Microsoft 365 の SMS・音声認証は2027年2月1日に廃止(全体管理者・外部ユーザーは7月1日)|SMS しか使えない社員・共有アカウント・取引先ゲストを数えて、パスキーか Authenticator へ移す

Microsoft 365(Entra ID)の SMS・音声認証は、2027年2月1日に Microsoft 提供分が廃止され、全体管理者と外部ユーザーは7月1日です。SMS しか手段がない社員・スマホを持たない人・共有アカウント・全体管理者・取引先ゲストを数え、パスキーや Authenticator などへ移す手順と、SMS を続ける場合のテレフォニー プロバイダーの条件を、Microsoft の公式情報をもとに整理しました。

この記事をシェア:
目次 クリックで開く

この記事の要点

  1. Microsoft Entra ID は、2026年9月1日からパスキーを既定の方法にし、2027年2月1日に Microsoft 提供の SMS・音声認証を廃止する。全体管理者と外部ユーザーは2027年7月1日で、内部ゲスト ユーザーは2月1日のまま。SMS・音声が唯一の多要素認証の人は、その日以降、サインイン時にパスキーの登録が必須になる(スキップできない)。
  2. 総務が先にやるのは、SMS・音声が有効なユーザーを出し、登録されている方法が電話だけの人を、社員・スマホを持たない人・共有アカウント・全体管理者・ゲストの区分に分けて台帳に書くこと。数え方には、Microsoft 公開のスクリプトと、管理センターのユーザー登録の詳細を使う。
  3. 移し先は、パスキー(同期パスキーか Authenticator のパスキー)が基本。スマホを使えない人は FIDO2 セキュリティ キーかハードウェア OATH トークン。SMS を続ける必要がある人だけ、2026年10月30日から構成できるテレフォニー プロバイダー(有料)を検討する。

SMS・音声認証をめぐる日程(Microsoft Entra ID)

パスキーの既定化は始まっていて、SMS・音声が使えなくなる日は2段に分かれている

2026年9月1日(始まっている)

パスキーが既定の方法になる

  • SMS・音声が有効なユーザーに、パスキーが自動で有効になる
  • MFA でサインインするとき、パスキーの登録を促される

既定では:促しを、何度でも先送りできる

2026年10月30日

テレフォニー プロバイダーを構成できるようになる

  • SMS・音声を続けたい組織が、プロバイダーを自分で選ぶ
  • Soprano と Telesign が最初のプロバイダー

費用:プロバイダーごと。パスキーへの移行に追加の費用はない

2027年2月1日

Microsoft 提供の SMS・音声が廃止

  • 全体管理者と外部ユーザーを除くすべてのユーザー
  • 内部ゲスト ユーザーはこの日付の対象

唯一の MFA が SMS・音声の人:サインイン時にパスキーの登録が必須

2027年7月1日

全体管理者と外部ユーザーが廃止

  • 内部ゲスト ユーザーは含まれず、2月1日のまま

この日以降:唯一の MFA が SMS・音声の人は、パスキーの登録が必須

出典:Microsoft Learn「既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止」「SMS および音声認証用のテレフォニー プロバイダーを選択する」(2026年10月3日確認)

Microsoft 365 で、SMS(ショートメッセージ)や音声通話で届くコードを使って多要素認証(MFA)をしている人は、2027年2月1日から、Microsoft が配信する SMS・音声でサインインできなくなります。全体管理者と外部ユーザーは遅く、2027年7月1日です。ただし、その日にアカウントが使えなくなるのではありません。SMS・音声が唯一の MFA の方法になっている人は、サインインのときにパスキーの登録を求められ、登録を終えるまで先へ進めなくなります。Microsoft Learn の記事の2026年9月23日付の版で確かめました(既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止。2026年10月3日確認)。

日程は2段になっています。2026年9月1日から、パスキーが既定の認証方法になり、SMS・音声を有効にしているユーザーには、MFA でサインインするときにパスキーの登録を促す画面が出ます。既定では、この促しは何度でも先送りできます。2027年2月1日が、SMS・音声そのものが使えなくなる日です。公式ページは、テナントごとに促しがいつ出始めるかには触れていません。

止まるのは、Microsoft が配信する SMS と音声通話です。Authenticator アプリの通知やコード、パスキー、FIDO2 セキュリティ キーは対象ではなく、外部の MFA 方式も影響を受けません。SMS・音声を続けたい組織は、Microsoft Security ストアのテレフォニー プロバイダーと、自分で契約する形になります(SMS と音声の提供終了に関する質問集(Microsoft Learn))。公式の理由は、SMS と音声が、いま使える方法のなかで最も弱いものの1つで、パスキーよりフィッシングやアカウントの乗っ取りに弱い、というものです。

Exchange Online 側の期限は別の話です。メール送信の基本認証(SMTP AUTH)はExchange Online の SMTP AUTH の記事、EWS という古い接続方式はExchange Online の EWS 廃止の記事に書きました。この記事は、人がサインインするときの SMS だけを扱い、「SMS しか手段がない人を数えて、移し先を決める」ところまでを書きます。

対象者の洗い出しだけを先に任せる形でも、Aurant Technologies のMicrosoft 365・Google Workspace活用支援で受けています。

誰に、いつ影響するか:2月1日と7月1日で、対象が分かれる

ユーザーの区分ごとの廃止日(公式の記載どおり)
区分Microsoft 提供の SMS・音声が廃止される日補足
全体管理者2027年7月1日以降、唯一の MFA が SMS・音声なら、サインイン時にパスキーの登録が必須
外部ユーザー2027年7月1日B2B ユーザーのパスキー対応は、2026年末までに提供される予定と書かれている
内部ゲスト ユーザー2027年2月1日7月1日の組には含まれない。パスキー対応は B2B ユーザーと同じく2026年末までの予定
上記以外のすべてのユーザー(社員など)2027年2月1日2026年9月1日から、MFA のサインイン時にパスキーの登録を促される

ゲスト ユーザーの扱いは、読み違えやすい所です。公式ページは「外部ユーザー」と「内部ゲスト ユーザー」を分けて書いていて、内部ゲストは7月1日の組に入らず、2月1日です。Microsoft Learn の B2B ゲストのページでは、内部ゲストを、昔、取引先などに自社で資格情報を作って渡し、ユーザーの種類を「ゲスト」にしたものと説明しています。取引先が自分の組織や外部の ID プロバイダーのアカウントで入ってくる場合は「外部ゲスト」で、廃止のページの「外部ユーザー」がこの区分とどこまで重なるかは、そのページには定義が書かれていません(B2B ゲスト ユーザーのプロパティ)。自社のゲストを、先に種類別に数えておく理由がここにあります。

この日程は、パブリック クラウドのテナントが対象です。Azure AD B2C は対象外で、顧客向けの Microsoft Entra 外部 ID は、来年に別の案内がある、と書かれています。社内の Microsoft 365 を使っている会社は、通常、パブリック クラウドのテナントです。

廃止の日以降のサインイン

アカウントが使えなくなるのではなく、登録の画面が出て先へ進めなくなる

SMS・音声が唯一の MFA 方法

サインイン時にパスキーの登録が必須

  • 登録の画面はスキップできない
  • 登録を済ませるまで、サインインを続けられない
  • オプトアウトの設定はない

例外:テレフォニー プロバイダーを構成して、SMS・音声を続ける組織

すでにパスキー・Windows Hello・FIDO2 などでサインインしている人

引き続き、その方法を使える

  • 公式ページにそう書かれている

ただし:SMS・音声を有効にしたままだと、対象の端末でパスキーの登録を促されることがある

出典:Microsoft Learn「既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止」「SMS と音声の提供終了に関する質問集(Microsoft Learn)」(2026年10月3日確認)

2月1日の動きで押さえることは2つです。1つ目は、オプトアウトの設定がないことです。移行作業のための一時的なオプトアウトは、2026年9月1日から2027年2月1日までの変更に限られ、2月1日以降は、その設定にかかわらず標準の日程が当てはまります。2つ目は、パスキーを登録できない人が、その場で止まることです。スマホを持たない、古い端末で登録が進まない、といった人は、前日までに別の方法を渡しておく必要があります。

数える:SMS しか手段がない人を、区分に分けて台帳に書く

数え方の出発点は、Microsoft が公開している PowerShell スクリプトです。Microsoft Learn は、移行を計画する前に、SMS・音声が有効なユーザーを特定するよう勧めています。実行には、グローバル閲覧者、認証ポリシー管理者、セキュリティ閲覧者のどれかのロールが要ります(Microsoft Learn、GitHub)。これに、管理センターのユーザー登録の詳細を重ねると、「SMS・音声が有効」と「実際に登録されている方法」が一覧で並びます。

対象者を数えて、台帳に結ぶまで

1と2で数え、3と4で「だれに、何を渡せば移せるか」まで書く

1. SMS・音声が有効なユーザーを出すMicrosoft 公開の PowerShell スクリプトを実行する。グローバル閲覧者・認証ポリシー管理者・セキュリティ閲覧者のどれかのロールが要る
2. 登録されている方法を一覧にする管理センターの[認証方法]>[アクティビティ]の、ユーザー登録の詳細。登録されている方法が電話だけの人を拾う
3. 区分に分ける社員、スマホを持たない人、共有アカウント、全体管理者、ゲストに分ける
4. 本人と部署に聞くだれが、どの端末で使っているか、SMS 以外の方法を持っているかを聞いて、台帳に書く

根拠:Microsoft Learn「既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止」「認証方法アクティビティ」、Microsoft 公開のスクリプト(GitHub)。3と4は当社の整理(2026年10月3日確認)

数えるときに見る2つの画面の読み方

スクリプト(Entra SMS/Voice Usage Analyzer)は、SMS・音声が有効になっているユーザーを探します。リポジトリの説明では、認証方法ポリシーの対象範囲、登録キャンペーンの状態、ポリシーの対象者の CSV を出力します。Microsoft Learn は、結果が0でなければ対象の範囲内にいる、としています(GitHub、質問集)。

管理センターの[Entra ID]>[認証方法]>[アクティビティ]の「ユーザー登録の詳細」には、ユーザーごとに、MFA 対応かどうか、パスワードレス対応かどうか、登録されている方法が出ます。方法の欄には、携帯電話、代替携帯電話、会社の電話、Microsoft Authenticator アプリ、FIDO2 セキュリティ キー、ハードウェア OATH トークンなどが並びます。レポートの更新は、ほとんどのユーザーで36時間ごとです。削除されたばかりのアカウントは表示されません。同じページに、使用状況と分析情報には Entra ID P1 または P2 のライセンスが要る、とあります(Microsoft Learn)。

読み違えやすい点が3つあります。1つ目は、スクリプトが出すのは、SMS・音声が有効になっているポリシーの対象者だということです。電話番号を実際に登録して使っている人と、同じとは限りません。2つ目は、登録されている方法が電話と Authenticator の両方の人は、SMS が止まっても、ほかの方法が残るということです。止まる候補は、方法が電話だけの人です(当社の整理)。3つ目は、レポートに最大36時間の遅れがあることです。社員の入れ替わりが多い月は、数え直す日を決めておきます。

数える5つの区分(当社の整理)

期限と移し先が違うので、1つの表に区分の列を付けて数える

区分A

個人のスマホの SMS で MFA している社員

  • 期限は2027年2月1日
  • 数え方:スクリプトの対象者と、登録方法が電話だけの人

移し先の候補:同期パスキーか、Authenticator

区分B

スマホを持たない、使わせない人

  • 期限は区分Aと同じ
  • 数え方:区分Aの人に、スマホでアプリを使えるかを聞く

移し先の候補:FIDO2 セキュリティ キーか、ハードウェア OATH トークン

区分C

共有アカウント

  • 公式ページに、共有アカウントの記載はない
  • 数え方:複数人が同じアカウントで入っているものを、各部署に聞く

先に決めること:個人のアカウントに分けられるか

区分D

全体管理者

  • 期限は2027年7月1日
  • 数え方:管理者ロールの割り当てを見る

移し先の候補:FIDO2 セキュリティ キーか、Authenticator のパスキー

区分E

ゲスト(取引先など)

  • 内部ゲストは2月1日、外部ユーザーは7月1日
  • 数え方:ユーザー一覧をゲストで絞り、ID の列で種類を見る

注意:ゲストのパスキー対応は2026年末までの予定

期限の根拠:Microsoft Learn「既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止」。区分と数え方、移し先の候補は当社の整理(2026年10月3日確認)

台帳には、アカウント、区分、使っている人と部署、登録されている方法、使っている端末、移し先、周知した日、登録が済んだ日、問い合わせの窓口を書きます。これは当社の整理で、公式の書式ではありません。区分Bと区分Cは、数えてみて初めて人数が分かります。移し先の機器を会社で用意する場合は、その台数と調達の時間が、2月1日に間に合うかどうかを左右します。

移し先を選ぶ:パスキーを基本に、スマホを使えない人には別の方法

Microsoft は、可能な限り、すべてのユーザーの移行先をパスキーにするよう勧めています。パスキーは、端末の顔・指紋・PIN でロックを解除して使う、共有する秘密の文字列を持たない認証方法で、フィッシングや SIM スワップに耐えると説明されています(Microsoft Learn)。パスキーとは何かを知りたい場合は、パスキーとパスワードレス認証の記事があります。自社のサービスに入れる側の話です。

移し先の方法と、公式の記載(Microsoft Learn)
移し先の方法要るもの公式が書いていること
同期されたパスキーiCloud キーチェーン、Google パスワード マネージャーなどの資格情報マネージャー端末のロック解除(顔・指紋・PIN)でサインインする。ほとんどのユーザーに、従来の MFA に代わる低コストの方法とされている。構成証明を有効にしたパスキー プロファイルでは使えない
Authenticator アプリのパスキーAndroid か iOS のスマホと、Microsoft Authenticator アプリ端末にバインドされ、作った端末から離れない。追加の費用がかからない。MDM でも、個人の端末の持ち込み(BYOD)でも使える
Authenticator の通知・確認コード同じ(スマホとアプリ)通知で承認するか、確認コード(OATH)を入力する。今回廃止される SMS・音声には入らない
FIDO2 セキュリティ キー物理的なキー(機器の購入)規制の厳しい業種や特権のあるユーザーに推奨されている。機器・トレーニング・ヘルプデスクの費用が増え、紛失するとアカウントの回復が要る
ハードウェア OATH トークン事前に調達するトークン(OATH-TOTP の SHA-1 か SHA-256、30秒か60秒で更新)プレビュー。管理センターではなく Microsoft Graph で管理する。Entra ID P1 または P2 のテナントは CSV で一括アップロードできる。トークンは1人にだけ割り当てる

ほとんどのユーザーには同期されたパスキーが、従来の MFA に代わる便利で低コストの方法とされています。FIDO2 セキュリティ キーは、強く規制された業種や特権のあるユーザーに推奨される一方、機器や教育、ヘルプデスクの費用が増えるとも書かれています。Authenticator のパスキーは、そうしたユーザー集団にとって、もう1つの選択肢です(Microsoft Learn)。Windows の端末では、Windows Hello や、Windows の Entra パスキーも、廃止ページに移し先の例として挙がっています。

移し先を当てはめる順番(当社の整理)

上から順に当てはめる

1. 全体管理者・特権のあるユーザーかそうなら、FIDO2 セキュリティ キーか、Authenticator のパスキーを先に検討する(Learn が特権のあるユーザーに挙げている方法)
2. SMS・音声を続ける決まりがあるか規制や契約で必要な利用者の集団だけ、テレフォニー プロバイダーを検討する
3. スマホでパスキーか Authenticator を使えるか使えるなら、同期パスキーか、Authenticator のパスキー。Authenticator のパスキーは、追加の費用がかからない
4. スマホを使えない、使わせないFIDO2 セキュリティ キーか、ハードウェア OATH トークン(プレビュー)を、会社で用意する

根拠:Microsoft Learn「パスキー (FIDO2) 認証方法」「Microsoft Authenticator の認証方法」「OATH トークンの認証方法」。順番は当社の整理(2026年10月3日確認)

管理者がまとめて進めたい場合は、登録キャンペーンを使います。Microsoft Learn は、ヘルプデスクの負担を増やさずに、ユーザーを大規模に SMS・音声から移す最も効果的な方法としています。

登録キャンペーンの設定手順(管理者)

認証ポリシー管理者として Microsoft Entra 管理センターにサインインし、[Entra ID]>[認証方法]>[登録キャンペーン]を開き、状態を「Microsoft 管理」にして、SMS・音声のユーザーのセキュリティ グループを対象にします。前提は、認証方法として「パスキー (FIDO2)」が有効になっていて、SMS・音声のユーザーがパスキーに対応した認証方法ポリシーに含まれていることです。登録キャンペーンは、2026年9月1日に SMS・音声のユーザーに自動で有効になるので、それより前に、自社が選んだグループで始めることもできます。既定では、ユーザーは促しを何度でも先送りできます(Microsoft Learn)。

周知は、公式が3段で勧めています。SMS・音声が廃止されることと理由、移行先を伝える段、デバイスの種類(Windows Hello、iOS、Android)ごとの登録の手順を示す段、まだ登録していない人にやることを思い出してもらう段です。周知の対象は、SMS・音声のユーザーのセキュリティ グループに絞ると、無関係な人に届きません。メールや Teams に使えるテンプレートも、Microsoft が出しています(Microsoft Learn)。

共有アカウントと取引先ゲスト:公式に書かれていること、書かれていないこと

取引先ゲストには、SharePoint・OneDrive の外部共有が2026年10月中旬から Entra B2B に切り替わる影響もあります。取引先ごとに誰を招くか・期限・リンクの種類を決める手順は「SharePoint・OneDrive の外部共有は Entra B2B に切り替わる(2026年10月中旬から段階的に)」で解説しています。

共有アカウントは、公式ページに記載がありません。パスキーは端末か同期された資格情報の保管場所に結び付き、Authenticator のパスキーは作った端末から離れない、と説明されています(Microsoft Learn、Authenticator)。1つのアカウントを複数の人が1台の電話の SMS で共用している形は、この前提と合いません。ここから先は当社の見立てです。まず、そのアカウントが本当に共有でないと困るかを、部署に聞きます。個人のアカウントに分けられるなら、分けたうえで、それぞれがパスキーか Authenticator を持つ形にします。分けられない場合は、物理的な FIDO2 キーやハードウェア OATH トークンを、誰が保管するかを決めて渡します。ハードウェア OATH トークンは1人にだけ割り当てる仕様なので、共有アカウントに使うときは、アカウントの側に割り当てる形になります。退職や異動のたびに、持ち主を決め直す手順も、台帳に書いておきます。

取引先のゲストは、2つの点で個別に見ます。1つ目は、日程が区分で違うことです。内部ゲストは2月1日、外部ユーザーは7月1日です。2つ目は、パスキーの対応です。B2B ユーザーと内部ゲストのパスキーのサポートは、2026年の年末までに利用できる予定と、質問集に書かれています(質問集)。自社が招待しているゲストのうち、内部ゲストが何人いるかを、ユーザーの一覧で確かめます。Microsoft Learn によると、ユーザーの種類でゲストを絞り、ID の欄が自社のドメインになっているものは、自社の組織で認証されているユーザーです(B2B ゲスト ユーザーのプロパティ)。内部ゲストが多い場合は、2027年2月1日の前に、パスキーが使える状態になっているかを、年末の公式の案内で確かめます。

SMS を続けたい場合:テレフォニー プロバイダーの条件

規制の厳しい業種や、SMS・音声でなければ成り立たない業務がある組織は、Microsoft Security ストアのテレフォニー プロバイダーを選べます。最初のプロバイダーは Soprano と Telesign で、どちらもプライベート プレビューの扱いです。構成の画面は、2026年10月30日以降に使えるようになります。Microsoft Learn は、プロバイダーを選ぶ前に、SMS・音声が必要な利用者の要件を文書にし、パスキーなどのフィッシングに強い方法では足りないことを確かめるよう書いています(Microsoft Learn)。

知っておく条件は5つあります。1つ目は、費用です。料金はプロバイダーと地域で違い、各社のオファーのページに出ます。そのほか、Azure のサブスクリプションに置くルーティング機能に、標準の Azure の従量料金がかかります。パスキーへの移行そのものに、追加の費用はかかりません(テレフォニー プロバイダーの質問集、提供終了の質問集)。2つ目は、構成できる数です。SMS 用と音声用に、1つずつのプロバイダーです。3つ目は、プロバイダーを使っても、SMS をサインインの主な方法として続けることはできないことです。4つ目は、評価モードがあり、利用者の認証の体験を変えずに、要求がプロバイダーに届くかを確かめられることです。5つ目は、責任の分け方です。Microsoft が受けるのは Entra ID とプロバイダーの間の部分で、プロバイダーとの契約、配信の不具合は、組織の側で受けます。

日程の面では、メッセージセンターの MC1426371 が、構成を2027年2月1日の少なくとも4週間前に終えることを推奨しています(公開アーカイブ、2026年9月15日更新)。4週間前は、当社の計算で2027年1月4日ごろです。構成の画面が使えるのは10月30日からなので、検討の時間は、実際には2か月ほどです。社員全員の SMS をこれで続ける形は、特定の利用者の集団のための仕組みという、公式の位置づけとは合いません。

前日までの確認と、問い合わせの受け方

2月1日までの段取り(当社の整理)

日付の根拠は公式。月ごとの割り当ては当社の整理

10月

数える

  • SMS・音声が有効なユーザーを出す
  • 登録方法を一覧にして、台帳を作る

終わりの状態:区分ごとの人数が分かる

11〜12月

移す

  • 社員に周知して、パスキーの登録を進める
  • スマホを使えない人のキーやトークンを用意する

終わりの状態:区分Aの登録が済んでいる

1月初め

残りを決める

  • テレフォニー プロバイダーを使う場合は、構成を1月4日ごろまでに終える
  • 登録が済んでいない人に、個別に連絡する

1月4日の根拠:2月1日の少なくとも4週間前(当社の計算)

2月1日の前日

最終の確認

  • 台帳の未完了が0か
  • 問い合わせの窓口が決まっているか

7月1日の対象:全体管理者と外部ユーザーは、別に日付を持つ

根拠:Microsoft Learn「既定でのパスキーと、Microsoft が提供する SMS および音声認証の廃止」、メッセージセンター MC1426371(公開アーカイブ、2026年9月15日更新)(2026年10月3日確認)

2月1日の朝に最初に来る問い合わせは、サインインの途中でパスキーの登録画面が出て、先へ進めない、というものになる見込みです。窓口には、だれが受けて、本人確認をどう行い、どの管理画面で再登録させるかを、前もって決めておきます。スマホを替えた人、紛失した人の扱いも、同じ手順に入れます。公式のページに窓口の作り方は書かれていないので、この部分は当社の整理です。

段取りは、10月に数え、11〜12月に移し、1月に残りを決める形です。前日までに、協力してくれる社員を1〜2人決めて、パスキーを登録してもらい、通常どおりサインインできるかを試します。区分BとCの人には、渡した機器やトークンで、サインインできるかを確かめます。公式の日程は更新されることがあるので、前日までに Microsoft Learn の日程の表を、もう一度見ます。全体管理者と外部ユーザーは、2027年7月1日の前に、同じ確認をします。

一時的なオプトアウト(2026年9月1日から2027年2月1日までの変更)

自動のパスキー有効化と登録キャンペーンを、移行の作業が終わるまで遅らせる設定です。Microsoft Graph の認証方法ポリシーを更新し、passkeyDynamicMigration を true にします(PATCH https://graph.microsoft.com/beta/policies/authenticationmethodspolicy、本文は {"optOutSettings":{"passkeyDynamicMigration":true}}、権限は Policy.ReadWrite.AuthenticationMethod)。2027年2月1日以降は、この設定にかかわらず、対象のユーザーに標準の移行と適用の日程が当てはまります。SMS・音声の廃止そのものを止める設定ではありません(Microsoft Learn)。

数えたあとの移し先の決め方、機器の手配、周知の段取りまで、Aurant Technologies の移行と設定のスポット相談で一緒に組み立てています。

サービス一覧

業務ツール・Microsoft 365/Google Workspace・AI活用・データ基盤・広告運用・会計ソフト・LINE運用・アクセス解析の8領域で、選定から構築・定着まで支援しています。課題に近い領域からご覧ください。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

この記事が役に立ったらシェア:

期限までに対応を決めたい方へ

システムの移行・切り替えなど、期限のある対応を一緒に整理します。

費用感だけのご相談でも構いません。フォームで相談する