賞味期限・ロットを管理する在庫システムを頼む前に|Excel の列を足せば足りる範囲と、システムが要る範囲(先入れ先出し・回収対応)

賞味期限とロットの管理で、Excelに列を足せば足りるのは、在庫側の期限と、出荷側のロットと出荷先を毎回書ける範囲です。食品の公式の指針に沿って、足りなくなる合図、先入れ先出しと回収対応でシステムに任せること、見積もりの比べ方、1品目で試す順番を整理しました。

この記事をシェア:
目次 クリックで開く

この記事の要点

  1. Excelの列で足りるかどうかは、ロットの数より、記録が2か所に分かれることで見分ける。期限が近い在庫を見て古いほうから出すのは在庫側の記録、回収のときにそのロットがどの出荷先へ行ったかを引くのは出荷側の記録。在庫表に期限の列を足しても、出荷の記録にロットを書いていなければ、回収には使えない。
  2. 食品の公式の指針は、仕入れと出荷の記録にロットが分かる情報(年月日の表示かロット番号)を書くこと、専用の帳簿は要らず電子的な記録でもよいことを示している。Excelで足りるのは、入庫と出庫を1動作1行で残し、ロット・期限・相手先を毎回書ける範囲。
  3. システムを考える合図は、同じ品番で期限の違う在庫が同時に残る、出荷の行のロット欄が空になる、出すロットを決める人が複数いる、の3つ。見積もりを取る前に、1品目を1か月Excelで試し、1ロットを指定して出荷先の一覧を出す練習をして、足りない所を確かめる。

管理したい理由で、記録を足す場所が分かれる

期限の列を足す作業と、出荷の記録にロットを足す作業は別。片方だけでは、もう片方の場面で使えない

廃棄ロスを減らす

在庫側の記録

  • 期限が近いロットを一覧で見つける
  • 期限の古いほうから先に出す

足す場所:在庫表の期限の列

回収に備える

出荷側の記録

  • 問題のあったロットが、いつ、どの出荷先へ、いくつ出たかを引く
  • 出荷のたびに、ロットか期限と出荷先を結んで残す

足す場所:出荷の明細にロット(期限)の列

取引先の求めに合わせる

出荷前の確認

  • 取引先ごとの納品期限や、前回より古い日付を出さない決まりに合うロットを選ぶ

この記事では:扱わない。納品期限の決まりは別の記事にある

当社の整理。取引先ごとの納品期限や年月日・年月の表示の違いは、在庫管理システムの開発費用の記事で扱っている(2026年10月6日確認)

賞味期限とロットの管理は、Excelに列を足すだけで足りる範囲と、システムが要る範囲に分かれます。分かれ目になるのは、ロットの数よりも、記録が2か所に分かれることです。期限が近い在庫を見つけて古いほうから出すのは在庫側の記録、回収が起きたときにそのロットがどの出荷先へ行ったかを引くのは出荷側の記録で、在庫表に期限の列を足しただけでは、回収の場面は賄えません。

食品については、厚生労働省の指針が、仕入れと出荷の記録にロットが分かる情報(年月日の表示かロット番号)を書くこと、専用の帳簿は要らず電子的な記録でもよいことを示しています。Excelで足りるのは、入庫と出庫を1動作1行で残し、ロット・期限・相手先を毎回書ける範囲です。足りなくなる合図は、同じ品番で期限の違う在庫が同時に残る、出荷の行のロット欄が空になる、出すロットを決める人が複数いる、の3つです(最後の線引きは当社の整理です)。

この記事は、食品・化粧品・資材などを扱い、在庫をExcelで持っている会社の倉庫・物流担当の方に向けて、公式の資料で確かめた範囲と当社の整理を分けて書きます。金額は書きません。2026年10月6日に開いた検索上位の数本では、Excelの限界が入力ミスや同時編集といった一般論で述べられ、どの記録まで列で足りるかは分けて書かれていませんでした。

管理したい理由を分けると、記録を足す場所が分かれる

期限とロットを管理したい理由は、現場ではおおむね3つに分かれます(当社の整理)。1つ目は廃棄ロスで、期限が近いロットを見つけて先に出します。2つ目は回収への備えで、問題のあったロットを出荷先まで追います。3つ目は取引先の求めで、取引先ごとの納品期限などに合うロットを選びます。上の図のとおり、1つ目は在庫側の記録、2つ目は出荷側の記録、3つ目は出荷前の確認で、足す場所が違います。

とくに区別しておきたいのは、在庫表に期限の列を足す作業と、出荷の記録にロットを足す作業が別だということです。前者は廃棄ロスに効き、後者は回収に効きます。前者だけを済ませて「管理を始めた」とすると、回収の場面では出荷先を引けません。取引先の納品期限の決まりは、在庫管理システムの開発費用の記事で扱っているので、この記事では触れません。

扱う品によって、ロットにあたるものも違います。食品では、ロット番号か、年月日で表示された賞味期限・消費期限です。化粧品は、東京都健康安全研究センターの表示のページによると、医薬品医療機器等法の第61条で、容器や包装に製造番号または製造記号を書くことが決められています。使用の期限は、アスコルビン酸などを含む化粧品と、製造・輸入のあと適切に保存して3年以内に性状や品質が変わるおそれのある化粧品に書くことになっています。化粧品の在庫表のロット列には製造番号を入れ、期限の列は品目によって空になるものがある、という作りになります(当社の整理)。資材は、法令の決まりをこの記事では確かめていません。取引先の仕様や社内の品質の決まりで、ロットを切る単位を決めることになります。

回収に備える記録は、公式の指針では何を書くことになっているか(食品)

食品衛生法の第3条第2項は、食品等事業者に、販売する食品等に起因する危害の発生を防ぐために必要な限度で、仕入れ先などの名称その他必要な情報の記録を作って保存するよう、努めることを求めています。条文は、努めなければならない、という書き方です。

この記録の中身は、厚生労働省の指針(食品等事業者の記録の作成及び保存について)に書かれています。基本の記録事項は、仕入年月日、仕入元の名称と所在地、品名、ロットが確認できる情報(年月日の表示またはロット番号)、出荷または販売の年月日、出荷または販売先の名称と所在地です。記録は、記録事項が確認できる書類であればよく、専用の帳簿は要りません。仕入や販売の台帳、注文書、送り状など、ほかの目的で作る書類でも差し支えなく、電子的な記録も含まれます。Excelの入出庫のログを、この記録に使えるということです。

保存期間は、取り扱う食品の消費期限や賞味期限に応じて合理的な期間を決めるのが基本です。区分ごとの参考として、倉庫業者や卸売業者などの流通段階は販売後1〜3年間とされています。中小規模の事業者については、記録の作成・保存は「期待される事項」として整理されています。当てはまる規模は、卸売業者・輸入業者は資本1億円以下または従業員100人以下、製造・加工・保管業者は資本3億円以下または従業員300人以下、小売業者は資本5千万円以下または従業員50人以下です。

農林水産省のマニュアルが示す、記録の3つのステップ

ステップ2と3は費用がかかるので、効果とのつり合いで、どこまで取り組むかを自分で決める、と書かれている

ステップ1

入荷先・出荷先の特定

  • 入荷日・入荷先・品名・数量
  • 出荷日・出荷先・品名・数量

回収のとき:取引先のすべてに全量回収を頼むことになる

ステップ2

食品の識別

  • ロット番号などの記号をつける
  • 入荷した品にも、どの条件で1つのロットにするかを決める

回収のとき:問題のある品を見つけやすくなる

ステップ3

識別した食品の対応づけ

  • 入荷ロットと入荷先を結ぶ
  • 出荷するロットと出荷先を結ぶ

回収のとき:範囲を絞った回収ができる

出典:農林水産省「食品トレーサビリティ 実践的なマニュアル 総論」(平成26年3月発行)(2026年10月6日確認)

ロットをどう結ぶかは、農林水産省のマニュアルが3つのステップで示しています。入荷・出荷の記録だけのステップ1では、追跡する食品の範囲を絞り込めず、全量回収になって費用がかさみます。ステップ2と3は費用がかかるので、効果とのつり合いで、どこまで取り組むかを自分で決めます。出荷の記録にロットを結ぶ簡便な方法として、ロット番号の代わりに、賞味期限または消費期限を出荷の記録に書く方法も挙げられています。

回収を実際に行ったときは、届出も要ります。厚生労働省のリーフレットによると、令和3年6月1日から、食品等の自主回収を行った場合は、管轄の自治体への届出が義務になっています。対象は、食品衛生法に違反するかそのおそれがある場合と、アレルゲンや消費期限などの安全にかかわる表示の欠落や誤りがある場合です。届出は原則オンラインです。届出に書く製造所や商品の情報を出すのは、日々の入荷と出荷の記録で、ロットから出荷先まで引けることが、そこで効いてきます(当社の整理)。

Excelのままで足りる範囲:期限の列と、入出庫のログ

Excelで足りる範囲は、2段あります。1段目は、在庫表に期限の列を足すだけの形です。品番ごとに1行で、期限の列を持ち、期限が近い行を色で目立たせます。同じ品番で期限の違う在庫が同時に残らず、出荷の記録にロットを書く必要がない間は、これで足ります。期限の列には、消費期限と賞味期限のどちらかも書いておきます。消費者庁の資料は、消費期限を、安全性を欠くおそれがないと認められる期限、賞味期限を、品質の保持が十分に可能と認められる期限として示し、賞味期限を超えても品質が保たれていることがある、としています。期限の意味が違うので、区別して持ちます(当社の整理)。

2段目は、入出庫のログを足す形です。入庫と出庫を、動きごとに1行で残します。列は、日付、区分(入庫・出庫・調整)、品番、ロット、期限、数量(入庫は+、出庫は−)、相手先(仕入先・出荷先)、伝票番号です。在庫表は、品番とロットの組み合わせごとの行にして、現在庫をログから集計します。

Excelで、入出庫を1動作1行で残す

在庫表に数を直接書かず、動きを行で残して、在庫表は集計にする

入庫を1行日付・品番・ロット・期限・数量(+)・仕入先
出庫を1行日付・品番・ロット・期限・数量(−)・出荷先
在庫表で集計品番とロットごとに、SUMIFSで現在庫を出す
見る・引く最も古い期限をMINIFSで出す/ロット列で絞って出荷先を見る

数が合わないときは、元の行を直さず、訂正の行を足す(当社の整理)

関数の仕様:SUMIFS関数、MINIFS関数(Microsoft サポート)(2026年10月6日確認)

現在庫は、=SUMIFS(ログの数量, ログの品番, 品番, ログのロット, ロット)のように、SUMIFS関数で出します。期限の近いロットを見つけるには、MINIFS関数で、現在庫が0より多い行のうち最も古い期限を、品番ごとに出します。MINIFSは、Excel 2019以降とMicrosoft 365で使えます。ロットを指定して出荷先を引くのは、ログのロットの列で絞り込んで、区分が出庫の行の相手先を見れば足ります。

一覧を別の表に取り出したいときは、FILTER関数があります。対象の版として、公式のページにはExcel 2021以降とMicrosoft 365が載っていて、Excel 2019は載っていません。ブックをまたいで使うときは、両方のブックが開いているときだけ動き、元のブックを閉じると、更新で参照のエラーになることが、同じ公式のページに書かれています。ログと在庫表は、同じブックに置くほうが安全です(当社の整理)。

出荷の記録の側は、ログの出庫の行に、ロットと出荷先を毎回書くことで足ります。この形なら、ロットを指定して出荷先を引く記録は、新しく作らずに、Excelの中で揃います。数が合わなくなる原因と、上書きを避ける直し方は、Excelの在庫表が現物と合わなくなる理由の記事で分けて説明しています。

Excelが足りなくなる合図は、ロットの数より、記録の抜けと割り当てに出る

ロットの数が何個を超えたらシステム、という線は、見つけた公式の資料には書かれていませんでした。農林水産省のマニュアルも、どこまで取り組むかは、効果と費用のつり合いで事業者が決めるとしています。そこで、記録の抜けと割り当ての側から、4つの問いを置きます(当社の整理)。

Excelの列で足りるかを、4つの問いで見る

問いの立て方と、「少ない・重なる」の見方は当社の整理。数での線引きは、公式の資料にも書かれていない

1

同じ品番で、期限の違う在庫が同時に棚に残る日が、ふだんからあるか

ある場合は、在庫表が「品番×ロット」の行になり、行が増える

2

出荷のたびに、ロットか期限を出荷先に結んで残す必要があるか

回収の備えや、取引先からの求めがあるとき

3

出荷の行のロット欄が、空のまま残る日があるか

空の行の数は、COUNTIFSで数えられる

4

出すロットを決める人が、複数いるか

倉庫の担当と、受注を入れる事務で決め方がずれる、など

当てはまるものが少ないExcelの列とログで足りる可能性が高い。1品目で試してから決める
当てはまるものが重なる既製品の試用を、同じ品目・同じ期間のデータで比べる

当社の整理。条件に合う行を数える式は、COUNTIFS関数(Microsoft サポート)で組める(2026年10月6日確認)

3つ目の、出荷の行のロット欄が空のまま残る日があるかは、=COUNTIFS(区分の列,"出庫",ロットの列,"")のような式で数えられます(COUNTIFS関数。空欄を指定する書き方は公式のページに例がなく、LibreOfficeで数が合うことを確かめたところまでで、Excelの実機では確かめていません)。空の行が週に数行でも出るなら、それは入力の抜けで、回収のときに引けない行になります。入力を必須にする仕組みは、Excelの列だけでは作りにくく(当社の見立て)、ここが既製品を試す理由の1つになります。

4つ目の、出すロットを決める人が複数いる場合は、決め方がずれます。Excelでは、期限の古いロットを選ぶ式を組めますが、複数のロットに数量を割り振る計算まで式で作ると、組んだ人以外が直しにくくなります(当社の見立て)。出荷の記録が後から紙で届く、注文を受ける窓口が複数ある、といった場合は、同じ記事で書いたとおり、表を工夫しても残ります。

システム化で決めること:入庫の入力、出す順番、期限が近い在庫の見せ方、回収のときの検索

既製品がどこまで受け持つかは、製品ごとに公式の説明を読んで確かめます。この記事では、zaicoのロット・期限管理のページと期限や品質の管理のページを読みました。ロットや賞味期限ごとに在庫を持つこと、期限の日付を設定して近づくと画面とメールで知らせること、出庫の登録で古い期限から割り当てること、ロットを検索してどの出荷先にいくつ出したかを引くことが、説明されています。

Excel・既製品・専用で、受け持つ範囲が違う

既製品の欄は、1社の公式ページの説明から読み取れる範囲。専用の欄は、当社の整理

Excelで足す

入出庫のログ+在庫表

  • 在庫表に期限の列
  • 入出庫を1動作1行で残し、ロットと相手先を毎回書く
  • 期限の近いロットは、関数や色で見つける

当てはまる状況:期限違いの在庫が同時に残らない。残っても、毎回書く手間が続く

出すロット:人が棚を見て選ぶ

既製品を使う

ロット・期限の機能を持つ在庫管理

  • ロットと期限ごとに在庫を持つ
  • 期限が近づくと通知する
  • 出庫の登録で、古い期限から割り当てる
  • ロットを検索して、出荷先と数量を引く

当てはまる状況:3つの合図が重なり、取引先ごとの特別な決まりがない

確かめる:自社のロットの切り方を設定できるか

専用に作る

自社の決まりを作り込む

  • 取引先ごとの納品期限でロットを選ぶ
  • 年月と年月日の表示が混ざる期限を扱う
  • 預かり在庫や複数拠点と、ロットを組み合わせる

当てはまる状況:既製品を試して止まった理由が、自社の決まりにある

出典:zaico ロット・期限管理、zaico 期限や品質の管理(ほかの製品の機能は確かめていない)。専用の欄は、当社の別の記事の整理(2026年10月6日確認)

システム化で決めるのは、4つです。1つ目は入庫の入力で、バーコードを読むのか、手で打つのかです。ケースのバーコードにロットと期限が入っていれば読み取りで済み、入っていない仕入先の分は、打つ画面と確かめる手順が要ります。この条件は、開発費用の記事で整理しています。スマホで読むか専用の端末にするかは、ハンディターミナルの記事にあります。2つ目は出す順番で、期限の古い順にするのか、取引先ごとの条件を入れるのかです。3つ目は期限が近い在庫の見せ方で、何日前から、一覧と通知のどちらで出すかを決めます。4つ目は回収のときの検索で、ロットを入れると出荷先と数量の一覧が出るようにします。

出す順番については、公式の説明が「帳簿上の先入先出」と書いている点に注意が要ります。割り当ては、登録の上でのものです。棚から実際に取る順番は、置き方(古いものを手前に置く)や、取った品のラベルを読み取って照合する手順で、別に決めることになります(当社の整理)。システムを入れても、棚の側の決まりは残ります。

見積もりの比べ方:金額の前に、同じ条件で比べる項目をそろえる

同じ「ロット管理」という名前でも、製品や見積もりによって、含まれる範囲が違います。金額は、範囲がそろってから比べるものなので、この記事では書きません。比べる項目は、次の表のとおりです。

見積もりを同じ条件で比べるための項目(当社の整理。金額は書かない)
比べる点見積もりの前に聞くこと理由
数え方料金や上限が、品目の数で決まるのか、品目とロットの組み合わせか、利用者の数か同じ品目でも、ロットが増えると数え方によって対象の数が変わる(当社の整理)
入庫の入力ケースのバーコードを読むのか、手で打つのか。打ち間違いを確かめる画面があるか入庫の入力は、ロットと期限の元になる。スマホで読むか専用の端末にするかは、ハンディターミナルの記事で扱っている
出す順番古い期限から自動で割り当てるか。取引先ごとの条件を設定できるか。割り当てを人が変えられるか公式の説明にあるのは、帳簿上の割り当て。実際に棚から取る順番は、置き方と照合で別に決める(当社の整理)
期限が近い在庫の見せ方何日前から一覧や通知に出るか。設定は品目ごとにできるか期限の近づき方は、品目で違う(当社の整理)
回収のときの検索ロット番号を入れて、出荷先と数量の一覧が出るか。表やCSVで出せるか。記録をどれだけ残せるか指針は、記録の保存期間を、取り扱う品の流通の実態に合わせて決めるとしている
切り替えの日今のExcelにロットごとの数がないとき、切り替えの前にロットごとに数え直すのかロットで分けて持つなら、最初の在庫もロットごとに要る
機能と契約の範囲見たい機能が、どの契約の範囲に入っているか機能ごとに、使える契約が書かれている製品がある

見積もりを頼むときは、自社の出荷の記録から1か月分を渡して、ロットを1つ指定し、出荷先と数量の一覧を出す操作を、実際に見せてもらうと、機能の名前では分からない差が出ます(当社の提案)。同じことは、試す1品目でExcelでも行えるので、比べる物差しをそろえておけます。

試す順番:1品目を1か月、最後に回収の練習をする

いきなり全品目に広げずに、期限違いのロットが同時に残る品目を1つ選んで、1か月、入出庫のログで残します。出庫の行のロット欄が空の数を、週に1回数えます。月末に、ロットを1つ指定して、出荷先と数量の一覧を出す練習をします。出るまでの時間と、抜けていた行の数が、判断の材料です。農林水産省のマニュアルも、食品事故を想定して、実際に追跡・遡及ができるかを訓練するとよい、としています。

試す順番:1品目を1か月、最後に回収の練習

試す期間と品目の数は、当社の整理。練習の考え方は、農林水産省のマニュアルにある

はじめ

品目を1つ選ぶ

  • 期限違いのロットが、同時に残る品目
  • 出荷先が複数ある品目

1か月

入出庫のログで残す

  • ロット・期限・相手先を、毎回書く
  • 出庫の行のロット欄が空の数を、週に1回数える

月末

回収の練習をする

  • ロットを1つ指定して、出荷先と数量の一覧を出す
  • 出るまでの時間と、抜けた行を数える

判断

結果を見て決める

  • 時間と抜けが許せるなら、Excelで続ける
  • 抜けが続くなら、同じ品目・同じ期間で既製品を試す

出典:農林水産省 食品トレーサビリティ 実践的なマニュアル 総論(追跡・遡及ができるかの訓練を勧めている)(2026年10月6日確認)

時間と抜けが許せる範囲なら、Excelのまま続けられます。抜けが続くなら、同じ品目、同じ1か月分のデータで、既製品を試します。そのときの比べ方は、前の節の表のとおりです。既製品で止まった理由が、取引先ごとの納品期限のような自社の決まりにあるなら、開発費用の記事の形ごとの考え方が、作る範囲を決める材料になります。買うか作るかの考え方もあわせて読めます。

この記事で確かめられなかったこと
  • 取引先が求める納品期限やロットの決まり。公式の一次情報は、当社の別の記事に出典を付けて載せていて、この記事では改めて確かめていません。
  • 化粧品の回収のときの記録や届出の決まり。化粧品の表示(製造番号、使用の期限)だけを確かめています。
  • 資材など、食品・化粧品以外の品の記録の決まり。
  • 厚生労働省の記録の指針は、平成15年の通知の文章を読んだものです。当時は食品衛生法の第1条の3に置かれていた規定が、現行の法律では第3条第2項にあることは、条文で確かめましたが、指針が改められているかは確かめていません。
  • 農林水産省のマニュアルは平成26年3月の発行です。
  • 既製品の機能は、1社(zaico)の公式ページの説明だけで確かめました。ほかの製品の機能や、費用は確かめていません。
  • Excelの式は、Microsoftの公式の書き方に沿って書き、LibreOfficeで計算が合うことまで確かめました(COUNTIFSで空欄を指定する書き方は、公式のページに例がありません)。Excelの実機では動かしていません。
  • 出荷の記録の量が、Excelで続けられなくなる件数。公式の資料に線引きは書かれていません。

Aurant Technologiesの受発注・在庫管理システムのページでは、在庫と受発注の仕組みの相談を受けています。ロットと期限の管理を、既製品で足すか、作るかを選ぶ前の整理でも、使っていただけます。

サービス一覧

業務ツール・Microsoft 365/Google Workspace・AI活用・データ基盤・広告運用・会計ソフト・LINE運用・アクセス解析の8領域で、選定から構築・定着まで支援しています。課題に近い領域からご覧ください。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

この記事が役に立ったらシェア:

期限までに対応を決めたい方へ

受発注・在庫管理の移行・切り替えなど、期限のある対応を一緒に整理します。

費用感だけのご相談でも構いません。フォームで相談する