記事は読まれているのに問い合わせが来ない|流入を増やす前に、CV導線の漏れを段ごとに数えてふさぐ
記事は読まれているのに問い合わせが来ないときは、流入を増やす前に、入口から実際の相談までの段ごとに漏れを数えます。GA4の完了数とフォームの保存先の件数の突き合わせ方、よくある穴、ふさぐ順番、AI検索で変わらないことを、Googleの公式情報と当社サイトの点検をもとに整理しました。
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この記事の要点
- 記事は読まれているのに問い合わせが来ないときは、流入の量より先に、入口から実際の相談までのどの段で抜けているかを数える。
- GA4 の完了の数は、フォームの保存先の件数と突き合わせる。社内のテスト送信や自社への売り込み、bot の送信が混ざり、実際の相談より多く出ることがある。
- 穴は、計測を正す、案内の行き先を合わせる、サービスページの中身を足す、フォームを軽くする、の順にふさぎ、流入を増やすのはその後。AI検索から来る人も同じ導線を通る。
漏れている段を数えてから、この順にふさぐ
数える段:入口 → 案内のクリック → 売り場 → フォームの表示 → 入力の開始 → 送信 → 実際の相談
GA4 で数えられるのは送信まで。実際の相談は、フォームの保存先で1件ずつ仕分けて数える
出典:拡張計測機能イベント、推奨イベント(Google アナリティクス ヘルプ)
記事は読まれているのに問い合わせが来ないとき、最初に確かめるのは流入の量ではありません。記事を読んだ人が、問い合わせまでのどの段で抜けているかです。入口の記事、記事の中の案内(CTA)のクリック、サービスページ、フォームの表示、入力の開始、送信、実際の相談と段を分けて数えると、漏れている段が見えてきます。このとき、GA4 の完了の数(generate_lead など)は、フォームの保存先(データベースや通知メール)に残った件数と突き合わせます。GA4 の完了には、社内のテスト送信や自社への売り込み、bot の送信が混ざり、実際の相談より多く出ることがあるからです。
見つけた穴は、計測を正す、案内の行き先を合わせる、サービスページの中身を足す、フォームを軽くする、の順にふさぎ、流入を増やすのはその後にします。穴の開いたバケツに水を足しても、漏れる量が増えるだけです。記事を増やすのも、生成AIで量産するのも、広告を足すのも、同じ導線に人を流し込む手段です。CV導線(問い合わせに至るまでの道筋)の改善を先に済ませておけば、足した流入が問い合わせまで届いたかを、段ごとの数字で確かめられます。
AI検索が広がっても、この順番は変わりません。Google は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件や特別な最適化は無いと説明しています(AI 機能とウェブサイト)。GA4 では、AI による概要と AI モードからの訪問はオーガニック検索に含まれ、ChatGPT や Gemini などから来た訪問は「AI アシスタント」のチャネルに分かれます(デフォルト チャネル グループ)。どこから来た人も、同じ案内とフォームを通って問い合わせに至ります。この記事の仕様は、Google アナリティクス ヘルプ、Google 検索セントラル、Google 広告ヘルプなどの公式情報(2026年9月25日に確認)に基づいています。
流入を増やす前に、どの段で漏れているかを数える
問い合わせまでの道のりは、段が一つずつつながっています。どこか一つの段で多くの人が抜けていれば、その手前にいくら人を集めても、問い合わせはほとんど増えません。記事の最後の案内が古いページを指していれば、読者が増えても、サービスページに着く人は増えません。フォームの項目が多すぎれば、フォームを開く人が増えても、送信はあまり増えません。
反対に、漏れている段が分かれば、打つ手を絞れます。記事を書き足すのか、案内を直すのか、サービスページに事例を足すのか、フォームの項目を削るのかは、段ごとの数字を並べてから決めます。
入口から実際の相談まで、段ごとに何で数えるか
段ごとの数え方を表にまとめます。GA4 で数えられるのは送信までです。送信が実際の相談だったかどうかは、フォームの保存先で1件ずつ見て数えます。
| 段 | 数えるもの | 数え方(GA4 と、その外) |
|---|---|---|
| 1. 入口 | 記事から始まった訪問(セッション) | GA4 のランディング ページのレポートで、記事ごとのセッションを見る。検索での表示回数やクリック数は Search Console で見る |
| 2. 案内のクリック | 記事の中の案内(CTA)が押された数 | 自分で設定したクリックのイベント。拡張計測機能の離脱クリックは、別のドメインへのリンクだけが対象 |
| 3. 売り場 | サービスページの表示 | 自動で集まる page_view を、ページの場所(URL)で絞る |
| 4. フォームの表示 | フォームのあるページの表示 | page_view。フォームが別のドメインにあるなら、クロスドメイン測定を設定しておく |
| 5. 入力の開始 | フォームを操作し始めた人 | 拡張計測機能の form_start(セッションで最初にフォームを操作したとき) |
| 6. 送信 | フォームの送信 | 拡張計測機能の form_submit、または自分で送る推奨イベントの generate_lead |
| 7. 実際の相談 | お客様からの相談と判断した件数 | フォームの保存先で1件ずつ仕分けて数える。GA4 に戻すなら qualify_lead などを送る |
出典:拡張計測機能イベント、推奨イベント、キーイベントについて、クロスドメイン測定の設定(いずれも Google アナリティクス ヘルプ)
GA4 のファネルデータ探索で段を並べる
段ごとの人数は、GA4 の[探索]にあるファネルデータ探索で並べられます。ステップはイベントやディメンションの値を条件に作り、1つのファネルに最大10個まで置けます(ファネルデータ探索)。途中のステップから入った人も数える「オープン」と、最初のステップを通った人だけを数える「クローズド」を切り替えられるので、記事から入った人の流れを見るならクローズド、サービスページやフォームに直接来た人も含めて段ごとの人数を見るならオープンにします。
ファネルでは、1人が期間内に同じステップを何度通っても、数えられるのは最初の一連のステップだけです(ファネルデータ探索)。人数で数えるファネルと、回数で数えるイベント数は一致しないので、比べるときはどちらで数えているかをそろえます。
最後の段は、GA4 の外で数える
送信が本当にお客様からの相談だったかは、GA4 からは分かりません。GA4 には、メールアドレスや氏名のような個人を特定できる情報を送らないことが求められており(拡張計測機能イベント、個人情報の扱い)、送信の中身は GA4 に入らないからです。実際の相談の数は、フォームの保存先(データベース、通知メール、CRM など)で1件ずつ仕分けて数えます。
仕分けた結果は GA4 に戻せます。GA4 には、フォーム送信の後の段を表す推奨イベントとして、有望な見込み顧客になった時点の qualify_lead、見込み顧客として不適格と判断した時点の disqualify_lead(理由を付けられる)、契約などで顧客になった時点の close_convert_lead などが用意されています(推奨イベント、イベントのリファレンス)。送っておくと、[集客]の「見込み顧客の獲得」レポートで、初めて来たときのチャネルごとに、新規の見込み顧客と有望な見込み顧客の数を並べられます(見込み顧客の獲得についてのレポート)。仕分けの結果はブラウザの外にあるので、送るときは Measurement Protocol のように、サーバーから GA4 へイベントを送る仕組みを使います(Measurement Protocol)。
仕分けた結果を GA4 に戻す(推奨イベント)
見込み顧客として不適格と判断したら disqualify_lead(理由を付けられる)
仕分けの結果はブラウザの外にあるので、Measurement Protocol のようにサーバーから GA4 へ送る
出典:推奨イベント、見込み顧客の獲得についてのレポート(Google アナリティクス ヘルプ)、Measurement Protocol
GA4 の完了数を、フォームの保存先の件数と突き合わせる
GA4 の設定を外に頼む場合も、頼む前にこの突き合わせで差を洗い出しておくと、直す作業を見積もりに入れて比べられます。見積もりが変わる所と見積もりで聞くことは「GA4の設定代行を頼む前に、今の計測が合っているかを数える」で解説しています。
計測を正す作業の中心は、GA4 の完了の数と、フォームの保存先に残った件数を並べることです。同じ期間で2つを並べ、保存先の1件ずつを「お客様からの相談」「自社への売り込み」「bot」「社内のテスト」「同じ人の重複」に仕分けます。GA4 と保存先とで日付の区切り(タイムゾーン)が違うと、月の境目の件数がずれるので、期間の区切りもそろえます。
GA4 の完了と、保存先の件数を突き合わせる
generate_lead は、ユーザーが問い合わせのためにフォームを送信したときに送るよう勧められている推奨イベントで、自動では送られません(推奨イベント)。どの時点で送るかは、サイトごとの作りで決まります。完了画面の表示で送る作りなら、完了画面の再読み込みやブックマークからの再表示でも数えられます。差の理由を探す前に、まず自社のサイトが何を条件に送っているかを確かめます。
| 混ざるもの | 保存先での見分け方 | GA4 側での扱い |
|---|---|---|
| 社内のテスト送信 | 送信者のメールアドレスが自社のもの、本文が「テスト」など | 社内の IP アドレスを内部トラフィックとして定義し、データフィルタで除外する。デバッグモードでの確認は、デベロッパー トラフィックのフィルタで除外できる |
| 自社への売り込み | 本文が相談ではなく、自社への提案になっている | フォームに「営業・協業のご提案」などの区分を用意し、その区分の送信では完了イベントを送らないか、別の名前のイベントにする |
| bot の送信 | 意味の通らない本文、同じ内容の続けての送信 | 既知の bot は GA4 が自動で除外する。フォームの側でスパムと判定した送信では、完了イベントを送らない |
| 同じ人の重複 | 同じアドレスから続けて届いた送信 | 完了画面を再表示しても送らない作りにする |
出典:内部トラフィックの除外、データフィルタ、デベロッパーのトラフィックを除外する、既知の bot トラフィックの除外(いずれも Google アナリティクス ヘルプ)
内部トラフィックは IP アドレスで判定するので、社外の回線(自宅や携帯電話の回線など)から試した送信は、内部として扱われません(内部トラフィックの除外)。データフィルタは作った時点から後のデータにだけ効き、過去のデータは変わりません。有効にしたフィルタで除外したデータは処理の対象から外れて後から戻せないため、まず「テスト」の状態で当たり方を確かめてから有効にします(データフィルタ)。
既知の bot とスパイダーの除外は自動で行われ、オフにすることも、除外された量を見ることもできません(既知の bot トラフィックの除外)。除外されるのは既知のものだけなので、フォームに送信してくる bot は残りえます。フォームの側でスパムと判定した送信に完了イベントを送らない作りにしておくと、GA4 と保存先の差が縮みます。
ずれは、GA4 の流れが途切れる形でも出ます。フォームが別のドメインにあると、クロスドメイン測定を設定していない限り、1人の訪問が2人のユーザーの2つのセッションとして数えられます(クロスドメイン測定の設定)。記事から来た人の送信が、記事からの流れとしては見えなくなります。
よくある穴と、確かめ方
漏れている段が分かったら、その段で起きやすい穴を順に確かめます。多くのサイトで見つかるのは、次のような穴です。
記事の案内が、内容と違う売り場や古いページを指している
記事の途中や最後に置いた案内の行き先が、記事の主題と合っていないことがあります。サービスページを作り直した後も古いページを指したままだったり、テンプレートが案内を自動で選ぶ仕組みで、選び方の規則が記事に合っていなかったりする場合です。記事の本文ではなくテンプレートが出している案内は、記事を読み返しても見落としがちです。
確かめ方:記事ごとに案内の行き先を一覧にし、行き先が記事の主題に合っているか、今あるページかを見ます。案内を自動で選んでいるなら、どの語で選んでいるかの規則も読みます。
リンク切れと、行き先の無いページ内リンク
案内の先がエラーのページになっていれば、その段で全員が止まります。「#」の付いたページ内リンクは、行き先のページに同じ名前の場所(id)が無いと、指した位置に移りません。エラーも表示されないため、気づきにくい穴です。見出しを書き換えたときや、ページを作り直したときに起きます。
確かめ方:記事の中のリンクを一覧にしてステータスを調べ、「#」付きのリンクは行き先のページにその id があるかを見ます。Search Console のページ インデックス登録レポートには、404 を返した URL が過去1か月分表示されます。Google は、自分のサイトからリンクしている404は直し、ページを移した場合は新しいページへの3XXリダイレクトを返すよう勧めています(ページ インデックス登録レポート)。
案内のクリックが、計測の対象から外れている
GA4 の拡張計測機能の「離脱クリック」は、今のドメインから別のウェブサイトへ移るリンクを押したときに記録されます(拡張計測機能イベント)。記事からサービスページへの案内は同じドメインの中のリンクなので、自分でイベントを設定しない限り、クリックは数えられません。Google タグ マネージャーなら、クリック トリガーの「リンクのみ」に、リンク先の URL などの条件を付けて数えられます(クリック トリガー)。設定してあっても、ボタンの種類やクラス名で対象を絞っていると、後から足したページや部品の案内が対象から外れます。
確かめ方:記事、サービスページ、ヘッダーなど、案内のある場所ごとに実際に押してみて、GA4 の DebugView にイベントが届くかを見ます。DebugView は、Tag Assistant やタグ マネージャーのプレビュー モードでデバッグモードを有効にすると使えます(DebugView でイベントをモニタリングする)。
売り場に、事例・画面・進め方が無い
案内の先のサービスページが、できることの一覧だけで終わっていると、読者はそこで判断できずに戻ります。BtoB では、相談する前に社内へ説明することが多いので、説明に使える材料がページにあるかどうかで、次の段へ進むかが変わります。公開できる範囲の導入事例、実際の画面や成果物の見本、進め方と期間の目安、費用が何で決まるか、だれが担当するかがそろっていると、相談する理由を社内で説明しやすくなります。
確かめ方:サービスページごとに、ページの表示からフォームの表示へ進んだ人数を比べます。進む人が少ないページから、事例と進め方を足します。
フォームの項目が多い、選択肢が細かすぎる
最初の問い合わせで、予算、時期、従業員数、細かい相談区分などをまとめて必須にしていないかを見直します。聞く項目が増えるほど入力の手間が増えます。web.dev のフォームの解説も、登録時に求める情報はできるだけ少なくするよう勧めています(登録フォームのベスト プラクティス)。社内の振り分けに使う細かい区分は、受け取った後に社内で付ければ済みます。選択肢が細かすぎると、自分がどれに当たるか分からない人が手を止めるので、区分は大きく分け、「まだ決まっていない」や自由記入の欄を残します。メールアドレスや電話番号の欄に autocomplete 属性の値を付けておくと、ブラウザの自動入力が使えて、入力の手間が減ります(自動入力)。
確かめ方:拡張計測機能の form_start(セッションで最初にフォームを操作したとき)と form_submit(送信したとき)を並べると、入力を始めた人のうち送信まで進んだ人の割合が分かります。フォームが複数あるなら form_id などのパラメータで分けますが、レポートで使うにはカスタム ディメンションの作成が要ります(拡張計測機能イベント)。
相談の手前の受け皿が無い
記事から来る人の中には、まだ依頼先を探す段階にいない人もいます。案内が「問い合わせる」だけだと、情報を集めている段階の人には一歩が大きすぎて、何もせずに離れます。資料のダウンロード、事例集、短時間のオンライン相談のように、手前の段にいる人でも使える受け皿を用意しておくと、その人たちとの接点が残ります。
確かめ方:受け皿ごとに完了を数え、相談の完了とは種類を分けておきます。資料請求と相談を同じ数にまとめると、どちらが増えたのか分からなくなります。
当社のサイトで見つかった穴
私たちも、自社のサイトで同じ点検をしました。件数などの数字は載せませんが、見つかった穴のうち3つを紹介します。どれも、流入を増やしても埋まらない種類の穴でした。
記事の最後の案内が、以前のサービスページを指していた
サービスページを作り直した後も、ブログ記事の最後に出る案内は、以前のサービスページを指したままでした。この案内は記事の本文ではなく、テンプレートが自動で出している部分だったため、記事を1本ずつ読み返しても気づけない場所にありました。今は、テンプレートが出す案内の行き先を、今のサービスページに付け替えています。
案内の取り違えは、記事タイトルの部分一致で起きていた
どの案内を出すかは、記事タイトルに含まれる語で決めていました。英字の語を部分一致で探していたため、「Gmail」の中の「ai」や、「Exchange Online」の中の「line」にも当たり、Gmail の記事に AI 活用の案内が、Exchange Online の記事に LINE の案内が出ていました。日本語の「ライン」も、「オンライン」や「ガイドライン」に当たっていました。英字の語は前後に英数字が続かないこと(単語の区切り)を条件にし、製品名で決まる案内を汎用の語より先に判定するように直しました。
GA4 の完了イベントが、実際の相談より多く出ていた
GA4 の問い合わせ完了の数と、フォームの保存先に残った問い合わせを1件ずつ突き合わせたところ、完了の数は、お客様からの実際の相談よりも多く出ていました。差の中身は、当社への営業の連絡、bot の送信、社内のテスト送信でした。今は、保存に成功し、スパムや営業の区分に入らなかった送信だけで完了イベントを送り、それ以外で完了画面が表示されたときは別の名前のイベントに分けています。フォームには「貴社への営業・協業のご提案」という区分を設け、売り込みを相談と分けて受けています。
3つとも、アクセスの数を眺めているだけでは見つからず、案内の行き先と保存先の中身を1件ずつ見て、初めて分かった穴でした。
ふさぐ順は、計測、行き先、売り場、フォーム、流入
穴が複数見つかったら、次の順にふさぎます。各段の「終わったと言える状態」まで進めてから、次へ移ります。
ふさぐ順と、終わったと言える状態
1番目計測を正す
やること:段ごとのイベントをそろえ、GA4 の完了を保存先の件数と突き合わせる
終わったと言える状態:GA4 の完了と保存先の件数の差を、理由ごとに説明できる
2番目行き先を合わせる
やること:案内の行き先、リンク切れ、「#」の行き先を直す
終わったと言える状態:どの記事の案内も、主題に合う今のページを指していて、エラーのページが無い
3番目売り場の中身を足す
やること:事例、画面、進め方、費用の決まり方を足す
終わったと言える状態:サービスページからフォームへ進む人数を、ページごとに比べられる
4番目フォームを軽くする
やること:項目と選択肢を減らし、手前の受け皿を足す
終わったと言える状態:入力を始めた人のうち送信した人の割合を、直す前と比べられる
5番目流入を増やす
やること:記事や広告を足す
終わったと言える状態:足した流入が、どの段まで進んだかを段ごとに見られる
計測を先にするのは、直した効果を測れないまま次の手を打つことになるからです。完了の数にテストや売り込みが混ざったままでは、案内やフォームを直した後に数字が増えても、それが相談の増加なのかが分かりません。
行き先を2番目にするのは、直す範囲が小さく、効き目がすべての記事に及ぶからです。テンプレートが出している案内なら、1か所を直せば全記事の行き先が変わります。売り場の中身を足すには時間がかかりますが、行き先が正しくないうちは、足した中身も読まれません。フォームは、手前の段が直った後のほうが、項目を減らした効果を数字で確かめやすくなります。
流入を増やすのは最後です。穴が残ったまま記事や広告を足すと、足した分も同じ段で漏れます。記事を増やすなら、段ごとの数字を入口の記事ごとに見て、案内のクリックやサービスページまで読者が進んでいる記事の周辺から書き足します。そうすれば、足す記事を数字で選べます。
広告を足すときは、数えている完了が入札の基準になる
GA4 のキーイベントからは Google 広告のコンバージョンを作ることができ、そのコンバージョンは広告キャンペーンの入札にも使えます(キーイベントについて)。Google 広告のスマート自動入札は、オークションごとにコンバージョン数やコンバージョン値を最適化する入札戦略です(スマート自動入札について)。完了の数にテスト送信や売り込みが混ざったまま広告の成果として取り込むと、それらも成果に含めたまま入札が調整されます。広告を足す前に、成果として数えるものを実際の相談に近づけておきます。サイトで得た見込み顧客が、その後サイトの外で成約したかを Google 広告に取り込む仕組みとして、リードの拡張コンバージョンも用意されています(拡張コンバージョンについて)。広告の成果として数えるものを社内でどう決め、商談・成約をどう広告に返すかは、広告運用のインハウス化で社内が持つべきものにまとめています。
AI検索が広がっても変わらないこと
生成AIの検索や対話型のAIから来る人が増えても、問い合わせまでの段は同じです。変わったことと変わらないことを、Google の公式情報で確かめられる範囲で整理します。
AI から来た訪問は、どこで数えられるか
Google の AI 機能AI による概要・
AI モード
Search Console:検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれる。GA4:オーガニック検索に含まれる
対話型の AIChatGPT・Gemini・
Copilot など
GA4:「AI アシスタント」のチャネル(2026年5月13日に追加)
この日より前の期間と比べるときは、途中でチャネルの分け方が変わっている点に気をつける
どこから来ても同じ導線を通る
同じ案内とフォームを通って問い合わせに至る。見るのは、入口から実際の相談までの段ごとの数
出典:AI 機能とウェブサイト(Google 検索セントラル)、デフォルト チャネル グループ、Google アナリティクスの新機能(Google アナリティクス ヘルプ)
AI による概要や AI モードのための特別な対策は要らない
Google 検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」によると、SEO の基本は AI による概要や AI モードでも有効で、表示されるための追加の要件や特別な最適化はありません(AI 機能とウェブサイト)。AI 向けの特別なファイルやマークアップを新しく作る必要も、特別な構造化データを足す必要も無いとしています。サポートリンクとして表示される対象になるには、ページがインデックスに登録され、スニペット付きで検索に表示でき、検索の技術要件を満たしている必要があり、これ以外の技術要件はありません。満たしていても、表示が保証されるわけではありません。
同じページが挙げる SEO の基本には、サイトの内部リンクからコンテンツを見つけやすくすることも入っています(AI 機能とウェブサイト)。記事からサービスページへの案内は、読者の導線であると同時に、ページを見つけてもらう経路でもあります。
AI から来た訪問の数えられ方
Search Console では、AI による概要や AI モードに表示されたサイトへのトラフィックは、検索全体のトラフィックに含まれ、検索タイプ「ウェブ」のパフォーマンス レポートに入ります(AI 機能とウェブサイト)。GA4 のデフォルト チャネル グループでも、AI による概要と AI モードからの訪問はオーガニック検索に含まれます(デフォルト チャネル グループ)。
ChatGPT、Gemini、Copilot などから来た人は、GA4 では「AI アシスタント」のチャネルに入ります(デフォルト チャネル グループ)。このチャネルは2026年5月13日に加わったもので、参照 URL が認識済みの AI アシスタントに一致すると、メディアに ai-assistant、キャンペーン名に (ai-assistant) が付きます(Google アナリティクスの新機能)。集客のレポートにはキーイベントの列があるので、AI アシスタントから来た人が問い合わせの完了まで進んでいるかを、ほかのチャネルと同じ表で比べられます(キーイベントについて)。この日より前の期間と比べるときは、途中でチャネルの分け方が変わっている点に気をつけます。Copilot などで自社のページが引用された回数は、Bing Webmaster Tools の AI Performance で見られます。見方と、GA4 の訪問との突き合わせ方はBing Webmaster Tools の AI Performance の読み方で扱っています。
記事を量産する前に、スパムポリシーを確かめる
Google は、生成AIは調べものや、オリジナルのコンテンツに構造化データを付けるときに便利だとしつつ、ユーザーにとっての価値を加えずに生成AIなどで大量のページを作ると、「大量生成されたコンテンツの不正使用」のスパムポリシーに違反するおそれがあると説明しています(生成 AI によるコンテンツの使用に関するガイダンス、スパムに関するポリシー)。記事の本数を増やす前に、今ある記事が読者を問い合わせの手前の段まで運べているかを確かめます。運べていない記事を増やしても、同じ段で漏れるからです。
クリックの数より、その先で何が起きたかを見る
Google は、AI 検索でコンテンツが成果を上げるためのヒントとして、クリック数ばかりに目を向けず、販売や登録など、サイト上のさまざまなコンバージョンの指標も見るよう勧めています(Google 検索セントラル ブログ(2025年5月21日))。「AI 機能とウェブサイト」でも、Search Console に加えて Google アナリティクスなどでコンバージョンやサイトでの滞在時間を追えるとしています(AI 機能とウェブサイト)。入口の数が増えても減っても、その先の段で漏れていれば問い合わせは増えません。見るのは、入口から実際の相談までの段ごとの数です。
まとめ
記事は読まれているのに問い合わせが来ないときは、入口から実際の相談までを段に分けて数え、GA4 の完了をフォームの保存先の件数と突き合わせます。漏れている段が分かったら、計測、案内の行き先、サービスページの中身、フォームの順にふさぎ、流入を増やすのはその後にします。AI による概要から来る人も、AI アシスタントから来る人も、同じ導線を通ります。
どの段で何を数えるかの設計や、GA4 の完了と実際の相談の突き合わせから一緒に進める場合は、Aurant Technologies のアクセス解析・マーケティングデータ支援をご覧ください。
アクセス解析・マーケティングデータ支援
GA4とGTMのタグ設計から、フォーム送信・電話タップ・資料DLといったコンバージョンの計測整備、Looker Studioでのダッシュボード化までを一貫して支援します。
