【導入事例】刊行予定と在庫の「見落とし」を解消。制作カレンダーとERPを接続し、欠品リスクを低減した出版系企業の導入の裏側
編集スケジュール・印刷入稿日・在庫・受注が別システムで管理され、刊行予定と実績の乖離や在庫切れの見落としが課題だった出版業A社。カレンダー機能(刊行予定・入稿・校了日)とシフト機能(編集・校正担当)を持つモジュールAIを既存のERP・在庫システムとAPI接続。制作〜出荷までの業務の見える化を実現しました。ご担当者様にお話を伺いました。

本事例は、実際の導入事例をもとに構成しています。企業様のご協力により、課題の実態、導入経緯、導入後の変化についてお聞きした内容をまとめています。制作・在庫・受注の一元管理をご検討の際の参考にしていただければ幸いです。
刊行予定と在庫・受注が噛み合わない——手作業照合の限界
導入前に抱えていた課題について教えてください。
編集スケジュール・印刷入稿日・在庫・受注がそれぞれ別システムで管理されており、刊行予定と実績の乖離や在庫切れの見落としが発生していました。既存ERPとのデータ連携がなく、手作業での照合に週に十数時間かかっていました。担当者の負荷が高く、欠品が起きてから気づくケースも少なくありませんでした。
特に、刷り部数と受注数のバランスが読みづらく、増刷判断が後手に回るケースが課題でした。在庫データを確認するためだけに複数の画面を行き来する必要があり、締め期になると確認作業だけで半日が費やされることもありました。編集・制作・営業・物流の各担当が「それぞれの最新情報を持っている」状態で、共通の判断基準を持てていませんでした。
データ:編集・印刷・在庫・受注が別システム
照合:週十数時間の手作業で照合
リスク:刊行遅延・在庫切れの見落とし・増刷判断の遅れ
モジュールAIで制作カレンダーとERP・在庫を一元表示
どのような形で導入されましたか?
カレンダー機能(刊行予定・入稿・校了日)とシフト機能(編集・校正担当の割り当て)を持つモジュール化AIを開発し、既存のERP・在庫・受注システムとAPIで接続しました。制作カレンダーと在庫・受注データを一画面で確認でき、担当者の負荷や納期リスクをダッシュボードで可視化できるようにしています。
導入にあたり、既存システムのデータ構造を分析してAPIマッピングを行い、段階的にデータを連携させる形を取りました。まず編集スケジュールと在庫データの連携から始め、受注・印刷入稿との接続を後から追加しています。全面刷新ではなく「乗せる」形で導入できたため、各部門の業務フローを大きく変えずに移行できました。
欠品見落としの削減と、制作〜出荷の見える化
導入後の効果を教えてください。
刊行予定と実績の追いやすさが大きく向上し、在庫と受注の連携により欠品リスクを低減できました。手作業の照合時間は大幅に削減され、既存ツールを活かしたまま制作〜出荷までの業務の見える化を実現しています。
増刷判断のスピードも改善されました。以前は複数システムをまたいで情報を集めてから判断していたのが、ダッシュボードで在庫水準と受注トレンドを一画面で確認できるようになり、タイミングよく意思決定できるようになっています。各部門の担当者が同じデータを参照できるため、「情報の食い違い」による手戻りも減っています。
照合:手作業を大幅削減、一画面で制作・在庫・受注を確認
欠品リスク:在庫と受注の連携で見落としを低減
増刷判断:リアルタイムデータで意思決定のスピードが向上
今後の展望と、導入を検討する方へのポイント
今回の導入で、制作カレンダーと在庫・受注データの連携基盤が整いました。次のフェーズでは、配送スケジュールや返品管理のデータも接続し、刊行から回収まで一貫して可視化できる体制に拡張する予定です。電子書籍や配信プラットフォームとの連携も視野に入れており、デジタル・紙の両軸で制作管理を統合していきたいと考えています。
出版業界で制作・在庫・受注の一元化を検討される場合は、まず「どこで刊行遅延や欠品の見落としが起きているか」を把握し、各システムのAPI連携可否を確認するとよいでしょう。モジュール型で段階的に接続できるため、大規模なシステム刷新をせずとも、既存ツールを活かしたまま業務の見える化を進めることができます。
既存のERPや在庫システムをそのまま活かしつつ、制作カレンダーと一覧で見られるようになった。欠品の見落としが減り、担当の負荷も下がりました。
出版業A社 ご担当者様
※本事例は実際の導入事例をもとに構成しています。企業名は匿名化し、表現を調整している部分があります。