【前編】SaaS×Webアプリでコンサル自社の業務効率化を実践!
SaaSと独自Webアプリを組み合わせたコンサル自社の業務効率化【前編】。現場で効いた構成と進め方の実践記をまとめます。
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【自社実践・前編】SaaSの限界をどう超えるか。コンサルファームが自ら実践する業務効率化の裏側
「お客様にはこう勧めるけれど、自社ではどうしているのか?」——本稿では、Aurant Technologies がどのツールをどう組み合わせ、SaaSだけでは届かない部分をWebAPPやAIでどう補っているかを、前編・後編のうち前編として具体的に公開します。
こんにちは。Aurant Technologiesです。
私たちはこれまで、お客様のマーケティングからバックオフィスまでをつなぐ「CX to Backoffice DX」の支援を行ってきました。そのコンセプトについては、代表の創業挨拶記事「美しいビジネス構造にこだわる理由」でも触れています。
さて、システム導入をご検討中のお客様から、次のような質問をよくいただきます。
「色々なSaaSや開発手法がある中で、Aurantさん自身は社内でどんなシステムを使っているんですか?」
おっしゃる通りで、私たち自身が実際に使って効果を感じていない仕組みを、お客様にお勧めすることはできません。そこで本記事(前編・後編)では、当社が自社内でどのようなITツールを組み合わせ、既存のSaaSでは手が届かない部分をどう内製化(WebAPPやAI)して日々の業務を回しているのか、ありのままにお伝えします。

出典:Aurant Technologies ブログ「【創業のご挨拶】なぜ私は「美しいビジネス構造」にこだわるのか?」掲載のビジュアルを引用。
SaaSだけでは「痒いところに手が届かない」という現実
世の中には便利なSaaSがたくさんあります。しかし、実際に自社で事業を運営していくと、次のような壁にぶつかりました。
- フローとの不一致:機能は豊富でも、自社の業務フローに合わず画面が使いにくい。
- 連携の断絶:他システムとうまくつながらず、結局は手作業でデータを移している。
- ライセンスコスト:全員にアカウントを付与すると、ランニングコストがかさみすぎる。
Aurant Technologiesの社内システムは、こうした課題を踏まえ、「SaaSの便利なところ」と「自社開発(WebAPPやAIエージェント)の柔軟性」を組み合わせた構成にしています。

出典:Aurant Technologies ブログ「kintone・Salesforce、CRM・MAだけでは足りないときはWebAPP|業務基盤の選び方」掲載の図版を引用。
1. コミュニケーションとドキュメント管理のリアルな使い分け
日常業務をスムーズに進めるための情報共有ツールは、なんとなく導入するのではなく、用途と社内の文化に合わせて使い分けています。
コミュニケーションのハブは「Slack」
社内のやり取りや、後述するシステム(採用媒体やAIなど)からの通知は、基本的にすべてSlackに集約しています。
非エンジニアメンバーの共有・予実管理は「Notion」
非エンジニアメンバーのドキュメント整理やナレッジ共有には、Notionをメインに使っています。AIエディタとしての使い勝手が良く、簡易的な予実管理などにも柔軟に対応できるのが魅力です。
一方で、他のAIエージェントと比べると大量のデータやドキュメントを一度に更新する処理にはあまり向いておらず、複雑な画面操作もできません。用途を見極めて使う必要があります。

出典:当社社内の Notion 画面キャプチャ(Aurant Technologies)。

出典:当社社内の Notion 画面キャプチャ(Aurant Technologies)。
エンジニア・マーケ中心の管理は「GitHub」と「Confluence」
開発部門やマーケティング部門が主導するプロジェクトでは、GitHubを中心にドキュメントや仕様を管理しています。個人のちょっとした開発内容もGitHubにまとめ、チームで共有するようにしています。また、社内規定などの全体管理にはConfluenceを併用し、情報にアクセスしやすくしています。
資料管理と名刺管理の工夫
提案資料や見積書などのファイル置き場にはGoogle Driveを使っています。
日々の営業でいただく名刺は、そのままにしておくと属人化しやすいため、Eight Teamとkintoneを連携させて管理しています。スマホで名刺を読み込むとデータ化され、APIを通じてkintoneのデータベースに自動で入ります。Eight側で転職や役職変更が更新された場合も、kintoneに反映される仕組みにしており、手入力を減らしつつ顧客データを最新に保っています。

出典:Aurant Technologies ブログ「kintone×freee連携の実務ガイド」掲載の図版を引用。
2. あえて「専用ツール」を使わない、フロントとセキュリティの最適解
世間では「マーケティングには高額なMAツールを」「セキュリティにはIDaaSを」と言われがちですが、私たちは本当にそれが必要かをシビアに判断しています。
Webサイトは「WordPressを自社カスタマイズ」
自社サイトからのリード獲得・運用において、外部の高額なマーケティングスイートは入れていません。汎用的なWordPressをベースに、テーマを自社でカスタマイズして構築しています。Web上の更新が比較的容易なため、ここに過剰なツール投資は不要と判断しているからです。
パスワード管理は「kintone」に集約
増え続けるSaaSのパスワードについても、専用ツールは入れていません。(※過去、組織規模が大きかった時期は freee人事労務 などを活用していたこともありますが、現在のフェーズでは最適化しています。)
現在はkintone上にパスワード管理の仕組みを構築し、必要なときに安全かつスムーズにアクセスできる環境にしています。無駄なシステムコストを抑える工夫の一つです。
パスワードやアクセス管理の具体的な設計は、組織の規模とリスク許容度で最適解が変わります。本稿は当社の実例の共有であり、すべての企業に同じ構成を推奨するものではありません。
3. プロジェクト管理・工数管理を「あえて内製化」する理由
案件受注後のプロジェクト進行やスケジュール・工数管理は、既製SaaSだと「操作がしっくりこない」「他システムとつながらない」「人数分のアカウント代がかさむ」といった不満が出やすい領域です。そのため当社では、あえて既製SaaSに頼らず、独自のWebAPPとして内製化しています。
法対応と現場の使いやすさを両立する「kintone×WebAPP」
勤怠は法的にも客観的な記録(タイムカードやログなど)が求められます。建設業では2024年問題もあり、直行直帰の現場で正確な時間を把握する必要があります。
こうした要件と現場の使いやすさを両立するため、kintoneと自社開発WebAPPを連携させています。現場の作業員向けには、kintoneで極めてシンプルな勤怠打刻アプリを用意し、スマホからワンタップで打刻できるようにしています。
出典:当社デモ動画「「kintone-Schedulerアプリ」のご提案(mp4)」を埋め込み。

出典:「kintone×freee連携の実務ガイド」掲載の画面を引用。
出典:当社デモ動画「動画プロジェクト-26.mp4」を埋め込み。
予実管理とAI分析を組み込んだプロジェクト管理
kintoneに蓄積される「誰が・どの現場で・何時間稼働したか」という工数データを、API経由で自社開発のプロジェクト管理WebAPPへ連携させます。このWebAPPはホワイトボードのような直感的な画面にしつつ、裏側ではSalesforceなどのCRMともつながっています。
Salesforceからの受注金額や契約条件と、kintoneからの実働工数をWebAPP上で突き合わせ、予実管理やコスト超過の予兆検知(AIを含む分析)に使っています。SaaSのライセンス費用を抑えつつ、現場の使い勝手・法対応・データの可視化を両立できる構成です。
出典:当社デモ動画「プロジェクト管理(無音版).mp4」を埋め込み。

出典:Aurant Technologies ブログ「「いきなりAI」はなぜ失敗する?モジュール化されたAIで営業・マーケティングを劇的に高度化する方法」掲載の図版を引用。
前編のまとめ:自社の業務にシステムを合わせる
今回は、当社が実践しているドキュメント管理の使い分けと、プロジェクト/工数管理の内製化(kintone×WebAPP)を紹介しました。
業務をシステムに無理に合わせるのではなく、SaaSの良い部分だけを使い、足りない部分や不要なコストは自社で作って連携する——これが、コストを抑えつつ業務を回すためのポイントだと考えています。
後編では、バックオフィス(会計・請求)の仕組みと、AIエージェント(Claude)を活用して1人あたりの成果がどう変わり、経営判断がどう変わったか——いちばんお伝えしたい部分に踏み込みます。
▶︎ 後編はこちら:【自社実践・後編】SaaSの限界をどう超えるか。バックオフィスとAI運用の実務
ヒーロー画像は、当社ブログ「kintone・Salesforce、CRM・MAだけでは足りないときはWebAPP」掲載のキービジュアルと同一素材です。図3・4は当社 Notion の画面キャプチャ、動画1〜3は当社アップロードのデモ素材です。その他の静止画は各出典リンク先の記事からの引用であり、著作権は Aurant Technologies に帰属します。掲載ツール名は各社の商標です。