【完全版・第2回】freee会計の初期設定フェーズ。開始残高のズレを防ぎ、マスタを連携させる絶対ルール
freeeの初期設定で押さえる事業所・勘定科目とタグ・口座同期・開始残高・仕訳インポートの要点を解説。
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【完全版・第2回】freee会計の初期設定フェーズ。開始残高のズレを防ぎ、マスタを連携させる絶対ルール
こんにちは。Aurant Technologiesです。
「freee会計 完全導入マニュアル」の第2回です。第1回の「導入計画・準備編」で策定した緻密な移行プランとタグ設計図をもとに、いよいよfreee会計のシステム環境を構築していく「初期設定フェーズ」に入ります。
このフェーズの目的は、単に会社情報を入力することではありません。旧会計ソフトから過去の資産(残高とマスタデータ)を引き継ぎ、「freeeが自社の会計ソフトとして正確に機能するための強固な土台」を完成させることです。ここでボタンを掛け違うと、日々の業務がすべてエラーとなり、最終的な決算が組めなくなるため非常に重要です。
1. 事業所の設定(基本情報の登録)
まずはfreee会計の「器」を作ります。会社名、所在地、法人番号などの基本情報を入力しますが、ここで絶対に間違えてはいけないのが「会計期間(事業年度)」と「消費税の課税方式」の設定です。これらは一度設定して取引を登録し始めると、後から変更するのが非常に困難になります。
2. 勘定科目とタグ(マスタ)の設定とマッピング
旧ソフトの勘定科目マスタを、freeeの勘定科目体系に紐付けます。freeeには標準的な勘定科目が最初から用意されていますが、自社の実態に合わせてカスタマイズが必要です。
【超重要】旧ソフトの「補助科目」をどう分解するか
旧ソフトの補助科目を、そのままfreeeの勘定科目として大量に新規作成してはいけません。以下のルールでfreeeの「タグ」に分解して登録・マッピングを行います。
- 旧ソフト: 科目:売掛金 / 補助科目:A株式会社
- ↓ 分解・再構築
- freee: 科目:売掛金 / 取引先タグ:A株式会社
この「マッピング設計(変換テーブルの作成)」が曖昧なまま進めると、後に行う過去データのインポートがすべてエラーで弾かれる、あるいは不要な勘定科目が乱立してレポートが使い物にならなくなります。
3. 口座の登録 / 口座同期(API連携)の設定
freee最大の強みである「自動で経理」を実現するために、銀行口座やクレジットカードを登録し、API連携による明細の同期設定を行います。
同期設定において「過去〇ヶ月分の明細を取り込む」といった設定を無計画に行うと、旧システムですでに記帳が終わっている過去の入出金データまでfreeeに取り込まれてしまい、残高が二重に計上される原因となります。同期を開始する日は、原則として「freeeで運用を開始する事業年度の期首日」または「移行日」を厳密に設定してください。
出典:銀行・クレジットカードの同期設定を行う – freee ヘルプセンター
4. 開始残高の設定(B/Sの引き継ぎ)
新しいシステムを動かすための「初期ステータス」を入力します。freeeの利用開始日「前日」時点の各勘定科目の残高(貸借対照表:B/S)を、1円の狂いもなくfreeeに設定します。
開始残高とは、帳簿づけを開始する直前における各勘定科目の残高です。特に売掛金や買掛金、未払金などを設定する際は、総額だけでなく「どの取引先にいくら残っているか」という内訳(取引先タグや品目タグ別の詳細)を登録することが強く推奨されています。これを怠ると、導入後に発生した入出金との消込作業がシステム上で行えなくなります。
出典:開始残高を設定する – freee ヘルプセンター
開始残高の登録画面を使わず、安易に「振替伝票」を使って
(借方)売掛金 / (貸方)前期繰越利益 と手打ちしてしまうと、freeeのシステム上「未決済取引(請求・支払のデータ)」として生成されません。その結果、後日銀行に入金があった際に消し込む対象が存在せず、経理がパニックになります。必ず「設定 > 開始残高の設定」の専用画面から内訳を登録してください。
5. 仕訳データのインポート(期中移行の場合)
事業年度の途中(期中)からfreeeに移行する場合は、期首から利用開始日前日までの「過去の仕訳データ」を、旧ソフトからfreeeへインポートする必要があります。
この作業は難易度が高く、消費税区分の不一致やタグの未設定により大量のエラーが発生しがちです。Aurant Technologiesでは、弥生会計や勘定奉行からfreeeへ安全にデータを移行するための変換ツール(独自開発の変換スクリプト等)を用いて、エラーのない確実なデータ移行を代行しています。
ここまでの初期設定が完璧に完了すれば、freeeは「ただの空箱」から「貴社専用のエンジン」へと変貌します。
次回、第3回では、このエンジンを日々の実務でどう回していくか。「日次業務(自動で経理)と為替差損益の極意」について解説します。
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