勘定奉行(奉行11)のサポート終了はいつか|購入時期で分かれる2つの期限と、奉行クラウド・freee 会計・マネーフォワード クラウド会計への移行

勘定奉行i11など奉行11シリーズのサポート終了は、購入した時期で2つに分かれます(2023年3月末までの購入は2027年4月末、2023年4月〜2025年3月末の購入は2029年4月末)。移行先の比べ方と段取りを、OBCの公式の案内で整理しました。

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OBC(オービックビジネスコンサルタント)の 奉行11シリーズ(勘定奉行i11、商奉行i11、給与奉行i11 など)のサポート終了は、製品を購入した時期で2つに分かれます。2020年3月から2023年3月末までに購入した製品(前期)は 2027年4月末、2023年4月から2025年3月末までに購入した製品(後期)は 2029年4月末 にサポートが終わります。その前に、制度改正に合わせた更新プログラムの提供(プログラムメンテナンス)が、それぞれ 2026年12月末・2028年12月末 に終わります。

奉行11のサポート期限は、購入した時期で2つに分かれます

購入した時期 プログラムメンテナンス終了 サポート終了
前期:2020年3月〜2023年3月末 2026年12月末 2027年4月末
後期:2023年4月〜2025年3月末 2028年12月末 2029年4月末

前期と後期の製品を両方使っている場合は、前期の製品も含めて後期の日程になります。先に来るのはプログラムメンテナンスの終了で、この日を過ぎると、制度改正があっても更新プログラムが提供されません。OBCは「プログラムメンテナンス終了日までの切り替え」を勧めています。なお、サポート終了の日を過ぎても奉行11・奉行V ERP11 が起動しなくなるわけではありませんが、利用料の契約で使う奉行J11 は使えなくなります。

出典:OBC「奉行11サポート終了に関するご案内」(2026年9月30日に確認)。日程や条件は変わることがあるので、切り替えの前に公式の最新の案内を確かめてください。

OBCは奉行11の移行先を 奉行クラウド だけとしていて、オンプレミスの後継製品は用意していません(同じ案内)。奉行を使い続けるならクラウドへ移ることになり、ほかの選択肢は freee 会計やマネーフォワード クラウド会計などへの乗り換えです。本記事では、期限から逆算した段取り、3つの移行先の比べ方、データ移行の進め方、よくある失敗を整理します。奉行クラウドとクラウド会計の選び分けや、残高の移行・並行稼働の進め方は、勘定奉行クラウドの導入支援のページでも説明しています。

この記事の構成

  1. 奉行11 サポート終了までの逆算スケジュール
  2. 移行先候補:奉行クラウド / freee 会計 / MF クラウド会計
  3. 3製品 × 詳細比較マトリクス
  4. 奉行11 → 奉行クラウド 移行の実務
  5. 奉行11 → freee / MF 移行の実務
  6. 移行の費用と期間の見積もり方
  7. よくある6つの失敗
  8. AI / Claude Code を活用した移行支援
  9. FAQ

会計システムの移行で、見積りの外に出てくる5か所を動画で解説しています↓↓

1. 奉行11 サポート終了までの逆算スケジュール

マイルストーン 日付(前期に購入した製品)
プログラムメンテナンス終了 2026年12月末
サポート完全終了 2027年4月末

奉行11の保守契約は1年単位で、途中解約しても返金されません。そのためOBCは、保守契約の満了に合わせて奉行クラウドへ切り替えることを勧めています(OBC 奉行11サポート終了に関するご案内)。他社のクラウド会計に替える場合も、満了の時期に合わせると保守料の無駄が出ません。

逆算スケジュールが厳しい
OBCは、奉行クラウドへの移行には検討から移行完了まで3〜4か月程度かかると案内し、プログラムメンテナンス終了日までの切り替えを勧めています。前期の製品なら2026年12月末、後期の製品なら2028年12月末までに切り替えを終える段取りにします(前期は2026年9月30日の時点で残り3か月です)。freee 会計・マネーフォワード クラウド会計に替える場合は、勘定科目やマスタの組み直しがある分、さらに長く見込みます。

2. 移行先候補:奉行クラウド / freee 会計 / MF クラウド会計

奉行クラウド(OBC公式推奨パス)

奉行11 ユーザーの操作感・帳票レイアウト・業務プロセスを最も継承できる移行先。OBC が提供する移行ツールでマスタ・残高・取引データを移行可能。会計事務所が奉行に習熟しているケースでは、関係者の習得コストも最小。グループ会社統合管理(OBC統合管理)が必要な企業にも適しています。

freee 会計

銀行・クレジットカード・各種SaaSとの自動連携・自動仕訳に強い。スタートアップから中堅企業まで対応。API連携の柔軟性が高く、kintone、Salesforce、Slack 等との統合運用が容易。会計事務所連携も充実。中小企業の業務効率化を最優先する場合に有力。

マネーフォワード クラウド会計

請求書、経費精算、給与、人事労務を含む統合 SaaS スイートの一部として運用できる。グループ全体の経理 DX を進めたい企業に適合。会計事務所連携をクラウドに寄せたい企業にも向きます。中小〜中堅企業で SaaS 統合運用を志向するケースで有力。

3. 3製品 × 詳細比較マトリクス

評価軸 奉行クラウド freee 会計 MF クラウド会計
奉行11からの移行容易性 ◎(OBC公式ツール) ○(CSV移行+設定) ○(CSV移行+設定)
操作感の継承 ◎(ほぼ同じ) ×(全く異なる) △(やや異なる)
銀行・カード連携の強さ 中 ◎(業界トップレベル) ◎
SaaS連携エコシステム OBC他製品中心 ◎(kintone/Slack/Salesforce等多数) ◎(自社製品群+外部)
中小企業向け使いやすさ 中(簿記知識前提) ◎(簿記知識少なくても使える) ○
大企業・連結対応 ○(OBC統合管理) △ △
会計事務所連携 ◎(奉行習熟事務所多数) ◎ ◎
主な向き 奉行継続性重視、グループ統合 業務効率化、API連携重視 SaaS統合運用、グループ経理DX

4. 奉行11 → 奉行クラウド 移行の実務

OBCの案内では、奉行クラウドへの移行は検討から移行完了まで3〜4か月程度で、内訳は検討・導入準備が1〜2か月、データ移行が2日間、奉行11との並行稼働が2か月です(OBC 奉行11サポート終了に関するご案内の移行スケジュール)。進める順番は次のとおりです。

  1. 情報収集:奉行クラウド説明会参加、デモ視聴、料金シミュレーション
  2. 社内申請・契約:稟議、契約締結、ユーザーアカウント発行
  3. データ移行設計と実施:OBC提供のデータ移行ツールでマスタ・残高・取引データを移行
  4. 並行稼働・検証:旧奉行11 と 奉行クラウドを並行稼働、データ整合性検証
  5. 本稼働開始:旧システム停止、奉行クラウド単独運用へ

移行ツールの利用、運用支援は OBC または OBC 公式パートナー(オービックオフィスオートメーション 等)が提供します。

5. 奉行11 → freee / MF 移行の実務

競合クラウド会計への移行は、奉行クラウドと比べて操作感の差が大きく、より長い習熟期間が必要です。標準的な進め方:

  1. 移行先選定(1か月):freee と MF の比較、PoCで業務シナリオを実データ検証
  2. 科目体系・マスタ整理(1〜2か月):奉行で蓄積された勘定科目、取引先、商品マスタの整理。重複・古いデータのクレンジング
  3. データ移行(1〜2か月):CSV経由でマスタ・残高・取引データを移行
  4. 業務プロセス再構築(1〜2か月):仕訳パターン、承認フロー、レポート設定を新しい思想で再構築
  5. 並行稼働(1か月):奉行11 と freee/MF を並行稼働、ユーザートレーニング
  6. 本稼働開始:旧システム停止、新システム単独運用へ

標準期間は4〜6か月、規模・カスタマイズ範囲により変動します。

6. 移行の費用と期間の見積もり方

費用は、移行先の利用料と、データ移行・設定・並行稼働の作業を誰がどこまで行うかで決まります。奉行クラウドの利用料は OBC の料金シミュレーションで試算できます。OBCの案内では、奉行クラウドの年間利用料にソフトウェアの保守、バージョンアップ、セキュリティ対策、データセンターの運用費が含まれます。データ移行は動画を見ながら自社で行うこともでき、OBCの専任インストラクターによる有償のオンラインサポートもあります(OBC 奉行11サポート終了に関するご案内のよくあるご質問)。freee 会計・マネーフォワード クラウド会計は、各社の公式の料金ページでプランごとの料金を確かめてください。

期間は、奉行クラウドなら4の節のとおり3〜4か月程度(OBCの案内)です。freee 会計・マネーフォワード クラウド会計に替える場合は、5の節のとおり、科目体系やマスタの組み直しと操作の習熟がある分、長く見込みます。見積もりを比べるときは、移すデータの年数、部門・補助科目の数、ほかのシステムとの連携の有無を揃えて依頼すると、差の理由が分かりやすくなります。勘定奉行クラウドと freee 会計・マネーフォワード クラウド会計の料金の考え方の違いは、勘定奉行クラウドの導入支援のページの比較表にもまとめています。

7. よくある主な失敗

  1. 「ぎりぎりまで検討」してサポート切れ前に間に合わない:更新プログラムが止まるプログラムメンテナンス終了(前期は2026年12月末、後期は2028年12月末)から逆算して、移行先と時期を決める
  2. 奉行クラウドを「とりあえず」選んでしまう:奉行公式パスは安心ですが、業務効率化のチャンスを逃す可能性。必ず3製品比較
  3. マスタデータをそのまま移行:奉行で蓄積された重複・古い・整合性のないデータを新システムに持ち込む
  4. 会計事務所と相談せずに決める:会計事務所が奉行に習熟している場合、freee/MFへ移行すると事務所側のコストや学習負荷が発生
  5. 並行稼働期間を1か月以内に切り詰める:月次決算を含む四半期1サイクルは並行運用、データ整合性確認
  6. 運用定着支援を予算に含めない:本稼働後の問い合わせ対応、改善要望対応の予算を確保

8. AI / Claude Code を活用した移行支援

  • 奉行カスタマイズ仕様の解析:奉行11 のカスタマイズ項目・帳票テンプレートを Claude Code で解析、新システムでの実装方針を AI が提案
  • マスタデータクレンジング:勘定科目、取引先、商品マスタの重複検出・正規化を AI で初稿実行
  • 仕訳ルールの可視化と再設計:奉行で運用してきた仕訳パターンを AI で抽出し、freee/MF/奉行クラウドで再現する設定の初稿生成
  • 移行後マニュアル自動生成:新システムの操作マニュアル、FAQをAIで初稿生成、現場フィードバックで継続改善
  • MCP経由での会計操作:移行後の freee / MF / 奉行クラウドを Claude Code から自然言語で操作する実装事例も増加

奉行11 移行のタイムライン:2025〜2027年 逆算スケジュール

2027年4月のサポート終了まで、移行プロジェクトに割ける時間は限られています。以下のマイルストーンを目安に、着手する作業を確認してください。

時期 作業内容 ポイント
2025年内 移行先ソフト選定・会計事務所との合意・見積もり取得 freee / MF / 奉行クラウドの3社比較。会計事務所が対応している製品を必ず確認
2026年上期 データ棚卸し・勘定科目マッピング・テスト移行 マスタデータのクレンジングが最大の工数。担当者が退職する前に着手
2026年下期 本番移行・並行運用(旧システムと新システムを3ヶ月並行) 期中移行は仕訳の期首残高合わせに注意。原則は期首(4月)または中間(10月)スタートが安全
2026年12月末(前期のプログラムメンテナンス終了) 奉行クラウドなど移行先への切り替えを終える OBCはこの日までの切り替えを勧めている。これ以降は制度改正に合わせた更新プログラムが提供されない
2027年3月末 奉行11での最終バックアップ取得 バックアップは複数媒体で保管。税務調査時に最低7年分の帳票を参照できる体制を確保
2027年4月(サポート終了) 奉行11 のサポート終了 問い合わせ窓口を含むすべてのサポートが終了。更新プログラムの提供は、その前の2026年12月末で終わっている

この表は前期(2023年3月末までに購入)の製品の日程です。後期の製品は、どの行も2年うしろにずらして読んでください。

9. FAQ

Q1. 奉行11 のサポート終了に間に合わないと何が起きますか?

止まる時期は2段階です。まずプログラムメンテナンスの終了(2023年3月末までに購入した製品は2026年12月末、2023年4月から2025年3月末までに購入した製品は2028年12月末)で、法令改正対応(インボイス、電帳法、税制改正)やバグ修正のプログラムが提供されなくなります。次にサポートの終了(それぞれ2027年4月末/2029年4月末)で、問い合わせ窓口も閉じます。プログラムが出ない状態での継続使用は監査・コンプライアンス上のリスクになりますので、切り替えはプログラムメンテナンス終了日までに完了させてください。

Q2. 奉行クラウド・freee 会計・MF クラウド会計、結局どれを選ぶべき?

判断基準は3つ:(1) 操作感の継承を最優先 → 奉行クラウド、(2) 業務効率化と SaaS連携を重視 → freee 会計、(3) グループ全体の経理 DX を SaaS スイートで進めたい → MF クラウド会計。3製品ともデモ・PoC を実施して、実業務シナリオで比較することを強くお勧めします。

Q3. 奉行11 のデータをそのまま新システムに移行できますか?

マスタ(勘定科目、取引先、商品)、残高(試算表、補助元帳残高)、取引データ(仕訳、伝票)は移行可能です。ただし、奉行 で長年蓄積された重複・古い・整合性のないデータをそのまま移行すると、新システムでも問題が継続するため、移行前のクレンジング期間(1〜2か月)を必ず確保してください。

Q4. 会計事務所が奉行を使っている場合、freee / MF への移行は難しい?

会計事務所が奉行のみ対応の場合、移行に伴い事務所側の対応コスト・学習負荷が発生します。事前に事務所と相談し、(1) 事務所も freee / MF に対応できるか、(2) 別の事務所への切り替えも視野に入れるか、(3) 自社で freee / MF を運用しつつ事務所には決算データだけ提供するか、いずれかを決める必要があります。多くの会計事務所はクラウド会計対応を進めており、相談すれば対応可能なケースが増えています。

Q5. 奉行クラウドへの移行コストの目安は?

奉行クラウドの利用料は、OBC の料金シミュレーションで試算できます。移行の作業費は、データ移行を自社で行うか、販売パートナーや OBC の有償のオンラインサポートに任せるかで変わります。見積もりを取るときは、移すデータの年数、部門・補助科目の数、ほかのシステムとの連携の有無を揃えておくと比べやすくなります。

Q6. 奉行11 から freee / MF 移行は AI でどのくらい効率化できる?

効くのは、勘定科目・取引先・商品マスタの重複の洗い出し、過去の仕訳からのパターンの抽出、移行後の操作マニュアルの初稿づくりなど、人が確かめる前の下ごしらえです。どれだけ手間が減るかは、データの量と、いまのマスタの整い具合で変わります。

主な出典

※ サポート終了の時期と移行のスケジュールは、2026年9月30日に OBC 公式の案内で確認しました。最新の正確な情報は OBC 公式までご確認ください。本記事は過去の支援案件・公開資料・公式ドキュメントに基づくAurant Technologies独自の見解で、特定ベンダーから対価を得て作成したものではありません。

会計ソフト導入支援

freee・マネーフォワード・勘定奉行・バクラクの選定から、税区分や勘定科目の設計、期首・期中の移行、電子帳簿保存法への対応、周辺システムとの連携までを支援します。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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