LINE公式アカウントのCRMオプションでできること・足りないこと|料金・上限・友だち数の条件

LINE公式アカウントのCRMオプション(月額5,000円・税別)で何ができ、どこから足りなくなるのかを、公式ページ・マニュアル・ヘルプで確認して整理。申込条件や上限、拡張ツールやMessaging APIで自社CRMとつなぐ境目まで解説します。

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この記事の要点

  1. CRMオプションは、管理画面に顧客台帳(ユーザーリスト)、顧客にひもづくフォーム、顧客情報やタグで絞り込む配信、条件を満たすと動く自動配信(オートメーション)を足す有料オプション。月額5,000円(税別)で、料金プランの代金は別にかかる。
  2. 足りるのは、配信を分ける手がかり(フォームの回答、タグ、誕生日)がLINEの中で集まる場合。申し込めるのは認証済で友だちが10万人未満のアカウントで、オートメーションを同時に動かせるのは30件まで。
  3. 購買履歴や会員ランクなどLINEの外の情報で分けたいときや、効果を会員一人ずつ追いたいときは足りない。顧客情報の項目は追加できず、ユーザーリストはCSVで書き出せない。その先は、拡張ツールか、Messaging APIで自社のCRMとつなぐかを比べる。

配信を分ける手がかりをどこで持つかで、進み先が分かれる

手がかりがLINEの中で集まる

CRMオプションで足りる

  • フォームの回答、回答から付けたタグ、誕生日で配信を分けたい

LINEの中だが、上限や分岐が足りない

拡張ツールを比べる

  • 同時に動かす自動配信が30件を超える
  • 答えや行動でもっと細かく分けたい

手がかりがLINEの外にある

Messaging APIで自社CRMとつなぐ

  • 購買・契約・会員ランクで分けたい
  • 会員ごとに効果を見たい

当社の整理。30件は、同時に「利用中」にできるオートメーションの上限(マニュアル「オートメーション」)

LINE公式アカウントの「CRMオプション」は、管理画面に顧客台帳(ユーザーリスト)、顧客にひもづくアンケート(フォーム)、顧客情報やタグで絞り込む配信(ユーザーリスト配信)、条件を満たすと動く自動配信(オートメーション)を追加する有料オプションです。料金は月額5,000円(税別)で、チャット機能を広げるチャットProオプション(単体では月額3,000円・税別)が含まれます。LINE公式アカウントの料金プランの代金は別にかかります。提供が始まったのは2026年6月23日です。

CRMオプションで足りるのは、配信を分ける手がかりがLINEの中で集まる場合です。フォームの回答、回答に応じて付けたタグ、誕生日を条件に、対象を絞った配信や自動配信を組めます。申し込めるのは認証済アカウントで、友だちが10万人未満のアカウントです。オートメーションを同時に動かせるのは30件までです。

足りなくなるのは、手がかりがLINEの外にある場合(購買履歴、契約の状態、会員ランクなど)と、配信の効果を会員一人ずつ追いたい場合です。顧客情報の項目は追加できず、ユーザーリストはCSVで書き出せず、誰が開封したかも確認できません。そこから先は、拡張ツールを入れるか、Messaging APIで自社のCRMとつなぐかの検討になります。この記事では、LINE公式アカウントの運用とCRM連携を支援しているAurant Technologiesが、LINEヤフーの公式ページ、マニュアル、ヘルプセンターのよくある質問をもとに、その境目を整理します。

料金・上限・条件は、2026年9月25日にLINEヤフーの公式ページ、マニュアル、ヘルプセンターで確認した内容です。変更されることがあるため、申し込む前にリンク先の最新の記載を確かめてください。

CRMオプションを付けると、標準の機能から何が変わるか

オプションを付けなくても、LINE公式アカウントには配信先を絞る機能があります。ただ、絞り込みに使う年齢や性別は、LINEの利用傾向から推定した「みなし属性」で、属性で絞るにはターゲットリーチが100人以上、絞った後の推計対象が50人以上必要です。自動配信のステップ配信も、友だち追加を起点にした仕組みです。CRMオプションは、ここに顧客一人ひとりの情報を持ち込みます。

比べる点オプションなしCRMオプションあり
顧客の情報属性はみなし属性。一人ずつの台帳はないユーザーリストに、氏名・電話番号・メールアドレス・性別・生年月日・住所、タグ、フォームの回答履歴、対応メモ(ノート)を顧客ごとに持つ
アンケートリサーチの回答は顧客にひもづかず、管理は手作業フォームの回答が顧客にひもづき、答えに応じてタグの付与・解除や顧客情報の更新ができる
配信の絞り込みみなし属性と、オーディエンス(過去の配信の開封・クリック、友だち追加経路など)顧客情報・タグ・フォームの回答を組み合わせて絞る
自動配信ステップ配信(友だち追加からの日数や属性で送る)フォームへの回答、タグの付与、誕生日をきっかけに、配信やタグの付け外しを実行
チャットチャットタグは作成5個・1トークルーム1個、履歴は6か月チャットProオプション相当(タグ作成300個・1トークルーム30個、履歴5年、ノート1,000件)

出典:CRMオプション公式ページ、ユーザーリスト・フォーム・オートメーション・オーディエンスの各マニュアル、ヘルプ(ユーザーリスト配信の絞り込み条件)、チャットProオプション公式ページ

LINEヤフーの公式コラムは、付与したタグごとなら少人数でもセグメント配信できる点を、CRMオプションの特長に挙げています。属性の絞り込みにある人数の下限に届かない小さな店舗や、体験に参加した人だけに送りたい場面で違いが出ます。

標準のリサーチ機能で意見を集計するやり方は、LINEリサーチ(アンケート)の作り方で解説しています。回答を顧客ごとに残して次の配信に使いたいときが、CRMオプションのフォームの出番です。

料金と、申し込みに必要な条件

配信の通数が無料分を超えたときの追加メッセージの単価は、2026年10月1日に変わっています。新旧の単価は「LINE公式アカウントの料金改定」で解説しています。

月額と初期サポート

項目内容出典
CRMオプション月額5,000円(税別)。チャットProオプション(月額3,000円・税別)を含む公式ページ
LINE公式アカウントの料金プランCRMオプションとは別にかかる。無料のコミュニケーションプランでも申し込める公式コラム、公式ページのよくある質問
初期サポート(任意)1回20,000円(税別)。CRMオプションと同時にしか買えない。フォーム1件(設問は最大10問)、オートメーション最大15件(テキストのメッセージ)、リッチメニュー素材1種の設定を代行申し込み・解約マニュアル
契約の開始と更新初期サポートなしは申し込んだ月から、ありは利用開始後の翌月1日から起算。解約予約をしなければ自動更新。解約予約は毎月1日を除いて受け付け申し込み・解約マニュアル
配信の通数CRMオプションからの配信は課金対象。通数が足りないと配信エラーになるヘルプ(配信は課金対象か)

毎月の固定費は「LINE公式アカウントの料金プラン+5,000円(税別)」です。料金プランは、コミュニケーションプランが0円(無料メッセージ200通)、ライトプランが5,000円(同5,000通)、スタンダードプランが15,000円(同30,000通)なので、組み合わせた合計はそれぞれ月5,000円、10,000円、20,000円(いずれも税別)です。無料分を超えて追加メッセージを送れるのはスタンダードプランだけで、その単価は配信数によって変わり、2026年10月1日に改定されます。初期サポートを付けた場合は、実施中の管理画面が閲覧のみになり、担当者から権限を受け取るまで設定はできません。

毎月の固定費(料金プラン+CRMオプション、税別)

無料メッセージはそれぞれ200通・5,000通・30,000通。無料分を超えて追加メッセージを送れるのはスタンダードプランだけ

コミュニケーションプラン(0円)+CRMオプション5,000円
ライトプラン(5,000円)+CRMオプション10,000円
スタンダードプラン(15,000円)+CRMオプション20,000円

出典:料金プラン、CRMオプション公式ページ

チャット履歴の保存期間やチャットタグの数を増やしたいだけなら、チャットProオプション単体(月額3,000円・税別)で足ります。顧客情報を使った配信や自動配信まで要るかどうかで、2つを分けて考えます。

申し込みの条件

申し込みはWeb版の管理画面(PC)で、[設定]>[利用と請求]>[拡張オプション]から行います。管理アプリでは購入も利用もできません(今後対応予定)。申し込み・解約のマニュアルが挙げる条件は次のとおりです。

  • 申し込む人が、そのアカウントの管理者権限を持っている
  • LINE公式アカウントが認証済である(認証済アカウントの申請と利用は無料)
  • ビジネスマネージャーの組織とLINE公式アカウントが接続され、認証まで済んでいる
  • レストランオプション、Beautyオプション、チャットProオプションを申し込んでいない・契約していない
  • 特別なプランを使っている、特定の業種カテゴリーに当たるなど、利用が制限されたアカウントではない
  • 友だちが10万人以上ではない(申し込むときの条件で、契約中に10万人を超えても使い続けられる)

チャットProオプションを契約中なら、先に解約手続きをします。解約しても当月末までは契約が続くため、CRMオプションを購入できるのは翌月1日以降です。チャットタグ、ノート、スパムユーザー、ユーザー表示名、ユーザーごとの担当者の設定は引き継がれます。

飲食店向けの「LINEレストランプラス」には、CRMオプションと同じ機能が組み込まれています。料金プランのページでは、ヘアサロン向けの「LINEビューティープラス」、飲食店向けの「LINEレストランプラス」と並べて、CRMオプションを「その他業種向け」として案内しています。来店や予約キャンセルを条件にするオートメーションは、レストランオプションかBeautyオプションの契約時だけ使えます。

ビジネスマネージャーの審査を先に済ませておく

申し込みの手前で止まりやすいのが、ビジネスマネージャーの準備です。LINEヤフーの公式コラムによると、流れは、組織を作る、組織IDを使ってLINE公式アカウントから接続リクエストを出し組織の管理者が承認する、メール認証を済ませる、認証審査を受ける、の順です。審査では、ビジネスマネージャーの組織とLINE公式アカウントの間で、会社名・法人番号・所在地などが食い違っていないかが確認されます。審査が進まないときの確認点には、親会社や店舗の運営会社など別の会社の情報が混ざっていないかも挙がっています。申し込みを決めた段階で着手しておくと、利用開始が遅れません。

CRMオプションを申し込むまで

組織を作るビジネスマネージャー
接続して承認組織IDで接続リクエスト。組織の管理者が承認
メール認証
認証審査会社名・法人番号・所在地などの食い違いを確認
申し込むWeb版の管理画面(PC)から

申し込む場所:[設定]>[利用と請求]>[拡張オプション]

チャットProオプションを契約中なら、先に解約する。CRMオプションを購入できるのは翌月1日以降

出典:公式コラム(ビジネスマネージャーの審査)、マニュアル「申し込み・解約」

設計の前に押さえておく上限と仕様

CRMオプションで配信を組むときに効いてくる数字を、マニュアルとヘルプから集めました。

対象上限・仕様出典
オートメーションの数同時に「利用中」にできるのは30件。保存できるのは全ステータス合計で5,000件オートメーション
オートメーションの実行行動がきっかけの場合は、検知から1時間前後か、翌日の指定時刻に実行。分単位の指定と即時の実行はできない。予定時刻から24時間を超えて遅れた分は失敗になるオートメーション、ヘルプ
オートメーションの対象メッセージは友だちにだけ届く。タグの付与・解除は友だちでない顧客にも実行されるオートメーション
タグ作成は300個まで。1人に付けられるのは30個までタグ、ヘルプ
フォーム作成は1,000件まで。質問は1フォーム100問、選択肢は1問50件、タグ設定は1フォーム50件まで。回答結果の集計は1日1回で、CSVでダウンロードできるフォーム
顧客情報の項目項目の追加・編集・削除はできない。リスト形式の項目に選択肢を設定できる(1項目50件まで)項目
ユーザーリスト配信配信先は友だちに固定で、未友だちやブロック中の人には届かない。1回の配信は3吹き出しまでユーザーリスト配信
分析配信ごと・オートメーションごとの集計。開封などの集計は配信から14日間が対象で、10未満の値は「-」で表示されるユーザーリスト配信分析、オートメーション分析

見落としやすいのが、フォームと配信の対象の違いです。フォームは友だち追加していない人やブロック中の人でも回答できますが、ユーザーリスト配信とオートメーションのメッセージが届くのは友だちだけです。店頭でフォームのURLやQRコードを配るなら、友だち追加の導線も並べておかないと、回答は集まっても配信が届きません。

フォームに答えられる人と、メッセージが届く人

店頭でフォームのURLやQRコードを配るなら、友だち追加の導線も並べる

フォーム

答えられる人

  • 友だち
  • 友だち追加していない人
  • ブロック中の人

ユーザーリスト配信・オートメーション

メッセージが届く人

  • 友だちだけ(未友だちやブロック中の人には届かない)

出典:マニュアル「フォーム」、マニュアル「ユーザーリスト配信」

CRMオプションで足りる組み方

答えで分けて送る(フォーム→タグ→ユーザーリスト配信)

基本は、フォームの選択式の質問に「この答えを選んだらこのタグを付ける」という設定を置き、そのタグでユーザーリスト配信の対象を絞る流れです。タグ設定を使えるのはラジオボタン、プルダウン、チェックボックスの質問で、1つのフォームに50件まで置けます。回答を顧客情報に書き込む設定もありますが、対象はフォーム連携に対応した項目だけです。店頭で記入してもらう「カウンセリングシート」のタイプには、名前、生年月日、電話番号の質問があらかじめ入っています。

答えで分けて送る流れ

フォームに答えてもらう選択式の質問(ラジオボタン、プルダウン、チェックボックス)
答えごとにタグを付けるタグ設定は1つのフォームに50件まで
タグで絞って送るユーザーリスト配信、または「タグの付与」を条件にしたオートメーション

オートメーションは回答内容ごとにアクションを分けられないので、答えの数だけ作る(選択肢が4つなら4件)

オートメーションのアクションで付いたタグでは、「タグの付与」を条件にしたオートメーションは動かない

出典:マニュアル「フォーム」、マニュアル「オートメーション」

顧客情報を集める以上、同意の取り方も設計に含めます。フォームには自社のプライバシーポリシーのURLを設定でき、回答前の同意画面にリンクが表示されます。CRMオプションは事業者が持つ顧客情報を委託に基づいて管理する仕組みで、必要な同意は事業者側で取る前提です。

タグが付いたら自動で送る(オートメーション)

オートメーションの実行条件に「フォームへの回答」を選ぶと、回答した人全員に同じ処理が走ります。回答内容ごとにアクションを分けることはできないため、答えで分けたいときは、フォーム側で答えごとに別のタグを付け、「タグの付与」を条件にしたオートメーションを答えの数だけ作ります。選択肢が4つなら4件です。同時に利用中にできる30件は、この分岐の数で埋まっていきます。

もう一つの制約として、オートメーションのアクションで付いたタグでは、「タグの付与」を条件にしたオートメーションは動きません。タグを介してオートメーションを連鎖させる組み方はできないので、段階を踏む流れを作るなら、各段階でフォームに答えてもらう、スタッフが管理画面でタグを付けるといった、オートメーション以外のきっかけを挟むことになります。

誕生日で送る

誕生日を条件にするオートメーションは、顧客情報の生年月日を使います。公式ページでも、誕生月の1日にクーポンを自動で送る小売の活用例が紹介されています。フォームの回答で付けたタグは時間がたっても自動では変わらないので、年齢のように変わる情報はタグではなく生年月日で持つようヘルプでも案内されています。

運用で詰まりやすいところ

  • 回答回数を「制限なし」にしたフォームに同じ人が答え直すと、顧客情報は最新の回答で更新される一方、タグは上書きではなく追加されます。「検討中」と「申込済」が両方残らないよう、答えに応じたタグの解除もフォームに設定しておきます。
  • 1人30個の上限のせいで、1つのタグ設定に入れたタグを付けきれないときは、その設定の付与と解除はすべて実行されません。
  • 同じ条件のオートメーションを2つ利用中にすると、配信もタグの操作も二重に実行されます。
  • オートメーションは「利用開始」を押した時点から検知を始め、それより前や停止中に起きた行動にはさかのぼりません。
  • 公開中のフォームは質問や回答期間を直せません。直すときはフォームをコピーして作り直します。

CRMオプションで足りなくなる典型

配信を分けたい情報が、LINEの外にある

購買履歴、契約の状態、会員ランクなどで配信を分けたい場合です。ユーザーリスト配信のマニュアルによると、顧客情報が更新されるのは、フォームで更新設定をした質問に答えたとき、予約や同意をしたとき、管理画面で編集したときです。顧客情報の項目は追加も編集もできないため、「最終購入日」や「会員ランク」のような自社独自の欄は作れず、分けるならタグで代用することになります(作成は300個、1人30個まで)。

ユーザーリストには店舗で管理する「お客様番号」の欄があり、画面から顧客を追加したり、電話番号かメールアドレスが一致する重複を1人に統合したりはできます。一方で、ユーザーリストはCSVでダウンロードできません。ECやPOSの記録を日々反映し、LINE側の反応を自社のデータベースに戻すような往復は、マニュアルに書かれた経路の範囲では手作業になります。

配信の効果を、会員一人ずつ追いたい

ユーザーリスト配信とオートメーションには分析画面があり、配信ごと・オートメーションごとに配信数、開封、クリックなどを確認できます。ただ、どの顧客が開封したかを個別に見ることはできません。開封などが集計されるのは配信から14日間で、10未満の値は「-」と表示されるため、少人数に絞った配信ほど数字が読めなくなります。

「クーポンを受け取った会員のうち、翌月も購入したのは何人か」を見たいなら、配信先と購買を会員IDで突き合わせる仕組みが自社側に要ります。ユーザーリストを書き出せない以上、その対応表はCRMオプションの外に持つことになります。

組織の条件に合わない

店舗のスタッフが管理画面に入る運用で、氏名や電話番号を見せる範囲を絞りたい場合は、この点を申し込む前に社内の決まりと照らし合わせておきます。

自動化の本数やタイミングが足りない

分岐ごとにオートメーションを1件使うので、関心のあるカテゴリー5種×検討段階3つのように条件を掛け合わせると、それだけで15件になります。実行されるのは行動の検知から1時間前後か翌日の指定時刻で、即時の実行や分単位の指定はできません。回答直後のお礼はフォームの回答完了画面(150文字まで)で見せ、LINEのメッセージはあとから届く、という組み方になります。

オートメーションの本数と上限

分岐ごとにオートメーションを1件使う

同時に「利用中」にできる上限30件
関心のあるカテゴリー5種×検討段階3つで分ける15件
選択肢4つのフォームで、答えごとに分ける4件

出典:マニュアル「オートメーション」

拡張ツールか、Messaging APIで自社CRMとつなぐか

LINEヤフーはCRMオプションを、個別の開発や複雑なAPIの設定をせずに管理画面の中で完結できるものとして案内しています。その枠を超える要件が見えたら、「顧客の状態をどこで持つか」で進み先を分けると整理しやすくなります。

顧客の状態をどこで持つかで、進み先が変わる

管理画面の中で完結CRMオプション

顧客の状態を持つ場所:LINEの中(フォームの回答・タグ・誕生日)で、上限にも収まる

先に確かめること:分岐の数が同時利用30件に、タグが1人30個に収まるか

機能も料金も製品ごと拡張ツール

顧客の状態を持つ場所:LINEの中だが、CRMオプションの上限や分岐では足りない

先に確かめること:足りなかった点を要件に書き出し、各ツールの公式資料で上限・料金・データの出し入れを確かめる

開発が要るMessaging APIで自社CRMとつなぐ

顧客の状態を持つ場所:自社のCRM、会員データベース、EC、POS

先に確かめること:ユーザーIDの受け取り方、会員IDとの連携、同意の取り方、送信の通数

当社の整理(上限は各マニュアル、ユーザーIDと送信の仕様はLINE Developersによる)

拡張ツールを比べるとき

拡張ツールは製品ごとに機能も料金も違うため、この記事では特定の製品は挙げません。比べるときは、CRMオプションで足りなかった点をそのまま質問にするのが早道です。同時に動かせる自動配信の数、答えや行動による分岐の細かさ、顧客データをCSVやAPIで出し入れできるか、スタッフごとに見せる範囲を絞れるか、月額と通数の関係などです。候補を探す入口には、LINEヤフーが公開している技術支援の認定パートナー(Technology Partner)の一覧があり、LINE公式アカウントなどのAPI関連サービスの導入を技術面で支援する企業が並んでいます。

拡張ツールがMessaging APIで送る場合、その配信もLINE公式アカウントのメッセージ通数に数えられます。料金プランのページでは、Messaging APIのプッシュ、マルチキャスト、ブロードキャスト、ナローキャストが通数の対象で、応答(Reply)は対象外です。ツールの月額とは別に、プランの通数も見積もっておきます。

Messaging APIで自社のCRMとつなぐとき

顧客の状態は自社のCRMや会員データベースで持ち、LINEは届ける経路として使う形です。開発が要る代わりに、状態の定義も、効果を測る単位も自社で決められます。押さえておく仕様は次のとおりです。

  • 送り先の指定にはLINEのユーザーIDが要ります。ユーザーIDは友だち追加などのWebhookで受け取れます(プロフィール情報の取得に同意していない人の分は含まれません)。友だち全員のユーザーIDをまとめて取るAPIは、認証済アカウントかプレミアムアカウントでだけ使えます。
  • 自社の会員アカウントとLINEのアカウントを結びつけるには、Messaging APIのアカウント連携を使えます。相手が友だち追加していることが前提で、利用者がいつでも連携を解除できるようにしておく必要があります。
  • ユーザーIDはプロバイダーごとに別の値になり、Messaging APIを有効にするときに選んだプロバイダーは後から変えられません。LINEログインも使う予定なら、同じプロバイダーにそろえておきます。
  • プッシュなどの送信はプランの通数に数えられ、上限を超えて送ろうとするとエラーになり送信されません。

送信の仕組みまで作り込まなくても、自社のデータで分けた一覧を配信に使う方法があります。管理画面のオーディエンスには、ユーザーIDを書いたTXTかCSVのファイルを読み込む「ユーザーIDアップロード」があり、1ファイル150万件まで読み込めます(作成から180日有効)。ユーザーIDを自社側で持てていれば、分けるのは自社のデータ、送るのは管理画面の絞り込み配信、という分担ができます。

CRM側の設計(Salesforce、HubSpot、kintoneとの接続や、会員IDの紐付け方)はLINEと今の顧客管理をつなぐ3つの作り方と、費用が決まる所で扱っています。当社の公開事例では、LINEの友だちと来店・購買データを名寄せしてつなぎ、来店頻度などで配信を分けたうえで、開封・クリックとその後の来店を週次で振り返る運用に切り替えています。

あとで乗り換える可能性があるなら、最初に決めておくこと

CRMオプションから始めて、足りなくなったら拡張ツールや自社のCRMに移る、という順番も取れます。そのときに効いてくるのがデータの持ち出しです。ユーザーリストはCSVで書き出せない一方、フォームの回答結果はCSVでダウンロードできます。また、CRMオプションの契約が終わったあとのデータは、一定期間がたつと削除されます。始める時点で次のことを決めておくと、移るときに困りません。

  • 自社の会員番号と照合する手がかりを、ユーザーリストのどの欄(たとえば「お客様番号」)に持たせるか
  • フォームの回答結果をCSVで保存する頻度と、どの答えからどのタグが付くかの対応表
  • 移った先でも意味が通るタグ名の付け方(例:「関心_通勤服」「段階_体験済」)

CRMオプションに任せる範囲の決め方

CRMオプションで足りるかどうかは、配信を分けたい情報がLINEの中で集まるか、効果を配信単位で見られれば十分か、の2点でおおむね決まります。どちらも当てはまるなら、月額5,000円(税別)で管理画面の中に収めるのが手早い方法です。どちらかが外れるなら、拡張ツールか、Messaging APIで自社のCRMとつなぐ方法を比べる段階に入ります。

Aurant Technologiesでは、標準機能とCRMオプションで足りる範囲と、ツールや開発が要る範囲の切り分けから、LINE公式アカウントの運用・連携支援としてお手伝いしています。自社のCRMとつなぐ場合の進め方は、資料「LINE×CRM/SFA連携 設計ガイド」にまとめています。

よくある質問

無料のコミュニケーションプランでもCRMオプションは使えますか?
使えます(公式ページのよくある質問)。ただし、コミュニケーションプランの無料メッセージは月200通で、追加メッセージは送れません(料金プラン)。CRMオプションからの配信も課金対象なので、送る通数に合わせてプランを選びます。
契約したあとに友だちが10万人を超えたらどうなりますか?
申し込んだときに条件を満たしていれば、契約中に10万人を超えても使い続けられます(ヘルプ)。友だちが10万人以上のアカウントが新たに申し込むことはできません。
ユーザーリストの顧客情報をCSVで書き出せますか?
書き出せません(ヘルプ)。フォームの回答結果は、フォームごとにCSVでダウンロードできます(フォームのマニュアル)。
どの顧客がメッセージを開封したかは分かりますか?
分かりません。確認できるのは配信ごとの開封率などの集計で、顧客ごとの開封は確認できません(ヘルプ)。

LINE運用・伴走支援

LINE公式アカウントの友だち獲得の設計、セグメント配信・ステップ配信・リッチメニューの構築、自動応答、CRM/MAや基幹データとの連携までを支援します。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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