Make(旧Integromat)業務自動化ガイド 2026:iPaaS比較(Make/Zapier/Power Automate)
Make(旧Integromat)でDX・業務効率化を実現したい決裁者・担当者必見。Aurant Technologiesが、導入メリットから実践ノウハウ、成功戦略まで徹底解説します。
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Make(旧Integromat)でDXを加速!業務自動化・効率化の成功戦略とAurant Technologiesの実践ノウハウ
100件超のBI研修と50件超のCRM導入を支援してきたプロが、Makeを活用した「持続可能な」自動化アーキテクチャを徹底解説します。ツール選びで終わらない、経営に効くDXの解。
1. Make(旧Integromat)の本質:単なる「連携ツール」を超えたビジネスエンジン
ビジネス現場で「自動化」が叫ばれて久しいですが、多くの企業が「ツールの導入」そのものを目的にしてしまい、結果として「自動化されたゴミ(不正確なデータ)」を量産しています。私が数多くのCRM導入現場で目にしてきたのは、連携設定の甘さゆえに、結局人間が修正作業に追われるという本末転倒な姿です。
Make(旧Integromat)は、こうした「不完全な自動化」を打破する、極めてロジカルかつ強力なiPaaS(Integration Platform as a Service)です。最大の特徴は、ドラッグ&ドロップの視覚的な操作感でありながら、プログラミングコードを書くのと同等の緻密なデータ処理をノーコードで実現できる点にあります。
ブランド変更の背景:なぜ「Make」なのか
2020年、プロセスマイニングの巨人であるCelonis社がIntegromatを買収し、2022年に「Make」へとリブランドされました。これは単なる名称変更ではありません。ビジネスプロセス全体の「可視化」と「実行」をシームレスに繋ぐという、エンタープライズ領域を見据えた戦略的な進化です。
Makeが解決する「DXの停滞」
多くの日本企業が直面しているのは、「SaaSが増えすぎたことによるデータの分断」です。営業はSalesforce、経理はfreee、CSはZendesk。それぞれは優秀ですが、それらが「喋っていない」ために、手作業でのCSVインポート・エクスポートが横行しています。Makeはこの「データの隙間」を埋める神経系として機能します。
2. 主要iPaaSツールの徹底比較(Make vs Zapier vs Power Automate)
ツール選定で迷われている担当者の方へ、私が実務で感じている肌感覚を反映した比較表を作成しました。
| 項目 | Make | Zapier | Power Automate |
|---|---|---|---|
| 向いている層 | エンジニア・高度な業務設計者 | 全ビジネスユーザー | Microsoft 365利用企業 |
| 複雑な分岐 | ◎(無限に可能) | △(上位プランのみ) | ○(標準機能で可能) |
| コスト感 | ◎(実行量課金で安価) | △(機能制限が多く高額化しやすい) | ○(ライセンス付帯が多い) |
| データ加工能力 | ◎(関数が非常に豊富) | △(Formatterが必要) | ○(式がやや難解) |
なぜプロの現場ではMakeが選ばれるのか
Zapierは「Aが起きたらBをする」という直線的な連携には強いですが、「Aが起きて、かつ条件Cを満たし、さらにDのシステムを検索した結果、データがあれば更新、なければ新規作成する」といった、実務で頻発する複雑な分岐において、Makeの「イテレーター(繰り返し)」や「アグリゲーター(集約)」機能が圧倒的に優位に立ちます。
たとえば、複数のSaaSコストを削減するプロジェクトにおいては、ライセンスの付与状況を横断的に監視する必要があります。このような「高度な監視・制御」にはMakeの柔軟性が不可欠です。
関連記事:SaaSコストを削減。フロントオフィスツールの「標的」と現実的剥がし方
3. Make導入の実践シナリオとコスト感
実際にMakeを導入する場合、どのような投資が必要になるでしょうか。公式サイトの情報をベースに、現実的な運用コストを解説します。
料金体系(目安)
- Freeプラン: $0/月(1,000回実行まで)
- Coreプラン: $9/月〜(高度な機能制限なし。小規模自動化に最適)
- Proプラン: $16/月〜(より多くの実行回数と優先処理)
- Teamsプラン: $29/月〜(チームでの共同編集とアクセス権限管理)
【公式サイト】Make Pricing Page
注記: 多くのBtoB企業では「Teamsプラン」以上が推奨されます。個人アカウントで重要なシナリオ(経理連携など)を構築してしまうと、退職時にメンテナンス不能になる「野良自動化」のリスクがあるためです。
具体的導入事例:EC売上と会計ソフトの「整合性」自動化
以前支援した50名規模のEC事業者様では、Shopifyの売上データをfreeeに自動連携していました。しかし、標準の連携ツールでは「クーポン値引き」や「決済手数料」の分解が不十分で、結局毎月末に経理担当者が3日間かけて手動で修正を行っていました。
【解決策】Makeを介在させ、Shopifyから注文データを受信した直後に、独自のロジックで「純売上」「送料」「決済手数料」を分解。さらに、会員ランク情報をCRMから取得してタグ付けし、freeeに仕訳として投入するアーキテクチャを構築しました。
- 成果: 月次締めの作業時間をゼロに短縮。さらに、BIツール(BigQuery)にデータを並行して飛ばすことで、リアルタイムな顧客LTV分析が可能に。
- 出典: Make Customer Stories – Accounting Automation
4. プロが教える「失敗する自動化」の共通点と【+α】の回避策
50件以上のCRM導入に関わってきた経験から、Make利用時に陥りやすい「実務の落とし穴」を挙げます。
① エラーハンドリングの不在
「APIが一時的にダウンした」「想定外のデータが入力された」瞬間にシナリオが停止し、その後のデータが欠落するケースです。【+α】の対策: Makeには「Error Handler」という専用モジュールがあります。エラー発生時に「管理者にSlack通知する」だけでなく、「一定時間後にリトライする」あるいは「一時的にスプレッドシートに保存して復旧を待つ」といった『フェイルセーフ』を必ず組み込んでください。
② フィルタリングの欠如による実行数(Operations)の無駄遣い
すべてのイベントに対してシナリオを走らせると、すぐに月間の実行上限(Operations)に達し、追加コストが発生します。【+α】の対策: シナリオの最上流で「Filter」を設置し、条件に合わないデータは1オペレーション消費する前に即座に終了させる設計を徹底しましょう。
③ システム間の責務分解が不明確
「何でもMakeで解決しようとする」のも危険です。たとえば、複雑な原価計算そのものをMakeの中で行うと、ロジックのブラックボックス化を招きます。【+α】の対策: 原価計算のような重厚なロジックはGoogle CloudのBigQueryやdbtなどのデータ基盤で行い、Makeはその「実行トリガー」と「結果の受け渡し」のみに専念させる。これが「モダンデータスタック」の王道です。
関連記事:高額なCDPは不要?BigQuery・dbt・リバースETLで構築するデータ基盤
5. Makeと連携すべき「実名」主要ツール3選
Makeのポテンシャルを最大化するために、私が導入現場でよく併用するツールをご紹介します。
① Salesforce (CRM/SFA)
世界シェアNo.1のCRM。Makeとの親和性は非常に高く、リード獲得から商談成立後のバックオフィス連携までを完全に自動化できます。【URL】https://www.salesforce.com/jp/
② freee会計 (会計/バックオフィス)
API公開度が高い国産会計ソフト。Makeを通じて銀行口座の動きや決済データを自動で取り込み、複雑な配賦処理も外部から指示可能です。【URL】https://www.freee.co.jp/
③ Slack (コミュニケーション)
単なるチャットツールではなく、自動化の「通知センター」および「インターフェース」として機能します。Makeを使えば、Slack上でボタンを押すだけで特定の業務をキックすることも容易です。【URL】https://slack.com/intl/ja-jp/
6. 結論:Makeは「ツール」ではなく「経営判断のインフラ」
DXとは、単に便利なツールを導入することではありません。「人間が本来集中すべき創造的な業務に、いかにリソースを戻すか」という経営判断そのものです。
Make(旧Integromat)を正しく使いこなせば、これまでバラバラだったSaaSが有機的に繋がり始め、あなたの会社に「リアルタイム経営」をもたらします。もし、「今の自動化設計が正しいのか不安がある」「現場が手作業を辞められない」とお悩みであれば、まずは既存のアーキテクチャを見直すことから始めてみてください。
Make運用を成功させるための「最終チェックリスト」と最新動向
Make(旧Integromat)は非常に柔軟ですが、導入後に「期待した運用が回らない」という事態を避けるため、設計段階で確認すべき実務的なポイントを整理しました。
1. 導入前に確認すべき技術的制約とサポート体制
Makeは海外ツールであるため、特に日本国内の法人がエンタープライズ用途で導入する際には、以下の「現実的な仕様」を把握しておく必要があります。
- 日本語サポート: 公式のテクニカルサポートは英語ベースです。ダッシュボードやモジュール名も英語が主となるため、非エンジニア部門が運用する場合は、社内マニュアルの整備が推奨されます。
- データリージョン: 標準では欧州(ドイツ等)や米国リージョンのサーバーを利用します。国内の厳しいPマーク運用やデータ移転規制がある場合、上位プラン(Enterprise等)でリージョン選択が可能か、最新の公式ドキュメントで確認してください。
- API制限(レートリミット): Make側の実行回数だけでなく、接続先(Salesforceやfreee等)のAPI呼び出し制限に注意が必要です。大量のデータを回す場合、意図せず接続先側の制限に抵触し、業務が止まるリスクがあります。
2. データ不整合を防ぐ「設計品質」チェックシート
連携を「動かす」ことと「正しく動かし続ける」ことは別物です。以下の項目が満たされているか、設計図を再確認してください。
| 確認項目 | チェックのポイント | 失敗した時の影響 |
|---|---|---|
| 重複検知ロジック | 既存レコードの有無を検索してから処理しているか | 顧客データが二重・三重に増殖する |
| データ型の変換 | 数値、日付、真偽値(True/False)が適切か | 会計ソフトへのインポートエラー、集計ミス |
| Webhookのセキュリティ | IP制限や独自の認証キーを設定しているか | 外部からの悪意あるデータ注入リスク |
| ログの保存期間 | エラー時の実行履歴(Incomplete Executions)を保持設定しているか | トラブル発生時の原因追究が不可能になる |
3. AI(LLM)との統合:自動化から「自律化」へ
2024年以降、MakeはOpenAIやAnthropic、そしてGoogleのGeminiといったLLMとの連携モジュールを大幅に強化しています。単なる「データの右から左への移動」だけでなく、移動の過程でAIに「内容の要約」「領収書の読み取り(OCR)」「メールの返信案作成」をさせるなど、非定型業務の自動化が現実的になっています。
特に、大量の非構造化データを分析し、経営判断に活用するアーキテクチャについては、以下の記事も参考にしてください。
広告×AIの真価を引き出す。CAPIとBigQueryで構築する「自動最適化」データアーキテクチャ
Makeのプラン内容(Enterpriseプランの専用サーバーオプション等)やAPIの対応状況は頻繁にアップデートされます。契約前には必ずMake Help Centerにて、最新のクォータ(割当制限)と仕様を確認してください。
その「手作業」は、本当に必要ですか?
Makeを活用した「理想の業務アーキテクチャ」の構築は、Aurant Technologiesにお任せください。実務を知り尽くしたコンサルタントが、貴社に最適なDX戦略を伴走支援します。
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【2026年実務版】Make vs 主要iPaaS 詳細比較
| ツール | 月額目安 | 向くケース |
|---|---|---|
| Make | 無料 / Pro 1,500円〜 | 複雑分岐・ビジュアル設計 |
| Zapier | 無料 / Pro 2,950円〜 | 中小・初心者向け |
| Workato | 年契約・数十万円〜 | エンタープライズ統制 |
| n8n | セルフホスト無料 | OSS・拡張可 |
Make 業務自動化 標準シナリオ
- 営業:問い合わせ→Salesforce登録→Slack通知
- 経理:請求書受領→OCR→freee仕訳起票
- 人事:入社時にM365/Slack/各SaaSアカウント自動作成
- マーケ:イベント参加者→HubSpot→ステップメール
FAQ
- Q1. 操作回数課金の予算管理は?
- A. 「月次上限+アラート」必須。詳細は SFA・CRM・MA・Webピラー。
- Q2. エラー時の対処は?
- A. Slack Webhook通知 + リトライ設定必須。
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※ 2026年5月時点の市場動向を反映。
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