NEXT GIGA端末更新2,643億円 — 5年で1,190万台、共同調達と6つの予実管理項目

GIGAスクール構想第2期(NEXT GIGA)は2024-2028年度。R5補正の都道府県基金2,643億円が中核、5年累計で約1,190万台更新、2025-2026年度がピーク。共同調達のメリデメ、教育委員会の6つの予実管理項目を文科省・MM総研データから5枚のSVGで整理する。

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GIGAスクール構想で2020年度までに全国の小中学校に1人1台配備された約950万台の学習者用端末が、いま耐用年数(4〜5年)の更新期を迎えている。文部科学省はこれを「NEXT GIGA」(GIGAスクール構想第2期)と位置づけ、令和5年度補正予算で都道府県基金2,643億円を造成、2024〜2028年度の5年間で計画的に更新を進める仕組みを整えた。本記事では、NEXT GIGAの予算構造、年度別端末更新スケジュール、共同調達のメリット・デメリット、教育委員会・学校の予実管理項目を5枚のグラフで整理する。

第1期 vs NEXT GIGA — 「配る」から「更新し続ける」へ

GIGAスクール構想 第1期 と NEXT GIGA(第2期)の比較GIGA第1期(2019〜)• 2019年度補正で4,610億円• 2020年度中に全児童生徒1人1台配備• コロナで前倒し導入• 端末平均単価 約45,000円NEXT GIGA(2024〜2028)• R5補正で5年基金2,643億円• 耐用年数4-5年の端末を更新• 共同調達・基金運用• 補助単価 55,000円/台

GIGA第1期(2019年〜)は「1人1台端末を一気に配る」プロジェクトで、コロナ前倒しで2020年度中に全国配備が完了した。これに対しNEXT GIGA(2024〜2028年度)は「更新サイクルを安定的に回す」プロジェクトで、性質が根本的に異なる。

補助単価も1台55,000円に引き上げられ、予備機(児童生徒数の15%以内)も補助対象に含まれた。これは第1期端末の故障率や修理対応の経験を踏まえた現実的な設計だ。

予算の核は「R5補正の都道府県基金2,643億円」

NEXT GIGA関連 国予算の推移(億円)中核はR5補正の都道府県基金2,643億円。R6/R7補正で追加し、5年間(2024〜2028)で順次更新を支援0億1000億2000億3000億2643億R5補正5年基金234億R6補正端末更新3億R7当初運用支援685億R7補正端末更新追加3億R8予算案運用支援出典: 文部科学省 令和5年度補正予算・令和6年度予算案・令和7年度補正予算 公表資料

NEXT GIGA予算の中心は、令和5年度補正予算で都道府県に造成された5年間基金2,643億円。これに加えて令和6年度補正234億円、令和7年度補正685億円が積み増され、各年度の単発補助で運用支援3億円程度が確保されている。

基金方式の最大のメリットは、「単年度予算では消化しきれない多年度の調達計画を計画的に実行できる」こと。市町村は基金の取り崩しタイミングを2024〜2028年度の中で調整でき、各校の更新サイクルに合わせて運用できる。

2025〜2026年度がピーク — 5年で約1,190万台

NEXT GIGA 端末更新台数の年度別見通し(万台)5年で総計約1,190万台。第1期端末の耐用年数到来に合わせて2025-2026年度がピーク0万100万200万300万400万1602024年度2902025年度3102026年度2502027年度1802028年度出典: 株式会社MM総研「GIGAスクール端末の更新需要は複数年に分散」(2024年)プレスリリース

MM総研の調査では、NEXT GIGAでの端末更新台数は5年累計で約1,190万台、2025年度・2026年度がピークで各約290〜310万台。これは第1期端末のうち初期配備の自治体が耐用年数到来を迎えるタイミングと一致する。

大量更新は同時に大量廃棄でもあり、環境配慮・リユース・データ消去・廃棄物処理といった付随業務も急増する。教育委員会だけでなく、財政部署・廃棄物部署・データ管理部署が連携しないと業務が回らない構造だ。

都道府県主導の共同調達 — メリットとデメリット

都道府県主導 共同調達のメリット・デメリット文科省は共同調達を推奨。R5補正の基金も都道府県単位で運用される設計共同調達のメリット✓ スケールメリット(単価交渉力)✓ 市町村の事務負担軽減✓ 運用ノウハウの集約✓ アプリ・LMS共通化✓ 教員研修の標準化共同調達のデメリット✗ 市町村別の教育方針反映が難しい✗ ベンダー一本化でロックインリスク✗ 年度・タイミングの統一が困難✗ 運用サポート体制の標準化負荷✗ 契約・予算執行のプロセスが複雑化

文科省はNEXT GIGAでの都道府県主導の共同調達を推奨し、基金もその設計で組まれている。メリットは規模経済・事務負担軽減・アプリ標準化・教員研修の共通化。一方デメリットは、市町村の教育方針反映の難しさ・ベンダーロックイン・契約プロセス複雑化が挙げられる。

当社が見ている範囲では、「都道府県が主導しつつ、市町村側にカスタム余地を残す中間モデル」を採る自治体が増えている。完全共同調達は理想だが現実的には合意形成が難しく、緩やかな共通仕様+市町村別契約という折衷案が現実的だ。

学校・教育委員会で発生する 6つの予実管理項目

教育委員会・学校で発生する 6つの予実管理項目調達費だけでなく、運用・修理・通信・研修まで含めた多年度の予実管理が必要1. 基金からの端末調達費R5基金から年次取り崩し2. 運用サポート費(人件費・委託)校務支援員・GIGAアドバイザー3. 通信費・クラウド利用料学習eポータル・LMS4. 教員研修費学習指導要領改訂対応含む5. 修理・故障対応費年率3-5%の故障率6. 廃棄・買い替え準備費リユース・リサイクル対応

NEXT GIGAの予算は「端末調達費」だけではない。実際には運用サポート費(校務支援員・GIGAアドバイザー)、通信費・クラウド利用料、教員研修費、修理・故障対応費、廃棄・買い替え準備費を含めた多年度の予実管理が必要だ。

特に修理・故障対応は年率3〜5%の故障率を見込んでおく必要があり、これを単年度で吸収しようとすると予算が破綻する。「修理費を5年間でいくら積んでおくか」を当初から計画に組み込んでおくのが、第1期で多くの自治体が学んだ教訓だ。

解決の方向性 — 教育委員会向け予実管理BIで多年度を見える化

当社が教育委員会・学校設置者に提案するのは、NEXT GIGA基金の取り崩し計画、端末調達費、運用サポート費、通信費、教員研修費、修理費、廃棄費を多年度で一元管理する予実管理BIダッシュボードだ。これがあると、「基金がいつ枯渇するか」「次回更新時の必要予算はいくらか」「市町村別のコスト効率」がすべて1画面で見える。

詳細は下記のサービスページで紹介している。

SERVICE / 関連ページ

教育委員会・学校設置者向け NEXT GIGA × 多年度予実管理BI

基金取り崩し計画、端末調達・運用・修理・通信・廃棄まで多年度の予実を一元管理。共同調達運用、市町村別比較、次回更新試算まで1つのダッシュボードで。

サービス詳細・導入事例を見る →

関連する調査・解説記事

参照した一次資料

  • 文部科学省 令和5年度補正予算・令和6年度予算案・令和7年度補正予算 公表資料
  • 文部科学省「NEXT GIGA(GIGAスクール構想 第2期)」
  • 株式会社MM総研「GIGAスクール端末の更新需要は、複数年に分散する見通し」(2024年プレスリリース)
  • 富士キメラ総研「NEXT GIGAにおける教育ICT整備動向/需要展望調査2026」
  • 各都道府県教育委員会 共同調達計画 公表資料

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上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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