地方公営企業(水道・病院・交通)会計の今 — 約7,000事業、公立病院7割が繰入頼り、BI活用5機能
地方公営企業は約7,000事業(下水道3,540/水道1,299/病院767/交通85等)。公営企業会計は複式簿記・発生主義で民間会計準拠。公立病院は7割が一般会計繰入頼り。3大課題(人口減・老朽化・人材難)と経営BI 5機能を、総務省データから5枚のSVGで整理する。
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地方公営企業は、水道・下水道・病院・交通(バス・地下鉄)・ガス・電気など、住民生活に直結する事業を担う。令和5年度決算ベースで全国に約7,000事業が存在し、官庁会計とは異なる「公営企業会計」(複式簿記・発生主義・民間企業会計準拠)で運営されている。一方で人口減少・施設老朽化・人材確保困難の3重苦に直面し、料金改定や広域化、PFI/コンセッションの導入が急速に進んでいる。本記事では地方公営企業会計の特徴と経営課題、主要な論点をグラフで整理する。
事業数 — 下水道3,540・水道1,299・病院767
地方公営企業の事業数は、下水道3,540・水道1,299・簡易水道1,010・病院767・電気98・交通85・工業用水149・ガス24。生活インフラ系の水道・下水道で全体の半数以上を占める。
注目は交通事業85。バス23・地下鉄9・路面電車5・モノレール2・船舶46と内訳が多様。船舶事業46というのは離島航路など、民間では成立しない公共交通を支えている。
官庁会計 vs 公営企業会計 — 仕組みが根本的に違う
公営企業会計の最大の特徴は「民間企業会計に準拠した複式簿記・発生主義」である点。一般会計(官庁会計)が現金主義・単式簿記で「年度内収支」を見るのに対し、公営企業会計は固定資産・減価償却・BS/PLが基本で、料金収入と費用の対応を見る。
これにより、料金改定の根拠・施設更新財源・職員1人あたりの収益性といった民間並みの経営判断が可能になる。総務省は2014年以降、簡易水道や下水道事業への公営企業会計適用を推進してきたが、まだ完全適用に至っていない事業も残っている。
公立病院は7割が一般会計繰入頼り
公立病院767事業の経営状況は厳しい。純粋黒字は約3割、残り7割は一般会計繰入(自治体本体からの補填)で支えられているか、実質赤字。
不採算医療(小児科・産科・救急・へき地医療)を担う公共的役割があるため、一定の繰入は前提だが、コロナ後の患者数減少・医師確保困難・建物老朽化更新で、構造的に経営が悪化している。「病院統合・再編」が全国で議論されているのはこの背景による。
地方公営企業が直面する構造的悪化要因
地方公営企業が直面する課題は次のとおりで、人口減少による料金収入減、施設老朽化と更新投資、人材確保困難。これらは別問題ではなく相互に絡んで構造的に悪化する。
水道事業を例にとると、人口減で料金収入が減る中、40年超管路の更新需要は増え、技術者は高齢化で減っていく。このまま単独運営を続けると経営破綻が見えている事業者が多数存在するのが現実だ。
公営企業向けBIに求められる機能群
公営企業向けBIで運用に乗りやすい標準的な機能構成は次のとおりです。経営指標ダッシュボード、料金改定シミュレーター、施設更新計画と財源試算、広域化・統合の経営比較、議会・住民説明資料自動生成。
特に重要なのが「料金改定シミュレーター」。料金値上げは住民への影響が大きい意思決定で、需要弾力性・低所得世帯への配慮・近隣比較を含めた多面的な検討が必要。BIで複数シナリオを瞬時に試算できると、議会説明・住民説明の質が劇的に上がる。
経営健全化計画と公営企業会計BIをどう統合するか
公営企業(水道事業・公立病院・交通事業)の経営改善で効果が出やすいのは、公営企業会計BIダッシュボード・経営健全化計画・広域化検討の3つを同じデータ基盤の上で運用する構成です。これがあると、独立採算の経営判断、自治体本体との繰入交渉、広域化・統合交渉の議論材料を、その場で同じ指標から取り出せるようになり、意思決定の往復回数が減ります。
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SERVICE / 関連ページ
地方公営企業向け 経営BI × 健全化計画 統合ダッシュボード
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関連する調査・解説記事
参照した一次資料
- 総務省「地方公営企業等決算」(令和5年度)
- 総務省「令和7年版 地方財政白書 第1部 7 公営企業等の状況」
- 総務省「病院事業決算状況・病院経営分析比較表」(令和5年度)
- 総務省自治財政局公営企業課「地方公営企業等の現状と課題」
- 地方公営企業法・地方公営企業会計基準
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