バクラク vs マネーフォワード 経費精算の比較|料金の出し方と会計ソフト連携で選ぶ

バクラクとマネーフォワード クラウド経費は、会計ソフトをどこに置くかと料金の出し方で分かれます。会計連携、カード明細、インボイスと電子帳簿保存法への対応を同じ物差しで並べ、楽楽精算・Concurの料金の出し方も載せます。

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この記事の要点

  1. 分かれ目は、会計ソフトをどこに置くかと、料金の出し方です。マネーフォワード クラウド経費は、会計など12のサービスと共通の基本料金に、その月に使った人(承認・管理の権限を持つ人を含む)のうちプランに含まれる人数を超えた分を足す形です。バクラク経費精算は月額3万円から(税抜)の年間契約で、詳しい料金は料金表の資料で案内しています。
  2. 会計ソフトとのAPI連携は、バクラクがマネーフォワード クラウド会計・会計Plus・勘定奉行クラウド・勘定奉行V ERPクラウドなどに対応し、マネーフォワードは連携実績の一覧に、自社の3製品を含めて35の会計ソフト・基幹システム(freee・弥生会計・勘定奉行など他社は32)を並べています。
  3. インボイスと電子帳簿保存法は、どちらも JIIMA の2つの認証を持ち、登録番号を照合します。ただしマネーフォワードでは電子帳簿保存法に対応するオプションとコーポレートカード連携がコーポレートプラン以上で、登録番号は公表サイトの最新の情報が反映されているかを定期的に確かめるよう利用者に求めています。

バクラク経費精算とマネーフォワード クラウド経費を、同じ物差しで並べる

バクラク経費精算

株式会社LayerX

  • 料金:月額3万円から(税抜)、年間契約で12か月分を一括払い。詳しい料金は料金表の資料で
  • 会計:freee・マネーフォワード・勘定奉行などとAPI連携かCSVで仕訳と証憑を渡す
  • カード:バクラクビジネスカードのほか、三井住友・JCB・三菱UFJ・UC などの明細を連携
  • インボイス:国税庁の公表サイトと連携して登録番号の有効性を確かめる
  • 電子帳簿保存法:JIIMA の電子取引とスキャナ保存の2つの認証

マネーフォワード クラウド経費

株式会社マネーフォワード

  • 料金:50名以下はプランの基本料金(年払いで月2,480円から)+プランの人数を超えた分(承認・管理の権限の人も数える)。51名以上は見積もり
  • 会計:同じ基本料金でクラウド会計も使える。ほかの会計ソフトへはAPIかCSV
  • カード:2,500を超えるサービスの明細を自動取得。コーポレートカード連携はコーポレートプラン以上
  • インボイス:照合済みの法人の情報を保持し、公表サイトの日次の配信で更新
  • 電子帳簿保存法:JIIMA の2つの認証。対応するオプションはコーポレートプラン以上

出典:バクラク経費精算の製品ページ、マネーフォワード クラウド経費の料金ページ、製品ページ(いずれも税抜の表示)

バクラク経費精算とマネーフォワード クラウド経費のどちらにするかは、会計ソフトをどこに置くかと、料金の出し方で決まります。マネーフォワードは会計・請求書など12のサービスと共通の基本料金に、その月に経費を登録・申請した人と承認・管理の権限を持つ人のうち、プランに含まれる人数を超えた分を足して請求します。バクラクは月額3万円から(税抜)の年間契約で、詳しい料金は料金表の資料で案内しています。インボイス制度と電子帳簿保存法には両方とも対応していますが、マネーフォワードではプランによって使える機能が変わります。

当社は、経費精算や会計ソフトの導入と、ほかのシステムとの連携を手伝う側の会社で、バクラクの導入支援も行っています。この記事では、どちらの製品についても当社の使用感や評判は書かず、各社が公式ページで公開している事実を、同じ物差しで並べます。楽楽精算と SAP Concur は料金の出し方だけを最後に並べ、詳しい比較は楽楽精算とバクラクの比較に譲ります。インボイスと電子帳簿保存法の要件の細部は、領収書・適格請求書をデータ化する記事で書いています。

説明のために、架空の会社を1つ決めて最後まで使います。従業員30名で、その月に経費を登録・申請する人と、承認や管理の権限を持つ人を合わせると20名。会社のクレジットカード(コーポレートカード)を使っていて、金額で承認の経路を分けたい。紙の領収書はスキャンして捨てたい。会計ソフトは、マネーフォワード クラウド会計にするか、今の勘定奉行クラウドのままにするか迷っている、という会社です。

料金:マネーフォワードは「使った人の数」、バクラクは「年間契約の月額」

マネーフォワード クラウド経費の50名以下向けの料金は、マネーフォワード クラウドのプランの基本料金です。基本料金には、経費のほかに会計・請求書・給与・契約など12のサービスが含まれます。経費を使える人数は、ひとり法人プランが1名、スモールビジネスプランが3名、ビジネスプランが5名までで、ビジネスプランでは6名目から1名につき月500円が足されます(マネーフォワード クラウド経費の料金ページ)。

マネーフォワード クラウド経費の基本料金(税抜。年払いは一括で、ひとり法人29,760円・スモールビジネス53,760円・ビジネス77,760円)
プラン(目安)年払い(月あたり)月払い経費の人数
ひとり法人プラン(経営者1名)2,480円3,980円1名
スモールビジネスプラン(利用者3名以下)4,480円5,980円3名
ビジネスプラン(利用者4名以上)6,480円7,980円5名。6名以上は1名につき月500円
IPO準備・中堅〜大企業向け(51名以上)見積もり見積もり見積もり

人数の数え方が独特です。課金されるのは「アクティブユーザー」だけで、その月に経費明細の登録や申請をしなかった人の分はかかりません。ただし、管理や承認の権限を持つ人は、何も操作しなくてもアクティブユーザーに数えられます。代わりに登録・申請してもらった人も数えられ、契約の人数を超えた分は月末までの積算で決まります。

機能の範囲は、基本料金とは別のオプションプランで決まります。何も足さなければ「チームプラン」で、上に「コーポレートプラン」(1名につき月200円)と「エンタープライズプラン」(同400円)があります。料金ページの表では、電子帳簿保存法の機能、日当の計算、コーポレートカード連携、ワークフローの分岐ルールはコーポレートプラン以上、仮払いと汎用マスタ・カスタム項目はエンタープライズプランだけに付いています。コーポレートプランは最低5アカウント・月1,000円から、エンタープライズプランは最低10アカウント・月4,000円からで、月の途中で一度でも上位のプランを使うと、その月は上位の料金になります。

例の会社に当てはめると、コーポレートカード連携、金額での承認の分岐、電子帳簿保存法の機能が要るので、ビジネスプランにコーポレートプランを足すことになります。公開の価格で計算すると次のとおりです。当社が料金ページの数字から計算した作例で、見積もりではありません。

作例:例の会社(その月のアクティブユーザー20名)のマネーフォワードの月額

基本料金ビジネスプラン 6,480円(年払いの月あたり)。経費5名まで
人数の分20名−5名=15名 × 500円 = 7,500円
オプションコーポレートプラン 20名 × 200円 = 4,000円
合計月17,980円(税抜)

翌月にアクティブユーザーが減れば、人数とオプションの分も減る。2027年6月に料金体系の一部改定が予定されている

出典:マネーフォワード クラウド経費の料金ページの価格から当社が計算(税抜)。オプションの料金はアクティブユーザーの数にかかるとページの注記にある

マネーフォワードは料金ページで、2027年6月に料金体系の一部を改定する予定だと書いています。年払いで契約するなら、更新の時期と改定の時期の前後を確かめておきます。初期費用は0円で、ビジネスプラン相当の機能は1か月無料で試せ、試用の後に自動で有料に切り替わることはありません。

バクラク経費精算の製品ページの料金は「月額費用3万円〜」(税抜)です。契約は年間契約で、12か月分を一括で払います(バクラク経費精算の製品ページ)。何名までがこの金額に入り、どの機能から上がるかはページには出ておらず、料金表を資料として受け取るか、問い合わせる形です。導入から運用開始までの設定を担当者が手伝う導入支援サービス(有償)も用意されています。

ですから、例の会社の月額を、マネーフォワードと同じ式でバクラクについて出すことはできません。比べるときは、バクラクの担当者に「アクティブユーザー20名、従業員30名、コーポレートカードと承認の分岐と電子帳簿保存法を使う」という同じ条件を渡して金額を出してもらい、マネーフォワードの作例と並べます。バクラクは年額で考えると36万円から(税抜)なので、マネーフォワードの側も年額に直して比べると取り違えません。

会計ソフトとの連携:同じシリーズでそろえるか、APIでつなぐか

マネーフォワード クラウド経費は、申請・承認された経費から仕訳を作り、会計ソフトに渡します。渡し方はAPI連携とCSV連携の2つです。同じ基本料金でマネーフォワード クラウド会計も使えるので(ビジネスプランなら会計は3名まで)、会計もマネーフォワードにそろえると、経費と会計が同じ契約の中に入ります。連携実績の一覧には、自社の3製品(クラウド会計・クラウド確定申告・クラウド会計Plus)を含めて35の会計ソフト・基幹システムが並び、他社のものは freee・弥生会計・勘定奉行・PCA会計・OBIC7・TKC(FX)・SAP など32です。一覧には、カスタマイズの状況や出力の内容によって連携できない場合もあると注記があります(マネーフォワード「連携実績のある会計ソフト/基幹システム一覧」、2025年7月14日更新)。

バクラク経費精算は、freee・マネーフォワード・勘定奉行などとAPI連携かCSVの出力で仕訳を渡し、領収書などの証憑も仕訳に紐づけて渡せます(バクラク「会計ソフト連携」)。APIでつながる会計ソフトは、お知らせで順に増えてきました。

バクラク経費精算と会計ソフトのAPI連携(LayerXのお知らせから)
会計ソフトバクラク経費精算との連携お知らせ
勘定奉行クラウド仕訳をAPIで連携。ボタン一つで送り、伝票にバクラクへのリンクを付けられる2024年10月10日
マネーフォワード クラウド会計仕訳をAPIで連携。会計側からバクラクへのマスタの同期も2024年10月16日
マネーフォワード クラウド会計Plus仕訳をAPIで連携2024年11月19日
勘定奉行V ERPクラウド取引先・部門などのマスタを取り込み、仕訳と証憑をAPIで連携2024年12月18日
freee会計APIの連携アプリがある。2024年7月のfreee会計のプラン改定で、一部のプランでは使えなくなるとLayerXが発表し、CSVでの連携を開発する方針を示した。今の会計ソフト連携のページは、freee を API か CSV で連携すると案内2024年3月22日

freee会計を使っている会社は注意が要ります。LayerX は2024年3月に、2024年7月1日のfreee会計の法人向けプラン改定の後は、新しいプランの「ひとり法人」「スターター」「スタンダード」では外部システムとのAPI連携が制限され、バクラクの連携アプリを使えなくなると発表しました(LayerX のお知らせ)。今のfreee会計のプランでAPI連携が使えるかを、両社の最新の案内で確かめてから決めます。

会計ソフトから見た、経費精算の選び方

1

会計ソフトをマネーフォワード クラウド会計にする(またはしている)

経費も同じ基本料金の中に入る。会計は Plus でもバクラクはAPIでつながる

2

勘定奉行クラウド・勘定奉行V ERPクラウドを続ける

バクラクはAPIで仕訳と証憑を送れる。マネーフォワードは連携実績の一覧に勘定奉行がある

1つ目に当てはまるマネーフォワード クラウド経費だと契約が1つにまとまる。バクラクでもAPIでつながるので、料金と機能で比べる
2つ目に当てはまるどちらでも渡せる。APIかCSVか、証憑まで渡せるかを、使っている版で確かめる

出典:マネーフォワードの連携実績の一覧、バクラク「会計ソフト連携」、LayerX のお知らせ(表の各リンク)

例の会社なら、会計をマネーフォワード クラウド会計に替えるときは、経費も同じ契約に入るマネーフォワードが候補の先頭に来ます。勘定奉行クラウドのままにするなら、どちらでも仕訳は渡せるので、料金と、次の節からの機能の差で選ぶことになります。マネーフォワードから freee など別の会計ソフトへ移るときの論点は、マネーフォワードからfreeeへの移行ガイドにまとめています。

承認と事前の稟議:どちらも分岐できるが、マネーフォワードはプランで変わる

バクラク経費精算は、金額や入力項目に応じて承認の経路を分けられ、ワークフローの機能で事前の稟議と紐づけて、予算をどこまで使ったか(消化率)を確かめられます。承認の期限を決めておけば、承認する人にメールや Slack で自動で催促が届き、代理申請・代理承認や、権限に応じた一括承認もできます。AIが社内規程やマニュアルを参照して申請を確かめ、確信度の高いものは一次承認まで自動で行う機能も、製品ページで案内しています(バクラク経費精算の製品ページ、機能一覧)。稟議の側の設計はバクラク申請(ワークフロー)の記事で書いています。

マネーフォワード クラウド経費も、申請金額・負担部門・役職・科目に応じて承認の経路を分けられ、承認の階層は最大10階層(グループ)まで設定できます。申請フォームを自由に作れるので、稟議や出張の申請も同じ仕組みで扱えます(マネーフォワード クラウド経費の製品ページのよくある質問)。ただし、料金ページの表では、事前申請はどのオプションプランでも使える一方、ワークフローの分岐ルールはコーポレートプラン以上です。例の会社のように金額で経路を分けたいなら、オプションの料金を見積もりに入れておきます。

カードの明細:どのカードを、どのプランで取り込めるか

バクラク経費精算は、自社の法人カード「バクラクビジネスカード」の利用明細を自動で取り込みます。ほかにも、三井住友・JCB・三菱UFJ・UC など主要なカード会社の明細と連携でき、製品ページには三井住友コーポレートカード、三井住友パーチェシングカード、JCBコーポレートカード、三菱UFJカード コーポレート、三菱UFJカード パーチェシング、UCコーポレートカードが並んでいます。カードの支払いと現金の立替は1つの申請にまとめて出せ、アップロードした領収書は日付・金額・取引先名からカードの明細と自動で突き合わされます(バクラク「クレジットカード連携」)。カードの運用はバクラクの法人カードの記事で書いています。

マネーフォワード クラウド経費は、クレジットカード・電子マネー・宿泊サイト・通販・ETC など2,500を超えるサービスから明細を自動で取り込めます。料金ページの表では、この「明細の自動取得」はどのオプションプランでも使え、別の行の「コーポレートカード連携」はコーポレートプラン以上です。自社の「マネーフォワード ビジネスカード」と組み合わせると、利用明細がリアルタイムで連携されると案内しています(料金ページ、製品ページ)。

例の会社のコーポレートカードを取り込むときに確かめること

バクラク経費精算

製品ページの連携カード

  • 使っているカードが連携の一覧(三井住友・JCB・三菱UFJ・UC など)にあるか
  • バクラクビジネスカードに切り替えるか
  • 現金の立替とまとめて1つの申請にするか

マネーフォワード クラウド経費

料金ページのオプションプランの表

  • コーポレートカード連携を使うなら、コーポレートプラン以上の料金を入れる
  • 個人で立て替えたカードや電子マネーは、明細の自動取得で取り込む
  • マネーフォワード ビジネスカードに切り替えるか

出典:バクラク「クレジットカード連携」、マネーフォワード クラウド経費の料金ページ

インボイス:登録番号のチェックと、2026年10月からの70%

経費の領収書がインボイス(適格請求書)として使えるかは、登録番号が本当に登録されているかと、記載事項がそろっているかで決まります。小売業・飲食店業・タクシーなどが出す書類は、宛名が無く、税率か税額の一方だけでもかまいません(国税庁 No.6625)。登録の無い相手からの仕入れは、経過措置で一定の割合を控除でき、その割合は2026年9月30日までの80%から、2026年10月1日に70%へ下がりました(国税庁「令和8年度税制改正特集」)。

登録の無い相手からの仕入れで控除できる割合(取引日で決まる)

〜2026年9月30日80%
2026年10月1日〜70%(2年間)
2028年10月1日〜50%(2年間)
2030年10月1日〜30%(1年間)
2031年10月1日〜控除できない

帳簿に経過措置の適用を受ける旨を書き、区分記載請求書と同じ事項の請求書等を保存するのが要件。同じ相手から、その年または事業年度で税込1億円を超えた部分には使えない(2026年10月1日以後に始まる課税期間から)

出典:国税庁「令和8年度税制改正特集」、インボイスQ&A 問113

経過措置を使うには、帳簿に「70%控除対象」など経過措置の適用を受ける旨を書き、区分記載請求書と同じ事項(作成者、取引年月日、内容、税率ごとに合計した税込金額、受け取る事業者の名前)が書かれた請求書等を保存します(国税庁 インボイスQ&A 問113)。システムが割合の区分を付けてくれても、この要件を満たすのは会社の側です。

バクラク経費精算は、アップロードされた領収書や請求書が適格請求書の記載要件を満たしているかをAI-OCRで判定し、登録番号を取引先マスタでまとめて管理します。国税庁の公表サイトと連携して登録番号の有効性を自動で確かめ、未登録・無効・抹消済みの番号にはアラートを出します(バクラク「インボイス制度対応」)。

マネーフォワード クラウド経費は、照合済みの法人の情報をサービスの中に持ち、国税庁の公表サイトが毎日配信する情報で定期的に更新して、明細に入れた登録番号と照合します。個人事業主の結果は、個人情報保護の観点から持っていません。国税庁の登録・取消・失効の更新は過去にさかのぼって行われることがあるので、マネーフォワードは各明細に公表サイトの最新の情報が反映されているかを定期的に確かめるよう利用者に求めています(マネーフォワード クラウド経費のお知らせ、2024年10月24日)。

70%への切り替えでは、マネーフォワードは「インボイス経過措置」の判定に「70%控除」を足し、2026年8月6日にリリースを終えました。判定の対象は、税区分が「課税仕入」で、経費科目に特例区分が紐づいておらず、有効な登録番号が入っていない明細で、取引日が2026年10月1日以降なら70%控除と判定されます。ただし、リリースより前に2026年10月以降の日付で登録した明細は70%控除と判定されないので、管理者か承認者が編集します。この項目は、経費の基本設定で会計の連携先を「連携しない(他社会計サービスと連携する)」にしているときに表示され、関連するAPIを使っていれば、つなぐ側の修正も要ります(マネーフォワード クラウド経費のお知らせ、2026年6月29日公開)。バクラク経費精算を使う場合も、2026年10月以降の取引日の明細がどの区分になるかを、サポートサイトか担当者に確かめてください。

登録番号と経過措置を、誰がどこで確かめるか

経費精算のシステムバクラク/マネーフォワード
登録番号の照合入力・読み取った番号を、公表サイトの情報と照らして表示する
経過措置の区分マネーフォワードは、有効な登録番号の無い課税仕入の明細を取引日で80%・70%に判定(他社の会計ソフトと連携する設定のとき)。バクラクは担当者に確かめる
経理の担当国税庁の公表サイト
さかのぼった更新取消・失効がさかのぼって反映されていないかを定期的に確かめる
個人事業主マネーフォワードは照合結果を持たないので、公表サイトで確かめる
経理の担当帳簿と保存
経過措置の要件帳簿に適用を受ける旨を書き、区分記載請求書と同じ事項の書類を保存する

出典:バクラク「インボイス制度対応」、マネーフォワードのお知らせ(2024年10月24日)、同(2026年6月29日)、国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト、インボイスQ&A 問113

システムが判定する部分と、人が判断する部分の分け方を、経理の工程ごとに動画で説明しています。

電子帳簿保存法:同じ2つの認証、マネーフォワードはプランに注意

経費の証憑は、受け取り方で決まりが分かれます。紙で受け取った領収書をスキャンして紙の代わりに保存する「スキャナ保存」は、受け取ってから速やかに(おおむね7営業日以内に。事務の処理規程を定めれば、最長2か月の業務の処理サイクルの後に速やかに)入力する、200dpi 相当以上のカラーで読み取る、タイムスタンプを付けるなど、決まりが細かく、国税庁のパンフレットも対応したソフトを使うのが一般的だとしています(国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存」)。メールやWebで受け取った領収書は「電子取引」で、電子データのまま保存する義務があり、改ざんを防ぐ措置と、日付・金額・取引先で探せることに加えて、範囲指定と組み合わせで探せるか、税務調査でダウンロードの求めに応じられるかのどちらかが要ります(国税庁「電子取引データを適切に保存できていますか?」)。要件の細部は領収書・適格請求書をデータ化する記事にまとめています。

電子帳簿保存法への対応(各社の公式ページから)
物差しバクラク経費精算マネーフォワード クラウド経費
JIIMA の認証電子取引ソフト法的要件認証と、電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(2016年)と、電子取引ソフト法的要件認証(2021年)
公式ページが挙げる機能証憑にタイムスタンプを自動で付け、訂正・削除の履歴を残す。申請・承認のときにスキャナ保存の要件に合うかを判定し、合わないファイルはアラートを出す(申請を止める設定も可)。日付・金額・取引先名に加え、範囲指定と組み合わせで検索できる電子帳簿保存法への対応で原本の保管が要らなくなると案内。スキャナ保存の対応マニュアルを資料として配っている
使えるプラン製品ページの料金は月額3万円から。機能ごとの区分は料金表で確かめるサポートの「電子帳簿保存法への対応手順」では、対応するオプションはコーポレートかエンタープライズ。料金ページの表も、電子帳簿保存法の機能はコーポレートプラン以上

出典は、バクラク「電子帳簿保存法対応」と製品ページ、マネーフォワード クラウド経費の製品ページ、サポートの「電子帳簿保存法への対応手順」、料金ページです。マネーフォワードは、スキャナ保存の認証を経費精算システムとして国内で最初に取ったと書いています。料金ページには「電子帳簿保存法に関する詳細は専門家に」という注記もあります。

マネーフォワードの対応手順(2026年6月3日更新)は、スキャナ保存と電子取引に対応する場合も、電子取引だけに対応する場合も、コーポレートかエンタープライズのオプションを申し込む手順にしています。一方、よくある質問(2023年11月16日更新)には、スキャナ保存をせず電子取引だけに対応するなら、「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を社内規程として置けば、オプション無しでも運用できるとあります(マネーフォワード クラウド経費のよくある質問)。紙はそのまま保管し、メールで届く領収書だけを電子で保存する会社は、どちらで運用するかをマネーフォワードに確かめてから料金を見積もります。

例の会社は紙の領収書をスキャンして捨てたいので、マネーフォワードならコーポレートプランが前提になります。どちらを選んでも、受け取ってから入力するまでの期間を守るのは申請する社員の側です。スマートフォンで撮ってその場で申請する流れを、社内のルールとして決めておきます。

ほかのシステムやAIとつなぐなら:APIの範囲と回数

バクラク経費精算は、REST API で申請の作成、申請情報の取得、ファイルの連携を外のシステムから行えると案内しています(バクラク経費精算の機能一覧)。マネーフォワード クラウド経費は、APIを使える回数がオプションプランで変わり、チームプランは1時間に300回、コーポレートプランは3,600回、エンタープライズプランは回数の制限が無い代わりに、負荷がかかる場合は個別の連絡や停止がありうるとしています(料金ページ)。

経費のデータを社内のシステムや AI エージェントから読む使い方を考えているなら、マネーフォワードでは回数の上限がプランの選び方に響くので、つなぐ処理が1時間に何回呼ぶかを先に見積もります。マネーフォワード クラウド会計のデータを AI から扱う公式の仕組み(MCP サーバー)は、マネーフォワード クラウド × MCP 連携の記事で書いています。

見積もりの前に、両社に同じ条件で聞くこと

ここまでの物差しを、例の会社が両社に確かめることとして並べると次のとおりです。どちらの会社にも同じ人数・同じ機能の条件を渡すのが、比べ違いを防ぐいちばんの手です。

例の会社が見積もりの前に確かめること
物差しバクラク経費精算に聞くことマネーフォワード クラウド経費で確かめること
料金20名・30名で月額3万円の範囲に入るか。年額でいくらか基本料金・人数の分・オプションの合計(作例では月17,980円)。2027年6月の改定の中身
会計ソフト今の会計ソフトの版でAPI連携か、CSVか。証憑も渡せるかクラウド会計にそろえるか。ほかの会計ソフトなら連携の方法
承認金額での分岐、稟議との紐づけ、Slack の通知分岐ルールのためにコーポレートプランが要るか
カード使っているカードが連携の一覧にあるかコーポレートカード連携のためにコーポレートプランが要るか
インボイス2026年10月以降の取引日の明細が70%の区分になるか70%控除のリリース前に登録した10月以降の明細が無いか
電子帳簿保存法スキャナ保存の要件の判定をどの場面で行うか電子帳簿保存法の機能のためにコーポレートプランが要るか
API外から何を作成・取得できるかプランごとの1時間あたりの回数で足りるか

楽楽精算と SAP Concur も候補なら:料金の出し方だけ並べる

同じ物差しの最初の1本、料金の出し方だけを並べます。楽楽精算は初期費用100,000円と月額費用30,000円から(いずれも税抜)で、月額は利用する従業員数とオプションで変わります(楽楽精算の料金ページ)。SAP Concur は、公式サイトで料金を問い合わせる形です(SAP Concur の公式サイト)。2つの製品の機能を含む詳しい比較は、楽楽精算とバクラクの比較で書いています。

4製品の料金の出し方(各社の公式ページ)
製品料金の出し方(公式)
バクラク経費精算月額3万円から(税抜)。年間契約、12か月分を一括払い。詳しくは料金表の資料
マネーフォワード クラウド経費50名以下はプランの基本料金+アクティブユーザーの数+オプション。51名以上は見積もり
楽楽精算初期費用100,000円+月額30,000円から(税抜)。従業員数・オプションで変わる
SAP Concur料金は問い合わせ

デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠

経費精算のソフトを入れる費用には、デジタル化・AI導入補助金2026の「インボイス枠(インボイス対応類型)」を使える場合があります。対象は、事務局に登録されたITツールのうち、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上持つソフトウェアです。補助率と補助額は次のとおりです(デジタル化・AI導入補助金2026「インボイス枠(インボイス対応類型)」)。

インボイス枠(インボイス対応類型)の補助率と補助額
区分補助率補助額
ソフトウェア(1機能以上)3/4以内(小規模事業者は4/5以内)50万円以下
ソフトウェア(2機能以上)50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分は2/3以内50万円超〜350万円以下
PC・タブレット等1/2以内10万円以下
レジ・券売機等1/2以内20万円以下

申請は、ITツールを扱う「IT導入支援事業者」と一緒に事業計画を作る形で、申請する会社は GビズIDプライムの取得と、IPA の「SECURITY ACTION」の宣言が必要です(「新規申請・手続きフロー」)。交付申請は2026年3月30日から受け付けていて、締切は回ごとに決まっています。検討している製品が登録されているかは、公式サイトのITツール検索で確かめます。採択されるとは限らないので、補助金を前提に契約の時期を決めないようにします。

まず会計ソフトを決め、その月に使う人を数える

選ぶ前にやることは2つです。会計ソフトをマネーフォワード クラウド会計にするのか、今のソフトを続けるのかを先に決めること。そして、その月に経費を登録・申請する人と、承認・管理の権限を持つ人を数えることです。この2つが決まれば、マネーフォワードは料金ページから月額を計算でき、バクラクには同じ条件で見積もりを頼めます。

会計ソフトの決め方から、承認の経路やカードの運用を含めた経費精算の設計は、当社の経理DX支援で一緒に進められます。経費精算の前後の工程(稟議・請求書・会計)を含めた全体は、バックオフィスDXの全体像とツール選定ガイドにまとめています。

料金・機能は、2026年10月13日に各社の製品ページ・料金ページ・お知らせで確かめたものです。料金はすべて税抜で、作例の月額は公開の価格から当社が計算したもので、見積もりではありません。インボイスの経過措置は国税庁のページによります。

執筆・監修:Aurant Technologies

上場企業にて事業企画・データサイエンティストとして従事したのち、コンサルティング領域へ。業務DX、生成AI活用、システム構築から経営戦略までを支援しています。システム開発会社を2社にて創業・経営し、10年以上にわたり最前線で開発業務にも携わっています。会計・人事・CRM・独自Webアプリを横断したアーキテクチャ設計を得意とし、「施策納品」ではなく現場で回る運用まで一貫して支援します。

会計ソフト導入支援

freee・マネーフォワード・勘定奉行・バクラクの選定から、税区分や勘定科目の設計、期首・期中の移行、電子帳簿保存法への対応、周辺システムとの連携までを支援します。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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