kintone で経費の申請・承認を回す進め方|承認の段と締め日を先に決め、締めの前に止まっている申請を拾う

kintone のプロセス管理で経費の申請・承認を回す進め方です。承認の段と金額の分かれ目、戻りの線、締め日を先に決めてステータス・作業者・アクションに置き、締め日の前に、段ごとに残っている申請を件数と金額で拾います。計算の項目では持てなかった日数の扱いも書きます。

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2026年10月17日、当社の検証用の kintone で、経費申請のアプリに金額で分かれる承認を組み、上長の確認にあった42件の申請のステータスを、プログラムからまとめて動かそうとしました。1件も動きませんでした。返ってきたのは「指定したアクション(承認する)は複数存在するため、実行するアクションを特定できません。」という応答です。5万円未満と5万円以上の2本の承認に、同じ「承認する」という名前を付けていました。名前を分けると、42件とも動きました。

この応答は、ステータスをプログラムから動かしたときに返ったものです(ここで試したのは、複数のレコードのステータスをまとめて動かす方法です)。あとから連携の仕組みを足して、申請をまとめて進めるような場面で当たりえます。ただ、名前の付け方より手前に、決めておくことがあります。承認の段と締め日です。月末の締めの前に「どの段に、何件・いくら止まっているか」を数える表は、列が承認の段そのものです。段を先に決めておけば、どの段に何件・いくら残っているかを、申請した人に一人ずつ聞いて回る前に、表で見られます。どの月の分を数えるかは、締め日を決めて、一覧の条件に足します。

当社は kintone の導入とシステム間の連携を手伝い、kintone 向けのプラグインも提供しています。この検証では、承認の段と差し戻し・取り戻しをプロセス管理で組み、60件の申請を登録して、段ごとに振り分けました。申請の中身・部署・金額は説明のために作った架空の値で、作業者は上長・部長・経理とも同じ1人の利用者を当てています。人ごとに分かれた画面はありません。支払や仕訳、制度への対応は kintone の外に渡すことにして、その線から書きます。

最初に、kintone で受ける範囲と、外に渡す範囲を分ける

経費の申請を kintone で回すと決めたら、最初に、どこまでを kintone のアプリで受けるかを決めます。ここでは、申請、承認の段、差し戻しと取り戻し、締めの前の残りの把握までを kintone で受け、経理が確認を終えて「承認済み」になった申請から先は外に渡すことにしました。

受ける範囲と渡す範囲の図。左の「kintone で受ける」には、1 申請(申請日・利用日・部署・費目・金額・内容・領収書の添付。分岐に使う値は数値かドロップダウンで持つ)、2 承認の段(上長、5万円以上なら部長、経理の確認。金額の分かれ目は以上・以下で決める)、3 戻り(差し戻しと取り戻し)、4 締めの前の残り(どの段に何件・いくら残っているかを一覧と表で拾う)。真ん中の矢印は「承認済みの申請」。右の点線の「外に渡す」には、1 支払、2 仕訳と会計への計上、3 電子帳簿保存法やインボイス制度にどう対応するかの判断、4 渡し方(承認済みの申請を、どの仕組みへどう渡すか)。受ける範囲と渡す範囲の図。左の「kintone で受ける」には、1 申請(申請日・利用日・部署・費目・金額・内容・領収書の添付。分岐に使う値は数値かドロップダウンで持つ)、2 承認の段(上長、5万円以上なら部長、経理の確認。金額の分かれ目は以上・以下で決める)、3 戻り(差し戻しと取り戻し)、4 締めの前の残り(どの段に何件・いくら残っているかを一覧と表で拾う)。真ん中の矢印は「承認済みの申請」。右の点線の「外に渡す」には、1 支払、2 仕訳と会計への計上、3 電子帳簿保存法やインボイス制度にどう対応するかの判断、4 渡し方(承認済みの申請を、どの仕組みへどう渡すか)。
kintone で受けるのは申請から経理の確認まで。右の点線の箱は、この記事では扱わない

外に渡す側には、振込などの支払、仕訳と会計への計上、電子帳簿保存法やインボイス制度にどう対応するかの判断を入れました。この記事では、その中身を扱いません。範囲を先に決めるのは、アプリの項目と承認の段が、受ける範囲で変わるからです。たとえば支払まで kintone で受けるなら、振込先や支払日の項目と「支払済み」の段が要りますが、外に渡すなら要りません。

経費精算の専用の仕組みをすでに使っていて、kintone とのあいだでデータをやり取りしたいときは、楽楽精算と kintone のあいだで、どのデータをどちら向きに渡すかを整理した記事があります。この記事は、申請と承認そのものを kintone の中で回す場合の話です。

承認の段と金額の分かれ目を、1枚の流れの図に書く

次に、承認の段を1枚の図に書きます。決めるのは、段の順番、金額で段を分けるならその分かれ目、そして戻りの線(差し戻しと取り戻し)です。ここでは次の流れにしました。申請した人が上長へ申請し、上長が承認すると、5万円以上は部長の確認へ、5万円未満は部長を通らずに経理の確認へ進みます。部長が承認すると経理の確認へ進み、経理が確認すると承認済みになります。

承認の流れの図。申請中(作業者:作成者)から「上長へ申請する」で上長の確認(作業者:フォームの「上長」)へ。上長の確認から、橙の線で「承認する(5万円以上)」金額 ≧(以上)50,000 は部長の確認(作業者:部長)へ、「承認する(5万円未満)」金額 ≦(以下)49,999 は経理の確認(作業者:経理)へ。部長の確認から「承認する」で経理の確認へ、経理の確認から「確認済みにする」で承認済み(作業者なし)へ。点線の戻りの線は、上長・部長・経理の確認から「差し戻す」で差し戻し(作業者:作成者)へ、差し戻しから「再申請する」で上長の確認へ、上長の確認から「取り戻す(作成者)」で申請中へ承認の流れの図。申請中(作業者:作成者)から「上長へ申請する」で上長の確認(作業者:フォームの「上長」)へ。上長の確認から、橙の線で「承認する(5万円以上)」金額 ≧(以上)50,000 は部長の確認(作業者:部長)へ、「承認する(5万円未満)」金額 ≦(以下)49,999 は経理の確認(作業者:経理)へ。部長の確認から「承認する」で経理の確認へ、経理の確認から「確認済みにする」で承認済み(作業者なし)へ。点線の戻りの線は、上長・部長・経理の確認から「差し戻す」で差し戻し(作業者:作成者)へ、差し戻しから「再申請する」で上長の確認へ、上長の確認から「取り戻す(作成者)」で申請中へ
金額で分かれる線(橙)と戻りの線(点線)を、ステータスごとの作業者と一緒に書いた図

金額の分かれ目は、「以上」と「以下」で書きます。プロセス管理の条件で、金額のような数値の項目に選べる記号は、画面では「=(等しい)」「≠(等しくない)」「≦(以下)」「≧(以上)」の4つで、「<」「>」はありませんでした。金額を円単位の整数で入れるなら、5万円未満は「49,999 以下」と書けます。kintone ヘルプの設定例も「費用が100000以上」「費用が99999以下」です。この書き方なら、5万円ちょうどの申請は部長の確認へ行きます。

戻りの線も、この段階で決めます。差し戻しは、上長・部長・経理のどの段からでも「差し戻し」に戻し、申請した人が直して再申請すると、上長の確認からやり直す形にしました。取り戻しは、上長がまだ承認していないあいだに、申請した人が自分で申請中に戻せるようにします。ステータスは、戻るアクションを設定していなければ戻せません。ヘルプの Q&A でも、ステータスを元に戻せるかの問いへの答えは「戻せません。」で、1つ前のステータスに戻るアクションを設定するよう案内しています。戻りの線を先に図に書いておくのは、そのためです。

誰が承認するかも、この図に書き込みます。ここでの作りは、上長を申請した人が申請の項目で選び、部長と経理は決まった人にする形です。部長や経理が部署ごとに違うなら、部長の確認の作業者をどう決めるかを先に決めます。ヘルプの作業者の設定では、2番目以降のステータスの作業者に、ユーザー名・組織名か、[フォームのフィールドを追加]で申請の項目を指定できます。上長を申請した人に選ばせる作りは、選び間違えると申請が違う人の手元に行くので、それでよいかもここで決めます。ほかの人の経費を誰が見られるかも決めておきます。ヘルプには、作業者に指定した人にはレコードの閲覧権限が要るとあるので、見せる範囲を絞るなら、承認する人は見られるようにしておきます。上長が不在のときに誰が代わりに承認するか、差し戻しではなく却下で終える線を置くかも、ここで決めます。ヘルプの申請ワークフローの設定例には、却下できる流れと代理承認の流れも載っています。

締め日も、ここで決めておきます。決めるのは、締め日そのもの(ここでは月末)、月をどの日付で切るか(申請日か利用日か)、締めの何日前に残りを拾うか、締め日までに承認済みにならなかった申請を今月分と来月分のどちらで扱い、来月に回した申請を何で見分けるか、の4つです。どれもアプリの設定より先に決める運用の決めごとで、月を切る日付は、あとで締めの前の一覧の条件になります。

申請の項目は、分岐に使う値を数値かドロップダウンで持つ

流れが決まったら、申請の項目を決めます。申請に使う項目は、申請番号、申請日、利用日、申請者の部署、費目、金額、上長、内容、領収書の9つです(このほかに、日数を試すための計算の項目を1つ足しています)。部署と費目はドロップダウン、金額は数値(単位は円)、上長はユーザー選択、内容は文字列(複数行)、領収書は添付ファイルにしました。上長の項目は、上長の確認の作業者に当てるので必須にしています。

アプリの設定のフォームの画面。申請番号・申請日・利用日、申請者の部署・費目・金額(円)、上長、内容、領収書の順に並ぶ。部署・費目・金額の行と、内容・領収書の欄に、それぞれ印が付いている。
申請の項目。①の部署・費目・金額は承認の分岐の条件に選べた項目、②の内容と領収書は選べなかった項目

項目の種類を決めるときに気をつけるのは、承認の分岐に使える種類と使えない種類があることです。プロセス管理の「アクションが実行できる条件」で選べたのは、レコード番号・更新者・作成者・更新日時・作成日時・作業者と、申請番号・申請日・利用日・申請者の部署・費目・金額・上長でした。内容(文字列(複数行))と領収書(添付ファイル)、それにステータスは、選択肢に出てきませんでした。ヘルプにも、この条件には[文字列(複数行)][リッチエディター][ラベル][添付ファイル][関連レコード一覧]を指定できないとあります。

プロセス管理の「アクションが実行できる条件」のフィールドの選択肢。すべてのレコード、レコード番号、更新者、作成者、更新日時、作成日時、作業者、申請番号、申請日、利用日、申請者の部署、費目、金額、上長が並ぶ
条件に選べるフィールドの一覧(①)。内容・領収書・ステータスは出てこない

金額や部署、費目で段を分けたくなりそうなら、その値は数値かドロップダウンで持たせます。部署(ドロップダウン)の条件も、プログラムから設定を変える方法で入れると受け付けられました(試した後に元に戻しています)。逆に、内容に書いた文字や、領収書が添付されているかどうかでは段を分けられません。領収書が付いているかは、上長が承認する前に画面で確かめる作業に入れます。

プロセス管理に、ステータス・作業者・アクションを置く

項目ができたら、アプリの設定の[プロセス管理]で、流れの図を設定に写します。kintone ヘルプの設定手順に沿うと、次のようになります。

  1. [プロセス管理を有効にする]にチェックを入れる。
  2. ステータスを6つ並べる(申請中、上長の確認、部長の確認、経理の確認、承認済み、差し戻し)。いちばん上の申請中には「最初のステータスです。」と出る。
  3. ステータスごとに作業者を決める。申請中は作成者。上長の確認は[次のユーザーから作業者を選択]にして、[フォームのフィールドを追加]で「上長」を選ぶ。部長の確認と経理の確認には、それぞれ部長と経理の担当を当てる(ここでは[次のユーザーのうち1人]で指定した)。差し戻しは作成者。最後の承認済みには作業者を置けない。
  4. アクションを、流れの図の線1本につき1行書く。ボタン名と実行後のステータスを入れ、上長の確認から出る2本の承認には、「アクションが実行できる条件」で金額の条件(49999 以下と 50000 以上)を付ける(ヘルプ「アクションが実行できる条件の設定」)。この2本のボタン名は「承認する(5万円未満)」「承認する(5万円以上)」のように分けておく(理由は下で書く)。
  5. 取り戻しは、上長の確認の行で[作業者以外でも実行できるアクションを作成する]から作り、[アクションのユーザー設定]で、実行できるユーザーを作成者にする(ヘルプ「作業者以外でも実行できるアクションの設定」)。
  6. 画面右下の[保存]を押し、[アプリの設定]画面で[アプリを更新]を押す。
プロセス管理の設定画面のプロセスの表(ボタン名を分ける前)。上長の確認の行では、作業者が「次のユーザーから作業者を選択」でフォームのフィールド「上長」、アクションが実行できる条件が「金額 ≦(以下)49999」と「金額 ≧(以上)50000」の2つ、ボタン名はどちらも「承認する」。作業者以外でも実行できるアクションの枠に「取り戻す」と、アクションを実行できるユーザー「作成者」
上長の確認の行(ボタン名を分ける前の設定)。①作業者はフォームの「上長」、②金額の条件が2つ、③取り戻すは作業者以外でも実行できるアクションで、実行できるのは作成者。ボタン名はこの時点では2つとも「承認する」で、このあと分けた

設定画面の上には、ステータスとアクションを線でつないだ「プロセスのフロー図」が出ます。ヘルプも、この図で設定したプロセスが意図どおりかを確かめるよう案内しています。ただ、名前を分ける前のこの設定では、アクションの箱に出たのは名前だけで、金額の条件は図に出ませんでした。条件を見返すときのために、先に書いた流れの図も控えとして残しておきます。

上長の確認から出る2本の承認のボタン名を分けておくのは、冒頭の応答のためです。最初は、ヘルプの設定例と同じく、2本とも「承認する」という同じ名前で作りました。5万円以上の申請の画面で見ると、条件に合う1本だけがボタンとして出ていました。ところが、プログラムからまとめてステータスを動かすと、冒頭の応答が返りました。kintone の開発者向けの資料にも、「現在のステータスに同名のアクションが複数設定されている場合、そのアクションを指定するとエラーとなります。」とあります。名前を分けてからは動きました。部長と経理の確認にもある同じ名前の「差し戻す」は、実行前のステータスが違うので、そのままで動きました。名前を分けると、上長の画面のボタンにも、どちらの道に進むかが出ます。

上長の確認にある申請の詳細画面。上にボタン「承認する(5万円未満)」「差し戻す」「取り戻す」「現在の作業者を変更」が並び、差し戻すを押したダイアログに「次のステータス 差し戻し」「作業者を選ぶ」[キャンセル][実行]
名前を分けた後、5万円未満の申請に出るボタン(①)。承認は条件に合う「承認する(5万円未満)」だけが出る。②で行き先を確かめてから[実行]する

申請を流して、ステータスの履歴で戻りを確かめる

設定ができたら、本番の前に試しの申請を流して、図の線どおりに進むかを確かめます。ここでは60件を、承認済みまで進むもの、途中の段で止まるもの、差し戻しや取り戻しを通るものに分けました(11件は申請中のまま動かしていません)。最後は、申請中14件、上長の確認7件、部長の確認5件、経理の確認13件、承認済み17件、差し戻し4件です。部長の確認に止まっている申請に、5万円未満のものは0件でした。確かめるときは、分かれ目の前後の金額の申請と、戻りを通る申請を入れておきます。

戻りは、レコードの[ステータスの履歴]で確かめます。開くと、列は「日時」「作業した人」「ステータス」の3つでした。行に出るのは変わった後のステータスで、どのアクション(「承認する(5万円以上)」など)で変わったかの列はありません。レコードを作った時点の申請中の行も出ませんでした。取り戻した申請では、上長の確認のあとに申請中の行が並びました(画面の表示は新しい順なので、申請中が上の行です)。

承認済みの申請の詳細画面で、ステータスの履歴を開いたところ。日時・作業した人・ステータスの3列で、上から承認済み、経理の確認、部長の確認、上長の確認の4行。左下に計算の項目「作成から最後の更新まで(試験)」の値「0日0時間10分」
①ステータスの履歴。変わった後のステータスと日時、作業した人が並ぶ(作業した人の名前は伏せた)。②は後の節で書く計算の項目

ヘルプの Q&A は、複数のレコードのステータスを一括で変えられるかの問いに「できません。1つずつレコードを開いて、ステータスを変更してください。」と答えています。締めの前に止まっている申請を見つけても、画面から進めるのは、通常はその段の作業者が1件ずつです(ヘルプには、アプリ管理者が現在の作業者を変えて進める方法もあります)。だから、拾った後にやることは、まとめて進めることではなく、作業者に知らせることです。ヘルプによれば、「リマインダーの条件通知」は「[日付]フィールドや[日時]フィールドの値を基に日時の条件を指定して、通知を送信できる機能です」で、「~日前」「~日後」の設定ができます。通知先には、プロセス管理を有効にしていれば[作業者]も選べます。ヘルプの設定例も、締切日の項目とステータスを条件にした通知です。締め日の項目を足せば、締めの何日前かに、承認済みでない申請の作業者へ知らせる設定が考えられます。

締め日の前に、段ごとに残っている件数と金額を拾う

締めの何日か前に、承認済みになっていない申請を拾います。まず一覧を1つ作ります。絞り込みでステータスを「次のいずれかを含む」にして、承認済み以外の5つ(申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認・差し戻し)にチェックを入れ、ソートは申請日の昇順にします。この一覧には43件が出ました。一覧の列にはステータスと作業者を入れました。作業者を人ごとに割り当てていれば、この列で誰の手元にあるかを読む作りです。

一覧の設定の絞り込み。条件はステータス「次のいずれかを含む」で、申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認にチェック、承認済みにはチェックが無い。ソートは申請日の昇順、申請番号の昇順
ステータスで承認済みだけを外す(①)。差し戻しは枠の下に隠れているが、チェックを入れてある。月の条件は入れていない

ここで作った一覧は、ステータスだけで絞っていて、月の条件は入れていません。名前に「10月分」と入れただけなので、翌月になると、前の月の残りと次の月の申請が同じ一覧に混ざります。自社で作るときは、流れの図と一緒に決めた、月を切る日付(申請日か利用日)の条件も足します。ヘルプによると、日付の絞り込みの[今月][先月]は、「絞り込みを実行している月を起点とします。1か月間を1日から月末日まででひと区切りとします」とされています。締めの作業が翌月にずれこむなら、[今月]ではなく[先月]か、日付を指定して絞ります。来月に回すと決めた申請を何で見分けるかも、この一覧の条件にそろえておきます。

次に、同じ条件でグラフを作ります。グラフの種類をクロス集計表にし、分類する項目の大項目をステータス、中項目を申請者の部署にします。欲しい集計は件数と金額の合計の2つですが、プログラムから集計方法を2つ設定しようとすると、クロス集計表では集計方法を1つだけ指定するよう返ってきたので、件数の表と金額の表を1つずつ作りました。2つの表を1枚に並べ直すと、次の図になります。

締め日の前の残りの図。全60件のうち、締め前の残り43件・1,986,200円、承認済み17件・800,700円。表は列がステータス(申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認・差し戻し)、行が部署。各マスに件数と金額。計の行は、申請中14件・590,100円、上長の確認7件・297,000円、部長の確認5件・420,600円、経理の確認13件・504,700円、差し戻し4件・173,800円、合計43件・1,986,200円。列の見出しの下に待っている人(申請した人・上長・部長・経理・申請した人)。いちばん下の点線の行「申請からの日数」は「まだ(今日までの日数を、計算の項目で持てなかった)」締め日の前の残りの図。全60件のうち、締め前の残り43件・1,986,200円、承認済み17件・800,700円。表は列がステータス(申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認・差し戻し)、行が部署。各マスに件数と金額。計の行は、申請中14件・590,100円、上長の確認7件・297,000円、部長の確認5件・420,600円、経理の確認13件・504,700円、差し戻し4件・173,800円、合計43件・1,986,200円。列の見出しの下に待っている人(申請した人・上長・部長・経理・申請した人)。いちばん下の点線の行「申請からの日数」は「まだ(今日までの日数を、計算の項目で持てなかった)」
件数と金額の2つの表を1枚に並べ直したもの。列ごとに、待っている人が決まる

表の列は承認の段で、列ごとに待っている人が決まっています。申請中と差し戻しは申請した人、上長の確認は上長、部長の確認は部長、経理の確認は経理の手元です。経理の確認の列は経理自身の作業なので、締めまでの段取りに入れます。申請中の列は、まだ上長に出していない申請なので、締め日までに出すのか来月分に回すのかを、申請した人に確かめます。件数と金額を並べるのは、どの列から手を付けるかを決めるためです。件数だけでは、額の大きい申請が1件残っているのか、少額の申請がいくつも残っているのかが分かりません。

金額のクロス集計表の画面。列はステータスで申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認・差し戻し・合計(申請者の部署)。いちばん上の行の見出しが「申請者の部署」で、590,100円・297,000円・420,600円・504,700円・173,800円・1,986,200円。その下にマーケティング部・管理部・開発部・営業部の行。値の無いマスは空欄
いちばん上の行が段ごとの合計で、見出しは「申請者の部署」と出た(①)。値の無いマスは空欄

この表を読むときに、気づいたことが2つあります。1つは、ここで作った表では、値の無いマスが 0 ではなく空欄で出たことです。もう1つは、グラフの設定画面のプレビューです。ここで見たプレビューは、条件で承認済みを外していたのに承認済みの列(17件)を出し、合計を60件としていました。見出しには「プレビュー(一部のデータだけを基にしています)」とあります。保存した後の表には承認済みは出ず、合計は43件でした。このため、ここでは数字を保存した後の表で読みました。

グラフの設定画面。グラフの種類はクロス集計表、分類する項目は大項目がステータス・中項目が申請者の部署、集計方法はレコード数、条件はステータスが申請中・上長の確認・部長の確認・経理の確認ほかで承認済みにチェックが無い。右のプレビューの表には承認済みの列があり、17、合計60
②で承認済みを外しているのに、プレビューには承認済みの列(①)が出て、合計は60件になった

グラフをスペースのスレッドに貼り、1画面に並べて見る手順は、商談アプリのグラフを営業会議の1画面に並べる記事で書いています。

申請からの日数は、計算の項目では数えられなかった

締めの前の表に、もう1つ欲しくなるのが日数です。申請から何日止まっているか、承認まで何日かかったか。図の点線の行がそれで、ここは「まだ」のままです。計算の項目では、日数を持てませんでした。

計算の項目では、ステータスも作業者も、TODAY 関数も使えませんでした。ヘルプにも、プロセス管理のステータスと作業者は計算式で参照できないとあります。TODAY を使った計算式は、足そうとすると「(エラーの内容:TODAY関数は使用できません。)」と返りました。

更新日時から作成日時を引く計算は作れたので、「作成から最後の更新まで」という計算の項目を試しに足しました。ステータスを1回以上進めた49件でも、値は0のままでした(進めていない11件と合わせて、60件すべてが0です)。承認済みにした申請を、承認の約8分後に編集すると、値は「0日0時間10分」になりました。出たのは作成から編集までの時間で、承認までの時間ではありません。ステータスの履歴には承認した日時が残っていますが、一覧の列にもグラフの集計にも出てきませんでした。

日数を数えたいなら、仕組みを足すことになります。たとえば、承認する人が承認した日を入れる日付の項目を足す方法や、ステータスが変わった時刻を別の仕組みで記録する方法が考えられます。

拾った表で決めることと、効き目の確かめ方

ここまでをそろえると、締めの何日か前に、3つのことを決められます。

1つ目は、締めの前に、どの段の誰に、どの順で声をかけるかです。2つ目は、今月の締めに入れる申請と来月に回す申請の線で、締め日を過ぎてからではなく、締め日より前に引けます。3つ目は、kintone で回し続けるかの見直しです。外に渡す側にした支払や仕訳、日数の集計まで kintone の中で見たくなったら、仕組みを足すか、経費精算の専用の仕組みを比べるかを考える時期です。

効き目は、締めが遅れたかどうかではなく、締めの前に拾った残りの数で確かめます。毎月、締め日の同じ日数前に、残りの件数と金額を段ごとに控え、その月の申請の総数と並べておきます。残りの件数は申請の数でも上下するので、1か月分の数だけでは、減ったのが進め方のおかげかどうかは決められません。何か月分かを並べて、申請の総数に対する残りの割合と、どの段の残りが動いたかで比べます。

作業者が1人の検証では分からないことと、画面と数字の作り方

作業者を1人で組んだので、上長・部長・経理が別の人のときにボタンが誰に出るか、自分が作業者になっている申請だけを出す一覧に何件出るかは、確かめられていません。部長を部署ごとに申請の項目で持たせる形、閲覧の範囲(アクセス権)の設定、代理の承認と却下の線も試していません。このほか、領収書を必須にした状態での保存、5万円ちょうどの申請、作業者に届く通知やポータルの[未処理]の見え方、リマインダーの条件通知、締め日や来月に回した申請を項目に持たせる方法、申請日の月で絞る一覧、承認した日を入れる項目や別の仕組みで日数を記録する方法は試していません。開発者向けの資料には、画面で開いている1件のレコードの履歴を取り出す仕組みがありますが、一覧の申請の履歴をまとめて取り出す方法は、資料の一覧(プロセス管理の操作の欄)には見当たりませんでした。それ以上は調べていません。締めの前にこの表を見ると、実際の会社で締めの遅れが減るかも確かめていません。表の件数と金額は、乱数で作った申請を数えたもので、どの部署・どの段が多いかには意味がありません。

画面と数字は、次のように作りました。アプリ、プロセス管理、一覧、グラフは、アプリの設定をプログラムからまとめて変える方法で作り、フォーム、プロセス管理、一覧の絞り込み、グラフの設定の画面を開いて確かめました。プロセス管理の手順の画面名と順は、kintone ヘルプ(基本的なプロセス管理の設定、アクションが実行できる条件の設定、作業者以外でも実行できるアクションの設定)に沿って書いています。60件の申請は一度に登録し、ステータスは、複数のレコードのステータスをプログラムからまとめて更新する方法(1回に100件まで指定できます)で1手ずつ動かしました。画面で操作したのは3件の最後の1手だけです。履歴の時刻が21時8分から11分に固まっているのは、まとめて動かしたためで、申請日(10月1日〜16日)とは関係ありません。TODAY を使った計算式のエラーや部署の条件の試し、承認の後の編集も、この方法で設定や値を変えたときのものです。表の件数と金額は、元の申請のデータを別に集計した値とすべて一致しました。

次の締めの前に、承認の段と待っている人を1枚に書き出す

次の締めまでにやることは1つです。自社の経費の承認の段を、1枚の図に書き出します。段の順番、金額の分かれ目(「以上」と「以下」で)、段ごとに待っている人、差し戻しの戻り先、取り戻せる人、月を切る日付までを書き込めば、それがそのままプロセス管理のステータスとアクションの表になり、締めの前に拾う表の列になります。

この記事の作りで止まったのは2か所でした。同じ名前の承認でまとめて動かせなかった所は、名前を分けて抜けました。抜けられずに人の手に残ったのは、申請からの日数です。計算の項目では持てず、確かめた範囲では、承認した日時はステータスの履歴を1件ずつ開いて見ました。当社の kintone 導入支援では、アプリの項目設計とプロセス管理(承認フロー)の設計に加えて、運用ルールの整理も受けています。日数を残す項目をどこに足すか、締めの前に誰がどう作業者へ知らせるかを、書き出した図に書き込むところから手伝えますので、図を持って、kintone 導入支援のページから30分のオンライン相談を予約してください。

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