勘定奉行(奉行11)のサポート終了はいつか|購入時期で分かれる2つの期限と止まるもの
勘定奉行11など奉行11シリーズのサポート終了は購入時期で2組に分かれ、2027年4月末か2029年4月末です。その4か月前に更新プログラムが止まります。2つの期限で止まるものと、それぞれの前に済ませることをまとめました。
目次 クリックで開く
この記事の要点
- 奉行11シリーズの期限は購入時期で2組です。2020年3月〜2023年3月末の購入はプログラムメンテナンス終了が2026年12月末、サポート終了が2027年4月末。2023年4月〜2025年3月末の購入は、それぞれ2028年12月末と2029年4月末です。両方の時期の製品を使っていれば、全部が遅いほうの日程になります。
- メンテナンス終了で制度改正に合わせた更新プログラムが止まり、サポート終了で問い合わせを含むすべてのサポートが終わります。奉行J11はサポート終了の後は使えません。
- 帳票の書き出しは、メンテナンス終了と保守契約の満了の、早い方より前に済ませます。まず製品ごとに、購入時期と保守契約の満了月を確かめてください。
2つの期限で止まるもの、止まらないもの
プログラムメンテナンス終了
前期 2026年12月末/後期 2028年12月末
- 制度改正をはじめとした更新プログラムの開発と提供が終わる
- その後の法改正と Windows Update に対応しない
サポート終了
前期 2027年4月末/後期 2029年4月末
- サポートセンターへの問い合わせを含む、すべてのサポートが終わる
- 保守契約(OMSS)は更新できず、残りの期間の保守料は返らない
- 奉行J11(利用料の製品)は使えなくなる
止まらないもの
奉行11・奉行V ERP11
- 期限の後も製品は起動できる
- ただし動作は保証されない
Excel への罫線付き出力・PDF 出力などの Office 連携機能も使えなくなる。どちらの期限で止まるかは、案内に書き分けがない
勘定奉行11をはじめとする奉行11シリーズ(奉行i11・奉行V ERP11・奉行J11 など)のサポート終了は、製品を買った時期で2組に分かれます。2020年3月〜2023年3月末に買った製品は2027年4月末、2023年4月〜2025年3月末に買った製品は2029年4月末です。その4か月前の2026年12月末と2028年12月末には、制度改正に合わせた更新プログラムの提供(プログラムメンテナンス)が先に終わります。OBC は、この日までに奉行クラウドへ切り替えるよう勧めています(OBC「奉行11サポート終了に関するご案内」)。
当社は、会計ソフトをはじめとする基幹システムの移行や、システム同士のデータ連携を手伝っている会社です。この記事は、奉行11シリーズを社内で使う経理・情報システムの方に向けて、2つの期限で何が止まり、どちらまでに何を済ませるかに絞って書きます。ほかの話は別の記事に分けました。移行先ごとに持っていけるデータと切り替える日の決め方は奉行11からクラウド会計への移行に書いています。CSV で仕訳を移す作業は勘定奉行のデータ移行の落とし穴に、勘定奉行クラウドの設定は勘定奉行の初期設定の手順にあります。奉行10以前の製品は扱いません。期限と止まる機能は、2026年10月13日に OBC の公式ページで確かめたものです。
自分の奉行は、前期と後期のどちらの日程か
期限は製品を購入した時期で決まり、対象は奉行11シリーズのすべての製品(オプション製品を含む)です。
| 購入した時期 | プログラムメンテナンス終了 | サポート終了 |
|---|---|---|
| 前期:2020年3月〜2023年3月末 | 2026年12月末 | 2027年4月末 |
| 後期:2023年4月〜2025年3月末 | 2028年12月末 | 2029年4月末 |
前期と後期の製品を両方使っている場合は、前期の製品も含めて、全部が後期の日程になります。たとえば2022年に勘定奉行11を、2024年に給与奉行11を買った会社(この記事で使う架空の例)は、勘定奉行11だけなら前期ですが、2つとも後期の日程です。
どちらの日程になるか
2023年4月〜2025年3月末に買った奉行11の製品が、1つでもあるか
例の会社は、2024年に買った給与奉行11がある
出典:OBC「奉行11サポート終了に関するご案内」。例の会社は説明のための架空の例
購入した時期が手元の書類で分からなければ、販売店か OBC コンタクトセンターに確かめるのが早道です。OBC は、契約中の保守の期限を確かめたうえで、切り替える時期の詳しい提案は OBC コンタクトセンターに問い合わせるよう案内しています。2025年4月以降に買い足した製品は案内の表に入っていないので、日程を販売店に確かめてください。パッケージの奉行i11は、いまは使っている会社向けの製品で、新しく検討する会社には奉行クラウドが案内されています(OBC「奉行i11」)。また、奉行11に対応した奉行クラウドEdge を使っている会社は、奉行クラウドに対応した最新版への切り替えが必要とされています。
先のメンテナンス終了で止まるのは、制度改正への対応
先に来るプログラムメンテナンスの終了で止まるのは、制度改正をはじめとした更新プログラムの開発と提供です。この日の後に制度改正が入れば、奉行11の計算や帳票の様式は改正の前のままになり、Windows Update にも対応しません。問い合わせはサポート終了まで続くので、2つの期限の間の4か月は、問い合わせはできても更新プログラムはもう出ない期間です。OBC が勧めるのは、サポート終了ではなくメンテナンス終了の日までの切り替えです。理由には、プログラムの提供が終わると法改正や Windows Update に対応できなくなることを挙げています。
後のサポート終了で止まるのは、問い合わせと保守契約
サポート終了では、サポートセンターへの問い合わせを含む、すべてのサポートが終わります。OBC は、決算や年末調整の時期にも問い合わせできなくなる、と書いています。保守契約(OMSS)は更新できません。契約の期間が残っていてもサービスは受けられず、残りの保守料も返金されません。
利用料の形で使う奉行J11は、サポート終了の期限を過ぎると使えなくなります。案内は、データを見られるかどうかまでは書いていません。見ることも含めて使えなくなると考えて準備します。
Office 連携の機能は、どちらの期限で止まるか書き分けがない
OBC は、保守契約のサービスとして提供している次の Office 連携の機能も、使えなくなると挙げています。
- 試算表などの各帳票の、Excel への罫線付きの出力
- SharePoint へのアップロード
- 色付きの出力
- Outlook への添付
- PDF 出力
- 送り状データ連携(商奉行11・商蔵奉行11)
- クイック機能
案内はこの一覧を「サポートが終了すると」の下に置き、2つの期限のどちらで止まるかは書き分けていません。挙がっているのも Excel への出力そのものではなく、罫線付きの出力です。ただ OBC は、これらを保守契約(OMSS)のサービスとして提供していると書いています。そこから考えると、保守契約をメンテナンス終了より前に終える会社では、その時点で使えなくなることもありえます。帳票を PDF や罫線付きの Excel で残すなら、メンテナンス終了か保守契約の満了の、早い方の前に済ませるのが安全です。
よくある誤解:起動できるなら、今のまま使い続けられる
OBC の案内には、奉行11と奉行V ERP11は、サポート終了の期限が過ぎても起動できなくなることはない、と書かれています。ただ同じ案内は、OS の更新に対応できずセキュリティなどに問題が出ること、トラブルがあっても動作を保証できないことも挙げています。起動できることは、過去のデータを見る環境として残す理由にはなっても、記帳を続ける理由にはなりません。
また、OBC の移行先は奉行クラウドだけで、奉行11のようにパソコンに入れて使う後継製品は用意されていません。奉行クラウドでは利用料に保守サービスが含まれ、法改正のときのプログラムは自動で更新されます。そのかわり、インターネットにつながる環境が要ります。契約は法人単位です。移せるデータ領域は1契約に1つまでで、移行先のサービスによっては移せるデータに制限があります。給与奉行を使う会社では、源泉徴収票の無償提供のサービスが無くなり、別途有償になる点も変わります。契約は、取引のある奉行販売パートナーに発注します。紹介が要るときは、OBC コンタクトセンターが窓口です。
期限から逆算すると、残りの時間はどれだけあるか
OBC は、奉行クラウドへの移行に検討から完了まで3〜4か月ほどかかるとし、内訳を次のように示しています。
奉行クラウドへの移行にかかる期間(OBC の案内の図から)
1〜2か月
検討・導入準備
- 移行の時期を決める
- 情報を集め、見積もりを取る
- パソコンの環境と移すデータを確かめる
- 社内の申請を準備する
補助金を使う場合:この間に申請する
2日
データ移行
- 奉行クラウドを購入する
- 奉行11のデータを移す
2か月
並行稼働
- 奉行11と並行して動かす
- 移行完了、本稼働
出典:OBC「奉行11サポート終了に関するご案内」(移行スケジュールの図)
前期の製品なら、2026年12月末のメンテナンス終了まで、2026年10月13日の時点で2か月半です。OBC の目安の3〜4か月は取れないので、作業がどこまで収まるかを販売店とすぐに確かめます。後期の製品は2028年12月末まで時間があります。ただ OBC は、終了の直前は申し込みが集まり、十分な支援を受けにくくなる場合がある、と書いています。なお3〜4か月は奉行クラウドへ移す場合の目安で、ほかの会計ソフトへ移す期間を示したものではありません。
利用料は OBC の料金シミュレーションで試算できます(税抜の表示)。データの移行は、動画を見ながら自社で進めることも、有償のオンラインサポートを使うこともできます。デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)を使う場合、OBC は申請の締切から逆算して、2〜3か月前には検討を始めるよう勧めています(OBC「奉行11ユーザー様向け」)。
保守契約の満了月で、切り替える月を選ぶ
切り替える月を決めるもう1つの目安が、保守契約(OMSS)の満了月です。保守契約は1年単位で、途中で解約しても返金されません。そのため OBC は満了に合わせた切り替えを勧め、損が出る例を挙げています。
保守契約の満了月と、切り替える月(OBC の例)
損が出る例
2026年7月に保守契約を更新し、10月に移行する
- 2026年10月〜2027年7月の10か月分の保守料が返らない
損が出ない例
2026年7月で保守契約を終え、8月に移行する
- 保守契約の費用に損が出ない
満了月がメンテナンス終了より後なら、保守料の損を避けるか、更新プログラムが届かない期間を避けるかの兼ね合いになります。勘定奉行11の保守契約で OMSS LLS に入っている会社は、勘定奉行クラウドに切り替えるときの初期費用がかかりません(OBC「勘定奉行クラウド 価格」)。OBC は、決算や年末調整を奉行11と並行して確かめ、新しい年度から奉行クラウドを動かす移し方も挙げています。メンテナンス終了までに移す、保守契約の満了で移す、新しい年度から移す、の3つの比べ方は、奉行11からクラウド会計への移行に書いています。
期限ごとに、その前に済ませておくこと
止まるものが違うので、済ませておくことも期限ごとに分かれます。例の会社なら、上の段が2028年12月末、中の段が2029年4月末です。
期限ごとに、その前に済ませておくこと
移行先に何年分の仕訳を入れ、残りをどの形で残すかをメンテナンス終了の前に決めておくと、書き出す帳票の範囲もそこで決まります。
まず製品ごとに、購入時期と保守契約の満了月を書き出す
社内の奉行11の製品を1つずつ挙げ、いつ買ったか(前期か後期か、2025年4月以降に買い足したものはないか)と、保守契約が何月に満了するかを一覧にしてください。前期の製品しかない会社は、12月末までに移行の作業が収まるかを、販売店と早めに確かめます。OBC は移行を調査票回答・環境チェック・検討・見積り・クラウド移行の5つのステップで進めるとし、まず調査票の回答と環境チェックを求めています。
奉行クラウドとほかのクラウド会計のどちらへ移すか、移した後にほかのシステムとどうつなぐかは、当社の勘定奉行クラウドの導入支援で一緒に整理できます。
期限・止まる機能・移行の目安は、2026年10月13日に OBC と国税庁の公式ページで確かめたものです。日程や条件は変わることがあるので、切り替えの前に OBC の最新の案内を確かめてください。
会計ソフト導入支援
freee・マネーフォワード・勘定奉行・バクラクの選定から、税区分や勘定科目の設計、期首・期中の移行、電子帳簿保存法への対応、周辺システムとの連携までを支援します。
