Salesforce Order Management Systemの受注管理・OMS活用【2026年版】費用・事例
Salesforce Order Management System(OMS)でEC・BtoB受注管理・在庫連携・配送追跡・返品処理を自動化する方法を解説。Salesforce Commerce Cloud・ERP連携、費用、kintone受注管理との比較、導入事例まで詳しく説明します。
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Salesforce Order Management Systemの受注管理・OMS活用【2026年版】費用・事例
Salesforce Order Management System(OMS)は、ECサイトやBtoB受注管理における注文処理・在庫割当・フルフィルメント・返品処理を一元管理するプラットフォームです。Commerce Cloud・Service Cloudとのシームレスな連携により、オムニチャネル対応の受注管理を実現します。本記事では機能・費用・ERP連携・導入事例を詳しく解説します。
1. Salesforce OMSの主要機能


受注処理と注文オーケストレーション
複数チャネル(ECサイト・電話受注・店舗・BtoB Portalなど)からの注文を統合管理します。注文ルーティングロジックにより、倉庫・在庫状況・配送コスト・SLAを考慮した最適なフルフィルメントポイントへ自動割り当てを行います。
在庫割当とフルフィルメント
リアルタイム在庫状況を参照しながら注文に在庫を割り当て、ピッキング・梱包・出荷指示を自動生成します。複数倉庫・店舗からの分割出荷にも対応しており、最短配送ルートを自動選択します。
返品・交換フローの自動化
顧客の返品申請からRMA(Return Merchandise Authorization)発行・返品入荷確認・返金処理までのフローを自動化します。Service Cloudと連携することで、CSエージェントが注文状況を見ながら返品対応できます。
2. Commerce Cloud・Service Cloudとのオムニチャネル連携
Salesforce OMSはSalesforce Commerce Cloudと深く統合されており、以下のオムニチャネルシナリオに対応します。
- BOPIS(Buy Online, Pick Up In Store):オンライン注文・店舗受取
- Ship from Store:店舗在庫から直接顧客へ配送
- Endless Aisle:店舗欠品時にECサイト在庫から注文受付
- Curbside Pickup:駐車場受取対応
3. BtoB受注管理での活用
製造業・卸売業のBtoB受注管理では、以下の複雑な要件に対応できます。
- 大量SKU・複数倉庫・複数配送先の管理
- 与信管理(与信枠超過時の自動保留)
- 取引先別の価格・割引・支払条件の適用
- 定期発注・blanket order(枠組み契約)の管理
- EDI連携(取引先からの電子受注)
4. ERP連携パターン(SAP/Oracle)
SalesforceOMSとERP(SAP・Oracle ERP Cloud)の連携は、MuleSoftまたはSalesforce Connect経由で実装するケースが多いです。代表的な連携データフローを示します。
| 連携方向 | データ | 連携頻度 |
|---|---|---|
| ERP→Salesforce OMS | 在庫数量・引当情報 | リアルタイム〜15分間隔 |
| Salesforce OMS→ERP | 受注データ・出荷指示 | リアルタイム |
| ERP→Salesforce OMS | 出荷実績・追跡番号 | 出荷完了時 |
| ERP→Salesforce OMS | 請求・入金データ | 日次 |
5. 配送会社API連携と追跡番号の自動取込
ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便・DHLなどの配送会社APIと連携することで、出荷完了後に追跡番号を自動取込し、顧客へ配送通知メールを自動送信できます。Service Cloudのケースに追跡番号が自動記録されるため、CSエージェントが問い合わせ対応時に即座に配送状況を確認できます。
6. 費用(ライセンス体系)
| 製品・プラン | 課金モデル | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Salesforce OMS | 注文件数ベース | 要見積(年間注文数による) | Commerce Cloud別途必要 |
| Commerce Cloud B2C | GMVの%課金 | GMVの1〜2% | 最低年間契約あり |
| Service Cloud(必須) | ユーザー単位 | 約15,000〜37,000円/ユーザー/月 | CS対応に必要 |
| MuleSoft(ERP連携) | 別途ライセンス | 年間数百万〜数千万円 | 大規模連携時 |
Salesforce OMSは中〜大規模のEC・BtoBサイトを対象とした製品であり、年間受注件数・GMVに応じた個別見積が必要です。小規模ECでのROIが合わないケースもあるため、Aurant Technologiesへの事前相談をお勧めします。
7. kintoneシンプル受注管理との比較
| 比較項目 | Salesforce OMS | Shopify+3PL | kintone受注管理 | 自社開発 |
|---|---|---|---|---|
| 向いている規模 | 月1万件以上 | 月〜5万件 | 月〜2千件 | 要件次第 |
| 初期費用 | 数百〜数千万円 | 数十万円 | 50〜150万円 | 数百万〜数億円 |
| オムニチャネル | ◎ | ○ | × | 要開発 |
| ERP連携 | ◎MuleSoft | △API経由 | △API経由 | ◎要件次第 |
| カスタマイズ性 | ○Apex | △ | ◎ノーコード | ◎ |
導入事例:D2Cブランド(月間受注3万件)— 注文処理時間60%削減
課題:ECサイト・自社アプリ・電話注文の3チャネルで受注を受けており、在庫管理・出荷指示が手作業で混乱していた。返品処理に1件あたり15〜20分かかっていた。
導入内容:Salesforce Commerce CloudとOMSを導入し、3チャネルの注文を一元管理。倉庫システムとAPI連携し、出荷指示を自動化。返品フローもService Cloudと連携して自動化。
効果:注文処理のリードタイムが平均4時間から1.5時間に短縮(60%削減)。返品処理時間が1件あたり5分以内に短縮。CSチームの生産性が40%向上。
8. よくある質問
Q. Salesforce OMSは小規模ECにも向いていますか?
Salesforce OMSは中〜大規模EC(月間受注数千件以上)向けの製品です。月間受注数が数百件以下の小規模ECにはShopify+3PLやkintone受注管理の方がコストパフォーマンスが高い場合があります。
Q. Salesforce OMSとCommerce Cloudは別製品ですか?
はい、別ライセンス製品です。OMSはコマースプラットフォームに依存せず利用できますが、Salesforce Commerce Cloudとの組み合わせで最大の効果が発揮されます。
Q. 既存のECサイト(Shopify等)とOMSは連携できますか?
はい。Salesforce OMSはAPIベースで設計されており、Shopify・Magento・AdobeCommerce等との連携が可能です。連携開発にはMuleSoftまたはカスタムAPI実装が必要です。
Q. BtoB受注での与信管理はOMSで対応できますか?
Salesforce OMSとCredit Management機能を組み合わせることで、与信枠超過時の注文自動保留・与信管理担当者への通知などが実装できます。
Q. kintoneでの受注管理からSalesforce OMSへの移行タイミングは?
月間受注件数が2,000件を超え、複数倉庫・複数チャネルへの対応が必要になった時点がSalesforce OMS検討の目安です。kintoneでの手作業が限界になる前に要件整理を始めることをお勧めします。
9. Salesforce OMS実装パターン詳細
Salesforce OMSを導入する際の典型的な実装パターンを解説します。
パターン1:Salesforce Commerce Cloud(B2C)との組み合わせ
D2CブランドやECサイト運営企業に最適な構成です。
Storefront→OMS→WMS(倉庫管理システム)→配送会社APIというフローを構築します。
顧客の注文状況はService CloudのAIエージェント(Agentforce)が24時間対応します。
パターン2:BtoB Commerce(Buyer Portal)との組み合わせ
製造業・卸売業のBtoB受注に対応する構成です。
バイヤーポータルから発注→OMS→SAP連携→配送という流れを自動化します。
与信管理・発注承認ワークフロー・複数配送先対応が実装できます。
パターン3:既存ECプラットフォームとのヘッドレス連携
ShopifyやAdobeCommerceで構築済みのECサイトをフロントに残し、
OMS機能のみSalesforceに移管するパターンです。
既存ECへの投資を活かしながら、OMS・CRMをSalesforceに統合できます。
10. Salesforce OMS vs kintone受注管理の詳細比較
受注管理ツール選定において、規模・要件別の推奨を整理します。
| 要件 | kintone受注管理 | Salesforce OMS |
|---|---|---|
| 月間受注件数 | 〜2,000件 | 2,000件〜 |
| チャネル数 | 1〜2チャネル | 3チャネル以上 |
| 在庫拠点数 | 1〜2拠点 | 3拠点以上 |
| 返品・交換の複雑さ | 単純(手動対応可) | 複雑(自動化が必要) |
| ERP連携 | CSV連携で対応可 | リアルタイムAPI連携が必要 |
| SLA要件 | なし〜緩やか | 厳格なSLA管理が必要 |
| 導入期間 | 1〜2ヶ月 | 3〜6ヶ月 |
| TCO(3年間) | 300〜600万円 | 2,000万〜1億円以上 |
11. Salesforce OMS導入時の失敗パターンと対策
Salesforce OMS導入プロジェクトで陥りやすい失敗パターンと対策を整理します。
-
要件定義の不足:
現在の受注フロー・ERP連携要件・例外処理を十分に洗い出さないまま進めると、
本番稼働後に大規模な改修が必要になります。
現場ユーザー(受注担当・CS・倉庫)全員へのヒアリングを徹底してください。 -
データ移行の過小評価:
既存の受注データ・商品マスタ・顧客マスタの移行には想定以上の工数がかかることがあります。
データクレンジングの期間を十分に確保してください。 -
ユーザートレーニングの不足:
システムが完成しても、ユーザーが使いこなせなければ成果が出ません。
本番稼働前のロールプレイトレーニングと、稼働後1ヶ月のサポート体制を確保してください。
12. まとめ・導入前チェックリストと選定ガイド
本記事の内容を踏まえ、導入を検討する際の判断基準と確認事項をまとめます。
以下のチェックリストを参考に、自社の現状と照らし合わせてみてください。
導入適合度チェックリスト
- 現状の業務フローにおいて、手作業・電話・Excelによる非効率が月10時間以上発生しているか
- 担当者の属人化(担当者不在時に業務が止まる)という課題があるか
- デジタル化によって解決したい明確な課題(退会防止・リマインド自動化等)が定義されているか
- 導入後の効果測定指標(KPI)が定義されているか
- 担当者(推進者)が社内にいるか、または外部支援を受ける準備ができているか
- 初期費用・月額費用の予算確保が完了しているか
- スタッフへのトレーニング時間(最低2〜4時間)を確保できるか
導入成功のための3つの原則
-
小さく始めて成功体験を作る:
最初からすべての業務を自動化しようとせず、最も効果が出やすい1〜2の業務から着手します。
成功体験がスタッフの定着率を高めます。 -
データ品質を最優先する:
顧客データ・スタッフデータの正確性が自動化の精度を左右します。
導入前のデータクレンジングに十分な時間を投資してください。 -
現場の声を反映した設計をする:
実際に使うスタッフの意見を反映したUI・ワークフロー設計が、定着率向上につながります。
プロトタイプを作成して現場でテストするアプローチが効果的です。
Aurant Technologiesのご支援内容
Aurant Technologiesは以下のご支援を提供しています。
- 無料相談(現状のヒアリングと課題整理)
- 要件定義・アプリ設計・構築・テスト
- スタッフトレーニングと定着支援
- デジタル化AI導入補助金の活用支援(認定IT導入支援事業者との連携をサポート)
- 導入後の改善提案・保守サポート
まずはお気軽に無料相談からお問い合わせください。
御社の業務課題と規模に合わせた最適な構成と費用をご提案します。
初回60分の無料オンライン相談で、御社の課題と最適な導入プランをご提案します。
お気軽にお問い合わせください。
追加解説:2026年DX推進のポイントと補助金動向
2026年は中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が加速しています。
経済産業省の「DX推進指標」によると、中小企業のDX取組状況は2023年比で1.5倍に増加しており、
クラウドサービス・AIツールの活用が急速に広がっています。
2026年のDX支援施策
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IT導入補助金(通常枠・デジタル化基盤導入類型):
中小企業のITツール導入費用を最大75%補助。
kintone・Salesforce・HubSpotなどのSaaSツールが対象になるケースがあります。 -
ものづくり補助金:
製造業・サービス業のデジタル設備投資に最大1,250万円の補助。
基幹システムのクラウド化・AI導入が対象になるケースがあります。 -
事業再構築補助金:
ビジネスモデル転換を伴うDX推進プロジェクトに最大1億5,000万円の補助。
デジタルサービス新規立ち上げや業務システム全体の刷新が対象になるケースがあります。
補助金申請には事前の要件確認・採択後の導入という順序が必要です。
Aurant Technologiesはデジタル化AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用支援を行っており、
申請から導入完了まで一貫してサポートしています。
補助金を活用した場合の実質的な費用負担を試算した上でご提案しますので、
まずはお気軽にご相談ください。
DX推進における現場定着のポイント
どれだけ優れたツールを導入しても、現場に定着しなければ効果は出ません。
DX推進で成功する企業の共通点として、以下の3点が挙げられます。
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経営トップのコミット:
社長・部門長が「このツールを使うことが当社のやり方だ」と明確にメッセージを発信することで、
スタッフの定着率が大幅に向上します。 -
「なぜ変えるか」の丁寧な説明:
新しいツールを「使わされている」と感じるスタッフは使い方が雑になります。
「このツールでこの業務がこう楽になる」を具体的に示すオンボーディングが重要です。 -
スーパーユーザーの育成:
社内に「このツールに詳しい人」(スーパーユーザー)を2〜3名育てることで、
日常的な疑問・トラブルを社内解決できるようになり、定着率が飛躍的に向上します。
Salesforce OMS導入・受注管理最適化をご支援します
現在の受注件数・チャネル構成・ERP環境をもとに、最適なSalesforce OMS構成と費用をご提案します。
CRM・営業支援
Salesforce・HubSpot・kintoneの選定から導入・カスタマイズ・定着まで一貫対応。営業生産性を高め、商談化率を改善します。