マネーフォワードクラウド給与・勤怠の設定・導入ガイド【2026年版】
マネーフォワードクラウド給与と勤怠の初期設定・連携設定・法改正対応を解説。導入後の注意点と費用の目安も網羅した実践ガイド。
目次 クリックで開く
マネーフォワードクラウド給与・勤怠の設定・導入ガイド【2026年版】
マネーフォワードクラウド給与と勤怠の初期設定・連携設定・法改正対応を解説。導入後の注意点と費用の目安も網羅した実践ガイド。
マネーフォワードクラウド給与とクラウド勤怠は、それぞれ単独でも使えますが、連携させることで給与計算の自動化が大幅に進みます。本記事では導入手順・設定方法・よくある失敗パターンを解説します。
1. クラウド給与でできること
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 給与計算 | 月次給与・賞与の自動計算(社会保険・住民税控除対応) |
| 年末調整 | 従業員Webからの申告書収集・計算・法定調書作成 |
| 給与明細配信 | Web・メールでの明細配信(紙廃止対応) |
| 振込データ作成 | 全銀FBデータ出力でネットバンキング一括振込 |
| 会計連携 | 給与仕訳をクラウド会計に自動転記 |
2. 初期設定の手順
Step1:会社基本情報の登録
社名・所在地・法人番号・事業主情報・健康保険組合を登録します。健康保険組合の種別(協会けんぽ or 組合健保)で料率が変わるため正確に設定します。
Step2:部署・役職・雇用形態の設定
従業員の雇用形態(正社員・パート・業務委託)ごとに計算ルールが異なります。時給・日給・月給の設定と、社会保険適用の有無を従業員ごとに設定します。
Step3:従業員マスタのインポート
氏名・住所・生年月日・口座情報・入社日などをCSVで一括インポートできます。既存システムのデータを整形してインポートするとスムーズです。
Step4:クラウド勤怠との連携設定
マネーフォワードクラウド勤怠を使っている場合、勤怠データが給与計算に自動反映されます。締め日・支払日・残業時間の計算ルールをクラウド勤怠側と一致させることが重要です。
3. 法改正への対応状況(2026年)
2026年以降の主な法改正対応
社会保険適用拡大(2024〜2026段階対応):短時間労働者の社会保険加入要件拡大に自動対応。対象判定アラート機能あり。
電子帳簿保存法:給与明細の電子配信が帳簿原本として認められるよう対応済み。
育児介護休業法改正:育休取得率の計算・公表用データ出力機能を追加。
4. よくある設定ミスと対策
失敗しやすいポイント
締め日・支払日のずれ:勤怠の締め日と給与計算の締め日が1日でもずれると自動連携が機能しない。最初に揃えて設定する。
非課税通勤費の設定漏れ:交通費の非課税限度額(月15万円)を超える場合の課税処理を忘れるケースが多い。
住民税更新の遅れ:6月の住民税特別徴収通知が届いたらすぐに更新する。自動インポート機能を活用する。
5. 導入費用の目安
| 項目 | Small Business | Business |
|---|---|---|
| クラウド給与 | 月額2,980円 | 月額5,980円〜 |
| クラウド勤怠 | 月額3,980円 | 月額5,980円〜 |
| Aurant初期設定支援 | 10〜30万円(従業員数・設定複雑度による) | |
MF クラウド給与・勤怠は「MF スイート前提の労務統合」が真価
MF クラウド給与(旧 MF 給与)と MF クラウド勤怠の真の価値は、MF クラウド会計・経費・請求書・人事管理(社労夢ジンジクラウド統合)と組み合わせた「労務〜会計までのワンストップ統合」にあります。単体運用では奉行・freee に明確な優位性が出にくく、スイート活用が前提です。
MF クラウドの人事労務スイート構成
| 製品 | 主用途 | 料金(中堅100名) |
|---|---|---|
| MF クラウド勤怠 | 打刻・シフト・残業集計・36協定 | 月数万円 |
| MF クラウド給与 | 給与・賞与計算・年末調整 | 月数万円 |
| MF クラウド人事管理 | 人事 DB・労務手続き・電子申告 | 月数万円 |
| MF クラウド社会保険 | e-Gov 電子申請、社保算定 | 月数万円 |
| MF クラウドマイナンバー | マイナンバー収集・管理 | 含む or 別途 |
業務フローでの位置付け
1. 勤怠データ → 給与計算
- MF クラウド勤怠で打刻・残業集計
- 月末締めで給与計算用データを自動連携
- 給与計算結果を MF クラウド会計に仕訳投入
- 銀行振込データ(FB データ)出力
2. 年末調整の電子化
- 従業員が Web で年末調整入力(扶養家族・保険料控除・住宅ローン)
- マイナンバーポータル連携(一部対応)
- 源泉徴収票・給与支払報告書の自動生成・電子提出
3. 社会保険・労働保険の電子申請
- 入退社・扶養変更を MF 人事管理に登録
- MF 社会保険で e-Gov 電子申請
- 算定基礎届・月変・労保年度更新の自動化
4. 法令対応(時間外労働上限・電帳法)
- 36協定の自動チェック、上限警告
- 客観的記録の保管(働き方改革対応)
- 給与明細の電子配信
MF vs 他社(freee・奉行・SmartHR・ジョブカン)
| 製品 | 強み | 料金(100名) | 適合 |
|---|---|---|---|
| MF クラウド給与・勤怠 | MF スイート統合・会計連携 | 月20〜40万円 | MF 会計利用中・中堅 |
| freee 人事労務 | 勤怠+給与+労務統合・UX | 月20〜35万円 | 30〜200名・SaaS / 士業 |
| 給与奉行クラウド + 奉行Edge勤怠 | 会計プロ品質・複雑な手当 | 月25〜50万円 | 奉行ユーザー・中堅以上 |
| SmartHR + KING OF TIME | 労務 SaaS デファクト・勤怠特化 | 月25〜40万円 | 50〜2,000名・複雑シフト |
| ジョブカン勤怠+給与+労務HR | 低価格・機能特化 | 月10〜25万円 | 10〜500名・コスト重視 |
導入で詰まる5パターン
1. 就業規則との不整合
就業規則が複雑で MF 勤怠標準で再現できず、追加カスタマイズ要望が出るが MF は対応限定的。対策:就業規則の見直しを同時実施、または機能特化型(KOT 等)併用。
2. 変形労働時間制・複雑シフト対応
1ヶ月単位・1年単位の変形労働時間、製造業の交代制、医療の宿日直で機能不足。対策:複雑シフトは KOT / TeamSpirit、MF は給与計算側中心に。
3. 給与計算ロジックの再現
旧システムの独自手当・控除ロジックが MF 給与で再現できず手作業。対策:手当・控除の見直し、シンプル化、業界特化なら奉行検討。
4. 過去データ移行
年末調整・住民税・退職金計算の継続性に必要な過去データ移行で不整合。対策:移行3ヶ月前から過去データ整備、移行後の検証3回。
5. 顧問社労士との連携
顧問社労士が MF 未対応で運用支援を得られない。対策:MF クラウド対応の社労士確認、または顧問変更検討。
移行プロジェクト 6ヶ月標準スケジュール(中堅 100名規模)
- Month 1:現状把握、就業規則・給与計算ロジック棚卸し
- Month 2:MF クラウド契約、初期設定(勤務体系・手当・控除)
- Month 3:従業員マスタ移行、過去データ準備
- Month 4:パイロット部署で並行運用、給与計算結果の照合
- Month 5:全社並行運用、不具合修正
- Month 6:本番切替、旧システム停止判断
業種別の活用パターン
- IT / SaaS(フレックス・在宅):MF + Slack 連携、リモートワーク親和性高
- サービス業・士業:MF スイート統合で会計まで一気通貫
- EC・小売(多店舗):店舗別シフト管理は KOT 併用が現実的
- 製造業(交代制):複雑シフトで MF 単体は限定、業種特化検討
- 建設業(直行直帰・GPS 打刻):MF 単体では限定、KOT / ジョブカン併用
5年TCO 試算(中堅 100名規模)
| 項目 | 金額レンジ |
|---|---|
| MF クラウド人事労務(勤怠・給与・労務)5年 | 1,200〜2,400万円 |
| 初期導入・データ移行 | 200〜500万円 |
| 5年運用人件費(労務担当) | 2,500〜4,000万円 |
| 社労士・顧問費用 5年 | 500〜1,000万円 |
| 5年TCO | 4,400〜7,900万円 |
MF クラウド給与・勤怠の選定の現実
MF スイート内での位置付け
MF クラウド給与・勤怠は、MF クラウドスイートの一部として位置付けられており、単体での導入より、MF クラウド会計・経費・人事管理と組み合わせた統合運用が前提です。「MF 会計を中核にバックオフィスを統合する」方針の組織で、MF 給与・勤怠の選定が合理性を持ちます。逆に、MF 会計を使っていない組織で MF 給与・勤怠だけ単体導入する合理性は薄くなります。
給与計算の本質的な複雑性
給与計算は、組織にとって最も法令対応が厳しい業務の1つです。所得税・住民税・社会保険・労働保険・各種手当・控除・年末調整・賞与・退職金——これらが法改正のたびに変更され、計算ミスは従業員の生活に直接影響します。MF 給与は、これらの複雑な計算を標準機能で対応しますが、独自の手当・控除ロジックには対応の限界があります。
勤怠管理の業界別要件
シフト制業界(小売・飲食・医療・介護)
シフト制業界では、変形労働時間制・夜勤・休日・深夜割増の正確な計算が業務の中核です。MF クラウド勤怠の単体機能では、これらの複雑シフト管理は限定的で、KING OF TIME(KOT)or ジョブカン勤怠 + MF クラウド給与の組み合わせが業界標準です。シフト管理に特化した SaaS と給与計算 SaaS を分けることで、業務適合度が大きく向上します。
フレックス・裁量労働制(IT・SaaS・コンサル)
フレックスタイム制・裁量労働制を採用する IT・SaaS・コンサル業界では、MF クラウド勤怠の標準機能でほぼ対応できます。PC ログ打刻、Slack・Teams 打刻、客観的記録の確保——これらが MF スイート内で完結します。働き方改革(時間外労働上限規制)への対応で、リモートワーク中心の組織で広く採用されています。
現場業務(建設・警備・運送・配送)
現場業務では、GPS 打刻・現場別の労務管理・直行直帰の管理が必要です。MF クラウド勤怠の GPS 打刻機能は基本的なレベルで、本格的な現場管理には KING OF TIME・ジョブカン勤怠の方が向いています。現場業務がメインの組織は、専用勤怠 SaaS + MF 給与の組み合わせが現実的です。
製造業(交代制・工場勤務)
製造業の交代制(2交代・3交代・連続24時間勤務)は、勤怠管理の最も複雑なパターンです。MF クラウド勤怠では限定的で、KING OF TIME・TeamSpirit・奉行Edge 勤怠などの専用システムが標準です。給与計算は MF or 給与奉行クラウド、という分離構成が実用的です。
年末調整の電子化が業務効率を大きく変える
給与計算 SaaS の選定で重要なのが、年末調整の電子化対応です。従業員 Web 入力で年末調整を完結できるかが、経理・労務担当の業務負荷を大きく分けます。MF クラウド給与は、(1) 従業員 Web 入力、(2) 扶養家族の自動計算、(3) 保険料控除の証明書アップロード、(4) 住宅ローン控除の管理、(5) マイナンバー連携、を標準で提供します。
従業員500名規模の組織で、年末調整を紙運用すると、12月の経理担当が残業100時間超に達することが珍しくありません。MF クラウド給与で電子化すると、この残業時間が10〜20時間に削減できます。年末調整の電子化は、給与計算 SaaS の費用対効果が最も明確に見える領域です。
社会保険・労働保険の電子申請(e-Gov)
2020年4月から、特定法人(資本金1億円超)は社会保険・労働保険の電子申請が義務化されました。これに対応するため、MF クラウド社会保険(給与・人事管理スイート内)が標準で e-Gov 電子申請をサポートします。算定基礎届・月変・労保年度更新・離職票・育児休業申請など、年間数十件発生する手続きを、電子で完結できます。
電子申請の効果は、(1) 申請書類の作成時間 80% 削減、(2) 役所への提出時間ゼロ化、(3) 申請受理の即時通知、(4) 履歴の自動保管、です。社労士事務所への外注を内製化する組織が増えており、年間100〜500万円の社労士費用を削減できます。
競合製品との本質的な比較
MF vs freee 人事労務
freee 人事労務は、勤怠・給与・労務手続きを1つの SaaS で完結する設計です。MF は給与・勤怠・人事管理・社会保険を別 SaaS で提供しスイート統合する設計で、ここに思想の違いがあります。シンプル運用なら freee、業務複雑性が高いなら MF、という棲み分けが現実的です。
MF vs 給与奉行クラウド
給与奉行クラウド(OBC)は、伝統的に税理士・社労士事務所のシェアが高く、業界の標準解です。MF クラウド給与より、(1) 会計プロ向けの仕訳設計、(2) 複雑な手当・控除のカスタマイズ、(3) 顧問社労士の対応の広さ、で優位です。一方、UX・スイート統合・MA 機能で MF が優位、という関係です。
MF vs SmartHR + 別給与
SmartHR は人事 DB・労務手続きに特化し、給与計算機能は提供しません(給与計算は freee・MF・奉行などと連携)。「人事 DB は SmartHR、給与は MF」という分離運用も成立しますが、データの二重管理が発生します。組織規模が大きい場合(300名超)は分離運用、中小規模では統合運用、という選択が一般的です。
MF クラウド給与・勤怠の5年TCO
小規模(従業員30名以下)
MF クラウド給与 + 勤怠 単体で、月額3〜10万円。5年総額 200〜600万円。経理パート1名で運用できる規模で、freee 人事労務と比較してコスト効率では大きな差がありません。
中堅(従業員100〜300名)
MF クラウド人事労務スイート(給与・勤怠・人事管理・社会保険・経費・会計)の統合運用で、月額20〜50万円。5年総額 1,500〜3,500万円。経理 + 労務 3〜5名で運用し、年末調整・社保算定・電子申請を内製化することで、外部社労士コストを年間100〜300万円削減できます。
大手(従業員500〜2,000名)
MF だけでは機能上限に達し、SmartHR + KING OF TIME + 給与奉行クラウド or COMPANY のような構成が現実的です。MF を補助的に使う組織もあり、5年総額 5,000万〜2億円。エンタープライズ HR 投資の中核として位置付けられます。
導入失敗の典型パターン
就業規則との不整合
就業規則の特殊な手当・控除(資格手当・住宅手当・職務手当・通勤手当の独自計算)が、MF クラウド給与の標準機能で再現できず、システム的に対応するためにカスタマイズ要望が出る。MF はカスタマイズ範囲が限定的で、結局は「就業規則を MF の標準機能に合わせて変更する」判断が必要になります。これは経営判断レベルの調整で、システム選定とセットで議論すべきです。
外国人材の在留資格管理
外国人材の比率が高い組織(介護・建設・製造)で、在留資格の有効期限・更新スケジュール・就労可能業務の制限を、MF クラウド人事管理で構造化管理できないと、法令違反リスクが発生します。MF 人事管理は基本機能のみで、複雑な在留資格管理は別 SaaS(SmartHR・外国人雇用管理ツール)との併用が現実的です。
退職金・確定拠出年金との連携不足
退職金規程・確定拠出年金(DC)・確定給付年金(DB)の管理は、MF クラウド給与の標準機能では限定的です。これらが必要な大企業・規制業種では、専用システム(給与奉行・COMPANY)との併用、または年金専用 SaaS との連携が必要です。
経理・会計DXと仕訳/請求/債権自動化のご相談
仕訳・請求・入金消込・債権管理といった経理業務の自動化と、会計データの可視化までを一気通貫で支援します。ツール選定や既存運用の見直しについて、導入前後のセカンドオピニオンとしてもご相談いただけます。
関連ガイド・クラスター
よくある質問
マネーフォワードクラウド給与と勤怠を連携させるにはどうすればいいですか?
両製品をマネーフォワードクラウドのダッシュボードから同じアカウントで契約し、給与の設定画面から勤怠連携をONにするだけで基本的な連携ができます。締め日・支払日の設定を両製品で一致させることが重要です。
マネーフォワードクラウド給与は何人以上の企業に適していますか?
Small Businessプラン(月額2,980円)は主に20名以下、Businessプランは300名程度まで対応しています。それ以上の規模や複雑な計算ルールが必要な場合はBusinessプラン以上または個別カスタマイズが必要です。
年末調整もマネーフォワードで完結できますか?
はい。従業員がスマホから申告書を提出し、マネーフォワードが控除計算・過不足金調整・源泉徴収票発行を自動で行います。税務署への法定調書提出用データも出力可能です。