【後編】SaaS×Webアプリ×AI活用で1人8倍の成果を出す!自社実践レポート
SaaS・Webアプリ・AIを組み合わせた自社実践【後編】。成果が出た運用の型と、再現しやすいポイントをレポートします。
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【自社実践・後編】SaaSの隙間を埋めるAIエージェント。1人が8倍の成果を出す組織の作り方
前編で紹介した「SaaSと内製WebAPPの使い分け」を土台に、後編ではバックオフィス構成、経営可視化(Notion AI / Apache Superset)、そしてAIエージェント活用による生産性変化を、当社の実践として公開します。

こんにちは。Aurant Technologiesです。
前編では、社内で実践している「ドキュメントツールの使い分け」や、あえてSaaSを使わない「プロジェクト管理の内製化(kintone × WebAPP)」についてお話ししました。
後編となる今回は、事業の要である「バックオフィス(会計・請求)」のシステム選びのリアルと、経営の数字をどう可視化しているのか、そしてAIエージェント(Claude)導入で経営判断がどう変わったかを具体的に紹介します。

3. 自社のフェーズに合わせた「バックオフィス(会計・請求)」の最適解
営業が受注したあとの、請求書発行、入金確認、会計反映といったバックオフィス業務は、企業の成長フェーズに応じてシステムを切り替える必要があります。
黎明期〜中規模フェーズ:kintone × freee会計
数百名規模までの組織であれば、kintone × freee会計の連携はスピードと柔軟性のバランスが取りやすく、現場運用と経理処理を無理なく接続できます。kintone側で請求確定したデータをAPIでfreeeへ連携し、請求から消込までの流れを短く保つ構成です。
具体的な連携パターンや運用上の注意点は、実践記事「kintone×freee連携の実務ガイド」で詳しく解説しています。

上場準備・大規模フェーズ:Salesforce × 勘定奉行 × バクラク
IPO準備や内部統制要件が強くなるフェーズでは、会計SaaS単体ではカバーしづらい領域が増えます。特に、複雑な予実・資産管理がExcelに逆流すると、経理チームが疲弊しやすくなります。
そのため当社では、一定規模以上の企業にはSalesforce(またはkintone)→ 債権奉行クラウド → 勘定奉行クラウドの連携を軸に、現場入力は使いやすいバクラクで吸収するハイブリッド構成を推奨しています。現場の入力負担を下げつつ、経理側へは承認済みの整ったデータだけを流す設計です。

4. 経営の羅針盤を創る。Notion AIとApache Supersetによる可視化
システムをつないだ後に重要なのは、データを「意思決定できる形」に可視化することです。当社では、日常運用と全社分析でツールを分けています。
日常の予実管理とナレッジ抽出:Notion AI
非エンジニアでも使える運用として、Notion AIは非常に有効です。過去の提案書やプロジェクト資料に対して自然文で問い合わせ、必要な履歴を短時間で抽出できます。


全社横断の統合可視化:Apache Superset
一方、全社横断の分析にはオープンソースのApache Supersetを活用しています。Salesforce、kintone、WebAPP、会計データを集約し、予実や採算をリアルタイムに可視化することで、ライセンス費用を抑えながら経営判断の速度を上げています。
5. SaaSの隙間を埋める「AIエージェント(Claude)」活用
① 集客の自動化と分析
Web、SNS、DMなどのオンライン施策から、展示会・店舗などのオフライン施策まで、運用と分析にClaudeを組み込んでいます。媒体ごとの反応データをもとに、投稿案の自動生成、訴求軸の見直し、次アクションの提案までを短いサイクルで回し、集客効率の改善を継続します。
② 【最重要】商談の質向上とSlackを含めた「文脈」のナレッジ蓄積
Google Meet等の商談はNotionへ連携してドキュメント化し、さらにSlack上の議論プロセス(なぜその判断に至ったか、どの条件で見送ったか)まで拾い上げます。Notion、Slack、GitHub、Google Workspaceに散在する公式資料と非公式議論を横断的に構造化することで、表面的な結論だけでなく実務の判断文脈まで組織知として蓄積できます。
③ 提案作業のサポート(Notion AI / Claude)
新規提案時には「過去の〇〇案件で何をやったか」と自然文で問い合わせるだけで、背景・提案内容・比較検討の経緯を要約抽出できます。蓄積ナレッジを前提に資料作成・情報収集を支援するため、経験年数に依存しにくい提案品質を実現しやすくなります。
④ 営業予実管理の自動化
Notion AIに「株式会社〇〇 案件 100万円」と入力すると、売上管理シートやパイプライン、MRRのダッシュボードへ反映する運用を構築しています。入力負担を減らしつつ、営業側が数字更新を後回しにしない状態を作るのが狙いです。
可視化だけでは、現場に残る細かな手作業は消えません。そこで当社は、SaaSの隙間を埋める小さな自動化をAIエージェント(Claudeなど)で内製し、GitHubで共有しています。
- 請求書の自動整理:経理メールに届くPDFをAIで判定し、Google Driveへ自動振り分け。
- 仕訳レコメンド:過去仕訳パターンとAPI連携に基づく入力支援。
- 採用媒体のSlack通知:応募情報を整形して関係者へ即時共有。
- マニュアル自動生成:画面キャプチャから説明文を生成し配布。
- 個社最適の営業文面生成:公開情報をもとに企業フェーズ別の提案文面を自動作成。

管理領域(バックオフィス)のシステム構成
営業活動で発生した売上・経費データを、手入力を極力介さず財務会計まで接続するため、管理領域は次の2系統で運用しています。
- ① 債権管理(売上・請求)の自動化:Salesforce / kintone(CRM)→ 債権奉行クラウド → 勘定奉行クラウド。受注データから請求・入金消込・仕訳連携までを自動化し、二重入力を排除。
- ② 債務・経費・汎用申請:バクラク(各種申請・受領)→ 勘定奉行クラウド。事前稟議、経費精算、請求書受領、汎用申請を一元化し、AI-OCRと仕訳推薦で入力負荷を削減。
特にバクラク側では、過去データをもとに勘定科目や部門の補完を行い、承認済みデータをそのまま勘定奉行へ連携する運用を採っています。
6. AIがもたらした「1人8倍」の生産性と経営判断の融合
当社で最も大きかった変化は、AIエージェントを前提にした結果、1人あたりの成果量が大きく伸びたことです。企画・実装・検証を少人数で高速に回し、効果が出るものにだけ予算を集中できるようになりました。
以前ならROIが合わず見送っていた施策も、まず小さく作って試すことが可能になり、失敗時は即撤退、成功時は即拡張という判断が現実的になっています。つまり「経営判断」と「現場判断」の距離が短くなり、一体化したことが本質です。
まとめ:自ら実践しているからこそ、本質的な提案ができる
前編・後編を通じて、当社が実際に使っているツール構成とAI活用の実務を公開しました。SaaSの便利さを活かしつつ、足りない部分は内製で埋める。この設計思想が、コストとスピードを両立させる鍵だと考えています。
「SaaSコストは増えるのに現場が楽にならない」「AI活用の着手点が分からない」「成長フェーズに合う構成が知りたい」といった課題があれば、ぜひご相談ください。