【完全ガイド】大塚商会 たよれーる契約の見直し:継続・部分内製化・完全切替の判断軸とコスト最適化
大塚商会 たよれーる契約を継続するか、部分内製化するか、他SI/直販へ完全切替するかの判断軸を徹底解説。コスト最適化4チェックポイント、移行プロジェクト進め方、よくある失敗回避策、AI活用での内製化支援。
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本記事は、大塚商会経由で SMILE BS(販売・財務・人事)/どっと原価NEO/たよれーる系のクラウドサービス(勤怠・経費・グループウェア・セキュリティ等)を10年以上利用してきた中堅企業(売上50億〜500億円・従業員100〜1,000名)で、「次の3年でこの構成をどうするか」を経営に答える管理本部長/情シス部長を読者として書きました。「全部切り離す」「全部続ける」の極端な二択ではなく、ハイブリッドで業務の主導権を取り戻す現実解を整理します。
1. 「いま見直す」が現実的な5つの理由
大塚商会経由のシステムは安定して動いており、サポートも丁寧です。それでも次の3年で見直し議論が出る理由は次の5つ。
① SaaS化。SMILE BS のオンプレ更改負担を消したい。
② 内製化。属人化と「大塚商会丸投げ」からの脱却。
③ グループ統合(M&A・拠点統合)で業務基盤の標準化。
④ 電帳法/インボイス/IFRS対応の継続負担。
⑤ 大塚商会以外のSaaS/パートナーとの併用。freee/マネーフォワード/kintone/Salesforce 等を導入したい部門が増えた。
2. 大塚商会経由システムの「見えにくい強み」
見直し議論の前に、現状の強みを正確に理解しておくことが重要です。大塚商会は「ITコーディネーター+手厚いサポート+複数製品ワンストップ」で、中堅企業のIT基盤を長年支えてきた稀有な存在です。具体的な強み:
・窓口一本化:会計・販売・人事・勤怠・グループウェア・セキュリティを1社で管理
・導入サポートの厚み:要件ヒアリング・設定・トレーニング・運用支援
・地方拠点の対応力:全国網のサポート体制
・SI費が比較的明朗:見積もりが早く、追加費用も見えやすい
これらを失うコストは、SaaS切替の機能差以上に大きいことがあります。「全部切り離す」は最終手段として捉え、まずハイブリッド構成を検討します。
3. 三択の整理:SaaS全面移行/部分置換/継続+内製化
| 選択肢 | 向いている状況 | 3年で必要な投資 | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| A. 大塚商会から全面切り離し | 内製化を強く進めたい/自社IT人材を採用済み | 初年度に500万〜2,000万円 | サポートの厚みを失う/地方拠点の対応負担 |
| B. 部分置換(会計だけ/販売だけ) | 領域別の最適化を段階的に進めたい | 領域ごとに 200〜800万円 | 連携I/F維持・契約管理が複雑化 |
| C. 大塚商会継続+内製化推進 | サポート維持+社内主導の両立 | 内製化育成費+現状維持 | 主導権が一部残る/コスト最適化は限定的 |
多くの中堅企業の現実解は「Bの部分置換+Cの内製化推進」のハイブリッドです。会計/販売は大塚商会継続、または他社SaaSに切替、勤怠/経費/給与は SaaS最適化、グループウェアは M365/Google に統一——という設計です。
4. 領域別の見直し方針
| 業務領域 | 現状(大塚商会経由) | 見直し方向 |
|---|---|---|
| 会計 | SMILE BS/弥生 | OBIC7クラウド/MFクラウドPlus/freee/弥生Next |
| 販売管理 | SMILE BS | SMILE V Air継続/OBIC7/NetSuite/kintone |
| 原価管理(建設・製造) | どっと原価NEO | 業界SaaS(ANDPAD/現場Knack)/OBIC7/GLOVIA |
| 人事給与 | SMILE BS/PeopleNet | 奉行クラウド/SmartHR+給与SaaS |
| 勤怠 | たよれーる勤怠 | KING OF TIME/タッチオンタイム/TeamSpirit |
| 経費 | たよれーる経費 | 楽楽精算/Concur/freee経費 |
| グループウェア | たよれーるGW/サイボウズ | M365+Teams/Google Workspace |
| セキュリティ | たよれーるセキュリティ | 大塚商会継続が安心 / Microsoft Defender 統合 |
5. たよれーる契約の棚卸し
たよれーる経由で契約しているSaaSは、「いつ・なぜ・どの契約条件で」契約したかが見えなくなっているケースが多いです。契約見直しの第一歩は棚卸しです。
具体的に集める情報:
・契約一覧(製品名・契約開始日・契約期間・更新月・年額/月額)
・実利用者数 vs 契約者数の差
・直接契約に切り替えた場合の費用比較(製品ベンダー直接価格)
・大塚商会経由の付加サービス(サポート・トレーニング・代理サポート)
・他SaaSへの乗り換え検討状況
棚卸しを年1回ルーティン化することで、契約最適化の機会を逃しません。
6. データ移行:科目・取引先・商品マスタの再設計
SMILE BS からの会計移行は、勘定科目・補助科目・部門・取引先マスタの再設計が中心です。10年使った大塚商会経由システムには、必ず次の負債が含まれます。
・用途不明の補助科目(5年以上使われていない)
・現場ごとに増殖した雑費(販売促進費・販促費・広告費の同義複数科目)
・定義が揺れた部門コード(廃止部門・統合部門の残骸)
・取引先マスタの重複(株式会社/(株)/カナの表記揺れ)
移行と同時に「使われている粒度」で再定義することで、月次決算が3〜5日早くなる効果が出ることが多いです。
7. 並行稼働の期間設計
領域別の並行稼働期間の目安:
・会計:年度切替+3カ月並行
・販売:2カ月並行(在庫差異ゼロ確認)
・人事給与:3カ月給与並行計算(差異ゼロ確認)
・勤怠:1カ月並行
・経費:1カ月並行
並行稼働を半年以上引っ張ると整合性が崩れるため、並行は短く、決算は新システムで締める覚悟が必要です。
8. 内製化の現実:「コア業務だけ内製」が現実解
大塚商会丸投げから内製化に振るには、社内IT人材の採用・育成が必要ですが、「全部自分でやる」を目指すと挫折します。現実解は次の3層構造:
・コア業務(会計・販売・人事の意思決定):内製で主導権を取り戻す。SaaS設定・運用ルール・データ分析を社内主導で。
・準コア業務(勤怠・経費・グループウェア):SaaSベンダーとの直接契約+情シス運用。
・非コア業務(セキュリティ運用・複合機保守・ネットワーク):大塚商会または専門ベンダーに継続委託。
内製化は「コア業務の意思決定権を社内に取り戻す」がゴールであり、運用工数を全部内に抱える必要はありません。
9. 大塚商会との関係を「再設計」する
移行は「大塚商会から離れる」だけが解ではありません。次の3パターンが現実解です。
① 完全切り離し:他社SaaSに全面移行+他SI/パートナーを再選定。サポートの温かみは失うが、内製化の自由度は高い。中堅企業では少数派。
② 部分切り離し:会計/販売/人事は大塚商会以外に切替、勤怠/経費/グループウェア/セキュリティは大塚商会継続。多くの中堅企業の現実解。
③ 継続+内製化:大塚商会経由を継続しつつ、運用は社内主体に切り替え、改修だけスポット依頼。コスト最適化は限定的だが移行リスクゼロ。
10. プロジェクト期間の典型値(500名規模)
| 選択肢 | 要件定義 | 製品選定 | 構築・データ移行 | 並行稼働 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 会計だけ部分置換 | 1カ月 | 1カ月 | 3〜4カ月 | 3カ月 | 8〜9カ月 |
| 会計+販売 部分置換 | 2カ月 | 2カ月 | 5〜7カ月 | 3カ月 | 12〜14カ月 |
| 全面移行(会計+販売+人事+勤怠) | 2〜3カ月 | 2カ月 | 8〜10カ月 | 3〜4カ月 | 15〜19カ月 |
11. 3年TCOの実数試算(500名規模)
| 項目 | 大塚商会経由継続 | 部分置換ハイブリッド | 全面切り離し |
|---|---|---|---|
| ライセンス/サブスク | 製品+保守+たよれーる手数料 数千万円/年 | 各SaaS直接契約+大塚商会一部 数千万円/年 | 全SaaS直接契約 数千万円/年 |
| サーバー/インフラ | 5年に1回 数百万〜1,000万円 | 不要 or 限定 | 不要 |
| 移行プロジェクト | — | 200〜800万円 | 500〜2,000万円 |
| 運用人件費 | 大塚商会依存で見えにくい | 社内IT+部分パートナー | 社内IT+複数パートナー |
| サポート安心感 | 高(大塚商会の総合力) | 中(領域別に分散) | 低(自力で各SaaSと付き合う) |
12. 失敗事例から逆算する「やってはいけない3つ」
① 「全部SaaSに切り替える」を一気にやって運用が回らない。会計・販売・人事・勤怠・グループウェアを同時に切替し、現場が混乱、月次決算が2カ月遅延。
② 大塚商会との関係を切ってからサポートのありがたみに気づく。トラブル対応の窓口がベンダーごとに分散し、解決まで時間がかかる事態が頻発。
③ たよれーる経由契約の棚卸しを省略して二重契約。新SaaSを直接契約した後に、たよれーる経由でも同じ製品を契約していたことが発覚し、年額数十万円の無駄が継続。
13. 来期予算化までに、いま動かす3アクション
① たよれーる契約の棚卸しを総務/情シス主導で開始する。契約一覧と実利用状況を可視化することで、すぐに数十万〜数百万円の最適化機会が見えます。
② 領域別の見直し優先順位を経営と握る。「どこから手をつけるか」を決めることで、議論が前進します。
③ 大塚商会+他SaaSベンダー2〜3社からアセスメント提案を取る。大塚商会継続案・部分置換案・全面切り離し案の3案を、同じ前提条件で比較する。
大塚商会経由システムの今後3年は、「業務の主導権を社内に取り戻すロードマップ」を描くことがゴールです。「全部切り離す/全部続ける」の極端を避け、ハイブリッドで段階的に内製化を進めることが、中堅企業にとって最も現実的な解です。
大塚商会経由の構成を見直して freee・マネーフォワード・OBIC7 等への段階的な移行を進める際、各SaaSにAIや自動化スクリプトを組み合わせる場面が出てきますが、どのサービスのどのデータを何に渡すかの権限設計と操作ログを移行設計の初期に固めておくことが、ベンダーをまたいだIT統制の安定につながります。システム構成の見直しとAI活用設計のご相談は Claude Code 導入支援 でも承っています。
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