メールの開封を合図に電話しない|クリック・資料・セミナーで架電の順番を決める

メールを開いた人に電話をかけたくても、開封は相手の設定によっては確かめられません。リンク・資料ダウンロード・セミナー参加・返信の合図で毎朝の架電リストを並べ、合図ごとに商談までを数える組み立て方を、図と画面で書きます。

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目次 クリックで開く

営業のメールを数百通送った。返事はほとんど来ない。配信の画面には開封の数字が出ているけれど、開いた人の全員に電話をかける時間はないし、本当に読まれたのかも分からない。結局、名簿の上から順に電話をかけて、留守番電話にメッセージを残す日が続く――。

仕組みの全体の図。1 メールを送る(話題の違うリンクを2〜3本)→ 2 合図が名簿に集まる(強い順に、返信・セミナーの申込や参加・資料ダウンロード・本文のリンク。開封は点線で、確かめられない相手が混ざるので順番には使わない)→ 3 毎朝、合図の強さと時間で並べ替える → 4 当日中・3日以内・見送りに分ける → 5 合図に合わせた一言で電話する → 6 合図ごとにつながった・アポ・商談を数え、3の並べ方を直す
この記事で書く仕組みの全体。開封ではなく、相手が動いた合図で電話の順番を決め、数えた結果で並べ方を直す

私たち Aurant Technologies は、企業の営業とマーケティングの仕組みづくりを支援している会社です。当社でも、新しい相手に一斉に送った営業のメールでは、返信がほとんど来ませんでした。一方で、セミナーに参加した方へ、セミナーのあとに電話をかけたときには、手応えを感じました。ここでは、メールを、返事をもらうためというより、電話をかける相手を見つける手がかりとして使う形を考えます。

「メールが開かれたら、すぐ電話をかける」という進め方は、発想としては筋が通っています。ただ、合図に開封を使うのはお勧めしません。開封は、相手の設定によっては送った側が確かめられないからです。代わりに、本文のリンクを押した、資料をダウンロードした、セミナーに参加した、返信が来た、という合図で電話の順番を決めます。この記事では、その組み立て方を、合図を決めるところから、毎朝の架電リストを作り、合図ごとに商談までを数えるところまで、順に書きます。当社でも合図ごとに数えた記録はまだ無いので、記事の中の数字と時間の区切りは、説明のために作ったデモの設定です。

最後にできあがるのは、次のような図です。

見出しは「開封は確かめられない。だから、相手が動いた合図ごとに同じ物差しで数える」。送信300、届いた289のあと、開封の段は点線の枠で「確かめられない」。そこから返信・セミナーに参加した・資料をダウンロードした・本文のリンクを押した・合図なし(比べる層)の線に分かれ、それぞれ電話した・つながった・アポ・商談の人数を並べた図。配信停止を希望した人には電話しない
この図と、このあとの画面は、説明のために作ったデモです。会社と数字は架空です。

図は、送った300通のうち届いた289通を、相手が出した合図ごとに分け、電話した・つながった・アポ・商談を同じ段で数えたものです。合図のない人からも、比べるために一部を選んで電話し、同じ物差しに乗せています。開封の段だけが点線なのは、次の節に書く理由からです。

決めたいのは「誰に、いつ電話するか」

全員に電話をかける代わりに、毎朝「今日かける数件」を決めたい。そのために要る材料は2つです。相手がどんな動きをしたか(合図)と、その動きからどれだけ時間がたったかです。

合図には強さの順をつけておきます。ここでは、相手がかけた手間の大きさで並べます。いちばん上は返信で、相手が文章を書いてくれています。次がセミナーへの参加で、相手は時間を取って話を聞いています。その次が資料のダウンロードで、フォームに名前や会社を入れています。リンクを押すのは1回の操作で済むので、その下に置きます。1人に合図が重なったら、強いほうで数えます。この順番は仮のもので、数えてから入れ替えればかまいません。

開封は、電話の順番に使わない

開封を外すのは、確かめられない相手が混ざるからです。Apple のメールプライバシー保護の説明によると、iPhone の「メール」アプリでこの機能をオンにすると(オンにするには「IPアドレスのトラッキングを制限」もオンにしておく必要があります)、メールが「開かれたかどうか送信者が確認することもできなくなります」。同じページには、この機能がリンクやメールの添付ファイルには適用されないことも書かれています。

相手がどのメールアプリを使い、どう設定しているかは、送る側からは分かりません。そのため私たちは、開封の数字を、誰が読んだかを表すものとしては扱わないほうがよいと考えています。架電リストでも、開封の記録しかない人は、合図のない人と同じ「見送り」に入れます。

合図を拾う:押した人が分かる形にし、名簿を1つにまとめる

リンクを押した人を見分ける方法は、送り方で変わります。メール配信のツールで送るなら、誰がどのリンクを押したかを1人ずつ記録できるかを、まず確かめます。全体のクリック数しか出ないなら、電話の順番には使えません。

自分のメールソフトから1通ずつ送るなら、相手ごとに少しずつ違うリンクを入れます。リンク先が自社サイトなら、リンクの末尾に相手ごとの印を付けておき、自社サイトのアクセス解析で、その印が付いた訪問を探せるようにしておきます。印を解析ツールに流すのは、ツールの規約と自社の個人情報の取り扱い方針を確かめてからにし、印には名前やメールアドレスを入れず、名簿の番号だけにします。本文には、料金の目安、導入までの流れ、事例のように話題の違うリンクを2〜3本入れておくと、どのリンクを押したかが、電話の最初の一言の材料になります。

資料のダウンロードと、セミナーの申込・参加も、同じ名簿に寄せます。受付のフォームには、メールを送ったときと同じメールアドレスを入れてもらう欄を置き、受付があるたびに名簿へ1行足します。セミナーは、申込と参加を分けて記録します。受付が別々のままだと、同じ人の合図が別々の場所に散らばり、強いほうで数えられません。

配信停止の希望も、同じ名簿に置きます。会社や個人事業主が、広告や宣伝のために送るメールは、特定電子メール法の対象で、送ってよい相手が決まっています(あらかじめ同意した人や、定められた条件でメールアドレスを公表している団体など)。送るときは、送信者の氏名または名称と、受信を断るための連絡先などを表示する決まりがあり、送らないでほしいという連絡を受けたら、その意思に反して送ることはできません。配信停止の印を合図と同じ名簿に置いておけば、電話の列からも外せます。

毎朝の架電リストは、合図の強さと経過時間で並べる

名簿がそろったら、毎朝、合図の強さと、合図からの時間でリストを並べ替え、「当日中」「3日以内」「見送り」の3つに分けます。区切りの時間は、1日にかけられる件数に合わせて決めます。このデモの区切りは次のとおりです。返信、48時間以内のセミナー参加、24時間以内の資料ダウンロード、24時間以内にリンクを2回以上押した人は当日中。48時間を過ぎたセミナー参加、それ以外の資料ダウンロード、72時間以内にリンクを押した人は3日以内。合図のない人、開封の記録だけの人、押してから3日を過ぎたリンク、配信停止を希望した人は見送りです。

今日の架電リストの画面。上に当日中7件・3日以内19件・見送り263件、合計289件(届いた全員)。表の列は会社(業種・人数)、相手、合図(①)、経過(①)、最初の一言(②)。当日中はセミナー参加と資料ダウンロード、3日以内は資料ダウンロードと本文のリンクを押した人、見送りは合図のない人と配信停止を希望した人
メールを送った3日後の朝の架電リスト。届いた全員を、①の合図と経過の時間で3つに分け、②に最初の一言を出している

リストで見るのは2か所です。①の合図と経過の時間で、今日かけるかどうかが決まります。デモの朝は、届いた289通のうち、当日中が7件、3日以内が19件、残りの263件が見送りでした。名簿の上から順にかける代わりに、この数件から始めます。合図のない人へ比べるためにかける分は、このリストとは別の枠で、無作為に選んでおきます。

②の最初の一言は、合図ごとに変えます。セミナーに参加した人には、話した内容を相手の会社の場合にあてはめて聞きます。資料をダウンロードした人には、分かりにくいところが無かったかを聞きます。リンクを押した人には、押したリンクの話題から入りますが、「リンクを押されましたよね」とは言わず、メールで案内した話題として切り出します。記録を見て電話していることを、前に出さないためです。

電話がつながって聞けた言葉は、その場かぎりにせず、商談の記録と同じ項目で残しておくと、あとで並べて使えます。進め方は商談分析の記事に書きました。

合図ごとに、電話から商談までを数える

リストを回したら、冒頭の図のように、合図ごとに電話した・つながった・アポ・商談の4つの段で数えます。合図のない人も、全員ではなく一部を選んで、同じ期間に電話をかけ、同じ段で数えます。選ぶときは名簿の上から取らず、無作為に選びます。名簿の並び順には、登録した時期や業種の偏りが入りやすく、比べる相手として使いにくくなるからです。

読むときは、合図ごとの人数が少ないうちは、率ではなく人数で見ます。図のセミナー参加は6人なので、アポが1人違うだけで率はおよそ17ポイント動きます。商談まで数えるなら、待つ日数も決めておきます。この図では、電話から商談の日まで最長で14日かかっているので、最後の電話から2週間ほどは線を確定させません。

図の段ごとの差は、説明のために決めた値から作ったもので、強さの順に沿うように作っています。どの合図が商談につながりやすいかの答えにはしないでください。自社のデータで同じ形に数えると、合図の順番を入れ替えるか、どの合図まで電話するかを、数で決められるようになります。

当社がセミナーのあとに感じた手応えも、いまは体感にとどまっています。何人に電話をかけ、何人とつながり、何人と次の約束ができたかを、合図ごとに分けて数えた記録はありません。確かめるなら、参加した人を1つの合図として名簿に入れ、この4つの段で数えるところからです。

この数え方で拾えないこと

合図に出ない関心もあります。リンクを押さずに本文だけ読んで検討する人や、社内で転送されて別の人が読む場合は、合図に表れません。受付のフォームで同じメールアドレスを入れてもらっても、転送されたメールから申し込んだ人や、別のアドレスで申し込んだ人は、名簿の同じ行に結びつきません。合図のない人を一部だけ電話の列に残しておくのは、そのためでもあります。また、リンクが押された記録に、受け取る側の仕組みが自動でリンクを開いた分が混ざることがあるかどうかは、確かめていません。この記事の形は当社でもこれから組むもので、アポや商談が増えるかどうかは、まだ言えません。

表を4つ用意すれば、表計算で作れる

図と画面は、次の4つの表から作りました。1つめは名簿で、相手ごとに1行(番号・会社・連絡先・配信停止の印)。2つめは合図の記録で、1つの合図に1行(番号・日時・種類・押したリンク)。3つめは毎朝の並べ替えで、番号ごとにいちばん強い合図と、その合図からの時間を出し、区切りの時間で3つに分けます。4つめは電話の結果で、電話した日・つながったか・アポ・商談を1行ずつ残し、合図ごとに数えます。

まずは次のメールのリンクを、押した人が分かる形に

明日からできるのは、次に送るメールに話題の違うリンクを2〜3本入れ、押した人が分かる形にしておくことです。配信のツールなら1人ずつの記録が取れるかを確かめ、1通ずつ送るなら相手ごとの印を付けたリンクにします。翌朝、押した人を、押してからの時間で並べれば、それが最初の架電リストになります。

合図を名簿に寄せて、毎朝の架電リストと、合図ごとの数え方を作る仕組みづくりは、当社の営業DX・SFA運用設計の支援で一緒に進められます。

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Salesforce・HubSpot などのCRM/SFAを規模や運用体制に合わせて選定し、設計・構築、部門をまたぐデータ連携、社内で改修・運用できる内製化までを支援します。

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aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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