Google広告×BigQueryでROAS改善!小売・メーカーの在庫AI活用
Google広告とBigQuery、在庫・AIを横断したROAS改善の考え方。小売・メーカー向けのデータ活用イメージを解説します。
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【導入事例】売切商品の広告を即時停止。広告と在庫をBigQueryで統合し、PDCAを「20〜30倍速」にした小売・メーカーA社の導入の裏側
広告データと在庫状況が分断され、売切れ商品への広告出稿を止められない——。そんなジレンマを抱えていた小売・メーカーA社では、BigQueryをハブに広告・在庫・EC実績を統合し、AIが「在庫僅少かつROASが低い」商品を即座に洗い出して停止判断まで支援する仕組みを導入。限られた工数をクリエイティブづくりやユーザー起点の検証に回せるようになりました。Ad-AIパッケージ導入の経緯と効果について、ご担当者にお話を伺いました。
本記事はインタビュー形式の導入事例です。小売・メーカーA社様が、売切れなのに広告が止まらないという課題をどう解いたかを、課題 → 仕組み → 効果の順で読めます。広告・在庫・ECをデータ基盤でつなぎ、AIに「見つけて・提案して・人が承認して反映」まで回すイメージがつかみやすい構成にしています。
- 何が困っていたか:広告・在庫・ECのデータがバラバラで、売切商品への出稿や判断が遅れていたこと
- 何をしたか:BigQueryにデータを集約し、Ad-AIが「止める・配分する」などの判断を提示し、承認後に媒体へ反映する流れ
- どう変わったか:PDCAの体感が20〜30倍速、無駄出稿の削減、集計に使っていた工数をクリエイティブや戦略に回せるようになったこと
- 補足:「BIをきれいにする」だけでなく、日次の業務ですぐ動ける判断と手順をどう用意したか(+αの解説つき)
- 広告・EC・在庫のデータを同じ基盤(BigQuery)に載せ、商品・キャンペーン単位で見えるようにする
- AIが「在庫が少ないのに効いていない」などルールに沿って候補を抽出し、停止・予算調整などを提案する
- 担当者が内容を確認し承認すればAPIなどで反映。集計で終わらせず、実行まで短いサイクルで回す
コンセプト図におけるAd-AIの位置づけ
Aurantが掲げる「CX to Backoffice DX with AI」は、カスタマージャーニー(認知〜継続)とオフライン/オンラインの接点、施策、バックオフィスまでを一枚に整理し、その下にデータ基盤(CDP/データウェアハウス/データレイク×分析)を置いたうえで、AD-AI/SEO-AIやCRM・MA連動などモジュール型AIを「変換点」として配置する世界観です。
本記事の事例は、そのなかで広告データと在庫・EC実績をDWH(本事例ではBigQuery)上でつなぎ、売切れなどに合わせて出稿判断を高速化する取り組みです。LINE配信やSalesforce単体の話ではなく、広告〜在庫・計画までをデータで横断することが焦点になります。

製品デモ動画と関連ページ
本記事で扱っている広告×AIパッケージ(Ad-AI)のデモ動画(MP4)を、次に掲載しています。AD×AI(広告運用最適化)のサービス詳細ページの「DEMO」欄にも同じデモを載せています。ブログ各ページのサイドバー「動画一覧」にあるAD×AI(広告×AIパッケージ)からも、同じ映像をご覧いただけます。
MP4ファイルを直接開く:AD-AIパッケージ.mp4(共有や端末への保存用。再生は上のプレーヤーのほうが安定することが多いです)
参考リンク
- AD×AI(広告運用最適化)サービス詳細(上記と同じデモに加え、FAQや導入事例も紹介)
- お問い合わせ・無料相談(Ad-AI・デモについて)
広告・在庫・ECを横断するDXで押さえる4つのレイヤー
小売やメーカーで広告と在庫を同時に扱うと、多くの現場で次の論点が重なります。インタビュー本編に入る前に、全体の骨格だけ共有しておきます。
- 課題:媒体ごとのレポートはあるが、在庫・EC実績と同じ粒度・同じIDで揃わない。
- データの置き場:BI可視化、スプレッドシート運用、CDP/DWHへの集約——どこまでを自動化に載せるか。
- AIの役割:生成(クリエイティブ)と判断(停止・入札)——期待値を混同しないこと。
- 運用と統制:AIの提案を誰が承認し、ログをどう残すか。
なぜ「BIをきれいにする」だけでは足りないことが多いか
ダッシュボードが美しくても、翌営業日にもすぐ動ける判断材料と手順がなければ、売切れ出稿は止まりません。本事例は、BigQuery上でデータを揃えたうえで、停止や予算配分など、すぐ実行できるアクションまでを短いサイクルに落とし込んだ点が要点です。
「広告は出ているが、在庫と噛み合っていない」——分断されたデータが生む無駄な出稿
私たちはECと小売を展開しており、複数の広告媒体でプロモーションを行っています。しかし、広告の成果データと在庫状況・ECの売上データがそれぞれ別システムにあり、日々「何が本当に利益を生んでいるか」「どの商品の広告を止めるべきか」の判断に、集計だけで数日かかっていました。
その結果、在庫が僅少なのに広告を出し続けてしまったり、逆に売れ筋なのに予算を十分に回せていなかったり——。データは「ある」のに「活かせていない」状態が続き、機会損失と無駄な広告費の両方が発生していました。
週次や月次のレポートを待ってから判断する「後追い」が当たり前で、昨日の広告結果が今日の在庫判断や入札調整にすぐには反映されませんでした。また、どの広告を止めるか・伸ばすかは担当者の経験と勘に頼る部分が大きく、属人化していました。限られた人員で、集計作業と判断の両方を回すのが限界に達していました。
※機会損失と無駄な広告費の両方が発生
BigQueryをハブに据え、AIが「判断」と「アクション」を提示する仕組み
「単にダッシュボードを見やすくする」のではなく、広告・在庫・ECのデータを一元的に扱い、AIが「このキャンペーンは即時停止」「このターゲットは予算を拡大」といった具体的なアクションまで提示してくれる点に惹かれました。既に社内でBigQueryをデータ基盤として利用していたため、BigQueryをハブに据えてデータを集約し、その上でAIディレクターとAIデザイナーが連携する——という設計が、現実的かつ拡張しやすいと感じました。
また、AIの判断を人間が承認してから反映する「ハイブリッド型」で導入できるため、いきなりAI任せにするのではなく、段階的に信頼を積み上げながら運用できる点も安心材料でした。
・EC実績・在庫
→
BigQuery
(DWHハブ)
→
AIディレクター
(判断・指示)
→
即時停止
・予算調整など
広告媒体・EC・在庫のデータがBigQuery上で統合され、AIが「在庫僅少かつROASが低い」商品を自動でピックアップし、停止判断を提示してくれます。人間はその提案を確認し、承認すればAPI経由で広告側に反映。以前なら数日かけて集計し、会議で議論してから決めていたことが、日次〜リアルタイムに近いサイクルで回るようになりました。入札単価の調整や、不調キャンペーンの即時停止、良好パターンの予算拡大など、具体的なアクション量が格段に増えました。
PDCAが20〜30倍速に。削減した工数を「本来やるべき仕事」に再配分
PDCAのスピードが、体感で「20〜30倍」になったと感じています。情報の集約から判断、実行までのフィードバックループがAIによって劇的に圧縮され、売切商品への無駄な出稿はほぼなくなりました。加えて、AIデザイナーによるクリエイティブの自動制作も導入したことで、検証できるクリエイティブの数(アクション量)が従来の約10倍に増え、どの訴求が効くかの試行錯誤が一気に進みました。
「データの集計・転記」に割いていた時間がほぼ不要になり、その分をクリエイティブの考案や、ユーザー理解・仮説検証といった本来やりたかった仕事に回せるようになりました。議論の中心も、「数字の確認」から「なぜこの結果になったか」「次の戦略は何か」に移り、チーム全体の生産性と納得感が上がっています。
| 項目 | Before(導入前) | After(導入後) |
|---|---|---|
| データ | 広告・在庫・ECが分断 | BigQueryで一元統合 |
| 判断スピード | 週次・月次レポート待ち | 日次〜リアルタイムに近いPDCA |
| アクション | 担当者の手作業・勘に依存 | AIが即時停止・予算調整などを提示し、承認後に反映 |
| 工数の使い道 | 集計・転記に大半を消費 | クリエイティブ考案・ユーザー理解・戦略立案に再配分 |
次のステップ:クリエイティブ検証とユーザー理解への投資
今回の導入で、「データがあるだけ」の状態から「データを活かして判断し、実行まで繋げる」状態に一気に近づけたと実感しています。次のステップとしては、AIが提示するアクションの精度をさらに高めるため、タクソノミーや計測設計の見直し、そしてクリエイティブの検証密度をさらに上げることに投資していきたいと考えています。Aurant Technologiesさんには、データ統合からAIの学習・チューニングまで、引き続きパートナーとして伴走していただきたいです。
「データの集計・転記」に割いていた時間がほぼ不要になり、その分をクリエイティブの考案やユーザー理解に回せるようになった。PDCAが20〜30倍速になり、売切商品への無駄な出稿はほぼなくなりました。
A社 ご担当者様
【+α】Ad-AIパッケージが狙う「判断の自動化」と人の承認フロー
広告×AIの解説では、クリエイティブの自動生成にばかり注目が集まりがちです。本事例とパッケージのねらいは、生成の手前にある停止・配分・再開といった運用判断を、DWH上の統合データから短いサイクルに落とすことです。
3層に分けると説明が通りやすい
- データ層:広告・在庫・ECをSKU/キャンペーンIDで揃え、時系列と欠損ルールを固定する。
- 判断層:「在庫僅少×ROAS低下」など、ビジネスルールをコードとログで再現可能にする。
- 実行層:APIで媒体に反映——その前に人の承認を挟むかどうかをフェーズ設計する。
この3層は、モジュール化されたAI(記事:営業・マーケのAIモジュール事例)と同じ思想で、広告ドメインに特化した実装として位置づけられます。CX to Backoffice の文脈では、広告の無駄打ちを止めることが、そのまま在庫・キャッシュ・経理側の計画精度にも効いてくる、という読み方もできます。
編集部注:検索・市場データの切り口と、AIと人の分担
本記事のように広告・在庫・ECをデータ基盤で横断できると、判断から実行までのループは大きく短くなります。実務の現場では、あわせて検索クエリ単位の実績と、マーケットプレイスが提供する市場ボリュームやブランド表示(インプレッションシェア)を突き合わせると、「どの意図の検索に予算を厚くできるか」が議論しやすくなる、という切り口も有効です。
このとき重要なのは、集計期間の日数が異なる比較では日割りで読むこと、またキャンペーン/ターゲット単位の指標と検索クエリ単位の指標は母集団が異なるため、良し悪しを同じ表で直結させないことです。期間や定義がズレている場合は、資料に注記を残し、判断を限定するのが安全です。
AIに任せやすいのは、差分の抽出・一覧化・ラベル付けの下準備・クリエイティブ案のたたき台など反復しやすい工程です。一方、予算配分・ブランドトーン・承認・計測の解釈は人が持つ——本記事の「AIが提示し、人が承認して反映」と同型の分担にすると、現場が回りやすくなります。キーワード最適化だけでなく指名検索の取り方、訴求の論点ずらしとLPでの回収、試行の回数(PDCAの速度)までセットで語れると、次の打ち手の優先順位が揃いやすい、というのが支援側の実感です。
社内のナレッジ運用では、上記のような週次レビューの手順や検索・市場データの読み方を再利用できる形で残し、記事のリライト時には Notion の記事ナレッジへ追記してプロンプトに渡しています。編集部注の論点は、過去の提案やプレイブックから整理した再利用可能な枠組みであり、クライアント固有情報は含めません。
広告・在庫・ECをつなぎ、PDCAを短いサイクルにしませんか?
Ad-AIパッケージでは、BigQueryをハブに据える前提で、貴社のデータ環境と課題をヒアリングし、AI導入に伴う収益面のシミュレーション例も整理してお示しします。
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※本記事は実際の導入事例をもとに構成しています。企業名は匿名化し、表現を調整している部分があります。