Amazon広告を在庫の残り日数で強める・弱める|「在庫あり」だけで数え、次の入荷までの日数との差で決める

スポンサープロダクト広告の強さを、在庫の残り日数と次の入荷が在庫ありに入るまでの日数の差で決める進め方です。在庫日数は入荷待ちを足さずに「在庫あり」だけで数え、5行の表に毎朝上から当てます。広告は止めず、変えたら7日は上げません。今朝の判定、入荷後の振り返り、記録表の列とスプレッドシートの数式も載せています。

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在庫が減ってきた商品の広告を、いつ弱めればよいのでしょうか。残りの日数で目安をひとつ決めても、次の入荷がすぐの商品と、まだ先の商品とでは、同じ日数でも意味が違います。セールで売れ行きが上がった週や、入荷が予定より遅れた週は、なおさら決めにくくなります。

この記事では、広告の強さを、在庫の残り日数と、次の入荷が売れる状態になるまでの日数の差で決める進め方を、数え方から記録表まで説明します。差が足りなければ弱め、余っていれば強めてよいとし、広告は止めません。FBA で売り、スポンサープロダクト広告の入札を自分で調整している担当者向けです。

当社は EC の広告運用を支援しています。この記事の画面とデータは説明のために作ったもので、商品・数字は架空です。

弱めるのは、在庫が次の入荷より先に尽きそうな商品だけ

決めたいのは、商品ごとに、明日の広告の強さを上げるか、そのままか、下げるかです。目的は、次の入荷が売れる状態になる前に、広告で在庫を売り切ってしまう日を減らすことです。

在庫が0になった商品の広告は、Amazon が止めます。Amazon 広告のガイドによると、スポンサープロダクト広告の商品が在庫切れになると、キャンペーン内で自動的に一時停止されます。困るのは、その手前です。在庫が残っている間に広告で売れ行きを上げ、入荷の前に尽きると、入荷までの日は売る在庫がありません。

在庫が少ないときの広告の扱いは、広告のヘルプにも出てきます。在庫が不十分だと、おすすめ出品に選定されない場合があります。広告対象の商品がおすすめ出品として選定されていないと、ステータスが「配信中」でもインプレッションは0になります。おすすめ出品として表示されない場面については、システムの同期に24〜72時間かかる場合がある、とも書かれています。在庫が0から戻った場面で何時間かかるかは、ヘルプには書かれていません。

比べる相手は、固定の日数ではなく、次の入荷までの日数にします。Amazon も発注推奨で、在庫日数がリードタイムより少ない商品に「在庫が少ない」のアラートを付けています。発注推奨のリードタイムは、出品者の施設から Amazon に納品するまでの週数で、このあと使う入荷までの日数とは数え方が違いますが、考え方は同じです。在庫が10日分あっても、入荷が5日後なら足り、20日後なら足りません。

毎朝そろえる数は、在庫あり・販売数・次の入荷の予定

判断は毎朝、朝の在庫ありと、前の日までの販売数で行います。朝の在庫ありは、前の日の終わりの在庫ありに、その朝に在庫ありに入った入荷を足した数です。在庫ありは、在庫管理・FBA在庫ページの「在庫あり」で、購入者に出荷できる数です。FBA在庫商品レポートでは「販売可能」の列が同じ意味です。ただし在庫管理ページの「販売可能な在庫数」は、FBA納品前受注のヘルプによると輸送中の商品も含みます。名前に「販売可能」とあっても、定義が「購入者に出荷できる数」のものを使います。

入荷待ちの数も見ますが、在庫ありには足しません。FBA在庫の概要では、入荷待ちの内訳は進行中・出荷済み・受領中です。FC に届いた入荷のうち、到着済み・搬入済みのものは「出荷済み」の側に入り、「受領中」は受領予定の数です。受領されると、在庫ありまたはFC移管中に変わります。入荷が届いたかどうかは、この納品のステータスで見ます。日本の画面で到着済み・搬入済みがどう見えるかは、まだ確かめていません。

販売数は、その日の注文の数で、広告経由と広告以外を合わせた数です。ビジネスレポートなど、商品ごとの注文の数が出る画面から取ります。列の名前と、注文の日で数えるか出荷の日で数えるかは、自分の画面で確かめてください。広告のレポートの数は使いません。統合レポートのコンバージョンは、注文の日ではなく、広告に触れた日(トラフィックの日付)で計上されるからです。

入荷については、次の入荷予定日と、届いてから在庫ありに入るまでの受領の日数、発注してから在庫ありに入るまでの補充のリードタイムを持っておきます。受領の日数は、自分の過去の入荷から決めます。ほかに、自分で入れるセールの期間と、入札を変えた日、変える前と後の強さも書いておきます。

始める日には、その前の記録を、直近28日分ほど入れておきます。直近7日の販売数を出すには「数えてよい日」が7日要ります。在庫が0だった日と、在庫が戻って3日の間は数えないので、在庫切れがあった商品ほど前まで遡ります。始める朝の入札は「ふつう」として始めます。

在庫日数は「在庫あり」だけで数え、入荷までの日数を引く

在庫日数は、朝の在庫あり ÷ 直近7日の日ごとの販売数で出します。直近7日には、在庫が0だった日を入れません。売る在庫が無い日の販売数で割ると、在庫日数が長く出るからです。在庫が0から戻って3日の間も、この記事の表では入れません。広告の表示が戻りきらないかもしれない日として、当社が決めた扱いです。

入荷までの日数は、(次の入荷予定日 − 今日)+ 受領の日数です。入荷が届いていれば、予定日を過ぎていても数え、1日より短くはしません。予定日を過ぎても届かない入荷は数えず、補充のリードタイムを使います。入荷の予定が無いときも同じです。

差は、在庫日数 − 入荷までの日数です。0より下なら、今の売れ方のままでは、次の入荷が在庫ありに入る前に尽きる見込みです。差は、0日と14日の2つの区切りで3つに分けて見ます。

ここからの数字は、説明用に作った4商品・90日(7月20日〜10月17日)のデータでの値です。まず、保冷バッグの広告を何も変えなかった場合を、この数え方で見ます。保冷バッグは在庫ありが少ない一方で、入荷待ちが1,800個ありました。初日の朝は、在庫日数が28.9日、入荷までの日数が35日で、差は−6.1日です。

在庫日数入荷までの日数差が0より下差が0〜14日差が14日以上在庫0・戻りの3日04080120日8/24 在庫ありに入荷10/11 在庫ありに入荷8/17 の終わりに在庫ありが07/208/19/110/1130日より上は上端に寄せた架空のデータ
保冷バッグの広告を何も変えなかった場合の在庫日数(実線)と入荷までの日数(点線)。背景は毎朝の差を0日・14日の区切りで色分けした

差は初日から在庫ありが尽きるまで、−8.4〜−5.3日の間で、ずっと0より下でした。そのまま売れて8月17日の終わりに在庫ありが0になり、入荷が在庫ありに入る8月24日までの6日、在庫切れになりました。差が0より下のまま続く商品は、次の入荷の前に尽きる側にいる、ということです。

同じ保冷バッグで、在庫日数に入荷待ちを足すと、見え方が変わります。入荷待ちは在庫ありに入るまで売れないので、この記事では足しません。

保冷バッグの在庫日数を在庫ありだけで数えた線と入荷待ちを足した線、4商品で数え方を変えたときの表の画面
上は、保冷バッグを在庫ありだけで数えた線(黒)と入荷待ちを足した線(橙)。下の表の「区切りの違う側に入る日」は、2つの数え方で、差が0日・14日の区切りの違う側に入った日数。右の列は、それぞれの数え方で毎朝表を当てた場合の在庫切れの日数

入荷待ちを足すと、足した分だけ在庫日数は長く出ます。保冷バッグでは、入荷待ちがある日の中央値で88.7日長く出て、差が14日以上の日は90日のうち55日から90日に増えました。足した数え方のまま毎朝判断すると、初日から広告を強める側の判断になり、在庫切れは0日から9日になりました。

入荷待ちが届く前に売れる場合もあります。FBA納品前受注では、すぐ補充されると Amazon が予測した商品は、届く前から購入できることがあります。ただし対象になるかは Amazon が決め、ASIN や納品ごとには有効・無効を選べません。この記事では当てにせず、在庫ありだけで数えます。

セラーセントラルにも在庫日数は出ますが、そのままは使いません。発注推奨の在庫日数は、需要予測に基づいた、在庫がなくなるまでの推定日数です。需要予測のヘルプには、今後の広告キャンペーンは考慮されていない場合があるとあります。広告を強めた商品ほど、予測の前提から外れうるということです。FBA在庫ページの過去在庫日数は、親商品の単位で、毎週の更新です。毎朝、商品ごとに決めるには、自分で出した在庫日数を使います。

割る日数を直近30日にすると、売れ行きの変化に遅れます。ステンレスの水筒 500ml のセールの2日目から最終日までの6日間は、6日とも30日で割った在庫日数のほうが長く出ました。セールのあとに在庫が尽きた場合は、在庫が戻ったあとの数日、逆に7日で割ったほうが短く出た日もあります。7日がいつも今に近いとは言い切れませんが、この記事では直近7日で割ります。

差を0日・14日で区切り、5行の表に毎朝上から当てる

広告の強さは、入札の水準を4つの段に分けて持ちます。強め・ふつう・弱め・弱め2(弱めの2段目)です。毎朝、商品ごとに差を出したら、次の表に上の行から当て、最初に当たった1行で決めます。

行当たる条件処置処置のあと
1朝の在庫ありが0、または在庫が0から戻って3日以内変えない(いまの強さのまま)その3日の販売数は直近7日に入れない
2弱めて7日たっても、差が0より下もう1段弱める(弱め → 弱め2)弱めは2段まで。止めない
3差が0より下弱める(強め・ふつう → 弱め)7日見て、まだ0より下なら2行目
4差が0〜14日そのまま(いまの強さを変えない)翌朝また上から当てる
5差が14日以上強める(1段上げる:弱め2 → 弱め → ふつう → 強め)次の1段は、最後に変えた日から7日たってから

1行目をいちばん上に置くのは、朝の在庫ありが0だと在庫日数が0になり、差は0より下に出て、3行目が先に当たってしまうからです。

5行目で上げない日は、最後に変えた日から7日たっていない日と、自分で入れるセールの前7日とセール中です。セールで販売数が上がると、差はすぐ縮みます。日ごとの売れ方の揺れを変えて作り直したデータ(あとの節で説明します)のうち1通りで、セールの初日に上げて3日後に戻す動きが出ました。そのため、セールの前7日とセール中は上げないことにしました。

弱めるのは、手で入札を下げて行います。予算ルールは1日の予算を自動的に増額するルールで、入札額の調整も入札額を引き上げる仕組みです。どちらもヘルプに挙がっている条件の中に、在庫は見当たりません。

毎朝は、商品を並べて1行ずつ当てます。8月26日の朝、4商品に当てたのが次の画面です。

8月26日の朝に、4商品の在庫あり・直近7日の日ごとの販売数・在庫日数・入荷までの日数・差・当たる行・処置・最後に変えた日を並べた画面
8月26日の朝の4商品。差の色は0日・14日の区切り。「最後に変えた日」は、変えたら7日待つ決まりの数え始め

ステンレスの水筒 500ml は差が+7.0日で4行目に当たり、弱めのまま変えません。保冷バッグは差が+64.8日で5行目の条件ですが、8月24日に変えてから7日たっていないので上げません。水筒 1リットルは、もう強めです。替えのパッキンは3行目に当たり、ふつうから弱めに下げます。この朝のパッキンのことは、あとの節で見ます。処置が「そのまま」でも、理由は商品ごとに違います。

同じ表を保冷バッグに90日当てると、初日に3行目で弱め、7日後もまだ0より下なので2行目で弱め2に下げました。入荷が8月24日に在庫ありに入ると差は+79.1日まで開き、そこから7日ごとに1段ずつ戻して、9月7日に強めにしました。何も変えなかった場合と違い、入荷まで在庫ありは尽きていません。

在庫が足りなくても、広告は止めずに弱めの2段目までにする

この表には、止める行を置いていません。止めると、広告で増えていた分の販売が止まり、その分が入荷の日の朝に在庫ありとして残ります。どれだけ増えていたかは、止めて比べないと分かりません。広告を経た注文の中には、広告が無くても買われていた注文もあるからです。比べ方の考え方は、広告で増えた売上を確かめる方法の記事(Google 広告と Meta の例)が参考になります。

止めると販売数が落ちるので、そのぶん差は0の側に戻ります。差だけを見て再開すると、また止めることになります。この例で試した再開の決め方では、止めて再開してまた止める繰り返しが起きたので、比べた止める表は入荷まで止めたままにしました。もしキャンペーンを止めるなら「一時停止」にします。キャンペーンの編集のヘルプのとおり、「非表示」にしたキャンペーンは有効にも一時停止にも戻せません。

比べた止める表は、差が−7日より下になるか、弱めて7日たっても差が0より下なら止め、入荷が在庫ありに入る日まで止めたままにする表です。この記事の表との違いは2つあります。1つは止めるときで、差が−7日より下の朝(この記事の表では3行目で弱める)と、弱めて7日たっても0より下の朝(2行目で弱め2に下げる)に止めます。もう1つは再開で、入荷が在庫ありに入った日に差を出し直し、弱めかふつうで再開します。この記事の表は、入荷のあとも1段ずつ戻します。日ごとの売れ方の揺れだけを変えて200通り作り直し、中央値で並べました。

比べるのは、在庫切れの日数、止めた日数、尽きていた入荷の日の朝の残りの3つです。尽きていた入荷の日の朝の残りは、何も変えなければ入荷の前に在庫が尽きていた入荷について、その入荷の日の朝に残っていた在庫ありの数です。

保冷バッグで、何もしない場合・止める表・止めない表の広告の強さを日ごとに並べた帯と、在庫切れの日数・止めた日数・尽きていた入荷の日の朝の残りの表の画面
保冷バッグ。帯はこの例の1通りで、白い枠が止めた日(弱めて7日たっても差が0より下だったので止まった)。表は200通りの中央値

保冷バッグでは、止める表の在庫切れは0日でしたが、止めた日数は28日、尽きていた入荷の日の朝の残りは170個でした。止めない表でも在庫切れは0日で、残りは42個です。ステンレスの水筒 500ml でも、止める表は14日止まり、残りは96個(止めない表は16個)でした。残った在庫は入荷のあとに売れるので、在庫そのものが無くなるわけではありません。払うのは、止めている間に広告で増えていたかもしれない分です。

強さを変えたら、7日は上げない

強めると販売数が上がり、差が縮みます。ステンレスの水筒 500ml を初日に強めにすると、7日後の直近7日の日ごとの販売数は、何も変えなかった場合より2.0個多くなりました。在庫日数は2.6日短くなっています。言いたいのは数字の大きさではなく、強めると差が縮み、翌日の判定が変わりうるという仕組みのほうです。

ステンレスの水筒 500ml の在庫日数と入荷までの日数、表で決めた広告の強さ、朝の在庫あり、変えた日の表を並べた画面
ステンレスの水筒 500ml に表を当てた90日。初日に5行目で強め、差が0を下回った8月13日に3行目で弱め、セール中の9月4日に2行目で弱め2へ下げた。薄い橙は、何も変えなかった場合に在庫が切れていた期間

区切りのそばで、毎朝その日の差に合う強さへ置き直すと、強めた翌日に差が縮んで「ふつう」に戻り、また強める、を繰り返します。

替えのパッキンで、毎朝置き直した場合と表を当てた場合の広告の強さを並べた帯と、4商品の変えた回数の表の画面
替えのパッキン。毎朝置き直すと90日で10回変わり、表は5回だった

そこで表には、行き来を防ぐ決まりを3つ入れています。4行目を「いまの強さを変えない」にすること。上げるのは、最後に変えた日から7日たってから1段ずつにすること。弱め2へ下げるのも、弱めて7日たってからにすることです。7日待つのは、変えたあとの販売数が直近7日に入りきるのを待つためです。

この決まりにすると、4商品とも、3日以内に元の強さへ戻ったことは0回でした。200通りでも0回で、毎朝置き直す場合は最大11回でした。弱めて7日たった朝に見るのは差で、まだ0より下なら2行目で弱め2に下げます。

入荷の遅れが予定日を過ぎてから分かると、弱めても間に合わない

替えのパッキンは、最初の入荷が8月25日の予定でした。予定日を過ぎても届かず、翌朝の8月26日は入荷を数えずに、補充のリードタイム30日と比べます。在庫日数は9.8日で、差は−20.2日でした。8月26日の朝の画面で3行目に当たっていたのは、この朝です。

在庫日数入荷までの日数差が0より下差が0〜14日差が14日以上在庫0・戻りの3日0204060日9/8 在庫ありに入荷10/10 在庫ありに入荷8/25 最初の予定日8/30 予定日を9/6に直す7/208/19/110/1広告の強さ(表で決めた強さの段)7/20 ふつう8/26 弱め9/2 弱め29/11 弱め9/18 ふつう9/25 強め強めふつう弱め弱め2広告が出ていない日60日より上は上端に寄せた架空のデータ
替えのパッキンに表を当てた場合。8月30日に遅れが分かって予定日を直し、9月8日に在庫ありに入った。斜線は在庫が0の日と、戻ってから3日

表は8月26日に3行目で弱め、9月2日に2行目で弱め2まで下げましたが、在庫ありは9月4日の終わりに尽き、在庫切れは3日でした。何も変えなかった場合は4日です。弱めて減るのは広告経由の販売数だけで、広告以外の注文は続きます。在庫ありを広告以外の販売数で割っても入荷に届かないほど足りないと、弱めても尽きます。

替えのパッキンで、何もしない場合・止める表・止めない表の広告の強さを日ごとに並べた帯と、在庫切れの日数・止めた日数・尽きていた入荷の日の朝の残りの表の画面
替えのパッキン。止める表は、差が−7日より下だったので8月26日から止まり、入荷の9月8日まで止めたままだった(白い枠)。表は200通りの中央値

止める表は、差が−7日より下だったこの朝に、弱めずに止めました。そのため、200通りの中央値で在庫切れは1日でしたが、止めた日数は13日でした。このとき表の側でできるのは、遅れを早く知ることです。予定日の前後に納品のステータスを見ます。到着済み・搬入済み・受領中のどれにもならない入荷は到着の見込みを確かめ、分かった日に予定日を直してメモに書きます。在庫をほかから取り寄せる、別の販路に回す、といった在庫の側の手は、この記事では扱いません(「この記事で扱っていないこと」の節にまとめています)。

入荷を1回終えたら、その間を1行にして振り返る

区切りの0日・14日や、弱める幅が自分の商品に合っているかは、入荷が1回終わるごとに見ます。前の入荷が在庫ありに入った日から、次の入荷が在庫ありに入る前の日までを1行にまとめます。入荷の日の朝の残りは、その入荷が在庫ありに入った日の朝、入荷の分を足す前に残っていた在庫ありです。商品をまたいで比べるため、その朝の直近7日の日ごとの販売数で割った「日分」でも見ます。

4商品で、入荷と入荷の間ごとに、弱めた日数・強めた日数・在庫切れの日数・入荷の日の朝の残りと日分・入荷の予定と実際のずれ・当たる見方を並べた振り返りの画面
表を当てた4商品の振り返り。各商品の最初の行は、データの始まり(7月20日)からで、入荷の間隔より期間が短いことがあるので、見方は参考にとどめる。ずれは、最初の入荷予定日から実際に届いた日までの日数

見方は次の6つで、上から当て、最初に当たった1つで決めます。14日は、自分の14日の区切りの値に読み替えます。どこまで動かすかは、自分の商品で1回ずつ見て決めます。

  1. 入荷の予定と実際のずれがある → 先に入荷までの日数の見込みを直す。届くのが遅れたなら、予定日の前後に納品のステータスを見て、遅れが分かった日に予定日を直す。届いてから受領に時間がかかったなら、受領の日数を長めにする。ずれが原因の在庫切れは、区切りを動かしても防ぎにくい
  2. 在庫切れの日数が1日以上 → 弱めるのが遅いか、幅が足りない。0日の区切りを上げるか、弱めの下げ幅を大きくする
  3. 入荷の日の朝の残りが14日分より少ない → 入荷までにほぼ売れている。変えない
  4. 残りが14日分以上で、弱めた日数が強めた日数より長い → 弱めすぎ。0日の区切りを下げるか、弱めの下げ幅を小さくする
  5. 残りが14日分以上で、期間の半分以上を強めていた → 強めても売り切れない量・時期の入荷。区切りではなく、入荷の量と時期の話(この記事では扱わない)
  6. 残りが14日分以上で、強めた日数が期間の半分に届かない → 在庫の面では強めてよかった。14日の区切りを下げる

この例の7回の入荷は、見方1が1回、3が3回、5が3回に当たりました。替えのパッキンの最初の期間は、12日のずれがあったので見方1です。在庫切れも3日ありましたが、区切りより先に入荷の見込みを直します。保冷バッグの1回目は、残りが20個(1.3日分)で見方3に当たり、変えません。2回目は残りが882個(44.7日分)で、48日のうち34日を強めていたので見方5です。区切りではなく、入荷の量と時期を見直す話になります。1回の入荷で動かすのは1か所だけにして、次の入荷のあとにまた見ます。

記録表の列と、スプレッドシートの数式

記録表は、1行を1商品の1日として、毎朝1行ずつ足します。スプレッドシートで計算するときは、1つのシートに1商品を日付の古い順に並べ、入力の列を次の順に置きます。中身は、上で説明した数です。

列見出し
A日付
B朝の在庫あり
C日の終わりの在庫あり
D販売数(注文の数)
E今日在庫ありに入った数
F次の入荷予定日
G次の入荷は届いたか
H受領の日数
I補充のリードタイム
Jセールの前7日・セール中

ほかに、入荷待ちの内訳(進行中・出荷済み・受領中)、次の入荷の数量、広告費、メモの列も置いておくと、振り返りに使えます。メモには、遅れが分かった日や、予定日を直した理由を書きます。

計算する列の数式は次のとおりです。3行目(2日目)の式で、下の行へそのままコピーします。

K 在庫0から戻った日: =IF($A3="","",IF(AND(C2=0,B3>0),1,0))
L 戻りの3日: =IF($A3="","",IF(SUM(K1:K3)>0,1,0))
M 数えてよい日: =IF($A3="","",IF(AND(B3>0,C3>0,L3=0),1,0))
N 数えてよい日の通し番号: =IF($A3="","",N2+M3)
O 直近7日の日ごとの販売数: =IF($A3="","",IF(N2<7,"",IFERROR(AVERAGEIFS(D$2:D2,M$2:M2,1,N$2:N2,">"&(N2-7)),"")))
P 在庫日数: =IF($A3="","",IF(OR(O3="",O3=0),"",B3/O3))
Q 入荷までの日数: =IF($A3="","",IF(F3="",I3,IF(G3=1,MAX(F3+H3-A3,1),IF(F3>=A3,F3-A3+H3,I3))))
R 差: =IF($A3="","",IF(P3="","",P3-Q3))
S 今の強さ(朝): =IF($A3="","",U2)
T 最後に変えた日(朝): =IF($A3="","",V2)
U 今日の強さ: =IF($A3="","",IF(R3="",S3,IF(OR(B3=0,L3=1),S3,IF(R3<0,IF(AND(S3="弱め",A3-T3>=7),"弱め2",IF(OR(S3="強め",S3="ふつう"),"弱め",S3)),IF(R3<14,S3,IF(OR(J3=1,A3-T3<7),S3,IF(S3="弱め2","弱め",IF(S3="弱め","ふつう","強め"))))))))
V 最後に変えた日: =IF($A3="","",IF(U3<>S3,A3,T3))
W 当たった行: =IF($A3="","",IF(R3="","—",IF(OR(B3=0,L3=1),"1",IF(R3<0,IF(AND(S3="弱め",A3-T3>=7),"2",IF(OR(S3="強め",S3="ふつう"),"3","3(待つ)")),IF(R3<14,"4","5")))))
X 入札の変更(記録): =IF($A3="","",IF(U3<>S3,S3&" → "&U3,""))

2行目(記録のいちばん古い日)だけは、K2・L2 に0、N2 に =M2 を入れ、O2 は空、S2 は「ふつう」、T2 は1900/1/1 にします。A・F・T・V の列は日付の形式にします。O 列は、数えてよい日が7日たまるまで空で、その間は強さが変わりません。区切りの0・14と7は数式の中に直接書いているので、変えるときは U と W の数字を直します。

8月26日の朝の画面のように商品を並べて見るときは、商品ごとのシートから、その朝の行だけを1枚の表に集めます。集め方は、使う表計算ソフトの機能に合わせて決めてください。

この数式は、同じ式を入れたスプレッドシートを LibreOffice で再計算して確かめました。3行目の式を下へコピーした式とも1字ずつ同じで、4商品の90日すべてで、在庫日数・入荷までの日数・差・強さ・当たった行が一致しています。Excel と Google スプレッドシートでは、まだ実行していません。

この記事で扱っていないことと、図の作り方

5行目で強めてよいとなっても、強めて利益が残るかは、この表では答えません。商品ごとに、ACOS と損益分岐の線で広告を続けるか決める記事の進め方で確かめてください。検索語ごとに広告を絞る進め方は、統合レポートの検索用語で除外キーワードを決める記事にあります。

ほかに、次の入荷が少なくて次の次まで持たない場合と、1つの ASIN に SKU が複数ある場合は扱っていません。入荷の量と時期の決め方、在庫をほかから取り寄せる・別の販路に回すといった在庫の側の手、スポンサーブランド広告とディスプレイ広告も扱っていません。スポンサーブランド広告は、上の広告のヘルプで、広告対象商品が購入可能である限り配信が続くとされています。

記事の図と画面は、4商品について日ごとの在庫・販売数・広告費・入荷を作り、毎朝この表を当てる計算をして描いたものです。強さの段は、ふつうを1として、強め1.3倍・弱め0.6倍・弱め2は0.3倍の入札で作りました。強めたときの販売数の増え方や入荷の日付も作った値なので、強めた7日後の差や在庫切れの日数などの大きさは、この例の中でしか言えません。在庫切れが検索の順位に与える影響は入れていません。

明日の朝は、入荷待ちのある商品の差を出すところから

入荷待ちのある商品を1つ選び、直近28日分の在庫ありと販売数を記録表に入れて、今朝の在庫日数と入荷までの日数を出します。差が0より下なら入札を弱めの水準へ下げ、変えた日を書いて、7日後の朝に同じ商品の差を見ます。その商品の入荷が在庫ありに入った日に、それまでの日々を1行にまとめて振り返ります。

在庫と注文と広告の数字を毎朝1枚の表に集め、今朝の判定まで出す仕組みは、当社のアクセス解析・マーケティングデータ支援で一緒に作れます。

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上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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