社内の定型業務をClaude Codeのエージェントにして、最初の1週間で3本動かした記録
当社で、請求書の発行前調査・採用候補者のスクリーニング・契約書作成をClaude Codeのエージェントにした記録。人が確認する場所、つまずいた接続、チームへの配り方をまとめました。
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当社では、管理部門の自社業務(請求書、採用、契約書)をClaude Codeのエージェントにして、最初の1週間で3本が動きました。請求書の発行(発行前の調査まで)、採用候補者のスクリーニング、契約書の作成です。その後、会計支援の業務である記帳レビューの報告にも広げています。
どれも、最後の確定は人が行う形にしています。つまずいたところも、直し方と一緒に書きます。
この記事の要点
- 最初の1週間で、請求書の発行前調査・採用候補者の抽出・契約書の作成の3本が動いた。その後、記帳レビューの報告も加えた。
- 最後の確定は人。請求書は、人が表計算シートで明細・金額・取引先を確かめたあとに一括で発行する流れを想定した。契約書は、「●●」の箇所を人が埋める。記帳レビューは、担当者が会議の前に確認する。
- つまずきで目立ったのは接続だった。連携先のツールが未接続でスキップされる日が続き、APIで取る実行も作った。配り方は、共通ルールとスキルを入れたリポジトリを取り込む2手順にした。
最初の1週間で動いた3本
3本の受け持ちと、人が見る場所。
1
請求書の発行前調査
- 対象の顧客ごとに、過去の請求書と今月の明細を照合する
- 注意点を顧客ごとにチャットのスレッドへ出す
人が見る:明細・金額・取引先名。確認後に一括発行
2
採用候補者のスクリーニング
- 求人媒体の未対応の候補者を、職種の条件で選ぶ
- 通過者を担当者へ確認依頼し、詳細はスレッドへ
人が見る:通過者への対応は担当者
3
契約書の作成
- 雇用形態に合う雛形を複製し、氏名・時給・住所などを置換する
- フォルダの作成、業務アプリへの登録、通知まで
人が見る:「●●」の箇所は手で埋める
出典:社内記録
コードを書かない人の始め方と、任せていい仕事の線引きを、動画にまとめています↓↓
請求書:発行の前に、顧客ごとに調べて注意点を出す
月末の請求書を出す前に、対象の顧客ごとに、会計ソフトにある過去の請求書(直近の日付、明細、合計)を引き、今月分の明細と照らします。結果は、顧客ごとにチャットのスレッドへ投稿されます。出てくる注意点には、たとえば次のようなものがありました。
- 今月分の請求書がすでに作成されている(未送付)ので、二重発行に注意する
- 数か月分の請求書が、会計ソフトの上で抜けている
- 過去に一度だけ出た明細は、今月分には含まれない可能性が高い
発行の流れは、この調査の先まで考えられています。会計ソフトの請求書は、発行すると編集も削除もできません。そのため、表計算シートの上で明細・金額・取引先名の位置を完全に確かめた後で、最後にClaudeのコードから、数十件を一度に発行する流れを想定しました。送付は、メールで手動です。APIでは難しいらしい、とも書かれています。
請求書を出すまでの流れ(想定)
発行のあとで直せないため、確認を発行の前に置く。
送付は、メールで手動
出典:社内記録
同じ処理は、表計算シートのプルダウンを変えると請求書が出る仕組み(シートのスクリプト)でも作れます。チャットでは、単純なスクリプトだが、Claudeに一度で命令するほうが柔軟な気がする、と書かれ、どちらがよいかがチームに問いかけられています。
契約書:必須の4項目だけ渡せば、雛形・フォルダ・登録まで進む
新しく入る人の契約書は、氏名、雇用形態(正社員・アルバイト・業務委託)、時給または月給、住所の4項目を渡すと作れます。稼働開始日、業務内容、メールアドレスもあると精度が上がります。渡し方は3通りです。
- スラッシュコマンドに、氏名・形態・時給・住所・開始日を並べる
- 「○○さんが業務委託で入ります。時給は…」と、自然な文章で頼む
- チャットの文面を、そのまま貼る(必要な項目はエージェントが抜き出す)
契約書作成エージェントが行うことと、人が行うこと
自動置換されない箇所は、手で埋める前提にしている。
エージェントが行う
コマンド1回で
- 雇用形態に合う雛形を複製する
- メンバー専用のフォルダを、クラウドストレージに作る
- 氏名・時給・住所・稼働開始日などを置換する
- 2つの台帳(メンバー管理、契約書管理)に登録する
- 完了したことを、担当者にメンション付きで通知する
人が行う
作成されたあとに
- 契約書のリンクを開いて、内容を確認する
- 「●●」の箇所を手で埋める(固定残業代、管轄の裁判所など)
- 必須の4項目を、正しく渡す
出典:社内記録
使い方のマニュアルは、担当者に共有されました。
採用:朝のスクリーニングと、面談のあとの処理
採用では、2つのエージェントが動いています。ひとつは、朝のスクリーニングです。求人媒体の未対応の候補者を、職種の条件で選び、通過者を担当者に確認依頼します。候補者ごとの詳細は、スレッドに入ります。
もうひとつは、面談のあとの処理です。カレンダーから面談のイベントを見つけ、議事録(自動生成されるメール)を探し、該当するレコードを更新するか新しく作り、チャットのスレッドへ返信します。あわせて、面談のあとに7日以上、14日以上フォローがない候補者を、担当者に通知します。
こちらは、つまずきが多く記録に残っています。
つまずきと、その後
採用エージェントの運用で起きたことと、その後。
出典:社内記録
毎日動かす処理は、人の画面やログイン状態に頼ると止まります。止まったときに、止まったと分かる報告を出す。API経由で取れるものはAPIにする。この2点が、つまずきから残りました。
投稿の名義と、通知の量
最初の投稿は、担当者の個人アカウントから、Claudeを使って送られていました。その後、専用のBotアプリの名義でも投稿できるようにして、テスト投稿を出しています。同じ日に、通知が多くなってきたので、チャンネルの参加者に通知をオフにしてもらうよう頼みました。
チームへの配り方:1つのリポジトリと、2つの手順
担当者が使っているClaude Codeのスキル(自動化のコマンド群)は、共有用のリポジトリにまとめられました。入っているのは、共通の作業ルール(CLAUDE.md)、スキル、プロジェクトのフォルダ構成です。スキルは、日次のタスク整理、週次のレポート、採用の面談、月次の請求、スライドの作成など、20種類以上あります。
別の担当者の環境に取り込む手順
同名のスキルが既にあれば、上書きしない
最新にするときは、取得し直して、セットアップをもう一度
出典:社内記録
同名のスキルは上書きされないので、すでに使っている環境を壊す心配がありません。
記帳レビュー:手順を決めて、権限が足りない所は「確認できない」と返す
3本のあと、記帳レビューを報告するエージェントが加わりました。ここまでの3本が当社自身の業務だったのに対し、こちらは会計支援として行っている、決算前に帳簿をチェックリストに沿って確かめる仕事です。手順は、担当者が次のように書いています。
記帳レビューの手順
MCPは、Claude Codeが外部のツールとつながるための仕組み。
出典:社内記録
結果は、項目ごとに「問題なし」「要対応」「該当なし」の3つに分かれ、特記事項は重要度で色分けして報告されます。権限が足りず確かめられなかった項目(固定資産の台帳)は、「APIの権限が足りないため未確認」と書いたうえで、手で確認するよう促しています。確かめられないことを、確かめたことにしない。報告の信頼は、ここで決まります。
このレビューシートは、事務所が普段使っているもので、担当者が打ち合わせの前に軽く確認します。翌日には、同じチェックリストを更新して、再度報告されました。担当者は、ゆくゆくはこの手順を自動化していく、と書いています。
この事例から持ち帰れること
確定する操作の手前に、人が見る場所を置く。請求書の一括発行の前、契約書の穴埋め、記帳レビューの会議前の確認が、それにあたります。エージェントが全部をやるのではなく、人が見る場所が決まっているから、任せられます。
毎日動かすものは、接続が切れても止まったことが分かる形にする。今回は、「未接続のためスキップ」と、スキップしたことを報告に載せていました。
配り方は、リポジトリ1つとセットアップ1回。既存の環境を上書きしないことも、広げやすさにつながります。
Aurant Technologiesでは、Claude Codeを使った業務の自動化と、権限・運用の設計の相談を、Claude Code 導入支援で受けています。
AI活用支援
Claude・ChatGPT・Gemini・Copilotのどれをどの業務に使うかの見極めから、社内のAIチャット環境、権限と情報の扱いの設計、MCPやAPIでの既存システム連携、研修・伴走までを支援します。
