LINE公式アカウントのKPI設計|ゴール別の指標の木とエンゲージメントの測り方

LINE公式アカウントのKPIは、売上・来店・予約・問い合わせのゴールから逆算して決めます。管理画面に「エンゲージメント」という指標は無いため、開封・クリック・リッチメニューのタップ・ブロックのどれで測るかを決める必要があります。ゴール別のKPIの木、月次で見る表の形、顧客データとつなぐ考え方を公式マニュアルで整理しました。

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この記事の要点

  1. KPIは友だち数や開封率からではなく、事業のゴール(売上・来店・予約・問い合わせ)から逆算して決める。ゴール、LINEの中で起きた行動、その手前の反応、土台になる友だちと費用の4段に分けて置く。
  2. 管理画面に「エンゲージメント」という指標は無い。開封・クリック・リッチメニューのタップ・ブロックなどから、ゴールにつながる数字を選び、式を決めて毎月追う。
  3. 月次の表は段の順に上から並べ、ゴールの数字は自社のデータ(受注・POS・予約台帳など)から取ってLINEの数字と並べる。顧客ごとに追うなら、人単位で記録できる行動を選ぶ。

KPIは、上の段から順に決める(4つの段)

上の段ほど成果に近く、下の段ほど日々の配信で動く

①事業のゴール

売上・来店・予約・問い合わせ

自社のデータで数える(受注・POS・予約台帳)

②LINEが起こした行動

コンバージョン・クーポン・予約・チャット

LINEの[分析]と計測タグで数える

③反応(エンゲージメント)

開封・クリック・リッチメニューのタップ

LINEの[分析]で数える

④土台と費用

届く人数・友だち追加・ブロック・費用

LINEの[分析]で数える(友だち・通数)

LINE公式アカウントのKPIを置く4つの段。①は自社のデータ、②〜④はLINEの[分析]などで数える

LINE公式アカウントのKPIは、友だち数や開封率から決めるのではなく、事業のゴール(売上・来店・予約・問い合わせ)から逆算して決めます。ゴールの数字、そこに向けてLINEの中で起きた行動、その手前の反応、そして土台になる友だちと費用。この4段に分けて数字を置くと、どの数字が動けば事業に効いたと言えるのかを、社内でも同じ順番で説明できます。

エンゲージメントも同じ考え方で決めます。LINE公式アカウントの[分析]には、「エンゲージメント」という名前の画面も指標もありません(管理画面のマニュアル一覧)。配信の開封やクリック、リッチメニューのタップやチャットのようにユーザーから起こす行動、ブロックのように離れていく行動のなかから、ゴールにつながるものを選び、計算の式を決めて毎月追います。

この記事では、ゴール別のKPIツリー、エンゲージメントを見る数字、月次で見る表の形、CRMや顧客データと結び付けるときの考え方を順に説明します。根拠にした資料は、LINEヤフー for Businessのマニュアルと媒体資料、LINE Developersの仕様書で、どれも2026年9月25日に読んで確かめています。

LINE公式アカウントのKPIは、ゴールから4段で決める

KPIツリー(KPIの木)は、上の段から順に決めます。いちばん上に事業のゴールを置き、その下にゴールにつながるLINEの中の行動、さらにその手前の反応、いちばん下に友だちの数と配信の費用を置きます。

上の段ほど事業の成果に近く、下の段ほど日々の配信で動かしやすい数字です。注意したいのは、いちばん上の段はLINEの画面だけでは数えられないことが多い点です。売上は受注データ、来店はPOS、予約は予約台帳、問い合わせは顧客管理の仕組みの中にあり、LINEの[分析]で数えられるのは2段目から下になります。そこで月次の表では、自社のデータから取ったゴールの数字と、LINEで数えた2段目の数字を並べ、ゴール全体のうちLINEで起きた分がどれだけあるかを見ます。

土台の段には、友だちの累計ではなく「届く人数」を置く

土台の段でよく使われる「友だち数」には注意が要ります。友だちの数を見る画面([分析]>[友だち]の概要)には、友だち追加・ターゲットリーチ・ブロックが並びます(分析 – 友だち)。同じ組み合わせの数を返すMessaging APIの仕様では、友だち追加は指定した日までに友だちに追加された回数の累計とされ、アカウントがブロックされても、友だちがLINEアカウントを消しても、この数は小さくなりません(Messaging APIリファレンス「友だち数を取得する」)。この累計を目標にすると、メッセージが届かない人が増えていても数字は伸び続けます。

届く人数として使いやすいのは、すべての友だちにあてた配信の[配信]の数です。[配信]はメッセージが送信された人数なので(分析 – メッセージ配信)、月に1回でも全員あての配信があれば、その月に送れた人数として並べられます。

増やす側の数字は、友だち追加を入口ごとに分けて数えておくと、どの入口から来た友だちがゴールにつながっているかを後から確かめられます。店頭、チラシ、自社サイトなど、置き場所ごとにQRコードやURLを分ける方法は友だち追加経路の付け方と集計のルールにまとめています。

土台の段に置く数字

累計は置かない

友だち追加(累計)

  • 指定した日までに友だちに追加された回数の累計
  • ブロックされても、友だちがLINEアカウントを消しても小さくならない

目標にすると:メッセージが届かない人が増えていても、数字は伸び続ける

届く人数

全員あての配信の[配信]

  • メッセージが送信された人数
  • 月に1回でも全員あての配信があれば、その月に送れた人数として並べられる

増やす側

入口ごとの友だち追加

  • 店頭、チラシ、自社サイトなど、置き場所ごとにQRコードやURLを分ける
  • どの入口から来た友だちがゴールにつながっているかを、後から確かめられる

出典:LINEヤフー for Businessのマニュアル(分析 – 友だち/分析 – メッセージ配信)、LINE Developers(Messaging APIリファレンス「友だち数を取得する」)

ゴール別のKPIツリー:売上・来店・予約・問い合わせ

4つのゴールごとに、①〜③の段に置く数字を並べると次のようになります。④の土台と費用はどのゴールでも同じなので、図からは外しています。

ゴール別のKPIの木(①〜③の段に置く数字)

ゴール

売上(ECやWebでの申し込み)

  • ① 受注件数・売上(受注データ)
  • ② コンバージョン(計測タグかLINE Tagと、カスタムコンバージョン)
  • ③ 配信のクリックユーザー、リッチメニューのクリック

数えるときの注意:最後にタップしたリンクの成果として数える。リッチメニューからの成果はタグで計測できない

ゴール

来店(店舗)

  • ① 来店客数・来店売上(POS)
  • ② クーポンの使用ユーザー・使用回数、ショップカードの来店ポイント、LINEタッチの接触回数
  • ③ 配信のクリックユーザー、クーポンを表示した人(ユニークユーザー)

数えるときの注意:クーポンの数字は重複して数えられることがある

ゴール

予約

  • ① 予約数・来店数(予約台帳)
  • ② 「LINEで予約」の予約受付・来店
  • ③ リッチメニューの予約エリアのクリック、配信のクリックユーザー

数えるときの注意:LINE公式アカウントの外で受けた予約は入らない

ゴール

問い合わせ

  • ① 問い合わせ件数と、その後の商談・成約(顧客管理)
  • ② チャットの受信メッセージ・アクティブルーム、フォーム送信のコンバージョン
  • ③ リッチメニューの問い合わせエリアのクリック

数えるときの注意:受信メッセージには自動応答のキーワードやスタンプも入る

数字の名前は、LINEヤフー for Businessの各分析画面のマニュアルに合わせています。根拠のページは、下のゴールごとの説明にリンクしています。

ゴール別の表を見る
ゴール① ゴールの数字② LINEが起こした行動③ 反応で見る数字数えるときの注意
売上(ECやWebでの申し込み)受注件数・売上(受注データ)コンバージョン(計測タグかLINE Tagと、カスタムコンバージョン)配信のクリックユーザー、リッチメニューのクリック最後にタップしたリンクの成果として数える。リッチメニューからの成果はタグで計測できない
来店(店舗)来店客数・来店売上(POS)クーポンの使用ユーザー・使用回数、ショップカードの来店ポイント、LINEタッチの接触回数配信のクリックユーザー、クーポンを表示した人(ユニークユーザー)クーポンの数字は重複して数えられることがある
予約予約数・来店数(予約台帳)「LINEで予約」の予約受付・来店リッチメニューの予約エリアのクリック、配信のクリックユーザーLINE公式アカウントの外で受けた予約は入らない
問い合わせ問い合わせ件数と、その後の商談・成約(顧客管理)チャットの受信メッセージ・アクティブルーム、フォーム送信のコンバージョンリッチメニューの問い合わせエリアのクリック受信メッセージには自動応答のキーワードやスタンプも入る

売上:コンバージョンは、タグを置いたページでしか数えられない

ECやWebでの申し込みをゴールにするなら、②の段はコンバージョンです。LINE公式アカウントでコンバージョンを数えるには、サイトに計測タグかLINE Tagを置いたうえで、カスタムコンバージョンを作ります。カスタムコンバージョンの有効期間は、作るときに1日から90日までの間で設定します(カスタムコンバージョン)。数えられるのは、メッセージの中で最後にタップされたリンクから生まれた成果で、コンバージョン率はクリックユーザー数を分母にした値です(分析 – メッセージ配信)。

タグでは計測できない場所もあります。リッチメニューやテスト配信は、タグを使った計測の対象外です。また、LINE Tagはいずれ提供を終える予定で、今後タグで計測するなら計測タグを使うよう勧められています。計測タグを使えるのは、認証済アカウントで、ビジネスマネージャーの認証済みの組織とつないでいるアカウントです(トラッキング(計測タグ・LINE Tag))。

リッチメニューから来た人の購入まで数えたいときは、リンクにUTMパラメータを付け、サイト側のGA4で数える方法を併せて使います。設定の手順と、GA4での参照元の読み方はGA4でLINEからの流入を計測する方法で説明しています。LINEのコンバージョンは「メッセージの中で最後にタップしたリンク」に付く数え方なので、GA4の集計とは一致しない前提で、どちらを月次の表の②に載せるかを先に決めておきます。

来店:クーポン・ショップカード・LINEタッチの数字を手がかりにする

店舗への来店をゴールにするなら、②の段には、店頭で使われるLINEの機能の数字を置きます。クーポンは使用ユーザーと使用回数(分析 – クーポン)、ショップカードは来店で付与されたポイント数(来店ポイント)と使用済みの特典チケット(分析 – ショップカード)、店頭のNFCタグを使うLINEタッチは、タッチとQRコードの読み取りを合わせた接触回数を確認できます(分析‐LINEタッチ)。

どれも来店そのものではなく、LINEを通して確かめられた来店の手がかりです。クーポンの数字は、ユーザーの利用環境によって重複して数えられることがあり、画面に出るのは前日までの数字です(分析 – クーポン)。ショップカードは公開を止めると、その日から後は分析の数字を確認できません(分析 – ショップカード)。月次の表では、POSの来店客数を①に置き、②のクーポン使用などを並べて、来店のうちLINEで確かめられた分として読みます。

予約:「LINEで予約」の数字は、LINE経由の分だけ

予約をゴールにする場合、「LINEで予約」を使っていれば、[分析]>[予約]で予約受付と来店の件数を週次・月次で確認できます。ただし、この画面を使えるのは予約サービスとの連携を終えたアカウントに限られ、ユーザーがLINE公式アカウント以外で予約やキャンセルをした分は反映されません(分析 – 予約、LINEで予約)。

そのため①の予約数は予約台帳の全体で数え、②に「LINEで予約」の予約受付を置いて、全体に占める割合を見ます。自社の予約システムを使っている場合は、予約完了ページにタグを置き、コンバージョンとして数えます。③の反応には、予約フォームへのリンクを置いたリッチメニューのエリアのクリックが使えます。リッチメニューの分析ではエリアごとのクリックを見られますが、選んだ期間にクリックした人が20人未満だと数字は表示されず、表示される値もすべて推定値です(分析 – リッチメニュー)。

問い合わせ:チャットの数字は、問い合わせの件数ではない

問い合わせをゴールにするなら、①は顧客管理の仕組みで数える問い合わせの件数と、そこから進んだ商談や成約です。LINEの[分析]>[チャット]にある受信メッセージは受け取ったメッセージの数で、自動応答のキーワードやスタンプも含みます。アクティブルームは、やり取りのあったチャットルームを1日ごとに数え、選んだ期間で足し合わせた数です(分析 – チャット / 自動応答)。同じ相手と3日続けてやり取りすれば期間の合計には3と入るので、どちらも問い合わせの件数とは一致しません。

チャットの数字は対応の量を見る参考として②に置き、問い合わせの件数は自社側で1件ずつ数えます。Webのフォームで受ける問い合わせは、送信完了ページのタグでコンバージョンとして数えられます。

LINE公式アカウントのエンゲージメントは、何の数字で測るか

冒頭で触れたとおり、LINE公式アカウントには「エンゲージメント」という指標がありません。ユーザーの行動を3つに分け、そのなかから数字を選びます。

エンゲージメントを見る数字(行動の種類で3つに分ける)

3つは、単位と数える期間がそろわない

配信への反応

  • 開封、クリックユーザー(メッセージ配信)、あいさつメッセージの開封ユーザー・クリックユーザー

単位:人数

数える期間:メッセージ配信は1回の配信ごと、あいさつメッセージは選んだ期間

ユーザーから起こす行動

  • リッチメニューのクリックユーザー、チャットの受信メッセージ、クーポンのユニークユーザー

単位:人数(チャットはメッセージの数)

数える期間:選んだ期間

離れていく行動

  • ブロック(友だち)

単位:人数

数える期間:その日の時点

LINEヤフー for Businessのマニュアルで確認(分析 – メッセージ配信/分析 – チャット / 自動応答/分析 – リッチメニュー/分析 – クーポン/分析 – あいさつメッセージ/分析 – 友だち)

3つに分けておくのは、単位と期間がそろわないからです。開封やクリックユーザーは人数で、1回の配信ごとに数えます。リッチメニューのクリックやチャットは、選んだ期間の中で数えます。インプレッションやクリックのように、回数で数える数字もあります。これらを足し合わせて独自の「エンゲージメント率」を作ると、人数と回数、配信ごとと期間ごとの数字が混ざり、何が増えたのかを説明できなくなります。

選ぶときは、ゴール別の図で③に置いた数字から1つか2つに絞ります。予約がゴールなら、リッチメニューの予約エリアのクリックユーザーと、予約を案内した配信のクリックユーザー、という選び方です。開封とクリックがそれぞれ何を数えているのか、画面によって率の分母が違うこと、配信のあといつ数字が固まるのかは、LINE公式アカウントの分析の見方で整理しています。月次の表に載せる率は、そこでの定義に合わせて式を1つに決めます。

あわせて、離れていく行動のブロックも毎月並べます。配信の回数や内容を変えた月に、反応の数字だけでなく、ブロックの増え方も同じ表で見ておくためです。

なお、ここで挙げた数字は、どれも人数や回数の集計です。誰が反応したかを顧客ごとに見る方法は、後半のCRMの章で扱います。

率と人数を並べて見る

配信先を反応しやすい人に絞ると、クリック率が上がっても、クリックした人数やゴールの件数は全員に送ったときより少なくなることがあります。率だけを追うと、送る相手を減らすほど良く見えてしまうので、月次の表では率と、その元になる人数を並べます。配信先を条件で絞る方法と、絞ったときに送れる人数の下限は、セグメント配信のやり方と配信できる人数にまとめています。

反応した人を、次の配信の送り先にする

過去の配信を開封した人や、配信の中のリンクをクリックした人は、オーディエンスとしてまとめ、次の配信の送り先にできます(オーディエンス)。反応を数えるだけで終わらせず、反応した人に予約や来店の案内を続けて送ると、③の数字を②につなげる流れを作れます。作れるオーディエンスの種類と、さかのぼれる期間・使える期限はオーディエンスの作り方で確認できます。

反応を②の行動につなげる流れ

③ 反応した人過去の配信を開封した人、配信の中のリンクをクリックした人
オーディエンスにまとめる次の配信の送り先にする
予約や来店の案内を続けて送る③の数字を②につなげる

出典:LINEヤフー for Businessのマニュアル(オーディエンス)

KPIを月次で見る表の形

月次の表は、KPIツリーの段の順に上から並べます。ゴールの行を先頭に置くと、LINEの数字は良いのにゴールが動いていない月に気づけます。予約をゴールにした場合の行の例は次のとおりです。実際の表では、右側に当月・前月・前年同月・メモの列を足して使います。

段行に置く数字取り出す場所決めておくこと
① ゴール予約数(すべての経路)自社の予約台帳受け付けた日で数えるか、来店予定日で数えるか
② LINEの行動「LINEで予約」の予約受付と、①に占める割合[分析]>[予約]①と同じ日付の基準で数える
③ 反応リッチメニューの予約エリアのクリックユーザー[分析]>[リッチメニュー]リッチメニューを編集した月は、メモに残す
③ 反応予約を案内した配信のクリックユーザーと、配信した人数[分析]>[メッセージ配信]率の分母を決めて、式を書いておく
④ 土台全員あての配信の[配信](届く人数)[分析]>[メッセージ配信]全員あての配信がなかった月は空欄にする
④ 土台入口別の友だち追加と、ブロック[分析]>[友だち](概要・追加経路)ブロックは月末どうしの差で増減を見る
④ 費用有償の通数と、追加メッセージの費用[分析]>[メッセージ通数](費用は通数と単価から計算)料金の改定をまたぐ月は、使った単価をメモに書く

表を作るときは、行ごとに「いつの時点の数字か」をメモに書いておきます。予約は受け付けた日、配信の数字は送った日、ブロックは月末の時点というように、行によって期間の意味が違うためです。また、配信の数字やコンバージョンは、配信の後もしばらく動きます。締める日と、まだ動いている数字の扱いは、先に挙げた分析の記事の決め方にそろえます。リッチメニューは、編集すると分析の集計対象が変わる場合があるとマニュアルに書かれているので(オーディエンス)、編集した月はメモに残します。

配信を、目的ごとにまとめて集計する

③の配信の数字を月ごとに見るときは、どの配信がどのゴールのためのものかを先に分けておくと集計が楽になります。管理画面から送る配信なら、[メッセージ配信]でキャンペーンを作って配信に設定しておくと、キャンペーン単位の結果を[分析]で確認できます(キャンペーン)。

自社のシステムからMessaging APIでプッシュメッセージやマルチキャストメッセージを送る場合は、送るときにユニット名を1つ付けておくと、ユニットごとの統計情報を取得できます。ユニット名は送った後から付けたり変えたりできず、付けられる種類は1か月に1,000までです。ユニットごとの統計には送った通数や送信対象の人数が含まれないので、率の分母は送った側の記録から取ります(送信したメッセージの統計情報を取得する)。

費用の行は、有償の通数から出す

④の費用は、[分析]>[メッセージ通数]の有償タイプの通数をもとに計算します。有償タイプに数えられるのは、すべての友だちあての配信、絞り込み配信、ステップ配信で、応答メッセージ、あいさつメッセージ、チャットは含まれません。有償タイプの通数には、プランの無料メッセージの範囲で送った分と、それを超えた追加メッセージの分の両方が入ります(分析 – メッセージ通数)。Messaging APIで送る場合も、Reply APIでの返信は課金の対象外で、プッシュ・マルチキャスト・ブロードキャスト・ナローキャストは対象です(LINE公式アカウント媒体資料)。費用の行には、プランの月額と追加メッセージの料金を分けて書きます。

費用の行の元になる通数

費用の行には、プランの月額と追加メッセージの料金を分けて書く

管理画面から送る

[分析]>[メッセージ通数]の有償タイプ

  • 入る:すべての友だちあての配信、絞り込み配信、ステップ配信
  • 入らない:応答メッセージ、あいさつメッセージ、チャット

有償タイプの通数:プランの無料メッセージの範囲で送った分と、それを超えた追加メッセージの分の両方が入る

Messaging APIで送る

課金の対象かどうか

  • 対象:プッシュ・マルチキャスト・ブロードキャスト・ナローキャスト
  • 対象外:Reply APIでの返信

出典:LINEヤフー for Businessのマニュアル(分析 – メッセージ通数)、LINE公式アカウント媒体資料

追加メッセージの料金は、2026年10月1日の改定の前と後で単価の決まり方が違います(追加メッセージ料金改定のお知らせ)。改定をまたいで前年や前月と比べるときは、通数と費用を別の行にして、どちらの単価で計算したかをメモに書いておきます。新旧の単価と、月の通数ごとの請求額は料金改定の記事で試算しています。

CRM・顧客データとKPIを結び付けるときの考え方

配信しない顧客を残して、送った顧客と比べる場合の、LINE での残し方と、来店・購入の突き合わせ方は「LINE配信で増えた売上の測り方」で解説しています。

月次の表で分かるのは、LINE全体でどれだけの反応や成果があったかです。どの顧客が反応し、その後に買ったのか、予約したのかまで見たい場合は、LINEの友だちと自社の顧客データを結び付けます。その前に、LINEで人単位に分かることと、集計でしか分からないことを分けておきます。

人単位で分かること、集計でしか分からないこと

人単位で分かる行動と、集計でしか分からない行動

開封は人単位では取れない。顧客ごとに追う指標は、自社の側で記録できる行動から選ぶ

人単位(ユーザーIDつき)

  • 友だち追加(ブロック解除を含む)
  • ブロック
  • ユーザーが送ったメッセージ
  • ポストバックアクション(ボタンなどのタップ)
  • アカウント連携

受け取る場所:Messaging APIのWebhook

集計だけ

  • 配信の開封
  • 配信の中のURLのタップ

受け取る場所:[分析]の各画面、統計情報を取得するAPI

出典:Messaging APIリファレンス「Webhookイベントオブジェクト」、送信したメッセージの統計情報を取得する(いずれもLINE Developers)

Messaging APIを使うと、友だち追加(ブロック解除を含む)、ブロック、ユーザーからのメッセージ、ポストバックアクションの実行は、ユーザーIDを含むイベントとして自社のサーバーに届きます。ただし、プロフィール情報を取得することをユーザーが許可していない場合は、WebhookにユーザーIDが入りません(ユーザーIDを取得する)。

一方、開封やURLのタップについて、LINE Developersの資料は、プッシュメッセージやマルチキャストメッセージでは通常プライバシー保護のため統計情報を取得できず、ユニット単位にまとめて個人を特定できない形にすることで取得できる、と説明しています。集計した値が20未満の場合などは、値が返りません(送信したメッセージの統計情報を取得する)。

顧客ごとにKPIを見たいなら、測りたい行動を人単位で記録できる形にしておきます。たとえば、ボタンをポストバックアクションにして、タップを自社のサーバーで受け取る。リンク先をLINEログインを使う自社のページにして、ページの側で操作を記録する。開封は人単位では取れないので、顧客ごとに追う指標は、こうした自社の側で記録できる行動から選びます。

LINEのユーザーIDと、自社の会員IDをつなぐ

結び付けに使うのは、LINEのユーザーIDです。この値は、LINE Developersで作るプロバイダー(チャネルにアプリを提供する個人や組織の単位。用語集)が違えば、同じ人でも別々に発行されます。反対に、同じプロバイダーの下にあるチャネルどうしなら、チャネルの種類を問わず共通です(ユーザーIDを取得する)。ブランドや店舗ごとに複数の公式アカウントを持つ場合は、どのプロバイダーの下に置くかで、同じ顧客として扱えるかどうかが決まります。

自社の会員IDとつなぐ方法は、Messaging APIのアカウント連携か、LINEログインです。アカウント連携は、友だち追加しているユーザーに連携用のURLを送り、自社サービスにログインしてもらって結び付ける仕組みで、LINEログインのチャネルがなくても使えます(ユーザーアカウントの連携)。LINEログインを使う場合は、ログインと同時に公式アカウントを友だちに加えてもらう「友だち追加オプション」も設定できます(友だち追加オプション)。LINEヤフーの媒体資料でも、LINEのユーザーIDと企業内のIDを連携すると、自社サービスでの閲覧や購入に基づいたメッセージを送れると紹介されています(LINE公式アカウント媒体資料)。

つないだ後は、顧客データの側に、LINEと連携した日、友だち追加の入口(自社で付けたもの)、ブロックした日、ボタンのタップのような反応を記録していきます。こうしておくと、月次の表の①を「LINEと連携している顧客」と「それ以外」に分けて見られます。ただし、連携するのはもともと利用の多い顧客であることも考えられるので、2つの差をそのままLINEの効果とは言えません。効果として説明したいときは、配信しない顧客を一部に残し、送った顧客と比べる形にします。

LINEと連携している顧客と比べるときの注意

月次の表の①を分ける「LINEと連携している顧客」と「それ以外」
差をそのままLINEの効果とは言えない連携するのは、もともと利用の多い顧客であることも考えられる
配信しない顧客を一部に残す送った顧客と比べる

管理画面の中で持つか、自社のCRMとつなぐか

顧客の情報を管理画面の中で持つなら、LINEヤフーのCRMオプションという選択肢もあります。友だち追加やアンケートで集めた情報を一人ひとりにひもづけ、属性やタグで分けた配信や、条件に応じた自動の配信ができる、月額制のオプションです(CRMオプション)。どこまでがCRMオプションで足り、どこから自社のCRMとMessaging APIでつなぐ必要が出てくるのかは、CRMオプションでできること・足りないことで整理しています。

社内で説明するときは、上の段から話す

KPIを社内で説明するときは、月次の表と同じく上の段から話すと、LINEの施策が事業のどこに効くのかが伝わります。予約をゴールにした場合なら、たとえば次のように説明できます。

LINEの目標は、予約全体のうちLINEで受ける予約を増やすことです。毎月、予約台帳の予約数と、そのうち「LINEで予約」で受けた数と割合を報告します。そのために、リッチメニューの予約ボタンを押す人と、予約を案内する配信でリンクを押す人を増やします。あわせて、届く人数、ブロック、配信の費用が悪くなっていないかを、同じ表で確かめます。

式や締める日を途中で変えると、前の月と比べられなくなります。変えたときは、表のメモ欄に変えた日と理由を残し、比べられない月が分かるようにしておきます。

ゴールの数字を自社のデータから取り出し、LINEの数字と同じ表に並べる仕組みまで作っておくと、担当が替わっても同じ表を作れます。Aurant Technologiesでは、KPIツリーの設計から、配信の目的ごとの集計、顧客データとの連携までを、LINEの運用と連携を支援するサービスの中で一緒に組み立てています。

LINE運用・伴走支援

LINE公式アカウントの友だち獲得の設計、セグメント配信・ステップ配信・リッチメニューの構築、自動応答、CRM/MAや基幹データとの連携までを支援します。

AT
aurant technologies 編集

上場企業からスタートアップまで、数多くのデータ分析基盤構築・AI導入プロジェクトを主導。単なる技術提供にとどまらず、MA/CRM(Salesforce, Hubspot, kintone, LINE)導入によるマーケティング最適化やバックオフィス業務の自動化など、常に「事業数値(売上・利益)」に直結する改善実績多数。

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