【マーケティング提案の裏側③】顧客の「不安」と「面倒」をシステムで解消する。フェーズ別UX改善アプローチ

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【マーケティング提案の裏側③】顧客の「不安」と「面倒」をシステムで解消する。フェーズ別UX改善アプローチ

公開日:2026年4月13日 | 対象:マーケター、DX推進責任者、経営企画

第2回では、トップページや記事コンテンツなどの「認知・興味」フェーズにおけるUXの改善アプローチ(ルーティングの整理とCTAの設置)を解説しました。

本記事ではさらにファネルを下り、ユーザーが実際に予約や来店を検討する「比較・検討」から「体験・入会」に至るフェーズのUX改善について解説します。
このフェーズでユーザーが抱えるのは、単なる情報の欠如ではなく「不安」や「面倒くささ」といった感情の摩擦です。プロはこれをどのように図解し、解決策を提示するのか、実際のスライドを見ながら紐解いていきます。

1. 【興味醸成】「情報消費」を「行動」へ変えるマイクロコンバージョン

まずは、記事を読んで興味を持ったユーザーとの接点を切らさないための設計です。

興味醸成のスライド

▲ 【実際の提案スライド⑧】いきなり予約させるのではなく、診断コンテンツやLINE連携といったマイクロコンバージョンを間に挟む提案。

ここで提案すべきは、いきなり「体験予約はこちら」という重いハードルを提示することではありません。
スライドで示すように、「あなたにぴったりの教室がわかる診断コンテンツ」「LINEでの気軽な情報受け取り」といった、ユーザーにとって摩擦の少ないマイクロコンバージョン(小さな行動喚起)を配置する設計を提案します。これにより、フロー型(掛け捨て)のトラフィックをストック型(顧客リスト)へと変換できます。

2. 【共感・憧れ】スペックではなく「情緒的価値」で不安を払拭する

次に、実際に教室を探し始めた「比較・検討層」に対するUXのメス入れです。

共感・憧れのスライド

▲ 【実際の提案スライド⑨】ユーザーが本当に知りたいのは「曜日や時間」ではなく、「どんな雰囲気が体験できるか」という情緒的価値であることを指摘。

企業のサイトにありがちなのが、教室案内の検索結果が「住所・曜日・時間」という**スペック情報の羅列**になっていることです(スライド左側)。
しかし、ユーザーが抱えている本当の摩擦は「雰囲気は自分に合っているか?」「初心者の自分が浮かないか?」という感情的な不安です。プロのアーキテクトはスライド右側で、「楽しそうな様子の写真」や「教室の雰囲気」といった『情緒的価値』をフロントエンドに実装すべきだと視覚的に訴えかけます。

3. 【体験意欲】期待値を最大化し、行動の「摩擦」をゼロにする

いよいよ「体験に行こう!」と決心したユーザーに対する、最後にして最大の障壁を取り除きます。

体験意欲を沸かせるスライド

▲ 【実際の提案スライド⑩】イベント等の案内ページを「文字の事務連絡」から「美しいビジュアルギャラリー」へ昇華させる提案。

一つは、イベントや体験ページの「ビジュアル化」です。日時や場所の文字情報だけでなく、美しい写真や過去の様子を大きく配置し、「行ってみたい!」という期待値を極限まで引き上げます。

💡 アーキテクトの視点:入力フォームの最適化(EFO)

ここで合わせて検討すべき重要な提案が「入力フォームの最適化(EFO)」です。気軽な体験を希望するユーザーに「住所」など多くの個人情報を要求すると、警戒して離脱(カゴ落ち)します。「まずは最小限の情報に絞る、あるいはLINE連携を活用する」というデータの取得タイミングの分離が、コンバージョン率を大きく左右します。

4. 【入会・継続】オフラインの熱狂をデジタルの「配管」に繋ぎ直す

最後のスライドは、体験に来てくれたユーザーをいかに「入会・継続」へと導くかという、O2O(Offline to Online)の核心部分です。

体験から入会・継続のスライド

▲ 【実際の提案スライド⑪】オフラインの体験(リアル)を、再びデジタル(LINE等のCRM)へ繋ぎ止めるアーキテクチャ。

リアルな教室での素晴らしい体験(オフライン)が終わって帰宅した瞬間に、顧客との繋がりがプツリと切れてしまっては意味がありません。
「体験後にLINEでサンクスメッセージと特別な案内を自動送信する」「会員専用のオンラインコンテンツへ誘導する」など、オフラインの熱狂をそのままデジタルの配管(CRM)へと繋ぎ止めるシステム構造を提示します。

まとめ:UI/UXの指摘は「顧客心理とのズレ」として語る

クライアントのWebサイトにダメ出しをする際、「デザインが古い」という主観的な言葉を使ってはいけません。
「今のユーザーは『不安』を抱えているのに、システムが『スペック』しか返していない」「『手軽に体験したい』のに、システムが『重い入力』を要求している」。このように、顧客心理とシステムの間に生じている「摩擦」として図解することで、経営陣は「今すぐ直さなければ」と強く納得するのです。

「通る提案書」は、構造の理解から生まれる。

プロのデータアーキテクトが用いるフレームワークや分析手法をベースに、
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aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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