広告のバナー・動画の制作を外に頼む前に|何枚・何本、誰が直すか、勝った素材の引き継ぎまでを決める
広告のバナー・動画の制作を外注する前に、見積もりの「1本」の中身、直しの回数と最終確認する人、素材の権利と元データの渡し方、勝った素材の記録を決めておく手順を、公正取引委員会・中小企業庁、文化庁、各媒体の公式資料で確かめて整理しました。
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この記事の要点
- 見積もりが「1本いくら」で届いたら、その1本に何が入っているかを、新規制作・サイズ展開・文言違い・動画の編集のみに分けて聞く。必要な比率は媒体で違い、Googleは横1.91:1とスクエア1:1の画像が必須、Metaのフィードは4:5・ストーリーズとリールは9:16を推奨、LINEは1200×628と1080×1080の画像などを入稿規定に置いている。
- 直しは、回数・期限・最終確認する人を先に決める。公正取引委員会と中小企業庁の広告業の調査(2026年6月29日)は、無償で複数回の修正をさせた例を指導し、「修正は○回まで、超えたら別途協議」と決める書き方を例に挙げている。制作を頼んだだけでは、著作権は依頼した側に移らない(文化庁)。
- 勝った素材は、名前・配信期間・成果の数え方・元データの場所を残す。フォントと音源は、書き出した画像・動画を受け取るだけなら足りても、編集できる元データを受け取るなら、受け取る側のライセンスが要る場合がある。
契約の前に、書面にしておく5つ
「1本いくら」の見積もりを、この5つで開いて比べる(当社の整理)
各項目の根拠は、本文の各節の出典。5つに分ける整理そのものは当社のもの(2026年10月6日確認)
広告のバナーや動画の制作を外に頼むとき、見積もりが「1本いくら」で届いたら、先に聞くことは、その1本に何が入っているかです。新規に作る1本なのか、比率を変えて作り直す分なのか、文言だけ変える分なのか、既存の映像を編集するだけなのかで、同じ「1本」でも中身が違います。
本数のほかに、契約の前に書面にしておくことが4つあります。直しの回数と期限、素材の権利、編集できる元データの渡し方、勝った素材の記録です。この記事は、Google・Meta・LINEの広告を自社または代理店と運用していて、制作を外に出したい会社の担当者向けに、この5つを公式の資料で確かめたことと、当社の整理に分けて書きます。
制作会社の比較や、金額の水準は扱いません。確認日は2026年10月6日です。
見積もりの「1本」は、何が入っているかを分けて聞く
見積もりを比べにくいのは、「1本」に入る作業の幅が広いからです。当社は、次の4つに分けて聞くことを勧めます(当社の整理)。
「1本」に入っているかもしれない4つの作業
見積もりの「1本」を、この4つのどれで数えているかを聞く(当社の整理)
単位 1
新規制作
- 企画・構図・コピーから作る1本
- 撮影や素材の手配を含むかを聞く
書いてもらう:何を元に、誰が素材を出すか
単位 2
サイズ展開
- 比率を変えて作り直す(1:1、4:5、9:16、1.91:1 など)
- 文字の配置を組み直す作業が入る
書いてもらう:比率ごとの枚数・本数
単位 3
文言違い
- コピーだけを差し替える
- 媒体ごとの文字数の上限に合わせる
書いてもらう:何パターン × 何比率か
単位 4
動画の編集のみ
- 既存の映像から、尺・縦横・字幕を作り替える
- 撮影と企画は含まない
書いてもらう:元の映像と音源を誰が出すか
4つに分ける整理は当社のもの。「サイズ展開」「文言違い」が別の数になる理由は、次の図の媒体の規定(2026年10月6日確認)
サイズ展開が別の数になるのは、媒体ごとに必要な比率が違うからです。Googleのレスポンシブ ディスプレイ広告は、画像アセットのうち、横向き1.91:1(推奨1,200×628ピクセル)とスクエア1:1(推奨600×600ピクセル)が必須で、動画は任意です(仕様のページ)。アップロード型のディスプレイ広告は、300×250や728×90のような寸法ごとに別のファイルで、GIF・JPG・PNGの150KB以下です。Google自身が、アップロード型が最善とは限らず、レスポンシブ ディスプレイ広告を使う手もあると案内しているので、どちらの形式で配信するかで、必要な枚数が変わります。
Metaは配置ごとに比率が違い、Metaのヘルプは、Facebookフィードで4:5、ストーリーズとリールで9:16を推奨しています。LINE広告の入稿規定は、画像が1200×628、1080×1080、600×400(カルーセルは1080×1080のみ)、動画が16:9、1:1、9:16です。
媒体ごとに、必要な比率と文字数が違う
同じ素材を、そのまま3つの媒体に出せるとは限らない
Google 広告
レスポンシブ ディスプレイ広告のアセット
- 画像:横向き1.91:1(推奨1,200×628)とスクエア1:1(推奨600×600)が必須
- 動画(任意):横向き16:9、スクエア1:1、縦向き2:3
- 広告見出しは全角15文字まで、説明文は全角45文字まで
アップロード型の広告:GIF・JPG・PNGで150KB以下。300×250、728×90など寸法ごとに別のファイル
Meta(Facebook・Instagram)
配置ごとに比率が違う
- Facebookフィード:4:5を推奨
- ストーリーズ・リール:9:16を推奨(画像・動画とも)
- 配置ごとに、サイズ違いの素材を入れて使い分けられる
LINE広告
入稿規定(2026年6月30日更新)
- 画像:1200×628、1080×1080、600×400(カルーセルは1080×1080のみ)
- 動画:16:9、1:1、9:16
- タイトルは20文字以内、ディスクリプションは75文字以内
出典:Google 広告ヘルプ(レスポンシブ ディスプレイ広告の仕様)、アップロード型の仕様、Meta 各配置のアスペクト比、LINE広告の入稿規定(2026年10月6日確認)
縦長の動画だけでも、Googleのレスポンシブ ディスプレイ広告の動画アセットは縦向き2:3、Metaのストーリーズ・リールとLINEは9:16と、記載が分かれています。「縦で1本書き出す」を1回と数えてよいかは、見積もりの段階で聞いておく点です。
文言違いも、同じコピーが全部の媒体に入るとは限りません。Googleのレスポンシブ ディスプレイ広告は、広告見出しが全角15文字、説明文が全角45文字まで。LINE広告は、タイトルが20文字以内、ディスクリプションが75文字以内です。文言違いは「作り直し」ではなく、パターン数と比率の数を掛けて数えてもらうほうが、見積もりを比べやすくなります(当社の整理)。
媒体の規定は更新されます。LINE広告の入稿規定は2026年6月30日の更新で、発注の直前に各媒体のページで確かめてください。
直しは、回数・期限・最終確認する人を先に決める
広告の制作は、修正と校正を繰り返して形にしていくので、発注の時点では成果物の中身を決めきれないことが多くあります。公正取引委員会と中小企業庁は2026年6月29日に、広告業の取引について集中調査の結果を公表しました(調査結果)。広告業者(代理店)に71件の指導を行ったとあり、その中に、広告主の意向で発注後に内容が変わる前提なのにそれを伝えず、無償で何度も修正をさせた例と、発注を取り消したのにそれまでにかかった費用を払っていなかった例が入っています。
この調査の対象は、広告業者と広告制作業者の取引で、広告主は直接の契約当事者ではない、という前提です。そのうえで公式は、修正・校正が生じる場合の決め方を2つ示しています。1つは、発注の時点で条件を定めておく方法で、例として受領前の修正・校正の回数を○回までと決めて代金に含め、それを超える場合は別途費用を協議する、という書き方が挙がっています。もう1つは、条件を定めにくいときに、生じた追加費用を十分に協議したうえで別途支払う方法です。
広告主にも、予定にない内容の変更や発注の取消しは、広告業者と制作会社の間で追加費用になり得ると認識し、広告業者に追加費用を支払うなどの対応を取ることが望ましい、と書いています。
広告のバナーや動画を、広告主が制作会社に直接発注する場合に取適法が当たるかは、この記事では判断していません。公式のQ&Aは、自社の宣伝用ホームページの外注について、自社で作る能力がない部分は情報成果物作成委託に当たらないという答えを載せています(取適法のQ&A)。ただ、公式が例に挙げた決め方は、代理店を挟んでも、直接発注しても、書いておく中身として使えます(当社の読み取り)。
直しの流れに、回数と終わりを置く
公式の例の形に、当社が最終確認と納品を足した流れ
「○回」と「別途協議」を、発注の書面に書いておく
出典:公正取引委員会・中小企業庁「広告業における取適法違反被疑事件の集中調査の結果について」(令和8年6月29日)の、修正・校正の回数を定める例。最終確認と納品は当社の整理(2026年10月6日確認)
回数だけを決めても、数え方が違えば揉めます。次の項目を、発注の書面に入れておくと、見積もりを比べるときの空欄が見えます。
| 決めること | 書いておく中身(例) | 根拠 |
|---|---|---|
| 直しの回数 | 受領前の修正は○回までを含め、超えたら別途費用を協議する | 公正取引委員会・中小企業庁が例に挙げた書き方 |
| 1回の数え方 | 指示を1通にまとめて渡した分を1回と数える。分けて渡すと回数が増える | 当社の整理 |
| 修正と変更 | 指示どおりに直すものを「修正」、方針や構成を変えるものを「変更」とし、変更は追加の見積もりにする | 当社の整理 |
| 期限と最終確認 | 依頼から返却までの日数。確認の返答が遅れたときの扱い。承認の権限を持つ人を1人に決める | 当社の整理 |
| 取りやめたとき | 途中で取りやめたら、それまでにかかった費用を支払う | 公正取引委員会・中小企業庁が指導した例(発注の取消し) |
誰が直すかは、納品後の小さな修正、たとえば文言の差し替えや色の調整にも関わります。制作会社に頼むのか、元データを受け取って自社で直すのかで、次の節の元データの渡し方が変わります。
素材の権利と元データは、譲渡か許諾かを先に決める
文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」は、著作物の制作を依頼しても、完成した著作物の著作権を取得したことにはならないので、依頼した側が著作権を取得するには、契約で合意しておく必要がある、と書いています。著作権の全部を譲渡するときは、著作権法第27条と第28条に定める権利(二次的著作物を作る権利と、それを使う権利)も含むと書く必要があり、書かないと、二次的著作物に関する権利は譲渡の対象でないと推定されます。
勝った素材を、あとから比率を変えたり、編集して別の版にしたりして使うなら、この2つの権利が契約に入っているかは見ておく点です(当社の読み取り。契約の文面は専門家に確かめてください)。
著作者人格権は、譲渡できません。著作権を譲渡されても、著作者の了解なく修正することや、他の人に修正を頼むことはできないと、マニュアルは説明しています。自由に使わせる必要がある場合に、人格権を行使しない旨を決める例もありますが、著作者側には不利益が出るため注意が必要とされています。制作会社以外が修正する可能性があるなら、この扱いも書いておく点です。
権利の決め方は、大きく2つ
どちらで契約するかで、あとで素材を編集・転用できる範囲が変わる
買い取る(著作権の譲渡)
契約に書かないと、依頼した側には移らない
- 完成した著作物の著作権は依頼した側のものになる、と合意する
- 全部を譲渡するなら「第27条と第28条に定める権利(二次的著作物を作る権利と使う権利)も含める、と書く。書かないと、二次的著作物に関する権利は譲渡の対象でないと推定される
- 著作者人格権は譲渡できない。自由に修正する必要があるなら、行使しない旨を決める例がある
使う範囲を決めて借りる(利用許諾)
認める使い方・期間・地域を書く
- インターネット配信だけを認める、のように利用方法を書く
- 特定の相手にだけ独占的に認めるなら、その旨を書く
- 認める期間と地域も決める
出典:文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」(令和5年3月)の、著作権契約の留意点と著作者人格権の説明(2026年10月6日確認)
広告業者と制作会社の取引では、知的財産権を譲渡・許諾させる場合に、発注時にその旨を明示し、対価を払うことが求められています。調査結果には、成果物に含まれない権利を無償で譲渡させていた例が、指導の対象として載っています。広告主が直接発注する場合も、何を譲渡や許諾の範囲に入れるかを、先に書いておくことは変わりません。
音源・フォント・生成AIは、素材ごとに条件が違う
制作物に入る素材は、素材ごとに許諾の範囲が違います。音源とフォントと生成AIについて、公式の記載を表に並べます。
| 素材 | 公式が書いていること | 契約の前に決めること |
|---|---|---|
| 音源 | Metaのサウンドコレクションは、Metaの製品で作成・アップロード・配信するコンテンツでだけ使える(それとは別に使えない)。Instagramリール広告は、著作権で保護された音楽を使えず、オリジナル音源やサウンドコレクションなど使用料無料の音楽を使う | 音源の出所と、使える媒体。Metaで使った音入りの動画を、GoogleやLINEの広告に使ってよいか |
| フォント | モリサワ:アウトライン化・画像化したデータやPDFなどの成果物は使える。ただしライセンスのない人に使わせる目的で、アウトライン化したデータを渡すことはできない。Adobe Fonts:PDF・JPEG・PNGなどで渡す場合、顧客に別のライセンスは要らない。顧客が直接デザインを編集してフォントを使うなら、顧客が自分でライセンスを取る | 編集できる元データを受け取るか。受け取るなら、自社がそのフォントのライセンスを持つか、書き出しだけにするか |
| 生成AIで作った部分 | 文化庁:生成した画像などを公表・利用するときは、通常の著作権侵害と同じ基準(既存の著作物との類似性と依拠性)で見る。AI生成物に著作物性があるかは個別の事情で決まる(人が道具として使い、創作意図と創作的寄与があるか) | 生成AIを使うかを事前に申告してもらう。使った工程とツールを記録に残す |
音源は、使えるのが「その媒体の中だけ」という規約があります。Metaのサウンドコレクションの規約は、Metaの製品で作成・アップロード・配信するコンテンツでだけ使えるとし、Instagramリール広告のヘルプは、著作権で保護された音楽を使えないと案内しています。Metaの広告用に音を入れた動画を、そのままGoogleやLINEの広告に回してよいかは、音源の許諾で変わります。BGMの出所と使える媒体を、見積もりの段階で書いてもらうと、後からの差し替えを減らせます。
フォントは、書き出した画像や動画を受け取るだけなら、モリサワもAdobe Fontsも、受け取る側に別のライセンスは要らないとしています。編集できる元データを受け取るなら話が変わり、モリサワは、ライセンスのない人に使わせる目的でアウトライン化したデータを渡すことはできないとし、Adobe Fontsは、顧客が直接編集してフォントを使うなら顧客が自分でライセンスを取る、としています。元データを受け取って自社で直すつもりなら、そのフォントのライセンスを自社が持っているかを、先に確かめる点です。
生成AIで作った部分については、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」の概要が、生成した画像などをSNSなどに公表して使うときは、通常の著作権侵害と同じ基準で、既存の著作物との類似性と依拠性があるかを見る、としています。AI生成物に著作物性があるかは、個別の事情で決まります。制作会社が生成AIを使うかどうかと、使った工程・ツールを、事前に申告してもらい、記録に残しておくと、権利の範囲を話すときの材料になります(当社の整理)。
元データとして、何を受け取るか
「元データを渡してもらう」と書くだけでは、何が渡るかが決まりません。次の4種類に分けて、どれを受け取るかを書いておきます(当社の整理)。
- 編集できるファイル:レイヤーを残した画像、動画の編集プロジェクト。
- 書き出したファイル:実際に入稿した形式のJPG・PNG・MP4など。
- 使った素材の一覧:写真、イラスト、音源、フォントの名前と、出所。
- 文言:入稿したコピーと、文字数を数えた版。
勝った素材は、名前・配信期間・成果の数え方・元データの場所を残す
素材ごとの成績は、広告の管理画面で見られます。Googleは、アセット レポートで、複数の広告やキャンペーンにまたがって特定のアセットの成績を追跡し、比べられると案内しています。Metaの広告名は、レポートに載る広告の名前です。どちらも、名前の付け方が、あとから成績を探せるかを決めます。
勝った素材について、残しておく4つ
名前は広告のレポートに出る。あとから探せるかは、名前の付け方で決まる
記録 1
名前
- 何を変えた版かが、名前で分かるようにする
- 一例:配信開始の年月、訴求、比率、版を並べる(年月_訴求A_1x1_v2 など)
記録 2
配信
- 媒体、広告の種類、配信した期間
- 素材を差し替えた日
記録 3
成果と、その数え方
- 集計した期間と、数えたコンバージョンの種類
- 比べた相手の素材
記録 4
元データの場所と、持ち主
- 編集できるファイルの置き場所
- 使った音源・フォント・写真の出所と、使える範囲
4つに分ける整理は当社のもの。名前の例は書き方の一例で、実際の素材ではない。レポートに名前が出ることの出典:Meta 広告名、Google アセット レポート(2026年10月6日確認)
成果には、集計した期間と、数えたコンバージョンの種類を一緒に残します。期間や数え方が違う2つの素材の数字は、並べても比べられないからです。素材の比べ方そのもの、つまりテストの組み方は、当社の広告クリエイティブのA/Bテストの記事で扱っています。
制作会社には、納品のときに、ファイル名を決めた命名に合わせることと、使った素材の一覧と元データを一緒に渡すことを頼みます。元データを制作会社に預けたままにするなら、預ける期間と費用も決めておきます。公正取引委員会・中小企業庁の調査には、取引が終わった後も、成果物を無償で保管させていた広告業者が、保管費用を定めて払うよう指導された例があります。契約が終わったあとに、元データを受け取れる状態かどうかも、書面にしておく点です。
内製と外注の分け方は、サイズ展開と文言違いの量で考える
大量のサイズ展開や文言違いは内製、世界観のある動画は外注、と割り切れることもありますが、公式がその線を引いているわけではありません。ここでは、問いの形にして置きます(当社の整理)。
内製に寄せるか、外注に寄せるか
問いの立て方は当社の整理。どちらに寄せるべきか、公式が決めているわけではない
作る数のほとんどが、サイズ違いと文言違いか
元になる1本が決まっていて、比率や文字数を変えるだけの作業が多いか
撮影・出演・音など、外部の素材や権利の手配が要るか
要るなら、権利の確認と手配を制作会社に任せる範囲を決める
元データを受け取って、自社で直せる体制があるか
編集するソフトとフォントのライセンスを、自社が持っているか
問いの立て方は当社の整理。比率の数と、素材の権利・フォントの扱いは、本文の各節の出典(2026年10月6日確認)
内製に寄せる場合に、材料になる事実が2つあります。1つは、Googleのレスポンシブ ディスプレイ広告が、広告見出し・説明文・画像・ロゴといったアセットを渡して組み合わせる形(アセットベース広告)であることです。寸法ごとに完成したバナーを作る形ではありませんが、横向きとスクエアの画像は必須です。もう1つは、Metaの配置ごとのカスタマイズです。サイズ違いの素材を、配置に合わせて使い分けられます。
内製で生成AIを使うときの権利の扱いは、上の節に書いたとおりで、公表して使う前に、既存の著作物と似ていないかを見る必要があります。外注するときと同じ項目を、内製のときも自社の記録に残しておくと、あとで困りません。
見積もりを受け取ったら、空欄を数える
金額を比べる前に、見積書と契約書で、次の表の項目が埋まっているかを見ます。空欄が多い見積もりほど、あとから追加の見積もりになりやすい箇所が多い、という見方ができます(当社の読み取り)。
| 項目 | 見積書・契約書で見ること |
|---|---|
| 作業の単位 | 新規制作・サイズ展開・文言違い・編集のみのどれで数えているか。比率ごとの枚数・本数 |
| 直し | 受領前の修正の回数、1回の数え方、修正と変更の区別、超えたときの費用 |
| 期限と承認 | 依頼から返却までの日数、最終確認をする人 |
| 権利 | 譲渡か利用許諾か。譲渡なら第27条・第28条の権利を含むか。許諾なら、媒体・期間・地域・独占か |
| 素材 | 音源・フォント・写真・イラストの出所と、使える媒体 |
| 生成AI | 使うか。使うなら、どの工程でどのツールか |
| 元データ | 編集できるファイルを渡してもらえるか。使った素材の一覧とあわせて受け取るか |
| 保管と引き継ぎ | 元データを制作会社に預けるなら、保管の期間と費用。契約が終わったあとの受け取り方 |
この記事で確かめられなかったこと
- 制作会社の料金の水準。見積もりの中身の比べ方を書いた記事で、金額は載せていません。
- 広告主が制作会社へ直接発注するときに、取適法が当たるか。資本金などの条件と、自社で使う制作物の外注の扱い(公式のQ&Aは自社ホームページの例で別の扱いを示しています)で変わると読めますが、広告のバナーや動画について直接答えている箇所は確かめていません。
- 写真・イラスト・動画素材のサイトの利用条件。サイトごとに違うため、特定のサイトは確かめていません。
- Instagramフィードなど、この記事で挙げていない配置の比率。Metaの比率の一覧は表の読み取りに揺れがあり、確かめられた配置だけを書きました。
- Google・Metaの広告内の生成AIの機能の、日本での提供と条件。
- 個別の契約の法的な判断。契約書の文面は、弁護士など専門家に確かめてください。
- 媒体の規定は更新されます。この記事の数字は確認日の時点のもので、発注の直前に各媒体のページで確かめてください。
制作そのものの依頼は、この記事では扱っていません。素材ごとの成績の見方や、広告アカウント側の確認が必要な場合は、Aurant Technologies の広告運用のページから相談できます。
広告運用支援
Google広告・Meta広告・LINE広告・Yahoo!広告の運用を、GA4やCRMとのデータ連携を土台に立て直します。コンバージョン計測の整備から媒体をまたいだ改善まで、社内で判断できる形で伴走します。
