自社のデータベースに、決めた形で残せる | 作りしだい | ID トークンを検証して、送った人の LINE のユーザーIDを結べる |
出典:マニュアル「フォーム」・CRMオプション・ヘルプ「ユーザーリストの情報をcsvでダウンロードすることはできますか?」・マニュアル「リサーチ」・マニュアル「分析 – 友だち」、LINE Developers「よくある質問」・「ユーザーIDを取得する」・「ユーザー情報を利用する」。
LINE公式アカウントの標準で使えるフォームの例が、CRMオプションのフォームです。回答はユーザーリストの顧客にひもづき、回答結果を CSV で書き出せます(CRMオプションでできることと足りないことは「LINE公式アカウントのCRMオプションでできること・足りないこと」)。ただし、回答結果の集計は1日1回で、リアルタイムには反映されないとマニュアルにあります(マニュアル「フォーム」)。このフォームを使うなら、回答が CSV に載るまで最大で1日ほど待つことがあると見て、取り込みの間隔を決めます。LINE配信ツールや拡張ツールのフォームを使う場合は、書き出しの機能と列を製品ごとに確かめます。自社で作る LIFF のフォームなら、データの形を自分で決められます。リサーチは意見を集める機能で、Salesforce に入れる元には向きません(作り方は「LINEリサーチ(アンケート)の作り方」)。
流入元をもう1段細かく、どの QR やどの入口から来たかで分けたい場合も、標準の友だち追加経路は集計なので、人ごとの値にはなりません。入口ごとにフォームを分けるか、フォームに入口を示す値を持たせて、CSV に経路の列を作ることになります。経路の付け方は「「どのQRから友だちが増えたか」を見る方法」で扱っています。
どのフォームを使う場合も、確かめることは同じで、書き出したファイルに「同じ人を指す、変わらない値」の列があるかです。この列があるかどうかで、次の節の照合の選び方が変わります。
取り込みのたびに、同じ人をどう突き合わせるか
定期の取り込みで、いちばん崩れやすいのがここです。同じ人がフォームを2回送る、以前に Web のフォームや展示会で名刺を交換してリードになっている人が LINE で名乗る、ということは避けられません。ウィザードでリードを取り込むときは、既存のリードとの照合の方法を5つから選びます(What Is Imported for Leads?)。
| 照合の方法 | 一致とみなす条件 | 注意 |
|---|---|---|
| 照合しない(None) | ― | ファイルの1行ごとに新しいリードができる。取り込んだあとでマージする |
| 名前 | 既存のリードと名前が同じ | 大文字と小文字を区別する。表記をそろえてから取り込む |
| メール | メールの項目の値が完全に一致 | 別のアドレスや打ち間違いは別人になる |
| Salesforce ID | レコードの ID が同じ | 既に Salesforce にある人を更新するときの方法。LINE から来た新しい人には使えない |
| 外部ID | 外部IDの項目の値が一致 | 照合に使えるのは一意(ユニーク)の外部IDの項目だけ。同じ外部IDの行がファイルに複数あると、それらの行は取り込まれない |
フォームの CSV に LINE のユーザーIDの列があるなら、それをリードの外部IDの項目(一意の属性を付ける)に入れて、外部IDで照合する形がとれます。LINE のユーザーIDは「U」に続く32文字の16進数で(ユーザーIDを取得する)、ウィザードの外部IDの照合は、項目に大文字・小文字を区別する一意の属性を付けない限り、大文字と小文字を区別しません。気をつけるのは、同じ期間に同じ人が2回送ると、同じユーザーIDの行が CSV に2行並ぶことです。その2行は取り込まれないので、書き出したあと、取り込む前に1行にまとめます。どちらの回答を残すかは、新しい方を残す、などと先に決めておきます。外部IDの項目の作り方と、店頭で登録した会員の行にIDを書き込む順番は「LINEログインとSalesforceの会員ID連携」で扱っています。
外部IDに入れたユーザーIDは、あとで送信のたびに API でつなぐ形に移ったときにも効きます。API でリードを書き込むときも、外部IDをキーにした書き込み(upsert)で同じ人のリードを更新できるので(書き込みの動きは「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」)、取り込みで入っているIDがそのまま照合のキーになり、移ったときに同じ人のリードが2つに分かれません。
もう1つ、Salesforce の重複ルールが取り込みでどう動くかを知っておきます。重複ルールの考慮事項のページには、重複ルールの設定が上書きされる場合として、データのインポートツールでレコードを追加した場合が挙がっていて、そのときはアラートが表示されず、レコードを保存できない、と書かれています。また、複数のレコードが同時に保存されるとき、ブロックかアラートの重複ルールは、それらを互いに比べず、既に Salesforce にあるレコードとだけ比べます(Things to Know About Duplicate Rules)。取り込みならではの動きは2つです。1つは、許可して警告する設定なら画面で1件ずつ作るときは警告を見て保存できた重複でも、取り込みでは、重複ルールに当たった行が保存されないこと。もう1つは、同時に保存される行どうしは比べられないので、同じ CSV の中の重複が残ることがあることです。取り込みのあとは、取り込まれなかった行が無いかを毎回確かめます。
CSV を取り込む前と、取り込むときに決めること
2と5は、取り込みのたびに人が手を動かすところ
出典:Salesforce ヘルプ「What Is Imported for Leads?」・「Things to Know About Duplicate Rules」
照合の方法でどう変わるかは、架空の会社・データで作った当社のデモで確かめられます。デモは LINE のフォームの送信がその場で CRM のリード一覧に入る形で作っていて、届くまでの時間は定期の取り込みと違いますが、照合のキーの考え方は同じです。デモの「鈴木 優」さんは、以前に Web のフォームで問い合わせてリードになっていて、LINE のユーザーIDはまだ登録されていない人です。
デモ「LINEの問い合わせが、CRMのリードになる」を試す手順
- 「送る人(架空)」で「鈴木 優」を選び、照合のキーを「LINEのユーザーID(おすすめ)」のままにして、「お問い合わせ(フォームを開く)」から同意にチェックを入れて「送信する」を押す。同じメールのリードがあっても、IDが未登録のため別人として扱われ、新しいリードが1行増えます。
- 「最初の状態に戻す」を押し、照合のキーを「メールアドレス」に切り替えて、同じ操作をする。今度は既存のリードに紐づき、そのときリードにユーザーIDが書き込まれます。
枠の中はスクロールできます。画面いっぱいで試すときは別のタブで開く。
照合のキーの切り替えと画面のデータはデモの設定で、ユーザーIDがプロバイダーごとに別の値になることは、デモの画面に出典つきで書いてある LINE の仕様です。
デモで分かるとおり、ユーザーIDの照合は、IDがまだ入っていない既存のリードを見つけられません。メールの照合は、IDが無くても既存のリードに結べますが、別のアドレスで送られると別人になります。定期の取り込みでは、この2つを1回の取り込みで同時には選べないので、初めて LINE で名乗った人をメールで既存に結び、IDが入ったあとはIDで照合する、という順番を、取り込みの手順として決めておくことになります。ただし、フォームに打たれたメールは打ち間違いがありえ、本人のものとも確かめられていません。メールで照合すると、一致した既存のリードは CSV の値で更新されるので(What Is Imported for Leads?)、メールで一致する行は取り込む前に、同じメールの行が1件だけか、会社名が合うかを確かめ、確かめた行にだけユーザーIDを入れます。メールの一致だけで結ぶと別の人の行にIDを書き込むおそれがあることと、確かめ方は「LINEログインとSalesforceの会員ID連携」に書きました。
取り込みのとき、Salesforce の中で動くものと動かないもの
API でリードを作るときと同じように、取り込みでも Salesforce の中の仕組みが動きます。ただし、動くかどうかを取り込みの画面で選ぶものと、選べないものがあります。
ウィザードでリードを取り込むとき、Salesforce の中で起きること
自動化
ワークフロールールとプロセス
どうなる:条件に合ったときに起動するかを、取り込みのたびに指定する
確かめる:フローが動くかは、ヘルプのこのページには書かれていない。少ない件数で試す
入力規則
取り込みの前に適用される
どうなる:入力規則に合わないレコードは取り込まれない
確かめる:会社名や電話の書式を求める規則が無いか
担当者
リードの割り当てルール
どうなる:割り当てルールで担当者を決められる。そのときは担当者の列は要らない
確かめる:キューに割り当てるときの既定のレコードタイプ
流入元
リードソース
どうなる:最初の画面で全員に同じ値を指定できる。選べるのは有効な値だけ
確かめる:列で入れるなら、制限付きの選択リストでは合わない値が既定値になる
出典:Salesforce ヘルプ「Import Data with the Data Import Wizard」・「Notes on Importing Data」・「Field Mapping for Importing Leads」
自動化の指定は、取り込みの画面の手順の中にあります。ヘルプの手順は、取り込むレコードが条件に合ったときにワークフロールールとプロセスを起動するかを指定する、と書いています(Import Data with the Data Import Wizard)。リードができたら担当者に通知する、リードの状態を変える、といった仕組みを既に Salesforce に置いている場合、それが取り込みで動くかどうかは、この指定と仕組みの作り方で変わります。フローで作った仕組みについては、このページには書かれていないので、数行の CSV で試して確かめてから本番の取り込みに入ります。
流入元は、リードの取り込みならではの便利な点です。ウィザードの最初の画面で、取り込むリードの全員に同じリードソースを指定でき、選べるのは組織で有効になっているリードソースの値です(Field Mapping for Importing Leads)。既にある流入元の値に「LINE」を用意しておけば、取り込んだ人の流入元がそろいます。入口ごとに分けたいなら、CSV にリードソースの列を持たせます。そのとき、選択リストに無い値は、制限の無い選択リストではファイルの値がそのまま入り、制限付きの選択リストでは既定値になります(Notes on Importing Data)。メールの配信を断る項目(Email Opt Out)も、1と0で取り込めます。フォームで聞いた同意を、どの項目にどう残すかは「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」の同意の節を見てください。
まず、フォームにテストの回答を1件入れて、CSV を開く
経路を決める前にできることがあります。使う予定のフォームにテストの回答を1件入れ、回答結果を CSV で書き出して開いてみてください。見るのは、同じ人を指す変わらない値(LINE のユーザーIDなど)の列があるか、回答の日時の列があるか、入口を分ける値を持たせられるか、の3つと、送ってから何時間後に CSV に載ったかです。そのうえで、名乗った人に営業がいつまでに連絡するかを、営業の担当と決めます。BtoB で LINE公式アカウントを誰に・どこで使い、どの段階で CRM に移すかの全体は「BtoBでLINE公式アカウントを使う」に書いています。
LINE で名乗った見込み客を、どの経路で、どの間隔で Salesforce に入れるかは、営業の約束と今の契約から決めるところから、当社のLINE運用・伴走支援でご相談いただけます。
仕様・料金・画面の名前は、2026年10月14日に Salesforce ヘルプ(データインポートウィザード・リードの取り込み・重複ルール・Web-to-Lead)、Salesforce の Data Loader Guide と REST API Developer Guide、LINE Developers、LINEヤフー for Business のマニュアル・ヘルプ・CRMオプションのページを開いて確かめたものです。LINE 側で人ごとの行を書き出せるかの表は、LINE公式アカウントの標準の機能と CRMオプション、Messaging API の公式の文書を突き合わせて作りました。LINE配信ツール・拡張ツールの製品ごとの機能は、製品によって違うため表に入れていません。Salesforce の取り込みの比較表には、ここで扱った2つのほかに Basic Data Import(Enterprise・Performance、取引先責任者とリード向け)と dataloader.io も載っています。判定の図と取り込みの手順の図の分け方は当社の整理です。
LINE運用・伴走支援
LINE公式アカウントの友だち獲得の設計、セグメント配信・ステップ配信・リッチメニューの構築、自動応答、CRM/MAや基幹データとの連携までを支援します。
