【完全ガイド】水道・下水道事業 基幹システム刷新:CIS・SCADA・スマート水道・コンセッション対応

水道・下水道事業の基幹システム(料金収納CIS、検針、配水管理、施設管理、漏水検知)の刷新戦略。NEC/富士通/日立/SAP for Utilities/Oracle Utilities、コンセッション、スマート水道、AI 漏水検知、コスト目安。

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水道・下水道事業の基幹システム刷新は、料金計算 CIS・検針・SCADA(制御)・スマート水道・コンセッション対応など、自治体経営の効率化と災害対策の両立が課題。広域連携・民営化の動きで、システム選定の論点が大きく変わっている。

1. 水道事業の業務領域

  • 料金計算(CIS):使用水量に基づく料金計算、月次請求。
  • 検針:検針員による人手検針、スマートメーターによる自動検針。
  • SCADA(制御):浄水場・配水池・送水ポンプの制御、遠隔監視。
  • 水質管理:水質検査、塩素濃度、pH 測定。
  • 管路管理:水道管・下水道管の敷設・修繕・更新計画。
  • 顧客対応:使用開始・中止、引越し、漏水対応。
  • 下水道:処理場の運転管理、汚泥処理、再生水活用。

2. 主要システム

領域 主要システム
水道料金 CIS NEC 水道料金システム、富士通 WaterFront、自治体独自
SCADA 横河電機、富士電機、東芝、日立の制御システム
管路情報システム(GIS) パスコ・国際航業の上下水道 GIS
スマート水道 各社のスマートメーター、IoT プラットフォーム
下水道処理場制御 水 ing、メタウォーター、東芝インフラの統合制御

3. 水道事業の構造的課題

  • 人口減少と料金収入の減少:給水人口の減少、料金収入の長期的減少。
  • 水道管の老朽化:法定耐用年数 40 年超の水道管が大量に更新時期を迎える。
  • 技術職員の高齢化:水道事業を支える技術職員の引退、後継者不足。
  • 災害対応:大規模地震・水害時の断水復旧、BCP の重要性。
  • 水質基準の厳格化:PFOS・PFOA 等の新規汚染物質への対応。

4. 広域連携・民営化(コンセッション)

水道事業の効率化のため、広域連携と民営化の動きが進んでいる。

  • 広域連携:複数の市町村が水道事業を統合(神奈川県・群馬県等)、システムも統合。
  • コンセッション方式:水道事業の運営権を民間に委託(宮城県・浜松市等)。料金収納・施設管理を民間が担う。
  • 包括的民間委託:施設管理を民間に委託、所有権は自治体に残す。
  • PPP/PFI:水道施設の建設・運営を民間資本で実施。

5. スマート水道の本格化

  • スマートメーター:通信機能付き水道メーター、自動検針、漏水検知。
  • AI 漏水予測:水圧データ・水量データから漏水箇所を AI で予測。
  • 水質モニタリング:IoT センサーによる連続水質測定。
  • 管路 AI 診断:管路の劣化状態を AI で予測、更新計画の最適化。
  • 地震時自動遮断:地震感知時の自動配水停止、復旧迅速化。

6. 進め方

  1. Phase 1(6〜12 ヶ月):現状業務分析、広域連携・民営化の方針合意。
  2. Phase 2(12〜24 ヶ月):CIS の刷新、スマートメーターの段階導入。
  3. Phase 3(24〜48 ヶ月):管路 GIS・SCADA の刷新、災害対策強化。
  4. Phase 4(48 ヶ月以降):AI 活用、スマート水道の本格化、サステナビリティ対応。

7. 水道・下水道事業者のシステム選定:規模×広域連携方針×アセットマネジメント対応で絞る

問1:規模・事業形態

  • 大規模水道事業(給水人口100万人超):独自開発+業界標準パッケージ
  • 中規模(給水人口10〜100万人):NEC水道料金システム・富士通WaterFront・自治体独自
  • 小規模(給水人口10万人未満):パッケージの簡易版・SaaS型
  • 下水道事業者:水ing・メタウォーター・東芝インフラの統合制御

問2:広域連携・コンセッション方針

  • 広域連携への参加:共同調達・共通基盤の活用
  • コンセッション方式(民間運営):宮城県・浜松市等の事例
  • 独自運営継続:自治体予算サイクルでの調達

問3:スマートメーター導入度

  • 本格導入予定:通信方式選定(LPWA・LoRaWAN・Wi-SUN・4G/5G)
  • 段階導入中:メーター交換期に合わせた段階置換
  • 当面は人手検針:基本機能で十分

問4:アセットマネジメント機能の必要性

  • 長期更新計画の策定・料金改定シミュレーション
  • 耐震適合率の管理
  • AI劣化診断との連携

8. アセットマネジメントと更新計画

  • 厚労省「水道事業におけるアセットマネジメント実践ガイドライン」
  • 国交省「下水道事業ストックマネジメント実施ガイドライン」
  • 基本データ(管路台帳・施設台帳・修繕履歴・劣化評価・更新優先度)
  • 長期更新計画シミュレーション(30〜100年の更新需要・料金改定シミュレーション・更新平準化・耐震化計画)
  • AI劣化診断との連携(漏水履歴・地盤データ・布設条件からの確率モデル)
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9. スマートメーター本格導入と共同調達

  • 通信方式(LPWA・LoRaWAN・Wi-SUN・携帯網)の選定
  • 共同調達のメリット(日本水道協会・広域水道企業団)
  • 標準化された通信プロトコル・データフォーマット
  • 段階導入と工事計画(メーター交換期8年に合わせた段階置換)
  • 導入効果(検針コスト削減・漏水早期発見・料金未払いの早期対応・使用量データ開示)

10. 災害BCPと広域連携

  • システム冗長化(遠隔地データセンターバックアップ・RTO/RPO)
  • 給水管理(断水範囲・応急給水拠点・給水車運行)
  • 応援要請の受付(他自治体・日本水道協会からの応援)
  • 復旧進捗管理(管路被害箇所の点検・GISでの可視化)
  • 料金システムの特例運用(被災地域の料金免除・減免)
  • 広域連携時のシステム統合(段階的統合・料金体系の調整期間・住民番号統合・SCADAの中央集約か分散か)

水道・下水道事業の基幹システム刷新は、規模・広域連携・スマートメーター・アセットマネジメントの複合判断と、各領域での運用設計が、長期的な社会インフラの安定供給を支える。

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aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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