LINE公式アカウントの友だちは別のアカウントへ移せない|作り直し・統合の前に確かめること
LINE公式アカウントの友だちは別のアカウントへ移せず、まとめる機能も見当たりません。作り直す前に引き取りで済むかを確かめ、作り直すなら同じプロバイダーと組織を選びます。12項目の行方を公式の原文で整理しました。
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この記事の要点
- LINE公式アカウントの友だちは、別のアカウントへ移せません。よくある質問が「できません」と答え、別のアカウントでは新たに友だち追加が要るとしています。管理画面のマニュアルも、削除の注意として、新しいアカウントに友だちを引き継げないと書いています。2つのアカウントを1つにまとめる機能も、マニュアルとよくある質問には見当たりません。
- 作り直しは最後の手段です。管理者とビジネスマネージャーの組織は今のアカウントのまま付け替えられ、認証済アカウントの名前も、企業名・サービス名の変更に伴うなら再審査で変更を申し込めます。今のアカウントのままでは変えられないと確かめられたのは、Messaging API のプロバイダーでした。2つを1つにするなら、新しく作るより片方を残すほうが、失う友だちが少なく済みます。
- 作り直す・まとめるなら、使い続けるアカウントの Messaging API のプロバイダーと、ビジネスマネージャーの組織を先に決めます。同じプロバイダーなら同じ人のユーザーIDが同じ値になり、組織とアカウントの審査がそろえば、やめるアカウントのオーディエンスで、使い続けるアカウントの友だちを絞り込んだり外したりできます。オーディエンスで友だちが移るわけではありません。
アカウントを「引き取る・作り直す・まとめる」とき、友だちはどうなるか
引き取る
今のアカウントのまま、管理者と組織を付け替える
- 友だち・チャット履歴・分析はそのまま
- 管理者の追加は認証用URL(24時間・1人1回)
- 組織を移すと接続審査をやり直す(アカウントの認証はそのまま)
変えられない:Messaging API のプロバイダー
作り直す
新しいアカウントを開設し、旧アカウントは後で削除
- 友だちは0人から。追加し直してもらう
- ベーシックID・友だち追加のURLとQRコードは新しくなる
- 認証は新しいアカウントで申請し直す
条件つきで持っていける:同じプロバイダーならユーザーID。組織と審査がそろえば、オーディエンスで友だちを絞り込める
まとめる
2つのアカウントを1つにしたい
- 1つにまとめる機能は、マニュアルとよくある質問に見当たらない
- 残す方を決め、もう一方の友だちに追加し直してもらう
- 新しく作ると、両方の友だちが0人から
失う友だちが少ないのは:片方を残す形
出典:LINEヤフー for Business「アカウント設定」、「権限設定」、よくある質問「削除したLINE公式アカウントを復元することはできますか?」、「接続したアカウント・チャネルを他の組織に移動することはできますか?」、「Messaging API」
LINE公式アカウントの友だちを、別のLINE公式アカウントへ移す方法はありません。よくある質問は、友だちを別のLINE公式アカウントに移せるかという問いに「できません」と答え、別のアカウントでは新たに友だち追加をしてもらう必要がある、としています(よくある質問「LINE公式アカウントの友だちを別のLINE公式アカウントに移すことはできますか?」)。2つのアカウントを1つにまとめる機能も、マニュアルとよくある質問には見当たりませんでした。
当社は LINE公式アカウントの運用と、LINE とほかのシステムとの連携を支援している会社です。アカウントを作り直すか、まとめるかを決めるには、やめるアカウントから何が引き継げて何を失うかの一覧が要ります。ところが公式の情報は、機能ごとのマニュアル、よくある質問、開発者向けの LINE Developers に分かれていて、1か所では読めません。そこで、友だち・ブロック・チャット履歴・タグとノート・オーディエンス・分析・リッチメニュー・クーポン・ショップカード・プレミアムID・認証・プロバイダーとユーザーIDの12項目を、公式の原文で1つの表にしました。扱うのは企業や店舗が運用する LINE公式アカウントで、権限の付け替えの細かい手順は「LINE公式アカウントを複数持つ会社の権限管理」に、開設を外部に頼む前の決め事は「LINE公式アカウントの開設・構築を外部に頼むとき」に書いています。
スマートフォンを替えたときの、個人の LINE アカウントの引き継ぎを調べている方は、LINEヘルプセンター「LINEアカウントの引き継ぎで移行が可能なデータとは?」を見てください。この記事はその話ではありません。
ここからは説明のための架空の例として、ヨガ教室の「ヨガスタジオ デモ」で考えます。運営会社は「デモウェルネス」で、教室のサイトは制作会社の「デモ制作」が作りました。教室は本校と2教室目でそれぞれ LINE公式アカウントを持っていて、どちらも認証済アカウントです。本校のアカウントは運営会社のプロバイダーで Messaging API を有効にしていて、会員の台帳に友だちのユーザーIDが入っています。2教室目のアカウントは、サイトの制作と一緒にデモ制作が開設を手伝い、Messaging API はデモ制作のプロバイダーで有効になっています。教室は、教室名を新しくするのを機に、アカウントを1つにまとめたいと考えています。教室名と会社名は、この記事に埋め込んだ当社のデモと同じ架空のものです。
やめるアカウントを削除すると、友だちも友だち追加のQRコードも戻らない
友だちを移せない以上、作り直しやまとめでは、どこかのアカウントをやめ、いずれ削除するかを決めることになります。マニュアルの「アカウント設定」は、削除すると元に戻せないと前置きして、5つの注意を並べています。削除から30日がたつと分析データを含むすべての情報が削除されること、すべての友だちが削除され新しいアカウントに引き継げないこと、有料サービスの支払い予定があると削除できないこと、月の途中で削除しても返金されないこと、削除の前に配信した追加メッセージは次の決済日に請求されること、です(「アカウント設定」のLINE公式アカウントを削除する)。
削除したアカウントは復元できません。よくある質問によると、同じアカウント名でアカウントを作り直すことはできますが、ベーシックID、友だち追加用のURL・QRコード・ボタンは新しくなり、前のものは使えません(よくある質問「削除したLINE公式アカウントを復元することはできますか?」)。店頭のポスターや名刺に印刷した QRコードも、作り直したアカウントには届きません。Messaging API を使っているアカウントなら、アカウントを削除すると Messaging API のチャネルも一緒に削除されます(LINE Developers「LINE公式アカウントの利用を停止する」)。
まとめる方はどうか。「統合」「移行」「譲渡」「友だち 引き継ぐ」でよくある質問を検索しても、LINE公式アカウント同士をまとめる記事は出てきませんでした。出てくるのは LINE広告の移行ツールや、ログインに使う ID の統合の話です(ID の統合は、あとの節で扱います)。ヨガスタジオ デモの2教室のアカウントを1つにする方法は、どちらかを残してもう一方の友だちに追加し直してもらうか、新しい名前のアカウントを作って両方の友だちに追加し直してもらうか、のどちらかになります。
どちらも、友だちに一度動いてもらう作業です。だから、作り直す・まとめると決める前に、今のアカウントを残したまま「引き取る」ことで済まないかを先に確かめます。
作り直す前に、引き取りで済まないかを確かめる
アカウントそのものを替えなくても、管理する人と、束ねる組織は付け替えられます。名前も、未認証アカウントなら管理画面の「プロフィール」で変えられます。認証済アカウントの名前の変更は原則として受け付けていませんが、企業名やサービス名が変わり、それに伴って名前を変えたい場合は、問い合わせると再審査が行われます(よくある質問「アカウント名を変更するには?」)。今のアカウントのままでは変えられないと公式の資料で確かめられたのは、Messaging API のプロバイダーでした。確かめた範囲では、作り直すか、どちらかのアカウントをやめるかを考えることになるのは、プロバイダーを替えたいときと、2つ以上のアカウントを1つにしたいときです。
引き取りで済むか、作り直し・まとめを比べるか
自社の担当者が、アカウントの管理者に入っているか
入っていなければ、今の管理者に「設定」>「権限管理」で追加してもらう
ビジネスマネージャーの組織は自社のものか
別の組織なら「ほかの組織に移動」で移す。移したあとは接続審査をやり直す(認証はそのまま)
名前を変えたいか
認証済アカウントは、企業名・サービス名の変更に伴うなら再審査を申し込む(認定セールスパートナーが開設・管理するアカウントは指定の方法で)
Messaging API のプロバイダーを替えたいか、2つを1つにしたいか
どちらも、今のアカウントのままではできない
出典:LINEヤフー for Business「権限設定」、よくある質問「接続したアカウント・チャネルを他の組織に移動することはできますか?」、「アカウント名を変更するには?」、「Messaging API」
管理者は、今の管理者が「設定」>「権限管理」で認証用URLを発行し、それを自社の担当者が開いて入ります。URLは発行から24時間で失効し、1回の発行で1人だけ使えます(「権限設定」)。代理店や制作会社が管理者のアカウントなら、自社の担当者を管理者に加えてもらい、そのあとで外部の方の権限を運用担当者に替える、という順になります。名簿が4か所に分かれていることや外す順番は、権限管理の記事にまとめています。
ビジネスマネージャーの組織は、ビジネスマネージャーの「アカウント・チャネル管理」で、アカウントの「︙」から「ほかの組織に移動」を選び、移動先の組織IDを入れて移せます。移すと、ビジネスマネージャーの接続審査(組織とアカウントの持ち主が一致するかの審査)のステータスが未認証に変わり、移動先の組織で接続の審査がもう一度行われます。審査が終わるまで、移動先の組織ではオーディエンスなどのリソースを共有できず、移動前の組織では、そのアカウントのリソースが使えなくなります。どこの組織にも接続していない状態に戻すことはできません。LINE公式アカウントそのものの認証は変わらず、認証済アカウントが未認証アカウントになることはありません。レストランオプション、Beautyオプション、CRMオプションを使っているアカウントは、組織に接続したあと、ほかの組織へ移れません(よくある質問「接続したアカウント・チャネルを他の組織に移動することはできますか?」「LINE公式アカウントを他の組織に移動した場合、LINE公式アカウントの認証は変更されますか?」、ビジネスマネージャー「組織にアカウントやチャネルを接続する」)。
アカウントの契約そのもの、つまり名義を別の会社に移すことは、規約で扱いが分かれています。LINE公式アカウント利用規約は、第三者に権限を付けて運用を任せることを認めています(第6条3項)。一方で、アカウントを第三者に譲渡・貸与・共用することは禁止行為で(第18条8号)、契約上の地位を第三者に譲るには LINEヤフーの承諾が要ります(第22条1項、LINE公式アカウント利用規約)。承諾の手続きの中身は、公開されている資料には見当たりませんでした。名義を移したい場合は、LINEヤフー for Business のお問い合わせから確かめることになります。
ヨガスタジオ デモは、2つを1つにしたいので4つ目に当たります。ただ、まとめ方は2通りあります。新しい教室名のアカウントを作ると、本校と2教室目の両方の友だちに追加し直してもらうことになります。本校のアカウントを残して名前の変更の再審査を申し込み、2教室目の友だちに本校のアカウントを追加してもらう形なら、追加し直してもらうのは2教室目の友だちだけです。本校のアカウントは運営会社のプロバイダーにあるので、プロバイダーを替える必要もありません。失う友だちが少ないのは、片方を残す形です。再審査で名前の変更が認められなかったときに、新しく作る側に戻ります。
やめるアカウントにあったものは、12の項目でこうなる
作り直すときも、片方を残してまとめるときも、どこかのアカウントをやめることになります。やめるアカウントにあったものが、使い続けるアカウント(新しく作るアカウントか、残すアカウント)でどうなるかを、項目ごとに同じ物差しで並べます。「移せない」は公式に書かれているもの、またはアカウントごとの手続きで引き継ぐ余地が無いもの、「条件つき」は公式の手順で使い続けるアカウントでも使えるもの、「見当たらない」は移す手段が公式の資料に見当たらないもの、です。最後の分類は、できないと書かれているわけではありません。
| 項目 | やめるアカウントのものは | 公式の根拠 |
|---|---|---|
| 友だち | 移せない別のアカウントには移せず、新たに友だち追加をしてもらう。削除すると、すべての友だちが削除される。作り直したアカウントは、ベーシックIDと友だち追加のURL・QRコードも新しくなる | よくある質問(友だち)、アカウント設定、よくある質問(復元) |
| ブロック | 見当たらない移す手段は見当たらない。分析で見られるのは、期間ごとのブロック数 | 分析-友だち |
| チャット履歴 | 見当たらない移す手段は見当たらない。保存期間は無料の範囲で半年、チャットProオプションで5年(2024年1月1日以降の履歴)。履歴のダウンロードはチャットProオプションだけ | チャット |
| タグとノート | 見当たらないタグもノートも、移す手段は見当たらない。タグを付けた人の集まりは、チャットタグのオーディエンスとして共有できる(次の行の条件) | チャット、オーディエンス |
| オーディエンス | 条件つき両方を同じビジネスマネージャーの組織に接続し、組織の認証審査・アカウントの認証・接続審査が済めば、共有して使い続けるアカウントのリターゲティング・除外配信に使える。配信の対象になるのは使い続けるアカウントの友だち。チャットタグとウェブトラフィック以外は作成から180日で期限が切れる | 共有できるオーディエンス、接続、オーディエンス |
| 分析 | 見当たらない移す手段は見当たらない。削除から30日で消える。削除の前に「ファイルをダウンロード」で保存できる(1回60日まで。LINE VOOM・クーポン・LINEコールPlusは対象外) | アカウント設定、ファイルをダウンロード |
| リッチメニュー | 見当たらない作成済みのリッチメニューをコピーする機能はあるが、別のアカウントへコピーする手順は見当たらない。使い続けるアカウントで作り直す。グループに入れたアカウントには、グループからまとめて作れる | リッチメニュー、グループ |
| クーポン | 見当たらない移す手段は見当たらない。使い続けるアカウントで作り直す。保存したクーポンは編集も削除もできない | クーポン |
| ショップカード | 見当たらないポイントを移す手段は見当たらない。カードを公開停止にすると、特典チケットも使えなくなる | ショップカード |
| プレミアムID | 条件つきアカウントの契約が終わるとプレミアムIDの契約も終わる。ほかのアカウントで契約されていなければ、同じ文字列を取り直せる | プレミアムID利用規約、よくある質問 |
| 認証 | 移せない認証はアカウントごとに申請する(ほかのアカウントの認証を引き継ぐ記載は無い)。新しく作るアカウントは申請し、審査は5〜10営業日。残すアカウントが認証済なら、そのまま | よくある質問、認証済アカウント |
| プロバイダーとユーザーID | 条件つき使い続けるアカウントの Messaging API が同じプロバイダーなら、同じ人のユーザーIDは同じ値。別のプロバイダーなら別の値で、あとから変えられない | LINE Developers「ユーザーIDを取得する」、Messaging API |
12項目を3つに分けると
移せない
公式に書かれている/アカウントごとの手続き
- 友だち(作り直すとベーシックID・URL・QRコードも新しく)
- 認証(アカウントごとに申請)
条件つきで使える
先に決めれば、使い続けるアカウントでも使える
- プロバイダーとユーザーID(同じプロバイダー)
- オーディエンス(同じ組織・審査済み。友だちを絞り込む用途)
- プレミアムID(同じ文字列を取り直す)
移す手段が見当たらない
やめるアカウントで保存するか、作り直す
- ブロック
- チャット履歴
- タグとノート
- 分析
- リッチメニュー
- クーポン
- ショップカード
出典:上の表の各行の公式ページ
表で「条件つき」になった3つのうち、プロバイダーとオーディエンスは、使い続けるアカウントの設定で決まります。新しく作るなら、プロバイダーは開設した直後に選び、あとから選び直せません。ここが、作り直す・まとめるときにいちばん先に決めることです。
使い続けるアカウントのプロバイダーで、顧客管理に入れたユーザーIDが使えるかが決まる
Messaging API や LINEログインで受け取るユーザーIDは、同じ人でもプロバイダーごとに違う値が発行されます。プロバイダーが同じなら、LINEログインのチャネルでも Messaging API のチャネルでも、同じ人には同じユーザーIDが割り当てられ、異なるプロバイダーのチャネルの間では、ユーザーIDで同じ人かどうかを確かめられません。なお、同じプロバイダーでも、複数のサービスで受け取った利用者の情報を結び付けるには、プロバイダーページの公開など LINE が定める条件があります(LINE Developers「ユーザーIDを取得する」「LINE Developersコンソールの概要」「プロバイダーとチャネル管理のベストプラクティス」)。
ヨガスタジオ デモで言うと、本校と2教室目の両方を友だちにしている会員のデモ 葵さんには、本校のアカウント(運営会社のプロバイダー)と2教室目のアカウント(デモ制作のプロバイダー)で、別のユーザーIDが付いています。2つの友だちの一覧を突き合わせても、ユーザーIDでは同じ人だと分かりません。本校のアカウントを残す形なら、葵さんのユーザーIDは今の台帳の値のままです。2教室目にだけいた友だちが本校のアカウントを追加すると、運営会社のプロバイダーのユーザーIDで新しく届きます。
使い続けるアカウントの Messaging API が、どのプロバイダーにあるか
台帳のIDと同じプロバイダー
残すアカウントがそのプロバイダーにある/新しく作るなら既存のプロバイダーを選ぶ
- 同じ人のユーザーIDは同じ値
- 顧客管理の台帳の行をそのまま使える
- やめるアカウントにだけいた友だちには、追加し直してもらう
要るもの:既存のプロバイダーを選ぶなら、その権限を持つ人の操作
別のプロバイダー
新しいプロバイダーを作る、または別の会社のものを選ぶ
- 同じ人でもユーザーIDは別の値
- 台帳と結び直す作業が要る
- チャネルは、あとから別のプロバイダーへ移せない
結び直す方法:アカウント連携、LINEログイン
出典:LINE Developers「ユーザーIDを取得する」、「LINE Developersコンソールの概要」、LINEヤフー for Business「Messaging API」
プロバイダーは、アカウントの管理者が「設定」>「Messaging API」で「Messaging APIを利用する」を押すときに、作るか既存のものから選びます。マニュアルには、プロバイダーは後で変更できないこと、LINEログインのチャネルなどと連携するならそのチャネルと同じプロバイダーを選ぶこと、既存のプロバイダーを選ぶにはそのプロバイダーの権限を持つ LINE のアカウント(操作する人)が要ること、が書かれています。アカウントを残して Messaging API のチャネルだけを削除することもできません(LINEヤフー for Business「Messaging API」、LINE Developers「Messaging APIの利用を停止する」)。今のアカウントのプロバイダーを替える方法は、確かめた公式の資料の範囲には無く、替えたいなら作り直しになります。
LINE Developers は、サービスの開発を他社に任せる場合も、任せる側(委託元)のプロバイダーを作り、その下にチャネルを作るよう書いています。チャネルとプロバイダーを別々の会社が管理している場合は、特に注意が要る例として挙げられています(「プロバイダーとチャネル管理のベストプラクティス」、「LINE Developersコンソールの概要」)。ヨガスタジオ デモが新しく作る側に進んだ場合も、Messaging API は運営会社のデモウェルネスのプロバイダーで有効にします。
プロバイダーが違うと、同じ人のユーザーIDがどう変わるかは、当社のデモ「LINEログインで受け取る情報」で試せます。架空の教室・会社・データで作った当社のデモで、デモの中で切り替えるのは、会員登録に使う LINEログインのチャネルを作ったプロバイダーです。
試す手順
- 「1. 事業者の設定」の「LINEログインのチャネルを作ったプロバイダー」が[教室の運営会社]のまま、スマホ画面の[LINEでログイン]→[許可する]を押します。「3. ユーザーIDは、プロバイダーごとに違う」で、会員登録のチャネルと、LINE公式アカウント「ヨガスタジオ デモ」の Messaging API のチャネルに、同じユーザーIDが並びます。
- プロバイダーを[サイトの制作会社]に切り替えて、もう一度[LINEでログイン]→[許可する]を押します。受け取るユーザーIDが別の値になり、教室のLINE公式アカウントの友だちのIDとそのままでは一致しない、という説明が出ます。
枠の中はスクロールできます。画面いっぱいで試すときは別のタブで開く。
デモの値はすべて架空です。ユーザーIDがプロバイダーごとに違い、同じプロバイダーならチャネルの種類にかかわらず同じになる、という決まりは LINE Developers の仕様で、デモの画面の出典にも書いてあります。デモは LINEログインのチャネルで比べていますが、本校と2教室目のように、2つのアカウントの Messaging API のチャネルが別のプロバイダーにある場合も、同じ決まりが当てはまります。
別のプロバイダーで受け取ったユーザーIDを台帳で結び直すには、Messaging API のアカウント連携が使えます。連携トークン(10分間有効で1回だけ使える)を発行し、利用者に自社サービスへログインしてもらって、自社の会員IDと LINE のユーザーIDを結ぶ仕組みです(LINE Developers「ユーザーアカウントの連携」)。LINEログインで受け取れる値は「LINEログインで取得できる情報」に、自社の顧客台帳とのつなぎ方の種類は「LINEと今の顧客管理をつなぐ3つの作り方」に、Salesforce の場合はSalesforce×LINE連携の記事に書いています。
組織と審査がそろえば、やめるアカウントのオーディエンスで友だちを絞り込める
友だちそのものは移せませんが、やめるアカウントで作ったオーディエンスは、条件がそろえば使い続けるアカウントの配信の絞り込みに使えます。ビジネスマネージャーは、同じ組織に接続したアカウントの間で、オーディエンスやタグを共有する仕組みです。LINE公式アカウントから別の LINE公式アカウントへ共有できるのは、メッセージインプレッション、メッセージクリック、ユーザーIDアップロード、チャットタグ、友だち追加経路、予約、ウェブトラフィック、リッチメニューインプレッション、リッチメニュークリックのオーディエンスで、共有先ではリターゲティングと除外配信に使えます。LINE公式アカウントで配信できるオーディエンスの最小サイズは50です(ビジネスマネージャー「ビジネスマネージャーについて」「共有できるオーディエンス」。一覧は2026年6月時点のもの)。
共有したオーディエンスは、友だちを移すものではありません。オーディエンスのマニュアルによると、友だちになったことのない人はオーディエンスのサイズには数えられても、配信のターゲット推計には入りません。配信の対象になるのは、使い続けるアカウントの友だちのうちオーディエンスに入っている人で、やめるアカウントにだけいる友だちには届きません。また、チャットタグとウェブトラフィック以外のオーディエンスは作成から180日で期限が切れ、その1か月後に自動で削除されます(「オーディエンス」)。たとえば、やめるアカウントでメッセージを開いた人のうち、使い続けるアカウントもすでに友だちにしている人に絞って送る、反対にその人たちを外して送る、という使い方になります。
やめるアカウントのオーディエンスを、使い続けるアカウントで使うまで
1
同じ組織に接続する
- 両方のアカウントを、同じビジネスマネージャーの組織に
- 接続はアカウントの管理者が「アカウント設定」の「組織(ビジネスマネージャー)」から
2
組織の認証審査
- 書類による審査か、ビジネス情報を基にした審査
- 組織に接続したアカウントが1つ以上あること
3
接続審査
- 組織とアカウントの持ち主が一致するかの審査
- 未認証のアカウントは、認証が済んでから始まる
- 管理者の承認が要る場合がある
4
共有するリソースを選ぶ
- 使い続けるアカウントの「共有リソース」画面で「共有するリソースを選択」
- 共有元にやめるアカウントを選び、オーディエンスにチェック
- 届くのは使い続けるアカウントの友だち。多くの種類は作成から180日が期限
出典:ビジネスマネージャー「組織にアカウントやチャネルを接続する」、「組織の認証審査」、「リソースの共有」、LINEヤフー for Business「オーディエンス」
条件のうち見落としやすいのは、アカウントの認証と接続審査です。組織と LINE公式アカウントのどちらかが未認証なら、両方の認証が済むまで、計測タグの発行やリソースの共有はできません。接続審査は、組織とアカウントの持ち主が一致するかを確かめる審査で、組織の認証審査とは別にアカウントごとに行われ、未認証のアカウントでは認証が済んでから始まります(ビジネスマネージャー「組織にアカウントやチャネルを接続する」)。新しく作ったばかりのアカウントは、申請から認証の審査が終わり、そのあと接続審査が終わるまで共有できないと見込んでおきます。ヨガスタジオ デモの本校と2教室目は2つとも認証済ですが、2教室目は開設をデモ制作が手伝ったので、運営会社の組織に接続したときの接続審査で、持ち主の情報がそろっているかを確かめることになります。
タグを使ってきたアカウントでは、タグそのものは移せなくても、タグを付けた人の集まりをチャットタグのオーディエンスにしておけば、使い続けるアカウントで「このタグの人にだけ送る」「このタグの人には送らない」が使えます。チャットタグのオーディエンスは、元のタグが削除されると一緒に削除されます(「オーディエンス」)。やめるアカウントを削除したあとも共有したオーディエンスが使えるかは、公式の資料には見当たりませんでした。共有したオーディエンスを使い終えるまで(多くの種類は作成から180日が期限)は、やめるアカウントとタグを残しておきます。
新しく作るなら、認証とプレミアムIDは取り直す
認証は、認証を受けたいアカウントごとに申請します(よくある質問「誤って新規LINE公式アカウントを作成し認証申請してしまった」)。申請は管理画面の「設定」から「アカウント認証をリクエスト」で行い、審査には5〜10営業日かかります。申請のあとは、管理画面ではアカウント名を変えられません(「認証済アカウント」とは?)。新しく作るアカウントの名前は、申請の前に決めきっておきます。認証済アカウントになると何が使えるかは、認証済アカウントの記事にあります。
2026年1月14日のお知らせで、LINEヤフーは、サービス対象国・地域が日本のアカウントについて、2026年4月1日にプレミアムアカウントを廃止して認証済アカウントに統合すると案内しました(お知らせ「認証バッジおよび識別仕様の変更について」)。以前にプレミアムアカウントだったアカウントをやめて新しく作る場合も、新しいアカウントで申請するのは認証済アカウントです。審査の5〜10営業日のあいだは、前の節のオーディエンスの共有も始められないので、新しく作るなら、開設してすぐに申請します。
プレミアムIDは、LINE公式アカウントの契約が終わると、プレミアムIDの契約も自動で終わります(プレミアムID利用規約第2条2項)。すでに使われている文字列は申し込めません(第3条1項)。削除したアカウントのプレミアムIDは、ほかのアカウントで契約されていない限り、同じIDを取り直せるとよくある質問にあります(よくある質問)。つまり、やめるアカウントで使っている間は、使い続けるアカウントで同じ文字列は取れません。プレミアムIDを削除したり、次回の支払いを止めたりしたあと、いつから同じ文字列を取れるかは、確かめた公式の資料には書かれていませんでした。ID入りの案内を印刷して配っているなら、切り替えの日を決める前に LINEヤフーのサポートに確かめます。
プレミアムIDは、2026年9月1日のお知らせで、2026年12月1日に料金を改定すると案内されています(お知らせ「プレミアムID料金改定のお知らせ」)。新しい料金と、続けるか止めるかの決め方は「プレミアムIDの料金改定」の記事に書いています。友だち追加のURLと QRコードはベーシックIDを基に作られているので、プレミアムIDを付けても外しても変わりません(「利用と請求」)。新しく作ると変わるのは、ベーシックIDのほうです。
やめるアカウントを消す前に、取っておくもの
使い続けるアカウントで友だち集めを始めても、やめるアカウントをすぐ削除する必要はありません。削除は戻せず、削除から30日で分析データを含むすべての情報が消えます。表で「見当たらない」になった項目は、やめるアカウントで保存しておくか、使い続けるアカウントで作り直すしかないので、消す前に次の順で取っておきます。
やめるアカウントを削除する前の確認
1
友だちのユーザーID
- 友だち全員のユーザーIDを取得する Messaging API で
- 使えるのは認証済アカウント
- 同じプロバイダーなら、使い続けるアカウントでも同じ値
2
チャット履歴
- ダウンロードはチャットProオプションだけ
- 保存期間は無料の範囲で半年、Proで5年
3
分析のファイル
- 「ファイルをダウンロード」で1回60日まで
- LINE VOOM・クーポン・LINEコールPlusは対象外
- 友だちの属性は最新のデータだけ
4
クーポンとショップカード
- 配ったクーポンの有効期間
- カードを公開停止にすると特典チケットも使えない
5
削除できる状態か
- 有料サービスの支払い予定があると削除できない
- プランのダウングレード予約とオプションの解約を先に
出典:LINE Developers「ユーザーIDを取得する」、LINEヤフー for Business「チャット」、「ファイルをダウンロード」、「クーポン」、「ショップカード」、「アカウント設定」
1つ目の友だちのユーザーIDは、認証済アカウントなら、Messaging API で友だち全員の分を取得できます(LINE Developers「ユーザーIDを取得する」。ドキュメントの表記は「認証済アカウントまたはプレミアムアカウント」)。使い続けるアカウントが同じプロバイダーにあれば、この一覧の値はそちらでも同じ人を指します。友だち追加のときに Webhook で届くユーザーIDと照らせば、一覧の誰がまだ使い続けるアカウントを追加していないかが分かります。ヨガスタジオ デモの2教室目はデモ制作のプロバイダーなので、2教室目の一覧の値は本校のアカウントで届く値とは一致しません。台帳と結び直すには、前の節のアカウント連携を使います。
4つ目のショップカードは、カードの公開を止めると、ゴールした人の特典チケットも使えなくなり、一度公開停止にしたカードは元に戻せません(「ショップカード」)。ヨガスタジオ デモが2教室目のショップカードで特典を出しているなら、本校のアカウントで同じカードを作って案内し、2教室目のカードは特典の有効期限が過ぎるまで公開したままにする、という順にします。ポイントを別のアカウントのカードへ移す手段は見当たらないので、2教室目のカードのポイントをどう扱うかは、教室が自分で決めて案内することになります。
ビジネスIDの統合は、アカウントの移行とは別の話
2026年の LINEヤフーのお知らせには、管理画面にログインするための ID の「統合」の話もあります。2026年8月19日のお知らせで、LINEヤフーは、まだ統合されていない「LINEビジネスID」と「Yahoo! JAPANビジネスID」を2026年10月13日(予定)に自動で「ビジネスID」に統合し、統合する ID を自分で指定する手続きも同じ日に終えると案内しました。統合を解除する手続きの機能は、2026年10月27日(予定)に提供を終えると案内しています(お知らせ「ビジネスIDへの統合のご案内」)。
ビジネスIDの統合の予定(2026年8月19日のお知らせ)
統合されるのはログインに使うID。お知らせに、LINE公式アカウントの友だちやデータを移す話は出てこない
このお知らせが扱うのは、LINE公式アカウントやビジネスマネージャーにログインするための ID です。LINE公式アカウントの友だちやデータを移すことには触れていません。Yahoo! JAPANビジネスIDを使っている人は、統合後に LINE のサービスへ初めてログインするとき、ビジネスID利用規約への同意が要ると書かれています。アカウントをまとめたい場合も、ID の統合とは別に、ここまでの手順で考えます。統合の前後で、管理者として入れる人が変わっていないかは、各アカウントの「権限管理」で確かめておきます。
例で決める:何を残し、やめるアカウントをいつまで置くか
ヨガスタジオ デモは、本校のアカウントを残し、教室名を変えるための再審査を申し込みます。本校の Messaging API は会員の台帳と同じ運営会社のプロバイダーにあるので、選び直すものはありません。本校と2教室目を運営会社の組織に接続し、2教室目の接続審査が済んだら、2教室目で作ったオーディエンスを本校のアカウントに共有します。2教室目の友だちには本校のアカウントの友だち追加を案内し、本校で受け取ったユーザーIDは、アカウント連携で台帳の会員と結び直します。2教室目のアカウントは、共有したオーディエンスの期限と、ショップカードの特典の期限が終わるまで残し、その前に友だちのユーザーID・チャット履歴・分析のファイルを取っておきます。2つ目のアカウントを持ち続けるかどうかの考え方は、ふるさと納税用に2つ目を作るかの記事も参考になります。
当社のLINE運用・伴走支援では、引き取るか、作り直すか、片方を残してまとめるかの判断と、使い続けるアカウントのプロバイダー・組織の決め方から一緒に進められます。
12項目の表は、2026年10月14日に、LINEヤフー for Business の管理画面マニュアル(アカウント設定、Messaging API、チャット、権限設定、オーディエンス、分析の友だちとファイルのダウンロード、リッチメニュー、グループ、クーポン、ショップカード、利用と請求の12ページ)、ビジネスマネージャーのマニュアル(5ページ)、よくある質問(6件。あわせて「移行」「統合」「譲渡」「友だち 引き継ぐ」で検索)、LINE Developers のドキュメント(6ページ)、利用規約2つ、お知らせ3件、サービス紹介の2ページを開いて突き合わせたものです。仕様や画面は変わることがあるので、作り直しやまとめの前に、各ページの最新の内容を確かめてください。
LINE運用・伴走支援
LINE公式アカウントの友だち獲得の設計、セグメント配信・ステップ配信・リッチメニューの構築、自動応答、CRM/MAや基幹データとの連携までを支援します。
