NTTPC の「カスタムクラウド」とオプテージの「ユーティリティ クラウド」が2027年3月31日で終わる|VMware 基盤の業務システムを、どこへ・何から移すか
NTTPC の「カスタムクラウド」とオプテージの「ユーティリティ クラウド」は、どちらも2027年3月31日で提供が終わります。2社の公式のお知らせで確かめられることと、自社が当たるかの確認、移し先の選び方、終了日からの逆算、移す前の書き出しを整理しました。
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この記事の要点
- NTTPC の「カスタムクラウド」(新規販売は2026年3月2日に停止)と、オプテージの「ユーティリティ クラウド」は、どちらも2027年3月31日(水)で提供が終わる。この記事を確認した2026年10月5日から177日後。NTTPC は理由を、Broadcom の VMware 関連ライセンスの改定(2025年11月)としている。オプテージのお知らせに理由は書かれていない。
- 最初にやることは、自社の契約がこの2つのサービスに当たるかを、契約書のサービス名と請求書の品目で確かめること。当たる場合は、移し先を決める期限を、終了日から逆算して置く。当社の整理では、終了の121日前にあたる11月30日(月)を、移し先を決める日にする。
- 移し先は、事業者が提案する移行プラン、別の国内クラウド、パブリッククラウド、オンプレミスの4つ。絞り込みは、業務システムの OS・データベース・ライセンスと、移すための道具が使えるかで決まる。移す前に、構成図・ライセンス・つなぎ先・バックアップを書き出す。
終了日から逆算した、決めることと時期(当社の整理)
該当の確認 → 移し先の決定 → 書き出しと構築 → 切り替え → 予備
日付のうち「2027年3月31日」は両社の公式のお知らせ、それ以外の時期の置き方は当社の整理。出典:NTTPC のお知らせ、オプテージのお知らせ(2026年10月5日確認)
NTTPC の「カスタムクラウド」と、オプテージの「ユーティリティ クラウド」は、どちらも2027年3月31日で提供が終わります。2社それぞれのお知らせに、同じ日付が書かれています(2026年10月5日に確認)。この日までに、預けている業務システムを別の場所に移さないと、2027年4月1日からは使えなくなります。確認した日から数えると、177日後です。
案内のメールが届いても、何をいつまでに、どの順番で決めるのかは書かれていません。この記事は、2社のお知らせで確かめられることと、確かめられなかったことを分け、自社が当たるかの確認から、移し先の選び方、終了日からの逆算までを順に書きます。VMware の値上げ後の移行費用や代替基盤は、費用と期間の記事、Azure・AWS・Google Cloud を比べた記事、代替基盤 7 製品の記事、Proxmox VE への移行の記事に書きました。この記事は、事業者の側が終了を決めて「期限が決まった」ときの動き方です。
2社のお知らせ:終了日は同じ、書かれていることは違う
NTTPC のお知らせは2026年3月2日の掲載で、新規販売を同じ日に停止し、サービスの提供を2027年3月31日に終えると書いています。理由は、サービスの基盤にしている Broadcom の VMware 関連ライセンスのプログラムが2025年11月に改定され、2027年4月以降の提供がライセンス規約に抵触するためです。NTTPC は、他の提供方式も検討したが、継続は困難と判断した、と説明しています。終了までは、追加・変更・削除の各メニューを、従来どおり使えます。
2社のお知らせに書かれていること
終了日は同じ。新規販売の停止日と理由は、NTTPC のお知らせにだけ書かれている
NTTPC「カスタムクラウド」
2026年3月2日に掲載
- 新規販売停止:2026年3月2日
- サービス提供終了:2027年3月31日
- 終了までは、追加・変更・削除の各メニューを従来どおり使える
理由:Broadcom の VMware 関連ライセンスプログラムが2025年11月に改定され、2027年4月以降の提供がライセンス規約に抵触するため
案内:終了日までに他サービスへの移行を検討してほしい。NTTPC からも移行プランを提案する
オプテージ「ユーティリティ クラウド」
2026年8月24日に掲載
- サービス提供終了:2027年3月31日(水)
- 2027年4月1日(木)以降は、契約しているすべてのサービス品目・オプション・付帯機能が使えない
理由:お知らせに書かれていない
案内:問い合わせ先として、ビジネスインフォメーションデスクが書かれている。移行先や移行の手順は書かれていない
出典:NTTPC「カスタムクラウド®の新規申込受付終了およびサービス提供終了のお知らせ」、オプテージ「『ユーティリティ クラウド』サービス提供の終了について」(2026年10月5日確認)
オプテージのお知らせは2026年8月24日の掲載で、サービスの提供を2027年3月31日(水)に終えると書いています。2027年4月1日以降は、契約している「すべてのサービス品目、オプション、付帯機能」が使えません。理由と、新規受付を終えた日は書かれていません。後継のサービスや、移行の手順も書かれていません。書かれているのは、問い合わせ先として、ビジネスインフォメーションデスクです。
移す前に、今の仕組みの中身を書き出す進め方は、当社のレガシーシステムの移行のページに載せています。この記事の最後の節も、その考え方に沿っています。
自社が当たるかを確かめる:契約書のサービス名と請求書の品目
案内のメールが届いていても、自社の契約が2つのサービスに当たるのかは、契約書と請求書で確かめます。サービス名は、契約書の表紙や、サービス内容を書いた別紙に書かれています。請求書では、サーバーそのものの品目に加えて、バックアップやネットワークなどの付帯の品目も見ます。オプテージのお知らせは、付帯機能も含めて、すべてが終わると書いています。
自社が当たるかを確かめる問い
サービス名・請求書・案内の3か所で確かめる
契約書や申込書のサービス名に「カスタムクラウド」または「ユーティリティ クラウド」とある
契約書の表紙、サービス内容を書いた別紙
請求書の品目に、同じサービス名のものがある。サーバーのほか、バックアップやネットワークなど、付帯のものも含めて見る
オプテージは、付帯機能も含めてすべてが終わると書いている
両社から、終了や移行の案内が届いている。宛先が、いまの担当者に届いているかも確かめる
案内が前任者宛てのまま止まっていないか
問いの立て方は当社の整理。付帯機能も含めて終わる点の出典:オプテージのお知らせ(2026年10月5日確認)
当たる場合は、事業者の窓口に聞くことを、先に書き出します。聞くことの選び方は当社の整理で、お知らせに書かれていないことを中心にしています。
| 聞くこと | 宛先 | 聞く理由 |
|---|---|---|
| 移行プランの内容と、いつまでに申し込めば終了日に間に合うか | NTTPC の契約窓口(お知らせに問い合わせ先は書かれていないので、契約書にある窓口か担当営業) | NTTPC は、移行プランを提案すると書いている。中身はお知らせにない |
| 移行の支援があるか、ある場合の範囲と時期 | オプテージのビジネスインフォメーションデスク(0120-944-345、受付 9:00〜17:00、土日祝・12/29〜1/3・5/1を除く) | お知らせに、移行先や手順は書かれていない |
| 終了日のあとの、預けているデータの扱い(返却・消去の時期と方法) | 両社の窓口 | 両方のお知らせに、データの扱いは書かれていない |
| 契約の終了の手続きと、終了月の請求 | 両社の窓口 | 提供の終了と、契約の終了の手続きは別かもしれない(当社の整理) |
「他の事業者に預けている仕組みは関係ない」と決める前に、その事業者の基盤が VMware かどうかも聞いておきます。NTTPC の終了の理由は、VMware のライセンスの改定でした。同じ基盤を使う事業者にも、同じことが起きる可能性があります。これは当社の見立てで、公式の文書で確かめたものではありません。
移し先を選ぶ:事業者・国内クラウド・パブリッククラウド・オンプレミスから、業務システムのつくりで絞る
移し先は、事業者の移行プラン、別の国内クラウド、パブリッククラウド、オンプレミスの4つに分けて考えます。どれが合うかは、業務システムのつくりと、期限までの時間で決まります。
移し先の4つの選び方と、それぞれで確かめること
移し先は4つ。どれも、期限に間に合うかを、先に確かめる
選び方 1
事業者の移行プラン
- NTTPC は、他サービスへの移行プランを提案すると書いている
- オプテージのお知らせには、後継サービスや移行プランは書かれていない
確かめること:プランの移し先も VMware 基盤かどうか。移し先の提供期限(当社の整理)
選び方 2
別の国内クラウド
- 同じ種類のサービスに預け直す
- 事業者ごとに、仕様と契約の条件が違う
確かめること:移し先の基盤が VMware かどうか。NTTPC の終了の理由が、同じ基盤の事業者にも起きうるため(当社の整理)
選び方 3
パブリッククラウド(Azure・AWS)
- Azure Migrate は、VMware の VM をエージェントレスまたはエージェントベースで移せる
- AWS の MGN は、物理・仮想・クラウドのサーバーを AWS に移す
確かめること:vCenter などへの接続を、事業者が許すか。許さない場合の方法(下の折りたたみ)
選び方 4
オンプレミス(自社の機器)
- 機器を買い、置き場所と運用を自社で持つ
確かめること:機器の調達から設置までの期間が、終了日に間に合うか(見積りで確かめる。当社の整理)
出典:NTTPC のお知らせ、オプテージのお知らせ、Microsoft Learn「Azure Migrate でのエージェントレスおよびエージェントベースの移行方法」、AWS「What Is AWS Transform MGN?」。「確かめること」は当社の整理(2026年10月5日確認)
パブリッククラウドへ移す場合の道具は、Azure と AWS がそれぞれ用意しています。ただし、預けている環境の管理用の接続が、利用者に開かれているとは限りません。開かれていないときの方法も、公式の文書に書かれています。
Azure と AWS の移行の道具が前提にしていること(公式の記載)
Microsoft Learn のAzure Migrate の移行方法のページは、VMware vSphere の VM は、Azure Migrate アプライアンスによるエージェントレスのレプリケーションを推奨しています。vCenter API へのアクセスが制限されているなど、エージェントレスの前提が満たされない場合は、レプリケーション アプライアンスと、VM ごとのモビリティ サービス エージェントを使うエージェントベースの方法を選ぶ、と書いています。物理サーバーや他のプラットフォームは、エージェントベースです。AWS のMGN のページは、物理・仮想・クラウドのサーバーを、ブロック単位で継続的にレプリケーションして AWS に移す、と書いています。切り替えの単位として、サーバーをアプリケーションに、アプリケーションをウェーブ(波)にまとめられる、とも書かれています。事業者の環境で、これらの前提のどれが満たされるかは、事業者に聞かないと分かりません。
業務システムのつくりは、次の4つの問いで見ます。OS とデータベースの版が期限内か、ライセンスを誰が持っているか、システムの提供元が移し先を認めているか、つなぎ先が今の場所に結びついていないか、です。
業務システムのつくりで、移し先の候補を絞る問い
OS・ライセンス・提供元の対応・つなぎ先の4つ
OS(Windows Server など)やデータベースの版が、いま販売元のサポートの期間内にある
期限の切れた版のままだと、移し先で動く版が限られる
OS やデータベースのライセンスが、自社のものか、事業者のサービスに含まれているものかを、把握している
事業者のサービスに含まれている場合は、移し先で別に用意する
システムの提供元が、移し先の環境での動作を、文書で認めている
業務ソフトの提供元の対応表、保守の窓口
つなぎ先(他システム・拠点・取引先)が、IP アドレスの許可や専用線で、いまの場所に結びついていない
結びついている場合は、移し先でつなぎ直す
問いの立て方は当社の整理。期限のある OS の例は、Windows Server 2016 の記事に書いた(2026年10月5日確認)
費用の見積りは、移し先ごとに、移す作業の費用と、移したあとの毎月の費用を分けて取ります。費用の考え方は、基幹システムの入れ替え費用の記事に書きました。
終了日から逆算する:移し先を決める日を、先に置く
2027年3月31日は水曜日で、日本の多くの会社の年度末と重なります。切り替えの作業を3月に置くと、決算や繁忙期とぶつかります。当社の整理では、3月を予備に空け、2月までに切り替えを終える形で、時期を置きます。置いた日は、事業者が決めたものではありません。
お知らせの掲載の時期は、2社で175日違います。NTTPC のお知らせからは終了日まで394日、オプテージのお知らせからは219日です。確認した今日からは、どちらの契約でも177日で、移し先を決める日からは121日です。
お知らせの掲載日から、終了日までの日数
どの日から数えても、終了日は2027年3月31日。確認日からは177日、移し先を決める日からは121日
日数は、各日から2027年3月31日までを当社が数えた。11月30日は当社の整理で置いた日(2026年10月5日確認)
| 時期 | やること | 置いた理由 |
|---|---|---|
| 2026年10月 | 該当の確認。事業者の窓口への問い合わせ。社内の関係者を集める | 確認日から177日。問い合わせの回答を待つ時間を、先に使う |
| 2026年11月30日(月)まで | 移し先と、移す範囲を決める | 終了の121日前。決めたあとに、書き出し・構築・試験・切り替えの時間を残す |
| 2026年12月〜2027年1月 | 現状の書き出し。移し先の構築。試験 | 年末年始の休みを挟む。事業者の窓口の休みも重なる(オプテージは12/29〜1/3が休み) |
| 2027年2月 | 新旧の結果の突き合わせ。本番の切り替え | 切り替えのあとに、直す時間を残す |
| 2027年3月 | 予備。旧環境からのデータの取り出し | 年度末で、決算や繁忙期と重なる |
| 2027年3月31日(水) | 提供の終了 | 両社のお知らせ |
この表で、いちばん動かしにくいのは、移し先を決める11月30日です。ここまでに必要なのは、事業者の回答、業務システムの提供元の回答、見積りの3つです。回答を待つ時間は、こちらでは縮められません。問い合わせは、10月のうちに出します。
移す前に書き出す:構成図・ライセンス・つなぎ先・バックアップ
移し先を決めたあとで、移す前にやるのは、いまの仕組みの中身を書き出すことです。何が動いているのかが分からないままだと、移し先で何を用意すればよいかも、切り替えの日に何を確かめればよいかも決まりません。
| 書き出すもの | 中身 | 移すときに使う場面 |
|---|---|---|
| 構成図 | 動いているサーバーの一覧、役割、OS と版、つながり方 | 移し先の大きさと方法を決める |
| ライセンス | OS・データベース・業務ソフトの契約者、数、期限。事業者のサービスに含まれているものか | 移し先で買い直すものを決める |
| つなぎ先 | 他システム・拠点・取引先・利用者の接続の方法。IP アドレスの許可、専用線、ドメイン | 切り替えの日に、つなぎ直す先を決める |
| バックアップ | 何を、いつ、どこに取っているか。戻した実績があるか | 旧環境の終了前に、手元に残すものを決める |
| 運用の決まり | 誰が、いつ、何を再起動・更新・監視しているか | 移したあとの運用の担当を決める |
システムを作った会社が、すでにない場合もあります。そのときは、3つの取り方を組み合わせて、台帳を埋めます。
作った会社がいないときの、書き出しの取り方
3つの取り方を組み合わせて、台帳を埋める
取り方 1
事業者から取る
- 契約の控え、構成の一覧、請求書の品目
- サーバーの台数・容量などの契約内容
向く場面:契約の範囲を確かめるとき
取り方 2
動いているものから取る
- サーバーにログインして、OS と版、入っているソフト、動いているサービスを見る
- 設定ファイルや定期実行の設定を見る
向く場面:構成図が残っていないとき
取り方 3
使っている人から聞く
- 業務の流れと、月末・年度末にだけ動く処理
- 他システムとの受け渡しの時刻
向く場面:画面や帳票から、つなぎ先を見つけるとき
取り方の分け方は当社の整理。今の仕組みの中身を書き出す進め方は、当社のページ(レガシーシステムの移行)にまとめた(2026年10月5日確認)
ソースコードしか残っていない場合の読み方は、ソースコードから仕様を起こす記事に書きました。
バックアップは、移し先の準備とは別に、旧環境の終了前に、手元に取っておきます。終了日のあとに、事業者の環境に預けたデータがどう扱われるかは、2社のお知らせに書かれていません。窓口に、返却と消去の時期と方法を、書面で聞いておきます。
この記事で確かめられなかったこと
- オプテージの終了の理由(お知らせに書かれていません)。NTTPC と同じ理由かどうかは、公式の文書からは分かりません。
- NTTPC が提案する移行プランの中身と、申込の期限(お知らせに書かれていません)。
- オプテージの移行の支援の有無(お知らせに、移行先や手順は書かれていません)。
- 終了日のあとの、預けているデータの返却・消去の扱い(両社のお知らせに書かれていません)。
- ほかの事業者のサービスの基盤が VMware かどうか(公式の文書で確かめていません)。
- お知らせに書かれた以外の、この2社のサービスの仕様(読んだのは、この2つのお知らせだけです)。
両社のお知らせが書いているのは、2027年3月31日という日付までです。その日までに何を決めて、どの順に進めるかは、自社の業務システムのつくりで変わります。移す前に、いまの仕組みの中身を書き出して、移すか残すかを決める進め方は、Aurant Technologies のレガシーシステムの移行で扱っています。
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