Salesforce と LINE をつなぐ:何を・どの向きで・誰のIDで流すか|ツールを選ぶ前に決める3つ
SalesforceとLINEをつなぐ前に、流す向き(LINE→Salesforce、Salesforce→LINE)、結ぶID(LINEのユーザーIDはプロバイダーごとに別)、同意と解除の3つを決めます。外部IDとupsert、アカウント連携、Webhookの署名と再送、費用の分け方を公式情報で整理しました。
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この記事の要点
- Salesforce と LINE をつなぐときに先に決めるのは、ツールより、流れる向きと結ぶ ID と同意の3つ。流れは、LINE から Salesforce(友だち追加・ブロック・メッセージ)、Salesforce から LINE(配信)、そして2つの ID を結ぶ段の3つに分かれる。ID を結ぶ段が無いと、受けるほうも送るほうも「誰か」が分からない。
- 結ぶのは、LINE のユーザー ID(プロバイダーごとに別の値)と、自社の顧客 ID。Salesforce では外部 ID の項目に持たせ、API の upsert で更新する。結び付けの入口は、LINE のアカウント連携か LINE ログインで、LINE から届く出来事は、署名の検証・重複の除去・順序の確認をしてから書き込む。
- 同意と解除は、LINE の側(プロフィール情報の取得)と自社の側(利用目的の通知と同意、連携の解除、退会時の削除)の両方で受ける。費用は、LINE に払う分(10月1日から追加メッセージは月20万通まで1通3円、超えた分は2.5円・税別)と、連携に乗る分(Salesforce の契約・ツール・開発と保守)に分けて見る。
Salesforce と LINE のあいだで、何が・どの向きに・どの ID で流れるか
向きは3つ。LINE → Salesforce、Salesforce → LINE、そして下の帯の ID を結ぶ段。
結ぶキー:LINEのユーザーID(プロバイダーごとに別の値) ⇄ 自社の顧客ID(Salesforce の外部ID項目)
同意と解除:友だち解除は LINE から届く/連携の解除と退会は自社の側で受けて Salesforce に戻す
出典:LINE Developers「メッセージ(Webhook)を受信する」・「ユーザーIDを取得する」・「ユーザーアカウントの連携」、Salesforce ヘルプ「Track Messaging Users in Salesforce」。2026年10月5日確認
Salesforce と LINE をつなぐとき、先に決めるのはツールではありません。決めるのは、何をどの向きに流すか、LINE のユーザー ID を自社のどの顧客 ID と結ぶか、同意と解除をどちらの側で受けるか、の3つです。この3つが決まれば、Salesforce が用意している LINE 用の仕組み、連携ツール、自社開発のどれで作っても、作るものの輪郭が見えてきます。
順番にも理由があります。LINE から届くのは「ユーザー ID」で、それが誰なのかは分かりません。Salesforce から送るときも、宛先に指定するのはユーザー ID です(LINE Developers)。2つの ID を結ぶ段が抜けていると、受けるほうも送るほうも成り立ちません。
LINE の問い合わせを Salesforce のリードにする段階(項目の対応・担当者への振り分け)は、「LINEで受けた問い合わせを Salesforce のリードにする」で扱います。この記事では、その手前の、つなぎ方の設計を扱います。
Salesforce と LINE のあいだで流れるものは、向きが3つに分かれる
1つ目は、LINE から Salesforce へ向かう流れです。ユーザーが友だち追加するとフォローイベント、ブロックするとフォロー解除イベント、メッセージを送るとメッセージイベントが、LINE のプラットフォームから Webhook URL に届きます。フォローイベントは、ブロックを解除したときにも届きます(メッセージ(Webhook)を受信する)。イベントにはユーザー ID が入っていますが、プロフィール情報の取得に同意していないユーザーの場合、Webhook にユーザー ID は含まれません(ユーザーIDを取得する)。
2つ目は、Salesforce から LINE へ向かう流れです。Messaging API で特定のユーザーに送るには、ユーザー ID で宛先を指定します。Salesforce で送る相手を絞り込めても、その顧客のレコードにユーザー ID が無ければ、送れません。送った分は、プッシュ・マルチキャスト・ブロードキャスト・ナローキャストのどれでも料金プランの通数に数えられます(応答メッセージは数えられません。Messaging APIの料金)。
3つ目が、ID を結ぶ段です。1つ目の流れが運んでくるのはユーザー ID だけで、2つ目の流れが必要とするのも、顧客に結んだユーザー ID です。ここが決まっていないと、前の2つが動いても、「誰の話か」が Salesforce の上で分かりません。
3つの流れごとに、LINE の側・Salesforce の側・先に要るもの
流れ1 LINE → Salesforce
友だち追加・ブロック・メッセージを受ける
- LINE:Webhook で届く(フォロー・フォロー解除・メッセージなど)
- Salesforce:ユーザー ID で顧客を探して更新する(無ければ作る/作らない)
先に要る:Webhook の受け口と、署名の検証
流れ2 Salesforce → LINE
絞り込んだ相手に送る
- Salesforce:送る相手の一覧を、ユーザー ID つきで出す
- LINE:ユーザー ID を宛先に指定して送る
先に要る:顧客に結んだユーザー ID。無い顧客には送れない
流れ3 ID を結ぶ
LINE のユーザー ID と自社の顧客 ID を結ぶ
- LINE:ユーザー ID(プロバイダーごとに別の値)
- 自社:顧客 ID(会員番号、Salesforce の取引先責任者など)
先に要る:本人確認つきの結び付けの入口
出典:LINE Developers「メッセージ(Webhook)を受信する」・「ユーザーIDを取得する」・「Messaging APIの料金」。2026年10月5日確認
すでに友だちがいるアカウントで、友だち全員のユーザー ID をまとめて取りたいときは、友だち追加したユーザーのリストを取得するエンドポイントを使いますが、これを使えるのは認証済アカウントかプレミアムアカウントだけです(ユーザーIDを取得する)。取れるのは ID で、顧客との結び付けまでは付いてきません。
Salesforce から一度に多くの相手へ送るときは、Messaging API のレート制限も先に見ておきます。上限はチャネルごと・エンドポイントごとに決まっていて、ナローキャストとブロードキャストは1時間に60リクエスト、マルチキャストは1秒に200リクエスト、プッシュ(表に名前の無いエンドポイント)は1秒に2,000リクエストです。超えると 429 Too Many Requests が返ります。上限は一定の時間ごとにまとめて戻るのではなく、トークンバケット方式で少しずつ戻るので、Salesforce の側では送る相手の一覧を小分けにして間隔を空けて流し、429 が返った分は時間を置いて送り直す作りにしておきます。ただし 429 は、無料メッセージ通数や追加メッセージ数の上限目安を超えたときにも返ります(応答のメッセージは You have reached your monthly limit. など)。こちらは時間を置いて送り直しても通らないので、応答の中身で見分けて送り直しを止めます(Messaging APIリファレンス「レート制限」・「ステータスコード」)。
Salesforce の値でトーク画面の見え方を変えたいとき(商談の段階や会員の区分でメニューを変える、など)は、ユーザー単位のリッチメニューを使います。ユーザーごとに別のリッチメニューを結べて、デフォルトのリッチメニューより優先して表示され、ユーザーがトーク画面に入り直さなくてもすぐに切り替わります(ユーザー単位のリッチメニューを使う)。結ぶ・外す操作もユーザー ID を指定して行うので、ここでも顧客のレコードにユーザー ID が要ります。リンク済みのリッチメニューをまとめて置き換え・解除するエンドポイントは1時間に3リクエストまでなので、日々の切り替えには向きません。1人ずつ結ぶ・外す操作は表に名前が無いエンドポイントで、1秒に2,000リクエストの枠に入ります(同じレート制限の表)。
LINE のユーザー ID はプロバイダーごとに別の値になる:結ぶ前に決めること
LINE のユーザー ID は、LINE プラットフォームが発行する、U で始まる33文字の値です。LINE の表示名や、友だち検索に使う LINE ID とは別のものです。同じ人でも、プロバイダーが違えば別の値が発行されます。プロバイダーが同じなら、Messaging API のチャネルでも LINE ログインのチャネルでも、同じ値になります(ユーザーIDを取得する)。
同じ人でも、プロバイダーが違えば ID が変わる
プロバイダー A
A さんの ID は「ID①」
- Messaging API のチャネルで取っても ID①
- LINE ログインのチャネルで取っても ID①
結果:LINE ログインで受けた ID を、Messaging API の ID と照合できる
プロバイダー B
同じ A さんが、ID②になる
- 別のプロバイダーのチャネルで取ると ID②
- ID①と ID②は、見ただけでは同じ人と分からない
結果:同じ人かどうかを、ID だけでは判別できない
出典:LINE Developers「ユーザーIDを取得する」。図の ID①・ID②は説明用の記号で、実際の値ではありません。2026年10月5日確認
決める順番は、プロバイダーが先です。LINE 公式アカウントで Messaging API を使い始めるときに選ぶプロバイダーは、あとから別のものに変えることも、Messaging API との連携を解除することもできません(Messaging APIを始めよう、LINEヤフー for Business のマニュアル)。LINE ログインのチャネルと連携するなら、同じプロバイダーを選びます。チャネルとプロバイダーを別々の個人や企業が管理している場合は、特に注意が必要とされています(同)。連携ツールや開発会社の持つプロバイダーの配下に、自社のチャネルを作らないことが、ここでの要点です。
事業部ごとにアカウントがあるなど、プロバイダーが複数にまたがる場合は、同じ人に別の ID が付きます。Salesforce の側では、1人に複数の ID を持たせる設計が要ります。なお、LINE のユーザーデータポリシーは、複数のサービスで取得した LINE ユーザー情報を、LINE が許可した場合を除いて紐付けてはならないとしています(ポリシー 3.2.5)。別のプロバイダーの ID を同じ人としてまとめる前に、この条文に当たるかを確かめてください。
Salesforce の側では、ユーザー ID を外部 ID の項目に持たせる
Salesforce では、ユーザー ID を外部 ID の項目に入れるのが基本です。外部 ID は、Salesforce の外のシステムのレコード識別子を入れるための項目で、1つのオブジェクトにつき、自動採番・メール・数値・テキストの項目を最大25個まで外部 ID にできます。「ユニーク」も付けると、同じ値の重複を防げます。テキスト項目は最大255文字なので、33文字のユーザー ID は入ります(カスタム項目の属性)。
外部 ID の項目があると、API の upsert(外部 ID をキーにした作成または更新)で書き込めます。外部 ID が1件に一致すれば更新、一致しなければ作成、複数に一致すると300のエラーになり、作成も更新もされません。作らずに更新だけしたいときは、updateOnly パラメータを付けます(REST API 開発者ガイド)。ユニークを付けておけば、1つのユーザー ID が2人の顧客に当たる状態は作れません。
外部 ID をキーに書き込むと、Salesforce は3通りに動く
一致する顧客が無い
新しく作る(201)
- 友だち追加のイベントで、顧客をまだ結んでいないとき
- updateOnly を付けると、作らない
向く場面:フォロー解除のイベントでは、作らない側にする
1件に一致する
更新する(200)
- 既存の顧客のレコードの項目を書き換える
- 同じイベントが2回届いても、同じ顧客を更新するだけ
向く場面:ブロック中・連携中などの状態の更新
複数に一致する
300のエラー。作成も更新もしない
- 外部 ID に「ユニーク」を付けていれば起きない
- 起きたら、重複した顧客の整理が先
向く場面:名寄せが終わっていない台帳へ書くとき
出典:Salesforce「Insert or Update (Upsert) a Record Using an External ID」、ヘルプ「カスタム項目の属性」。「向く場面」は当社の整理。2026年10月5日確認
ユーザー ID の置き場所は、1つとは限りません。公式の文書で確かめられた範囲と、そうでない設計案を分けて並べます。
| 置き場所 | 持たせるもの | 作るのは誰か | 確かめられた範囲と注意 |
|---|---|---|---|
| 取引先責任者・リード・個人取引先の外部 ID の項目 | ユーザー ID(1人に1つ) | 自社の Salesforce 管理者が項目を作る | 外部 ID にできるのは1オブジェクトに最大25項目(ヘルプ)。1人が複数のプロバイダーの ID を持つなら、項目が足りなくなる |
| LINE 連携用の子オブジェクト(設計案) | ユーザー ID、プロバイダー、連携の状態、同意の記録(1連携=1レコード) | 自社が作る | 公式の文書にある型ではない。1人が複数のアカウントと結ぶとき、同意や状態の履歴を残したいときの設計案 |
| メッセージングユーザー(Salesforce 標準の LINE チャネル) | チャネルごとの会話の相手。連絡先・取引先の項目で顧客に結べ、同意の状態を持つ | LINE から会話が来ると、Salesforce が自動で作る | 顧客との結び付けは、検索語を選べるフロー(Individual-Object Linking)で探して関連付ける(メッセージングユーザーの項目、Individual-Object Linking) |
| GroupConnect(Marketing Cloud Engagement) | LINE のチャネルを登録して、配信とジャーニーに使う | Marketing Cloud の管理者が登録する | 確かめた文書には、Salesforce の顧客レコードとの結び付け方が書かれていなかった(GroupConnect の始め方)。契約の前に、結び付け方を問い合わせる |
ユーザー ID を顧客に結ぶ入口:アカウント連携・LINE ログイン・自前の突き合わせ
ユーザー ID を顧客に結ぶ入口は、LINE が用意している方法が2つあります。Messaging API のアカウント連携と、LINE ログインです。会員番号をトーク画面で入力してもらうなど、自前で作る方法もあります。いちばん手順が公式に書かれているのは、アカウント連携です。
アカウント連携は、5つの手順で ID を結ぶ(誰の画面かを左に書いた)
自社のサーバー1 連携トークンを発行する
ユーザー ID を指定して、LINE の API を呼ぶ
連携トークンは10分間有効で、1回だけ使える
LINE のトーク画面2 連携 URL を送る
連携トークンを付けた URL を、メッセージ(ボタン)でユーザーに送る
自社のログイン画面3 本人にログインしてもらう
ログインすると、自社の顧客 ID が分かる
自社のサーバー4 nonce を作って LINE へ戻す
予測できない10〜255文字の値を作り、顧客 ID と組にして保存し、ユーザーを LINE の確認用 URL へ移動させる
LINE から自社のサーバーへ5 連携完了を Webhook で受ける
LINE のユーザー ID と nonce が届く。nonce から顧客 ID を引いて、2つを結ぶ
ここで Salesforce の外部 ID に書く
出典:LINE Developers「ユーザーアカウントの連携」(手順1〜5)。Salesforce への書き込みは当社の案。2026年10月5日確認
連携の確認では、LINE が、連携トークンを発行した人とアクセスした人が同じかを確かめます。確認できれば result が ok、できなければ failed のイベントが届きます。連携トークンが期限切れや使用済みのときは、Webhook は届かず、ユーザーにエラーが表示されます。連携は友だち追加済みのユーザーが前提で、LINE ログインのチャネルが無くても使えます。連携の解除は、いつでもできるようにしておき、連携するときに解除できることをユーザーに知らせます(同ページ)。
この仕組みを使わずに自前で連携を作ることもできますが、公式は、より注意が必要としています。たとえば、攻撃者がユーザーに URL を送り、攻撃者の LINE アカウントとユーザーの自社アカウントを結ばせることが考えられるためです。Messaging API の連携は、URL を発行したユーザーが、その LINE アカウントの持ち主かを検証して、これを防ぎます(同ページ)。会員番号の手入力で結ぶ設計では、同じ検証を自分で作ることになります。
| 入口 | LINE が用意しているもの | 結ぶ前提と注意 |
|---|---|---|
| アカウント連携(Messaging API) | 連携トークン、連携 URL、連携完了のイベント(nonce つき) | 友だち追加が前提。解除の機能と、連携時の通知が要る |
| LINE ログイン | ログインで得る ID トークン(sub がユーザー ID)。同意画面で友だち追加を促す bot_prompt | Messaging API のチャネルと同じプロバイダーに置く。メールアドレスの取得は事前の申請が要り、利用者に示す文面のスクリーンショットを出す(ID トークン、友だち追加のオプション、メールの取得権限) |
| 自前の入力(会員番号など) | 公式の仕組みは無い | 他人の番号を入力されても結ばない確認を、自分で作る |
LINE ログインは無料で使えます(LINEログインの概要)。LINE ログインで会員 ID を受けて Salesforce に入れる実装は「LINEログインとSalesforce 会員ID連携とオフライン属性の名寄せ設計」、Salesforce を会員の基盤にして配信までつなぐ全体像は「Salesforceを会員・顧客基盤にする」で扱っています。会員 ID と LINE のユーザー ID を結び、会員の属性で配信し、反応を会員ごとに戻すまでの流れは、当社の公開デモ「LINE×CRM連携の流れ」(架空の店舗・データ)で、4つの段階に分けて触れます。
LINE から届く出来事を Salesforce に入れる受け口:署名・再送・重複・順序
LINE の Webhook を受ける受け口の作り方(署名の検証、再送の設定、webhookEventId での重複の除去)は、「LINE × Slack連携|問い合わせの転送と、Slackから返信するときの設計」に詳しく書いています。ここでは、Salesforce へ書き込む前の順序だけを示します。
受け口は、イベントを保存してから200を返し、あとで Salesforce に書く
5 で失敗しても、2 で保存したイベントから、やり直せる。
Webhook URL に設定できる受け口は、1つの Messaging API チャネルにつき1つだけ
出典:LINE Developers「メッセージ(Webhook)を受信する」・「Webhookの署名を検証する」・「ボットを作成する」。保存してから200を返す順序は当社の設計。2026年10月5日確認
Salesforce の側で気をつけるのは、1つのイベントで何を作るかです。ユーザー ID を外部 ID にした upsert なら、同じイベントが2回届いても、同じ顧客を更新するだけで済みます。一方、メッセージ1通ごとにケースや ToDo を作る設計なら、同じ webhookEventId のものは作らない仕組みが要ります(外部 ID の項目に webhookEventId を入れて、ユニークにするなど)。フォロー解除のイベントでは、顧客を作らないよう updateOnly を付けます。
Webhook URL が1つだけという点は、つなぎ方の選び方にも響きます。Salesforce 標準の LINE チャネルには、LINE Developers コンソールに Salesforce が示す URL を入れて接続を完了する手順があります(チャネルの有効化のチェックリスト)。1つのチャネルのイベントを受けるのは1か所なので、標準の仕組み、連携ツール、自社の受け口を併用するなら、どれが受けて、どこへ渡すかを先に決めます。
同意とブロック、連携の解除を Salesforce へ戻す
同意は2つの層に分けて考えます。LINE の側の同意は、プロフィール情報の取得に対するものです。iOS 版・Android 版の LINE を使うユーザーは、利用開始時に同意しています。PC 版だけを使っているユーザーは、同意できず、そのユーザーのプロフィール情報は Webhook などに含まれません(ユーザーのプロフィール情報取得の同意)。つまり、Webhook で届く友だちが、全員ユーザー ID つきで届くとは限りません。
自社の側の同意は、LINE のユーザーデータポリシーが求めています。サービスのプライバシーポリシーを作って公開し、収集する個人情報を通知して同意を求め、利用目的を特定します(2.2〜2.4)。LINE ユーザー情報の連絡先(電話番号・メールアドレス・住所)で連絡するときは、事前に本人の同意を取ります(3.2.11)。ユーザー識別の内部識別子以外の LINE ユーザー情報(表示名、プロフィール画像など)を24時間以上保存するときは、保存することをユーザーに示します(3.2.3)。ユーザー ID だけを Salesforce に持たせる設計なら、この「示す」対象が減ります。ツールや開発会社へ LINE ユーザー情報を渡すのは、委託に必要な範囲に限られ、委託先の違反は自社の責任になります(3.4.2。LINEユーザーデータポリシー)。
Salesforce 標準の LINE チャネルでは、メッセージングユーザーが、暗黙・明示・二重の同意、またはオプトアウトの状態を持ちます。ユーザーが同意を取り消すとオプトアウトになります(メッセージングユーザーの項目)。自前の項目で持つ場合は、同意した日時と、そのときの文面の版を残す項目を、先に決めておきます。
ブロック・連携の解除・退会は、別のできごととして受ける
LINE から届く
ブロック(友だち解除)
- LINE:フォロー解除のイベントが Webhook で届く
- Salesforce:連携の状態を「ブロック中」にする。レコードは消さない
- ブロック中の ID に送っても届かず、通数にも数えられない
戻るとき:再び友だち追加(またはブロック解除)すると、フォローイベントが届く
自社の画面・機能
連携の解除
- ユーザーがいつでも解除できる機能を用意する
- 連携するときに、解除できることを知らせる
- 解除したら、Salesforce の外部 ID を空にし、状態を「解除」にする
LINE から:解除そのものは自社の機能。自社の画面で受けて、Salesforce へ戻す
自社の退会・サービスの終了
ユーザー ID を含む情報を消す
- 退会・サービス提供の終了のあとは、ユーザー ID を含む LINE ユーザー情報を削除する(例外あり)
- 本人から開示・訂正・削除を求められたら対応する
- 送信が取り消されたメッセージは、保存済みのものを削除するよう推奨されている
Salesforce 標準の LINE チャネル:送信の取り消しは反映されない(既知の制限)
出典:LINE Developers「メッセージ(Webhook)を受信する」・「ユーザーアカウントの連携」・「Messaging APIの料金」、LINEユーザーデータポリシー 3.5、Salesforce「Considerations for LINE Messaging Channels」。Salesforce 側の状態の持ち方は当社の案。2026年10月5日確認
ブロックと連携の解除は、別のことです。ブロックしたユーザーは、友だちでなくなるだけで、自社の会員のままです。連携を解除したユーザーは、友だちのままでも、会員との結び付きは無くなります。Salesforce の側でも、LINE の友だちの状態と、自社の連携の状態は、別の項目で持ちます。
つなぎ方は、機能の多さよりも、誰が保守するかで比べる
つなぎ方は、Salesforce が用意している LINE 用の仕組み、連携ツール、自社開発に分かれます。受け口(Webhook URL)を持つ人が、署名の検証、重複と再送の処理、ID の結び付け、解除と削除を引き受けることになるので、比べるときは機能の多さより、その担当を誰が持つかを見ます。
4つのつなぎ方と、それぞれの保守する人
Salesforce 標準Service の LINE チャネル
LINE のメッセージを、サービスコンソールで担当者が受けて会話する。顧客との結び付けは、メッセージングユーザーと、検索するフローで行う
保守:自社の Salesforce 管理者。有効化の条件:メッセージング権限セットライセンスの割り当て、Omni-Channel の経路の設定、LINE Developers コンソールでの接続。LINE の送信取り消しは反映されない。対象エディションは Enterprise・Performance・Unlimited・Developer
Salesforce 標準Marketing Cloud の GroupConnect
Content Builder と Journey Builder から LINE へ配信する。LINE のチャネル ID とチャネルシークレットを登録する(反映まで最大30分)
保守:Marketing Cloud の管理者。顧客レコードとの結び付け方は、契約の前に問い合わせる
製品連携ツール
受け口と配信をツールが持ち、Salesforce へはツールの連携機能で書く
保守:ツールの提供会社と自社。確かめること:Webhook URL をどちらが持つか、ID の結び付け方、重複・再送の処理、データを預ける委託の契約
自社開発受け口と API を自社で作る
Webhook の受け口、Messaging API、Salesforce の API を自社で組む。この記事の図の全部を自社で持つ
保守:自社(または開発会社)。署名の検証、重複・再送、ID の結び付け、解除と削除まで
出典:SalesforceLINE チャネルの考慮事項・有効化のチェックリスト(LINE チャネル)、リリースノート(Winter ’25。対象エディション)、GroupConnect・GroupConnect の始め方。「保守」の列は当社の整理。2026年10月5日確認
連携ツールごとの機能の違いと料金は、各社の公式の資料で確かめてください。LINE ヤフーのTechnology Partner の一覧では、「会員ID連携」「API技術支援」「個別開発」などの項目で絞り込めます。台帳の側の作り方(CRM オプション・ツール・ID 連携)の比べ方は「LINEと今の顧客管理をつなぐ3つの作り方と、費用が決まる所」にまとめています。
どれを選ぶかは、LINE の会話をどこで受けるかから決めます。
- サービスコンソールで、担当者が LINE の問い合わせに応じたい:Salesforce 標準の LINE チャネル
- Marketing Cloud のジャーニーで、LINE に配信したい:GroupConnect
- 会員データベースや EC など、Salesforce の外のシステムと ID を共有したい:受け口を外に持つ(連携ツールか自社開発)。Salesforce へは、外部 ID をキーにして API で書く
費用は、LINE に払う分と、連携に乗る分を分けて見る
LINE ヤフーに払う分は、LINE 公式アカウントの料金プランで決まります。2026年10月1日に、追加メッセージ(無料メッセージ通数を超えて配信されるメッセージ)の料金が改定され、1か月20万通までは1通3円、20万通を超えた分は1通2.5円になりました(税別、適用対象は日本のみ。LINEヤフー for Business のお知らせ)。追加メッセージを送れるのはスタンダードプランだけです(料金プラン)。たとえば追加メッセージが月25万通なら、20万通×3円+5万通×2.5円で72.5万円です(税別・当社計算。無料通数は含みません)。新旧の単価表とプランごとの違いは、「LINE公式アカウントの料金改定」と「LINE公式アカウントの料金プランの選び方」にまとめています。
LINE ヤフーに払う分と、連携に乗る分は別の請求になる
LINE ヤフーに払う分
料金プランと、追加メッセージの通数
- 追加メッセージは10月1日から、月20万通まで1通3円、超えた分は1通2.5円(税別)
- 送れるのはスタンダードプランだけ
- Messaging API で送る分も、プッシュなどは同じ通数に数える。ブロック中の ID など、届かない宛先は数えない
払う先:LINE ヤフー(LINE 公式アカウントの料金プラン)
連携に乗る分
金額はここには書かない
- Salesforce:メッセージング権限セットライセンス、または Marketing Cloud の契約
- 連携ツールの利用料
- 受け口・ID の結び付け・解除の開発と、動かし続ける保守
確かめ方:各社の公式の料金ページか、見積りで確かめる
出典:LINEヤフー for Businessお知らせ(2026年10月1日)・料金プラン、LINE Developers「Messaging APIの料金」、Salesforce有効化のチェックリスト。2026年10月5日確認
連携に乗る分の見積りを取るときは、月に送る対象の人数と配信の回数を先に決めて渡すと、比べやすくなります。LINE に払う分は、その人数と回数から、上の単価で別に試算できます。
見積りで、分けて書いてもらう項目(金額は入れていません)
- 最初にかかるもの:要件と設計、受け口(または連携ツールの設定)、Salesforce の項目と権限、ID の結び付けの入口、テスト
- 毎月かかるもの:LINE ヤフーの月額と通数、Salesforce の契約、連携ツールの利用料
- 動かし続けるもの:署名の検証や再送の監視、LINE と Salesforce の仕様変更への対応、同意と削除の対応
- 止めるとき:Webhook と連携ツールの切り離し、保存したデータの返却と削除、委託先に残るデータの扱い
金融・保険・医療・不動産など、規制のある業種で先に確かめること
規制のある業種では、LINE で送ってよい内容、保存してよい情報とその期間、委託先へ渡す範囲は、LINE の規約だけでなく、業法と所管官庁のガイドラインでも決まります。法務・コンプライアンスの部門と、送る内容の範囲、保存する情報と期間、委託先へ渡す範囲の3点を、設計の最初に合わせてください。
Aurant Technologies では、Salesforce の項目設計と、LINE との受け口・ID の結び付けの設計から、連携をお手伝いしています。LINE 側の運用と設計はLINE運用・伴走支援、Salesforce 側の項目と API の準備は業務ツール導入・活用支援のページで扱っています。
LINE運用・伴走支援
LINE公式アカウントの友だち獲得の設計、セグメント配信・ステップ配信・リッチメニューの構築、自動応答、CRM/MAや基幹データとの連携までを支援します。
