Windows Server 2012 R2 のサポート終了|最後の ESU は2026年10月13日まで。更新が止まる前に、載っている業務ごとに移し先を決める
Windows Server 2012 と 2012 R2 の最後の ESU(3年目)は2026年10月13日までで、Azure に置いても同じ日に終わります。Microsoft の公式資料で、終了日と ESU の条件、今の機械のまま上げられる版を確かめ、載っている業務を止める・クラウドへ移す・新しいサーバーへ移す・期限を決めて隔離するの4つに分ける考え方を整理しました。
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この記事の要点
- Windows Server 2012 と 2012 R2 の最後の ESU(3年目)は、2026年10月13日までです。ESU は延長サポートの終了から最大3年と決められていて、Azure に置いても同じ日に終わります。この日を過ぎると、有償でも無償でも、セキュリティ更新は届きません。
- 10月13日を過ぎても、サーバーは動き続けます。変わるのは、新しく見つかった弱点が直らなくなることです。載っている業務は、止める・クラウドのサービスへ移す・新しいサーバーへ移す・期限を決めて隔離する、の4つに分けて決めます。
- 今の機械のまま Windows Server 2025 へ上げることはできますが、2022 へは直接上げられません。10月13日までに動かせない業務は、隔離しても更新が届かない状態に変わりはないので、移す日付を先に決めておきます。
Windows Server 2012 R2 の延長サポートと ESU の区切り
日付は Microsoft の ESU の表の表記(米国太平洋時間)
2026年10月13日のあとに続く ESU の年は、Microsoft の資料に載っていません。Azure に置いたサーバーも同じ日に終わります。
出典:Microsoft Learn「ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム」の期間の表、Microsoft Learn「Windows Server の拡張セキュリティ更新プログラムの概要」、Microsoft Learn「Windows Server 2012 および 2012 R2 のサポート終了」。2026年10月3日に確認。
Windows Server 2012 と 2012 R2 の ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)は、3年目の2026年10月13日までです。Microsoft の ESU の表では、期間は3年、終了日は2026年10月13日で、Azure に置いたサーバーも、Azure 以外のサーバーも同じです。ESU の期間が終わると、更新プログラムの提供は止まると、Microsoft の概要のページに書かれています(Microsoft Learn「Windows Server の拡張セキュリティ更新プログラムの概要」、Microsoft Learn「ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム」)。
ESU は延長サポートの終了(2023年10月10日)から最大3年と決められていて、Microsoft の資料には4年目の設定が載っていません(当社が確認した範囲)。Azure の仮想マシンで無償だった ESU も、同じ3年の枠の中の話です。10月13日を過ぎたあとは、お金を払っても、Azure に載せても、セキュリティ更新は届きません。
この記事は、2012 R2 を載せたサーバーがまだ残っている会社が、10月13日の前後に何を決めるかを書いています。全台を期日までに移すのではなく、載っている業務を分けて、止める・移す・期限を決めて隔離する、のどれかに置くところまでを順に整理します。
ライフサイクルのページの表が「10/14/2026」に見えるとき
Microsoft Learn の「Windows Server 2012 R2」のライフサイクルのページには、ESU の3年目の終了が「10/14/2026 6:59:59 AM」と表示されます。日付が1日進んで見えますが、同じ ESU の終了日は、Microsoft Learn「Windows Server 2012 および 2012 R2 のサポート終了」とMicrosoft Learn「ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム」の表で2026年10月13日と書かれています。2024年(10/9)・2025年(10/15)の表示も、ESU の表のそれぞれ10月8日・10月14日に対応しているので、本記事は ESU の案内ページの日付で書いています。この読み方は当社のもので、Microsoft Learn「Windows Server 2012 R2 – Microsoft Lifecycle」の表示そのものとは表記が異なります。
10月13日に止まるもの、止まらないもの
止まるのは、ESU で届いていたセキュリティ更新です。ESU に含まれるのは、深刻度が「緊急」と「重要」のセキュリティ更新で、新機能やセキュリティ以外の修正は含まれません(Microsoft Learn「ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム」)。止まらないのはサーバーの動作そのものです。更新が出なくなるだけなので、動いているうちは変化が見えません。IPA は Windows 10 の終了に関して、サポートが終わると新たに見つかった脆弱性の修正が出ず、OS の上で動くソフトのサポートも順に終わっていくと整理しています(IPA「Windows 10 のサポート終了に伴う注意喚起」)。Windows Server 2012 R2 にも同じ見方が当てはまります。
| ホスト先 | ESU の期間 | ESU の終了日 |
|---|---|---|
| Azure(仮想マシン・専用ホスト・Azure Stack など) | 3年間 | 2026年10月13日 |
| Azure 以外(社内・他社のクラウド) | 3年間 | 2026年10月13日 |
出典:Microsoft Learn「Windows Server の拡張セキュリティ更新プログラムの概要」の期間の表。2026年10月3日に確認。
ESU を今から買う場合
FAQ には、あとから ESU に加わる場合は、それまでの月・年の分の ESU も購入する必要があると書かれています。Year 2 や Year 3 だけを買うこともできず、前の年の ESU が前提です(Microsoft Learn「ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム」)。社内に置くサーバーで買う場合は、ソフトウェア アシュアランスなどの条件も要ります。ESU を受けていないサーバーは、サポートの契約があっても、Microsoft へサポートの問い合わせを記録することができません(同じ FAQ)。
同じサーバーの上の、ほかの期限
サーバーの上の業務システムの部品にも期限があります。.NET 8・9、PostgreSQL 14、PHP 8.2 の期限と、開発会社に聞く順番は「業務システムの部品の期限」で解説しています。
OS より先に、その上のソフトの更新が止まっていることがあります。SQL Server 2012 の ESU は、3年目が2025年7月8日で終わっています(Microsoft Learn「2025 年のサポート終了」)。2012 R2 のサーバーにデータベースが同居している場合は、OS の ESU とは別に、データベースの版を書き出しておきます。会計や販売の業務アプリも、提供元が対応している Windows Server の版と SQL Server の版を確かめます。
載っている業務を、4つに分ける
2012 R2 のサーバーには、ファイル共有、Active Directory、業務アプリとそのデータベース、印刷などが同居していることがあります。10月13日までに全部を移せない場合があるので、先に業務ごとの置き場所を4つのどれかに決めます。サーバー単位で決めると、止めてよい業務と動かせない業務が同じ箱に入ってしまいます。
2012 R2 に載っている業務を、4つに分ける
1使われていない
止める。止める前に、接続している人と開いているファイルを業務の時間帯に何回か見て、最後のバックアップを取る
月末・期末・年に一度だけ動く処理が残っていないかは、部署に聞く
2サーバーを持たなくてよい
クラウドのサービスへ移す。ファイル共有は SharePoint・OneDrive や Google ドライブ、社内のメールは Microsoft 365 や Google Workspace
移し方の手順は、Windows Server 2016 の記事に書いた
3社内に置く理由がある
新しい版のサーバーへ移す。Active Directory・印刷・社内で動かす業務アプリとデータベースなど
今の機械のまま版を上げるか、新しいサーバーを立てて移すか
4期限までに動かせない
期限の日付と持ち主を決めて、隔離して使う。更新が届かない状態は変わらないので、移す日付が先
提供元の対応待ち、機器との依存、データの量など
Microsoft の資料と、Windows Server 2016 の記事の書き出しをもとに当社が整理
書き出す項目(役割・共有フォルダー・ソフトとデータベース・決まった時刻の処理・つながる機器・アカウントと同期)と、PowerShell のコマンドの例は、Windows Server 2016 のサポート終了の記事の「サーバーの上で動いている業務を、1台ずつ書き出す」にまとめています。2012 R2 では、それに加えて、サーバーごとに ESU を受けているかどうかを書いておきます。ESU を受けていないサーバーは、2023年10月10日の延長サポート終了から、更新が届いていません。
移し先:新しい OS・クラウドのサービス・業務アプリごと入れ替え
新しい版のサーバーへ移す
社内に置く理由のある業務は、新しい版の Windows Server へ移します。どの版でも、延長サポートの最後の日は2012 R2 の ESU より先です。
新しいサーバーに入れる版の、延長サポートの最後の日
棒の長さは、2026年10月13日から最後の日までの長さ。日付は Microsoft の表記(米国太平洋時間)
出典:Microsoft Learn のライフサイクルのページ(2012 R2・2019・2022・2025)、2026年10月3日確認。
Windows Server 2022 は、メインストリーム サポートが ESU の終了と同じ2026年10月13日に終わり、そのあとは延長サポートに入ります(Microsoft Learn「Windows Server 2022 – Microsoft Lifecycle」)。長く使う前提なら、延長サポートの最後の日が遅い版を選ぶ理由になります。どの版を選ぶかは、業務アプリの提供元が対応している版と、サーバーの機械が対応している版で決まります。
今の機械のまま、版を上げる
インストール メディアで今の機械の OS を上げるインプレース アップグレードは、2012 R2 から行き先が限られます。Microsoft の表では、2012 R2 から上げられるのは 2016・2019・2025 で、2022 へは直接上げられません。Windows Server 2025 以降は、クラスターでないサーバーなら4つ先の版まで一度に上げられるためで、2012 R2 から 2025 へも直接上げられます(Microsoft Learn「Windows Server アップグレードを計画する」、Microsoft Learn「Windows Server の拡張セキュリティ更新プログラムの概要」)。
| 今の OS | 2016 へ | 2019 へ | 2022 へ | 2025 へ |
|---|---|---|---|---|
| Windows Server 2012 R2 | できる | できる | できない | できる |
出典:Microsoft Learn「Windows Server アップグレードを計画する」のインストール メディアの表。2026年10月3日に確認。Windows Update を使う上げ方は表が別で、2025 へ上げられる元は 2019 と 2022 です。
版を上げるごとに、新しい版のライセンスが別に要ります(同じ手引き)。役割によっては、今の機械のまま上げられません。Microsoft の一覧では、印刷および FAX サービスはインプレース アップグレードができず、Printbrm.exe で新しいサーバーへ移します。Active Directory ドメイン サービスは、インプレース アップグレードは勧められず、クリーンインストールした新しいサーバーを使う形が示されています(Microsoft Learn「Windows Server の役割と機能のアップグレードと移行」)。
Azure の仮想マシンへ載せ替える
Azure の仮想マシンで ESU が無償だった条件は、2026年10月13日までです。OS が 2012 R2 のままなら、Azure に載せても10月13日以降は更新が届きません。載せ替えは、機械の調達を待たずに場所を移す手段で、OS の版上げとは別の作業として考えます。
クラウドのサービスと、業務アプリの入れ替え
作った人がいない業務アプリは、ソースコードから AI で仕様書を起こし、人が確かめる手順があります。読み取れる範囲と費用が決まる所は「作った人がいない業務システムの仕様書をAIでソースコードから起こす」で解説しています。
サーバーを持たなくてよい業務は、クラウドのサービスへ移せます。ファイル共有の移し方と権限の棚卸し、社内のメールの移し方は、Windows Server 2016 の記事に Microsoft と Google の公式の説明をもとに書きました。業務アプリは、提供元に、対応している Windows Server と SQL Server の版、クラウド版の有無を確かめます。対応が無い場合は入れ替えになります。入れ替えの費用と期間が何で決まるかは、基幹システムの入れ替え費用と期間の記事に書いています。
移せないものは、期限を決めて隔離する
隔離は、更新が届かない弱点を直す手段ではありません。IPA も、対策の根本は、サポートが続いている後継か代替の製品へ移ることとしています(IPA「Windows 10 のサポート終了に伴う注意喚起」)。それでも、提供元の対応待ちなどで、10月13日までに動かせない業務は出てきます。そのとき、攻撃を受ける道筋を減らしておくのが隔離です。以下は当社の整理で、数字や仕様の出典はありません。
隔離して使い続ける前に、確かめること
インターネットへの出口を、必要な宛先だけに絞れるか
そのサーバー自身が外へ出ていく通信(更新・時刻合わせ・連携先)を書き出す
サーバーに入れる人と機器を、決めた範囲に絞れるか
管理者の接続元、業務アプリを使う端末、複合機や NAS などの機器
移す日付と、その日までの持ち主が決まっているか
隔離は直す手段ではない。日付が無いと、そのまま続く
隔離の項目は当社の整理です。更新が出ない前提の考え方は、IPA「Windows 10 のサポート終了に伴う注意喚起」も参照。
隔離で見る4か所
外への通信
出口を絞る
- インターネットへ出る通信は、必要な宛先だけにする
- そのサーバーでブラウザやメールを使わない
中への通信
入口を絞る
- 使う端末と、使うポートだけに限る
- 管理用の接続(リモート デスクトップなど)は接続元を限る
持ち込み
ファイルの経路を絞る
- USB メモリや共有フォルダー経由のファイルの出入りを決める
- 受け取るファイルは別の機械で確かめてから渡す
戻せる状態
バックアップを別系統に
- サーバーとは別の場所に、別の認証で置く
- 戻せることを、期限の前に1回試す
当社の整理(出典のある数字・仕様は含みません)
隔離の項目が揃っても、更新が届かないことは変わらないので、移す日付を業務ごとに決めておきます。ESU を受けていたサーバーも、10月13日の翌日からは同じ状態になります。10月13日までのうちに隔離の設定を入れておくと、日付をまたいでも状態が変わりません。
10月13日の前後の段取り
10月13日の前後で、やること
2026年10月13日まで
分けて、止められるものを止める
- 台数・役割・ESU を受けているかを書き出す
- 使われていないサーバーを止める
- 移せない業務の隔離を先に入れる
- 移す日付を業務ごとに決める
ESU を受けているサーバー:10月13日までは更新が届く
2026年10月14日以降
隔離を保ちながら、順に移す
- ESU を受けていたサーバーも、更新が届かない状態になる
- 決めた日付の順に移し、旧サーバーを止める前に最後のバックアップを取る
- 旧サーバーの電源を落とす前に、接続が残っていないか見る
ESU を受けていないサーバー:2023年10月10日以降、更新は届いていない
当社の整理。ESU の期間は Microsoft の資料による
2026年10月13日までに、載っている業務を分けるところまで進めば、そのあとは決めた日付の順に移していくことになります。業務の書き出しから、移し先の整理、入れ替えの設計までは、基幹システムの刷新・レガシー移行のページにまとめています。Aurant Technologies では、社内サーバーの上の業務の書き出しから、業務ごとの移し先の整理、業務アプリの入れ替えまでを受け持っています。
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