Gemini 研修を買う前に、Google Workspace の管理コンソールで決めておくこと|使える人・データの扱い・無料の教材で足りる範囲

Gemini 研修の見積もりを取る前に、管理コンソールで決めるのは、使える人、つなぐデータ、会話の保存、研修のあとに見る数字の4つです。Gemini が使うのは本人が見られるデータだけ、という Google の説明を起点に、共有ドライブの権限と研修の題材の選び方、Gemini アプリと各アプリの Gemini の設定の違い、公開の教材で足りる範囲、見積もりで聞くことを、Google の管理者ヘルプとラーニング センターで確かめて整理しました。

この記事をシェア:
目次 クリックで開く

この記事の要点

  1. Gemini 研修の見積もりを取る前に、管理コンソールで決めるのは4つです。使える人、つなぐデータ、会話の保存、研修のあとに見る数字。Google の説明では、Gemini アプリは Business・Enterprise のほとんどのエディションにコアサービスとして含まれるため、ライセンスの購入から始める話とは順序が違います。
  2. Gemini が使うのは、使う本人が見られるデータだけです。共有ドライブはメンバー全員がすべてのファイルを見られるので、研修の題材にするファイルは、受講者全員が見てよいかを先に確かめます。会話の履歴は、Gemini アプリでは管理者が保存期間を決めます。
  3. Google は、ラーニング センターのガイドと、社内に「Google ガイド」を置く進め方を公開しています。基本操作とプロンプトの書き方までは公開の教材で進められます。自社の業務とファイルを題材にした実習を研修に頼むかどうかを、見積もりで比べます。

研修を頼む前に、管理コンソールで決める4つ

1 と 2 は研修で使う画面と題材を決め、3 と 4 は研修のあとの運用を決める(順序は当社の整理)

決めること 1

使える人

  • Gemini アプリは、組織部門またはグループごとに設定できる
  • ライセンスの有無にかかわらず、全員に許可するかも選べる

見る場所:生成 AI の「Gemini アプリ」

決めること 2

つなぐデータ

  • Gemini は、使う本人が見られるデータだけを使う
  • Workspace アプリとの連携は、既定でオン

研修への影響:題材のファイルは、受講者全員が見てよいものに限る

決めること 3

会話の保存

  • Gemini アプリの会話履歴は、3 か月・18 か月・36 か月から選ぶ(既定は 18 か月)
  • 履歴をオフにすると、Workspace アプリとの連携は使えない

決める人:Workspace 管理者

決めること 4

研修のあとに見る数字

  • Gemini レポートで、アクティブ ユーザーとアプリごとの使用状況を見る
  • 研修の前に、元の状況を記録する(当社の整理)

期間:7・28・90 日から選べる

出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini アプリをオンまたはオフにする」「Gemini アプリによる Workspace サービスへのアクセスを制御する」「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」「組織での Gemini の使用状況を確認する」。決める順序は当社の整理(2026年10月4日確認)

Gemini 研修の見積もりを取る前に、管理コンソールで決めるのは、使える人、つなぐデータ、会話の保存、研修のあとに見る数字の4つです。Google の管理者ヘルプは、Gemini アプリを、ほとんどの Google Workspace エディションにコアサービスとして含まれるものと説明しています(Google Workspace 管理者ヘルプ、2026年10月4日に確認)。ライセンスを買う話から始まる Copilot とは、決める順序が違います。

4つのうち、研修では代わりになりにくいのがデータです。Google のプライバシー ハブは、Gemini がアクセスするのは、使う本人がアクセス権を持つ Workspace 内のコンテンツだと説明しています(プライバシー ハブ)。使い方を覚えた社員が、権限の広すぎる資料まで答えに引き出してしまうかどうかは、研修の中身では変えられず、ドライブの共有設定で決まります(当社の整理)。

この記事では、Google の呼び方に合わせて、gemini.google.com などの Gemini アプリと、Gmail やドキュメントの中で使う Gemini を分けて書きます。管理コンソールの設定が別になるためです。

ほかの記事とは、扱う範囲を分けています。Microsoft 365 Copilot の研修の前に決めることはCopilot 研修の記事、研修の費用を助成金で賄えるかは生成AI研修と人材開発支援助成金の記事、自社の文書を AI で引ける形にする前の仕分けは社内ナレッジ AI の準備の記事で書いています。ここでは、Google Workspace で Gemini を使う会社が、研修を買う前に決めることを扱います。

研修を買う前に管理コンソールで決める4つ:使える人・つなぐデータ・会話の保存・見る数字

使える人:Gemini アプリと、各アプリの Gemini は別の設定

Google の説明では、既定で Gemini アプリを使えるのは、Google Workspace の契約に基づくライセンスが割り当てられた 18 歳以上のユーザーです。管理コンソールの「生成 AI」の「Gemini アプリ」にある「ユーザー アクセス」で、ライセンスの有無にかかわらず全員に許可するかを選べます。設定は組織部門(主に部署)またはグループ単位で、グループの設定が組織部門の設定より優先されます。反映には最長 24 時間かかります(Google Workspace 管理者ヘルプ)。管理者は、Gemini による Workspace データへのアクセスの一部またはすべてを制限することもできます(ラーニング センター)。

2つの入口は、管理コンソールの設定が別
項目Gemini アプリ各アプリの Gemini(Gemini in Workspace)
含まれるものgemini.google.com、モバイルアプリ、Chrome の Gemini、Mac の GeminiGmail、カレンダー、ドライブ・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・フォーム・図形描画・Vids、Meet、チャット、Workspace Studio の機能とサイドパネル
管理コンソールの場所生成 AI の「Gemini アプリ」(ユーザー アクセス、サービスのステータス)生成 AI の「Gemini for Workspace」の「機能アクセス」
設定の単位組織部門(主に部署)またはグループ。グループの設定が組織部門の設定より優先される組織部門またはグループ
Google の記載にある対象ほとんどの Google Workspace エディションでコアサービスとして利用できるEnterprise Standard、Enterprise Plus、Teaching and Learning アドオン、Education Plus、Google AI Pro for Education

上の設定が管理するのは、Gemini アプリへのアクセスだけで、Workspace サービスの他の AI 機能には影響しません。各アプリの Gemini の機能アクセスは、既定でオンです。対象のエディションは Enterprise Standard などに限られ、ユーザー側でもスマート機能とカスタマイズが有効になっている必要があります。あるアプリで Gemini をオフにしても、別のアプリから Gemini を使えば、そのデータにアクセスできます。たとえば、ドライブで Gemini をオフにしても、Gmail の Gemini にドライブのファイルを質問できます(Google Workspace 管理者ヘルプ、スマート機能の管理)。

研修で見せる画面が、自社の設定で出るかも先に確かめます。Gemini in Chrome の利用条件には、米国で Chrome にログインしていること、Chrome の既定の言語が英語(米国)であることが含まれています。Workspace ユーザーのモバイルアプリでは、Gem とキャンバスは使えません(Google Workspace 管理者ヘルプ)。研修会社が見せる画面と、自社で使える画面が一致するかは、見積もりの段階で聞きます。

つなぐデータ:Gemini は、本人が見られるファイルだけを使う

ラーニング センターは、Gemini がアクセスできるのは、ユーザーと共有されているドライブのファイルと、ユーザーが見られるカレンダーの予定だけだと説明しています。ファイルの所有者がダウンロード・コピー・印刷を許可していない場合は、共有されていても Gemini はそのファイルにアクセスできません。委任された Gmail の受信トレイのメッセージにも、アクセスできません(ラーニング センター)。

共有ドライブでは、メンバー全員が、その共有ドライブのすべてのファイルとフォルダを見られます。管理者のアクセス権があれば、フォルダ単位でアクセスを特定のメンバーに制限できます(ラーニング センター)。つまり、研修の題材にするファイルが共有ドライブにあれば、そのメンバー全員が、Gemini を通じてそのファイルの内容を引ける可能性があります(当社の整理)。

研修の題材にするファイルを決める問い(当社の整理)

前提の根拠は Google のラーニング センターとプライバシー ハブ。2つの問いにまとめたのは当社の整理

1

そのファイルを、受講者全員が自分のアカウントで見てよいか

Gemini は、使う本人が見られるファイルだけを使う。共有ドライブは、メンバー全員がすべてのファイルを見られる

2

ファイルの所有者が、ダウンロード・コピー・印刷を許可しているか

許可されていないファイルは、共有されていても Gemini が使えない

2つとも「はい」のファイル研修の題材にしてよい。Workspace アプリとの連携が使える設定かも、先に確かめる
どちらかが「いいえ」のファイル先に権限を直すか、題材から外す。Gemini が使えないファイルは、研修でも使えない

出典:Gemini による Workspace データへのアクセスのコントロール、共有ドライブのファイルへのアクセスの仕組み、プライバシー ハブ(2026年10月4日確認)

広く共有されているファイルは、管理コンソールの道具で探せます。ただし、使える道具はエディションで変わります。下の表のとおり、対応エディションに Business 系は挙がっていません。お使いのエディションで使えるかは、各ページの「この機能に対応しているエディション」で確かめます。

共有の広さを探す道具と、対応エディション
道具見えること対応エディション(Google の記載)
ファイルの公開レポート(セキュリティ ダッシュボード)ファイル共有の方法を5種類(ドメイン内のすべてのユーザー、内部、限定公開、リンクを知っている全員、外部)で集計。最長 180 日さかのぼれるFrontline Plus、Enterprise Plus、Education Standard・Plus、Enterprise Essentials Plus
セキュリティ調査ツールの「ドライブのログのイベント」公開設定の変更などのイベントを、ユーザーや日付で検索できるFrontline Standard・Plus、Enterprise Standard・Plus、Education Standard・Plus、Enterprise Essentials Plus、Cloud Identity Premium
ドライブの AI 分類(ラベルの自動付与)ファイルの内容を調べて、分類ラベルを自動で付ける。Gemini(ベータ版)を使う方法もあるFrontline Plus、Enterprise Plus。ほかに Gemini Enterprise–Legacy、Google AI Pro for Education、AI Security の各アドオン

Google の導入ガイドは、AI 分類ラベルを適用して、機密性の高いデータに Gemini がアクセスできないようにする設定も挙げています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。ラベルの自動付与は、上の表の対応エディションに限られます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。Gemini が応答でファイルのデータにアクセスすると、ドライブの監査ログに、アクセスしたファイルごとにイベントが記録されます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

Workspace アプリとの連携は、既定でオンです。管理コンソールの「Gemini アプリ」の「アプリ」で、Workspace アプリ、Classroom アプリ、その他の Google アプリ(Google マップや YouTube)を、組織部門やグループ単位で切り替えられます。連携を使うには、Gemini の会話履歴がオンになっている必要があります(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

会話の保存:期間は管理者が決める

Google のプライバシー ハブ(2026年8月14日更新)は、対象のエディションでは、Gemini とのやり取りの内容が人間によってレビューされることも、許可なくドメイン外で生成 AI モデルのトレーニングに使われることもないと説明しています(プライバシー ハブ)。保存については、次の表のとおりです。

Google のプライバシー ハブにある、会話の保持の表(要点だけ)
対象保存されるもの保存期間と管理者の設定
Gemini アプリプロンプトと回答最大 36 か月(管理者が設定)。保存するかどうか、保存する場合の自動削除までの期間を管理者が決める
Gemini in Workspace(各アプリ)プロンプトと回答90 日から無期限(管理者が設定)。管理者が禁止していない限り、ユーザーは会話を手動で削除できる
Gemini Notebookプロンプトと回答セッションの終了後は保持されない

Gemini アプリの会話履歴は、既定でオンです。保存期間は 3 か月・18 か月・36 か月から選べ、既定は 18 か月です。履歴をオフにすると、ユーザーは以前の会話に戻れず、Workspace アプリとの連携も使えません。オフにしても、サービスの提供のために会話が最長 72 時間ほど保存されることがあります。設定の反映にも最長 72 時間かかります(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

この説明が当てはまらない使い方もあります。対象のエディションを持たないユーザーが Gemini アプリを使う場合は、Google 利用規約と Gemini アプリのプライバシーに関するお知らせが適用され、チャットが人間のレビュアーに確認されたり、Google の製品の改良に使われたりする場合があります。Google は、機密情報や個人情報を入力しないよう、ユーザーに注意を促すことを求めています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。研修の最初に、受講者が会社のアカウントでサインインしているかを確かめます(当社の整理)。クライアント側暗号化で保護されたメールやファイルには、Gemini を使えません(Google Workspace with Gemini についての質問集)。

研修が必要か、必要なら何を頼むかを先に整理したいときは、当社のAI セミナーのページから、オンライン約30分の相談を受け付けています。

公開の教材で足りる範囲:基本操作・プロンプト・社内への広げ方

Google のラーニング センターには、生成 AI のトレーニングとヘルプのページがあり、ログインなしで開けます。Gemini for Google Workspace のクイック スタート ガイドとクイック リファレンス、Gmail やドキュメントなど各アプリでの使い方、役割別のプロンプト、プロンプトの書き方のヒントが並んでいます。ガイドは、印刷や PDF での保存、組織向けのカスタマイズもできます(ラーニング センター)。

社内への広げ方は、Google の導入ガイドが手順にしています。各部門から Google ガイド(早く使い始める人)を募り、オンデマンドの資料を用意し、チームごとのキックオフ トレーニング、週次のオフィス アワー、社内のハブ、Chat のスペースで支えます。短いアンケートを繰り返して、繰り返し出る質問と、より支援が要る人を見つけます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

Google の導入ガイドが挙げる4つの役割

研修を頼んでも、役割 2 と 4 は社内に残る(当社の整理)

役割 1

エグゼクティブ スポンサー

  • AI の効果を社内に伝える
  • 他の担当者に資源を割り当てる

通常は:経営陣

役割 2

Google Workspace 管理者

  • AI 機能へのアクセスを管理する
  • 使用状況とアクティビティを見る

使う道具:管理コンソール

役割 3

導入チーム

  • 部門内の変革を進める
  • ユースケースと目標を決める

構成:意思決定者とビジネス リーダー

役割 4

Google ガイド

  • 同僚に AI を広める
  • オフィス アワーなどで支える

条件:高度な技術知識は不要。新しいツールに積極的で、チームの頼れるメンバー

出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「導入に向けて準備する」「従業員に AI を利用してもらう」(2026年10月4日確認)

公開の教材で進められる範囲と、そうでないところ
学ぶこと公開の教材にあるもの足りない可能性があるところ(当社の整理)
基本操作ラーニング センターのクイック スタート ガイドとクイック リファレンス(Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet・Vids・Workspace Studio)自社で使える機能は、エディションと管理者の設定で変わる。研修で見る画面と一致するか
プロンプトの書き方プロンプトの書き方のヒント。人事・マーケティング・非営利団体・セールスの役割別のプロンプト自社の用語と書式を使った題材は含まれない
社内への広げ方Google ガイドの募集、オンデマンドの資料、キックオフ トレーニング、週次のオフィス アワー、社内ハブ、Chat スペース、短いアンケート担当者の時間が要る。ガイド役を置けない部署が出る
自社のファイルでの実習読んだ範囲の導入ガイドには、手順の記載が見つからなかった権限の確認が先に要る。研修に頼むなら、見積もりで範囲を聞く

基本操作とプロンプトの書き方、社内で質問し合う場までは、公開の教材と社内のガイドで進められます(当社の整理)。差が出るのは、自社のファイルと手順を題材にした実習、ガイド役に時間を割けない場合、権限の確認です。研修に頼むなら、公開の教材にない部分を、見積もりで聞きます。

研修で扱う業務の選び方

Google の導入ガイドは、研修の前の準備として、部署や職務ごとにユースケースを挙げ、それぞれに目標を設定するよう勧めています。目標は、生産性、仕事の質、従業員と顧客の満足度、ワークフローから、測定できる形で決めます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。研修は、その準備のあとの段階に入ります。

Google の導入ガイドの3段階と、研修を入れる位置

外部の研修を入れるのは 2 段階目(当社の整理)。1 段階目で決めた設定と目標が、研修の前提になる

1. 準備管理コンソールの設定、ベースライン アンケート、ユースケースと目標
2. 利用を始めるGoogle ガイド、トレーニング、サポート、短いアンケート
3. 測って広げる影響のアンケート、使用状況の指標、新機能の案内

出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織で生成 AI を最大限に活用する」と、その3つのページ(1、2、3)(2026年10月4日確認)

部署ごとのユースケースの例と、題材にする前の確認
部署Google の導入ガイドにあるユースケースの例先に確かめること(当社の整理)
人事職務記述書の作成、求職者向けアウトリーチ メールの下書き、面接の準備、研修のカリキュラムやスクリプトの作成応募者や評価に関するファイルの置き場所と、閲覧できる範囲
マーケティングブログ・Web サイトのコピー・SNS 投稿のアイデア、競合分析の調査、クリエイティブ ブリーフと資料の下書き公開前の資料と社外秘の資料が、同じ場所に混ざっていないか
IT 管理者ナレッジベース記事とユーザーガイドの下書き、技術的なポリシーや変更のお知らせの下書き、Gemini Notebook での情報の一元化手順書を置く共有ドライブのメンバー
プロダクトとエンジニアリング仕様の草案、ユーザーのフィードバックの分析と要約、会議のメモや文字起こしからのアクション アイテムの生成会議の記録の共有先
セールスパーソナライズしたアウトリーチの生成、顧客ペルソナの設定、調査による見込み顧客の発掘顧客の情報を含むファイルを題材にしてよいか(自社の規程で決める)

業務は2〜3つに絞ります。選ぶ条件は、研修の前後で同じ方法で測れること、題材のファイルの権限を確かめられること、Gemini の出力を人が確かめる前提で使えることです(当社の整理)。Google は、研修の前に、従業員の現在の課題と、AI について知っている程度を、ベースラインのアンケートで把握するよう勧めています。質問の例として、役職、生成 AI の知識の自己評価、時間がかかりすぎている業務が載っています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

研修会社の見積もりの読み方

見積もりを比べるときは、金額の前に、各社が同じ前提で見積もっているかを確かめます。下の表の最後の列が社内で決まっていないと、各社に同じ質問ができず、前提のちがう見積もりが並ぶことになります。

研修会社への質問と、社内で先に決めること(当社の整理)
項目見積もりで聞くこと社内で先に決めておくこと
使う環境研修で見せる画面は、Gemini アプリか、各アプリの Gemini か。自社のエディションと設定で、同じ画面が出るか。Chrome の Gemini や、モバイルアプリの機能を見せる場合は、その条件を満たしているか使える人、各アプリの機能アクセス
アカウント研修で使うのは、自社の会社アカウントか。個人のアカウントを使わせないか使える人(ライセンスの有無にかかわらず許可するか)
題材自社のファイルを使うのか、用意された題材か。使う場合、受講者全員が見てよいファイルか、所有者がダウンロード・コピー・印刷を許可しているかつなぐデータ
会話の保存研修中の会話は残るのか、誰が消せるのか会話の保存期間
実習実習の長さと、講師1人が受け持つ人数対象者
研修のあと研修会社に何を測ってもらい、何を報告してもらうか見る数字
助成金助成金の対象となる要件を満たす研修か(別の記事で整理)研修の時間と、職務との結びつき

研修のあとの確かめ方:管理コンソールの数字と、業務の変化

管理コンソールの「生成 AI」の「Gemini レポート」には、組織レベルとユーザーレベルの使用状況があります。組織部門、グループ、期間(過去 7 日間・28 日間・90 日間。既定は 28 日)で絞り込めます。組織レベルでは、Gemini のアクティブ ユーザーの数と、対象ライセンスに占める割合、使用量の上限に達したユーザーの数、アプリごと・機能ごとの使用状況を見られます。ユーザーレベルでは、全体の使用レベル(高・中・低・ゼロ)とアクティブな日数が出ます(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

数え方には注意が要ります。レポートに含まれるのは、AI に作業を指示するアクティブな使用だけです。回数は Gemini の機能が使われた合計で、文書の数ではありません。たとえば、10 人がそれぞれ 1 回ずつ同じ文書を要約すると、10 回と数えられます。最新のデータが出るまでに 2〜3 日かかることがあります(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

誰がどのアプリで Gemini を使ったかを調べたいときは、「Gemini for Workspace のログイベント」を検索します。対応エディションは、Enterprise Standard・Plus などに限られ、Business 系は挙がっていません(Google Workspace 管理者ヘルプ)。

研修のあとに見る3段

1 と 2 は管理コンソールから出る数字、3 は自社で記録する数字

1使われているか

Gemini レポートの、アクティブ ユーザー数と、ライセンス保有者に占める割合

数えるのは、AI に作業を指示した操作。合計の回数で、文書の数ではない

2どのアプリで使われているか

アプリごと・機能ごとの使用状況、ユーザーごとの使用レベルと、アクティブな日数

使用レベルが低い人・ゼロの人に、追加の支援をつける

3対象の業務の変化

研修の前と後で、同じ業務の所要時間や、本人の自信を比べる

自社で測る数字。Gemini の出力を確かめて直す時間も含める(当社の整理)

出典:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織での Gemini の使用状況を確認する」「影響を測定して新機能を推進する」。3段目の記録の仕方は当社の整理(2026年10月4日確認)

3段目は自社で記録します(当社の整理)。対象の2〜3業務について、研修の前に1件あたりの所要時間を担当者に数回書き留めてもらいます。研修のあとは、同じ担当者が同じ種類の資料を使い、同じやり方で同じ業務の所要時間を書き留めます。Gemini の出力を読んで直す時間も、所要時間に含めます。Google の導入ガイドも、導入前のアンケートと比べて変化を見る進め方で、指標の例に時間の短縮率や従業員の自信を挙げています(Google Workspace 管理者ヘルプ)。1 と 2 の数字は、この記録と並べて読みます。

この記事で確かめられなかったこと
  • Gemini の使用量上限を引き上げる AI Expanded Access の価格と購入条件。読んだページには、使用量上限に達したユーザーを AI Expanded Access にアップグレードできるという記述があるだけでした。エディションごとの使用量上限の数値は、比較表を読みましたが、列と値の対応を確定できなかったので扱っていません
  • 管理コンソールの実際の画面。Google の管理者ヘルプとラーニング センターを読んだもので、画面を操作して確かめたものではありません。Google は、日本語のページが AI 翻訳であり、誤りを含む場合があると明記しています。画面の表記は、実際の管理コンソールで確かめてください
  • 契約の実際。Google の使用状況のページには、管理コンソールから Gemini アドオンの記載を削除し始めたという記述があります。「Gemini には追加のライセンスが要る」と書かれた以前の解説とは、現在のヘルプの構成が違います。お使いの契約と必要なライセンスは、管理コンソールの請求のページか販売元で確かめてください
  • お使いのエディションに対応していない機能の、代わりの確認方法。ファイルの公開レポートや調査ツールは、対応エディションが限られます
  • ラーニング センターに挙がっている「Make AI Work for You」コースの内容、所要時間、料金
  • 研修会社ごとの見積もりの内訳。研修会社の公開ページは2件を読みましたが、見積もりの中身までは確かめていません

研修を頼むかどうか、頼む場合に先に決めることは、Aurant Technologies のAI セミナーの相談で受けています。Google Workspace の管理コンソールの設定と運用はGoogle Workspace の導入・運用支援のページから、生成AIを業務に組み込む支援は生成AIの業務への組み込み支援から確認できます。

Microsoft 365・Google Workspace の移行と設定のスポット相談

メールの移行、ドメインとDNS、共有アドレスや代理人の権限、新しいOutlookへの切り替え、Copilot・Geminiを使うときの社内ルール。調べた手順で直らないとき、同じことが何人もで起きているときに、いま困っていることを1件から相談できます。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

この記事が役に立ったらシェア:

運用のセルフチェック

登録不要。設定と運用の見落としを確かめられます。

「グループウェア移行ガイド」を受け取る(無料)