国内SaaS市場全体 2025 — 1.45兆円規模、CRM/ERP/コラボが3大カテゴリ、SaaSスプロールという新課題
国内SaaS市場は2020年7,500億→2024年1.45兆→2027年2.15兆の見込み、CAGR約13%。CRM 17%/ERP 15%/コラボ 14%のカテゴリ構成、中堅企業52・大企業128のSaaS導入数(スプロール)を3枚のSVGで整理。
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国内SaaS市場は、当社推計で2020年の7,500億円から2024年に約1.45兆円規模に拡大、2027年には2.15兆円規模に達する見込みだ。CAGR 約13%の安定成長を維持しており、業界全体では成熟期に入りつつある。一方で、企業1社あたりのSaaS導入数は中堅企業で50超、大企業では100超に到達し、「SaaSスプロール(乱立)」の管理コストが新たな経営課題になっている。
本記事では、国内SaaS市場の規模推移、カテゴリ別構成、企業規模別の導入数(スプロール実態)を3枚の図で整理する。
市場規模 — 5年で約2倍、2027年に2.1兆円規模へ
富士キメラ総研・IDC Japan・ITRの各予測を突き合わせて当社で推計すると、2020年7,500億円→2024年14,500億円→2027年21,500億円となる。5年で約2倍、年率約13%の安定成長という水準感だ。
※ 本記事の市場規模は、複数の公表調査を突き合わせてAurant Technologiesが独自に合成した推計値です(2026年8月時点)。各調査は集計範囲(SaaS単独かSaaS/PaaS合算か)と期間(年度か暦年か)が異なり、公表値には幅があります。第三者調査の公表値として引用せず、当社推計であることを明記のうえご参照ください。米国SaaS市場(年率15%)と比べると緩やかだが、エンタープライズ向けSaaSが本格普及した中堅・大企業の継続支出が市場を下支えしている。
成長を牽引しているのは「生成AI機能の追加」「業種特化(Industry Cloud)」「コンプライアンス機能」の3要因。既存SaaSがCopilot/Agent等のAI機能を組み込むことで単価上昇し、業種特化ソリューションが新規市場を開拓、電帳法・インボイス・GDPR対応で需要が継続する構造だ。
カテゴリ別構成 — CRM/ERP/コラボが主要カテゴリで46%
SaaS市場のカテゴリ別構成では、CRM/SFA/MA(17%、3,000億円)、ERP/会計(15%、2,700億円)、コラボ/コミュニケーション(14%、2,500億円)の3大カテゴリで約46%を占める。続く人事労務/HR Tech(10%)、BI/データ分析(8%)、セキュリティ/IDaaS(8%)、マーケ/EC/コンテンツ(8%)、業務システム/ノーコード(7%)、ITSM/監視(6%)、垂直特化(7%)が中規模カテゴリだ。
各カテゴリでのトッププレイヤーは概ね決着しており、Salesforce(CRM)、freee/MF(会計)、Microsoft(コラボ)、SmartHR(人事労務)、Tableau/Looker(BI)、Datadog(監視)、Okta/CrowdStrike(セキュリティ)、kintone/Salesforce Platform(業務システム)、Shopify/HubSpot(マーケ)が代表選手。2026-2027は「カテゴリ統合」と「AI機能差別化」が次の競争軸になる。
SaaSスプロール — 中堅で50超、大企業は100超が標準
企業規模別の平均SaaS導入数では、従業員300-1000名の中堅企業で約52、1001-5000名の準大企業で約78、5000名超の大企業で約128。「SaaSスプロール(乱立)」と呼ばれるこの状況は、SaaSの選定容易性・部署単位での導入容易性が逆に経営課題を生んでいる典型例だ。
スプロールが引き起こす問題は3つ。①コスト管理の困難(年間契約の重複、未使用ライセンス)、②セキュリティ統制の困難(シャドーIT、SSO非対応SaaS、データ流出リスク)、③データサイロの拡大(CRM/会計/MA/CDP/BIの分断、横断分析不可)。これらを解決するために、SaaS管理プラットフォーム(SMP: Zluri/BetterCloud等)、IDaaS(Okta/Entra ID)、iPaaS(Workato/Boomi)、CDP/DWH(Snowflake/BigQuery)のレイヤー整備が必要になる。
SaaSスプロールを解消する順番
導入数が中堅で50超・大企業で100超という現実に対して、いきなり全社最適を狙うと頓挫しやすい。効果とリスク低減が両立する順番で、レイヤーを1つずつ積むのが定石である。
①棚卸しと可視化から始める。まずは契約中のSaaS・利用状況・支払を洗い出す。年間契約の重複や未使用ライセンスは、可視化しただけでも削減余地が見つかることが多い。SaaS管理プラットフォーム(SMP)を使うと、この棚卸しと継続監視を自動化できる。
②認証を束ねる(IDaaS)。次に、Okta/Entra IDなどでシングルサインオンと権限管理を一元化する。SSO非対応の野良SaaS(シャドーIT)を洗い出し、退職者アカウントの放置といったセキュリティリスクを同時に潰せる。
③データをつなぐ(iPaaS/DWH)。コスト・セキュリティの土台が整ってから、CRM/会計/MA/BIの分断(データサイロ)をiPaaSやDWH(Snowflake/BigQuery)で解消する。ここまで来ると「SaaSを横断した分析」が可能になり、増やしたSaaSが初めて資産として機能する。
順番を飛ばして③のデータ統合から入ると、そもそも「どのSaaSが生きているか」が分からず、統合対象を誤りがちだ。可視化 → 認証統制 → データ統合の順を守るのが遠回りに見えて最短になる。
解決の方向性 — 「単独SaaS導入」から「SaaSポートフォリオ管理」へ
当社の支援では、個別SaaS導入支援(CRM/会計/MA/BI)に加え、SaaSスプロール解消のための統制レイヤー設計を提供している。IDaaS導入、iPaaS連携、SaaS可視化、データ統合まで一気通貫で支援する。「SaaSを増やす」から「SaaS全体を効率化する」へのシフトが、2026-2027の経営テーマだ。
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CRM/ERP/MA/BI 等の主要SaaS選定・実装に加え、IDaaS/iPaaS/CDP/DWH等の統制レイヤー整備までワンストップで支援。SaaSスプロール解消とROI最大化を実現します。
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参照した一次資料
- 富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2024」
- IDC Japan「国内パブリッククラウドサービス市場予測」
- ITR「ソフトウェア市場 2024」
- 経済産業省「特定サービス産業動態統計」
- 各カテゴリ主要ベンダーのIR・公開導入事例
よくある質問(国内SaaS市場)
Q. 国内SaaS市場の規模と成長率は?
当社推計では2020年の7,500億円から2024年に約1.45兆円へ拡大し、2027年には約2.15兆円規模の見込みです(複数の公表調査を突き合わせた推計値。調査ごとに集計範囲と期間が異なり公表値には幅があります)。年率約13%の安定成長で、生成AI機能の追加・業種特化(Industry Cloud)・コンプライアンス対応が成長を牽引しています。
Q. どのカテゴリが大きいですか?
CRM/SFA/MA(約17%)、ERP/会計(約15%)、コラボ/コミュニケーション(約14%)の3大カテゴリで約46%を占めます。以降は人事労務、BI/データ分析、セキュリティ/IDaaS、マーケ/EC、業務システム/ノーコードなどが続きます。
Q. SaaSスプロール(乱立)とは?何が問題ですか?
1社あたりの導入数が中堅で約52、大企業で約128に達し、コスト管理の困難(重複契約・未使用ライセンス)、セキュリティ統制の困難(シャドーIT)、データサイロの拡大という3つの問題を生みます。
Q. スプロールはどう解消すればいいですか?
「可視化(棚卸し・SMP)→ 認証統制(IDaaS)→ データ統合(iPaaS/DWH)」の順でレイヤーを積むのが定石です。順番を飛ばしてデータ統合から入ると、生きているSaaSが分からず統合対象を誤りがちです。
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